2023年7月に読んだ漫画

タイトル巻数評価
< 新刊 >
  冒険王ビィト 17  ☆☆★
  軍靴のバルツァー 16  ☆☆☆
  異剣戦記ヴェルンディオ  ☆☆★
  Q.E.D.iff ―証明終了― 25  ☆☆
  ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事帖〜  ☆☆
  はじめの一歩 138  ☆☆★
  あおざくら 防衛大学校物語 29  ☆☆☆★
  ブルーピリオド 14  ☆☆★
< 既刊 >
  転生したらスライムだった件 13  ☆☆★
  こちら葛飾区亀有公園前派出所 65  ☆☆
  こちら葛飾区亀有公園前派出所 66  ☆☆
  ROOKIES 11  ☆☆★
  ROOKIES 12  ☆☆★
  ノー・ガンズ・ライフ 10  ☆☆
  ノー・ガンズ・ライフ 11  ☆☆
  Infini-T Force 未来の描線  ☆☆★
  ULTRAMAN  ☆☆
  東島丹三郎は仮面ライダーになりたい  ☆☆★
  新米オッサン冒険者、最強パーティに
  死ぬほど鍛えられて無敵になる。
 ☆☆★
  違国日記  ☆☆★
  百姓貴族  ☆☆★

 

【冒険王ビィト】
 対ヒスタリオ戦、最後の止めはブルーザムのボルティックアックスで吸い込むやつ。これが上手く使えるならこの先全部これでいいじゃん、ってなりそう……今後大丈夫かな? もっとも今回に関して言えば、正気を取り戻したライオの見せ場を作るためのチョイスと思われる。ヒスタリオの「嗚呼……ライオ!」は15巻のコミックサブタイトルに呼応したものだろう。ボルティックアックスに吸い込まれたヒスタリオは何もない空間を永遠に彷徨うことになるわけだが、これは『ジョジョ』第二部の結末を思わせる。カーズは最後考えるのを諦めたようだが、ヒスタリオは永久に嘆き続ける……? ま、あんまり似せちゃうとパクりって言われちゃうしね。
 お次はいよいよベルトーゼの番。前にも書いたが、ラスボスっぽい相手がこの位置にいるのが現状『ビィト』の物語を考えるにあたって不思議なポイント。ロディーナが最後なのには何かワケがありそうで(それも彼女の仕込みっぽいし)、全ての魔人を統べるっぽい存在(8巻に出てきたダークネス・アイズ(以下「暗黒瞳」))がいるのも不気味なところ。もひとつ不思議だったノアについては、今回シャギーと仲違いしていたようなので、シャギーと戦う役目になりそうだ。そもそもシャギーは強いのか弱いのか分からなかった……考えたこともなかったのだが、今回で「強い」ということになりそう。
 整理すると、16巻時点で魔人側にはヒスタリオ(17巻で撃破)、ベルトーゼ(宿敵)、ロディーナ、ノア(ビィト打倒戦線からは離脱)、それから暗黒瞳が残っていたが、17巻でヒスタリオが消え、代わりにシャギーが浮上。但しシャギーと戦うのが立ち位置不明だったノアとなれば、ビィトたちの残りは戦闘回数はベルトーゼ、ロディーナ、暗黒瞳の3者。ただ順番については、ロディーナがベルトーゼ戦の前に横槍入れてきそうな気もする。ロディーナが何か仕込んでそうな描写はあったし、物語の盛り上がりを考えるとやっぱりベルトーゼとはラスト付近で戦って欲しいしね。で、仮に予想が当たって、ノア対シャギーとなったとして勝つのがどちらになるのか。シャギーが勝ったらやっぱりどこかでビィトと戦うことになりそうだし、ノアが勝った場合は何らかの真実に気付き、暗黒瞳と戦うときにビィト側に与しそうな気がする。バロンも生き残ってるし、ビィトが暗黒瞳と戦うにあたっての何らかの障害をバロン&ノアで取り除く、みたいな話の流れは有り得そうだ――以上、外れまくる私の展開予想でした(笑)

【軍靴のバルツァー】
 前の巻で、 クアッドなんたらを順番に撃破していくというありきたりで退屈になりがちな展開を危惧していたのだが、その辺はテキトーに処理というか中途で置いたまま戦争は膠着状態へ移り、巻末では「2年経過」。この後の話の持って行き方次第だが、現時点では上手いこと処理したように見える。尤もこのままだと、今度はクアッドなんたらを出した意味について考えないといけなくなるが(笑)
 直前に『Re:ゼロ』の34巻を読んでいたせいか、アウグスト殿下……じゃなく大統領がバルツァーを殴るとこ見て「こういうのが流行りなのかな?」と思ってしまった(笑) 『Re:ゼロ』ではスバルとアベルことヴィンセントと殴り合いになるわけだが、流石に本作ではバルツァーは立場上反撃できない。
 ドでかい列車砲が出てくる。射程30kmとかちょっとしたファンタジーだよな……と思ったら現実にそういうのあったらしい(巻末付録によるとプラス100km弾を飛ばせるのがあって、そちらのデザインにしたかったが130kmではバルツァーが対処できないのでボツになったとか)。ドーラって聞いたことあるなあ……そう、名前は『ラピュタ』で有名になったやつ。それが列車砲の名前であると私が知ったのは随分後になるが。線路2本(複線という意味)で運搬するようだが、最小通過半径が気になる。鉄道模型は概ね実物よりカーブがきついので、模型化すると1/87にしても1/160にしても直線番長になりそう。単線で運べる列車砲は確か模型があったような……? あと、電化区間が走れないね(架線に引っ掛かる)。とか、そういうところを気にする鉄道オタクの私でした(軍オタ兼任してる人ならとっくにやってる考察)。線路潰して撤退(バルツァーが当初出した案だが、却下された)するなら、線路に地雷を仕掛けて列車砲が来た時にドカンの方が良さそうなもんだが……と思ったけど、地雷はまだ人の手で起爆させなきゃいけないんだっけか。地雷そのものでは列車砲そのものの破壊は難しそうだけど、横転させたらもう二度と起き上がれないだろう……脱線だけで横転させるのもちと無理か。

【異剣戦記ヴェルンディオ】
 刊行ペースが遅いせいか毎度毎度「どういう話の流れだっけ」となって、読み返したりする。で、今回再確認した事項。ごく初期に一度だけコハクがクレオのことを「クレオ・ヴェルンディオ」と呟くように呼ぶシーンがあるが、クレオ自身は自分のフルネームを名乗る場面はない。戦災孤児であるが故に自分のファミリーネームを知らないのか。クレオとは別のヴェルンディオという人物も出てきているが、「ヴェルンディオ」がファミリーネームではない可能性も?
 魔術習得のためにイメトレをするクレオだが、瞑想の中で物語の核心に迫る場面が出てくる。「人と化け物の戦争」「剣を打つ鍛冶師」――おそらく異剣は元々化け物と戦うための武器だった。以下想像。序盤は化け物に対して非勢であったが、鍛冶師ヴェルンディオが生み出した異剣により人類が勝利する。目的がなくなった異剣は封印されるが、クレオが傭兵をやっていた頃から少しずつ流出し始める。本編で時々シーンが挟まる剣士ヴェルンディオは、復活の兆しを見せる化け物との戦いに備えて異剣を再結集させている? それでも数が足りない(全数回収できなかったか一部が失われていたか)、使い手が足りないなどの理由で、コハクが視た未来では人類は敗北する? 剣士ヴェルンディオはあくまで鍛冶師ヴェルンディオの子孫であり、異剣の適正はあっても新たに生み出す力はない? クレオが希望の光なのは、異剣の力を増幅させる能力があるから? クレオがヴェルンディオとどういう関係なのかは分からないが、目の傷の位置が同じなのは偶然ではない?

>(カバー表紙折り返し)パンダの尻尾の色
なんかそういう話を『はじめの一歩』で見たような。パンダが初来日するときにグッズを作ろうとしたけど、その時点では正面からの写真しかなくて尻尾の色が分からなかった。想像で黒く塗ってしまい出来上がったのはパンダもどきのぬいぐるみ……って酔っぱらった伊達さんが得意げに語ってくれた。

【Q.E.D.iff ―証明終了―】
 量子コンピューターに付いて少し詳しくなった。何となくだが、CPUに対するGPUみたいな感じなのかな? 量子ビットを壊さず中身をチェックするというのは、どこかの猫を思い出す。サインコサインタンジェント〜♪
 後半の話は「205x年」ということで大人になった燈馬くんと水原さんが出てくる。というところで疑問。この漫画「現在」時間軸では一体何年なんだろう? 現実と同じ2020年頃だとすると、2050年では30年以上経っているので2人はアラフィフになる。ところがそんなに年を取ったようには見えないので、逆算すると2040年代か。但し江成さんが警部になっているので、見た目より年齢行ってる可能性もある(盛田も部下として働いているようだが、例の3人組で長家だけ出てこないのが気になる。もしかして私見落としてる?)。で、それなのに主人公2人の間に進展がなさそうなのはどういうこっちゃ。あと、2050年代の話なのにUSBフラッシュメモリの端子がAタイプ。30年後にどんな規格が主流になっているか分からないが、せめてそこはタイプCにしとこうぜ。

【ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事帖〜】
 『Q.E.D.』加藤元浩の新作。今回は再びミステリー路線で、『Q.E.D.』『C.M.B.』同時連載時の体制に戻ったわけだが……正直『Q.E.D.』一本に集中して頑張って欲しいというのがファンとしての感想。本作は果たして特色を出していけるか。

【はじめの一歩】
 結局作者は一歩を復帰させる気があるのかないのか。

>できれば20年ぐらい練習させて絶対勝つ確信の上でデビュー
20年も経ったらデビュー前に引退しちゃうよ!

>マーカス・ロザリオ
なんか『ジョジョ』に出てきそうなキャラデザ。しかしどういう髪型?なんだ。

【あおざくら 防衛大学校物語】
 前回「表紙のタイトルロゴの一部がキャラ絵に隠れてる!」って話をしたが、今回はタイトルロゴが透ける演出になっている。この辺は作者じゃなくデザイナーがやってるようだが、色々と考えるものだ。
 防大はお酒持ち込み禁止……なのは割と分かるのだが、漫画もダメとはなかなか厳しい(単純に橘雪翼が漫画好きだから出てくる感想)。先日ネットで、自衛隊基地か何かはアニメグッズの持ち込みダメって書いてあるのを見て、この漫画でフィギュアとか隠し持ってる人がいたなあと思い出したり。その芹澤は裏表紙でアニメキャラのパネル?抱えて移動中なのだが、もろにアウトなんじゃあ……ここまで堂々としてるってことは逆にセーフなのか? というかどういう状況なんだよ。開校祭の準備……はまだちょっと早いよな? あと、多分敷地内だからいいんだろうけど、公道だったら片手運転で安全努力義務違反だし。
 他大学から学科の講義をしに来ている徳川教授。防大生の普段の様子を知るための「学生舎生活研修」を受けることになる。最初は本当に見学と言った感じ(俗に言うイージーモード)なのだが、防大生の授業以外での姿を見て火が付くあたりまだまだ心はお若い。自ら“体験入学”(防大的にはノーマルで、一般人的にはハードモード)を申し出るが、ここでやりすぎるのが沖田という学生であり、沖田の沖田たる所以。漫画的にはオチ担当ということか。

【転生したらスライムだった件】
 というわけで(先月の続き)1巻まるごとシリアス展開。それを考慮してか、これまでコメディ色強かったおまけページも縮小&自重という徹底ぶり(?)。
 エルフ族に伝わるおとぎ話として「死者蘇生」の方法が語られるが、リムルはそれがミリムの過去であろうと推測する。ミリムはリムルに「どうして魔王になったのか」と聞かれて、「嫌なことがあって? ムシャクシャして?」と遠い過去の記憶を思い出そうとして答えていたが、なるほどこれは辛い記憶を封印した感じなのかもしれない。リムルよ、あれ下手すると地雷踏んでたかもよ……。

>1万人分の人間の魂を生贄に
なるほどこれが魔物の魂でもオッケーならユナも魔王になれそうだな(違う漫画)。

【ROOKIES】
 私の読みとしては、笹崎戦が最終戦となって完結……だったのだが、12巻最後で9回裏。うーん、長引いても13巻中頃には決着付きそう。あとの1冊何やるんだろ? あっ? 同点になって延長戦入るのか? 結局川上は打者としては安仁屋とまともに対戦してないし。

【Infini-T Force 未来の描線】
 タァケシィ〜! 見損なったぞ! 何か前の巻よりヤバイところへ堕ちてしまった……「クライムファイター」だからこういうところでは弱いのかな。そして割とショッキングな事実、主人公(エミ)はもう死んでいた。何か想像より暗い物語になってきた。

【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい】
 怪人との戦いが始まる……がここで東島丹三郎の悲しい?過去が明らかになる。っていうかコイツ高校生時代から無茶苦茶強いやんけ。油性マジックで描いたライダーベルト……せめて腹巻とかなかったんだろうか?(そういう問題?) 「この後学校で東島と口を利く者はいなくなった」は、一葉のケースでは二葉が巻き添えで被害者になったが、丹三郎は一人っ子だったのだろうか。にしては「丹“三”郎」だしなあ。ま、その辺は追々明らかになるかもしれないし、ならないかもしれないけど、その時の楽しみにしておこう。

【新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。】
 徐々にエンジンかかってきた。こっからが面白い!

>一ヵ月40試合なら修行の50分の1ぐらい
むしろこの人の修行が一ヵ月2000試合相当みたいな軽いもんじゃなかっただろうと言いたい。

>(おまけページ)99…100……リックさんなら10万回くらいやりそう
確かに腹筋10万回ぐらい余裕でこなしそうだが、その前にこの子冒険者だったら100回は余裕でこなさないと。

【違国日記】
 うなぎ笑った。

>弁護士塔野(朝の後見人)
思ったことがそのままストレートに口に出るタイプ? 弁護士がそれで務まるのだろうか……漫画的には面白いからいいんだけど。

>まっくぶっくぷろ
この単語2回出てくるのだが、どうしてひらがな表記なんだろうか。商標的なアレ? 笠町くんは「俺が買い取ってもいいけど」というが、30万円のものさらっとそれ出来るのすげぇな。お金持ちかよ。ま、元恋人の前でいいカッコしたいってのがあるかもしれないけど(笑)

>(おまけページ)部屋それぞれ
これ、一番左の一番汚いのって弁護士の塔野さん? 弁護士なのに!?(弁護士は部屋を綺麗に片付けているという偏見) ってか「ものを置いた場所を忘れます」ってダメだろそれー。部屋汚いヤツってのはとっ散らかっても置いた場所は覚えてるもんだよ。忘れるわ部屋汚いわじゃ収集つかなくなっちゃうでしょ。

【百姓貴族】
 『鋼の錬金術師』で有名な荒川弘の作品。アニメが始まったとかで、電子書籍が半額になっていたので買ってみた。内容は「リアル八軒」……『銀の匙』がこの体験を元に描かれてるのがよく分かる。あ、でも八軒勇吾は一般家庭出身だからまた視点が違うか?

―――――
 『ないない堂』は発売日に行ったら売ってなくて、聞いたら来週入る予定だったので改めて買いに行った。過去にもあったパターンだが、発売日に入らず1週間後ぐらいで入荷するのって何なんだろう? その後『あおざくら』の発売日、私は風邪で寝込んでいて翌日にならないと買いに行けなかった。1日遅れだが無事残ってくれていて良かった。多分いつも1冊だけ入荷してそれを買うのが私なのだろう。尚、『ないない堂』はこの時一緒に買った。
 半額の誘惑に釣られて『百姓貴族』を何冊か買うつもりになっていたのだが、自重した。半額だからって何でもかんでも買えばいいってもんじゃない……と“今回は”冷静になることができた。この次のケースでどうなるかは分からん。ま、作品の魅力度にもよるし、その辺はその時々の判断で行こう。

(2023.07.31)
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