2023年第2四半期頃に読んだ小説

  
 第2四半期とあるけど、『悪役令嬢』1巻はほぼほぼ3月(第1四半期)に読んだもの。あと、今月読み始めたもののまだ中途半端で読み終えてないのが2冊あったりで、あまり「四半期」という括りは良くないかもしれない。

【許嫁が出来たと思ったら、
その許嫁が学校で有名な『悪役令嬢』
だったんだけど、どうすればいい?】
 改行位置は例によって奥付準拠です(笑) っていうか何このセンスないタイトル。「許嫁が〜」ってのが2回も出てくるじゃん。最後の「どうすればいい?」も投げ遣り。どうとでもしろよ。いっそ開き直って「学校で有名な『悪役令嬢』が許嫁になったんだけど、どう愛でればいい?」ぐらいにしたらいいのに。ホビージャパンに怒られても俺は責任取らんが。
 例によってイラスト担当者が「みわべさくら」で、かつメ□ンブックスが特典付きのを売ったので買ってみた。イラストは非常にいい。イラストは。長らく放置していたのだが、2巻が出るとなってとりあえず1巻を読むことにした。概ねあらすじはタイトル通り……と言いたいところなのだが、ヒロインとして悪役令嬢こと桐生彩音以外に幼馴染が2人も出てくる。タイトル詐欺だろ。「幼馴染の女の子が2人いて困ってたところに追加で悪役令嬢が許嫁になったんだけど、どうすればいい?」だろ。しかも、これは私がそう感じるだけなんだろうけど、幼馴染の2人の顔と名前が覚えられん。どっちがどっちだったっけ……って考えながら読むから没入感がゼロどころがマイナス。さらにそこに後輩まで出てきてもう大混乱。勘弁して。
 で、だ。幼馴染が2人いたところにさらに許嫁ができるわけ。普通なら修羅場になりそうなところ(幼馴染が2人どころか1人いるだけでも普通じゃないし、許嫁がいるもの普通じゃ考えられないが)、この2人が妙に物分かりがいい。こっちは訳分からん。

【Re:ゼロから始める異世界生活33】
 はいー、予想した通り……予想以上にほぼ何も解決しないまま第七章完結! っていうかこれ、章の完結でいいの? 七章前半とかが良かったんじゃないの? ま、それはともかく。
 スバルは小さいままだしレムの記憶もそのままで次章へ突入する。某日本ファルコムの何とかの軌跡を思わせる雑な終わり方。とは言え、閃のなんたらがゲーム1本だったことを考えると、本作は3ヵ月後に続きが出る……章立てしてるものの実質「次巻へ続く」程度なだけマシか。そしてこの巻も主人公のシーンは少ない。どちらかというとチシャが主役。何故彼が反乱を起こしたのかが語られるのだが……予想外のどんでん返しが待っていた。すっげぇ冷めたヤツと思わせておいて実のところ、かなりの熱量を秘めた忠誠心がそこにあった。ヴィンセント・ヴォラキアの身代わりとして死を受け入れて、そこから始まる「大災」を本物のヴィンセントに託して退場となったのである。天晴!

【許嫁が出来たと思ったら、
その許嫁が学校で有名な『悪役令嬢』
だったんだけど、どうすればいい?2】
 はいとゆーわけで2巻です。
 あのさ、せめて『悪役令嬢』桐生彩音中心で話進めてよ。2巻にして早くもネタが尽きたのか、幼馴染2人との関係性が主軸となったストーリーが展開される。帯に「他の子にばっかり、よそ見してたらヤ、だよ?」っていうセリフが書かれているが、よそ見してるのは作者自身だろーっ!!!
 しかし表紙イラストはとても良い。非常に良い。特典タペストリーのために買った甲斐があるというもの……なのだが、特典は値段なりの品質で、しかも折り畳まれて送られてくるので折り目が気になる。後日これらのイラストを使ったグッズが展開されることに賭けて、小説本体はもう買わなくていいかな、とか思ったり。

【朝比奈うさぎは報・恋・想で推理する】
 確か去年ぐらいに「うさぎ」の文字に反応して買ってみた小説。ライトノベルではありません。何も知らずに買ったんだけど、どうやら2冊目続編のよう。でもとりあえず話が分からないということはないので読んでみた。
 ヒロインである朝比奈うさぎのキャラがキツすぎる……。どうやら主人公望月迅人にベタぼれぞっこんのようだが、その度合いがストーカーで病的。主人公は一応探偵なのだが、殺人事件に巻き込まれて容疑者として警察にマークされてしまい、真犯人をうさぎが推理するという流れ。その流れの中でしきりに「迅人さんはうさぎのことが好きなのですね」というフレーズと共に、その根拠をこじつけも甚だしいレベルで語り出す。
 一応最後の最後は迅人本人が推理して事件を解決するのだが、その最中にうさぎが割り込んできて作者の言葉遊びが炸裂する――何というか疲れる作品だった。1作目? もちろん買わないよ。

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 というわけで今回は以上4冊。現在『クラなつ』と『Re:ゼロ』の最新刊を並列して亀の歩みの如き速度で読み進めている他、『陰陽師』が手付かずで残っている。あと、予約をしそびれて特典付きが売り切れるという愚を犯し、二次出荷待ちの『才女のお世話』が7月到着予定。次の「第3四半期」はこんな陣容になりそう。

  ――参考
【Re:ゼロから始める異世界生活 Re:zeropedia 2】
 名前の通り『Re:ゼロ辞典』といった感じの文庫本。一冊目は買っていないが、本編33巻と一緒に発売された二冊目を買ってみた。第四章から第六章の内容をまとめてあり、その間の登場人物(既存含む)の紹介も含まれている。本作は主人公ナツキ・スバルが何度も死に戻りを繰り返して難関に挑戦するので、どの周回でどんなヒントを得て次に活かしたのか、というのが後々思い出せなくなる。そういったところが図表にしてあって振り返るのに最適……と思わせて、読んでも記憶が呼び覚まされないところがある。一体何故だ……。その辺は所詮自分で、拾い読みでいいから本編を読み直してまとめるしかないのだと思う。
 人物紹介のところ、女性キャラはスリーサイズがないのだが、体重も誤魔化されている。エミリアの場合は「羽のよう」(ちなみにハーフエルフの彼女の場合年齢も秘密になっている)。「羽」といえば「フェザー」、ボクシングで「フェザー級」は「122〜126ポンド」……約55〜57kgってことだな?(絶対違う) ラムは「膝に乗せても重くない」(ロズワールの膝に乗ってるシーンがあったなあ)、レムは「鉄球よりは軽いように思える」(あのトゲトゲ付いた殺傷能力高いやつ……げっ、あれレムより重いのか!)、ベアトリス「広辞苑より重い」(そこはえろほ……「叡智の書」じゃなくて?) ……といった具合。メインに近いキャラなのにそもそも体重の項目がなかったりする人物もいるのだが、そこはまあネタがなかったから、ということにしておこうか。ちなみにフェリスのみ男性キャラで体重の欄もあるのに数字が書かれていない。
 あとは用語集があったり、ちょっとしたおまけっぽいページもなくはない。これを見て1冊目を買うかどうかは……うーん、微妙なところ。

(2023.06.27)
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