Last Update 2006.1.14 22:00


SoftBankとWillcomの音声通話定額プランを比較してみるページ

 先日ソフトバンクよりゴールドプランに続いてホワイトプランという音声通話定額の料金コースが発表された。未知の部分も多いがラブ定額やウィルコム定額プランとの料金比較を行い、その安さを検証する。なお、ここでは月額料金を中心に比較する。実際には使用者の地域(エリア)・家族割引サービス・契約期間・使用端末等によって、どの選択が得かということは変化する事をはじめに明記しておく。
 各料金の調査にはソフトバンク9月号(関東地区)カタログ及びソフトバンクのウェブサイト、ウィルコムのウェブサイトを使った。ソフトバンクは3G向けサービスの料金。また特に記載のない場合、全て税込みの料金。

1.基本料金
ソフトバンク ウィルコム
料金コース名 ライトコールパック+Love定額 ゴールドプラン ホワイトプラン ウィルコム定額プラン
基本料金(契約1年目) 3126円
(スーパーボーナス併用)
6048円
(ゴールドプラン継続割引/家族割引使用)
980円 2900円
必須オプション金額 315円(Love定額) なし なし なし
合計金額(※1) 3441円 6048円 980円 2900円
基本料金に含まれるサービス 指定相手先1件への音声通話・SMS(電話番号宛のメール)
ソフトバンクの携帯電話すべてへの音声通話・SMS・MMS(共にソフトバンク宛のメールに限る
ただし21〜1時の音声通話はひと月あたり200分が上限でそれ以上は従量課金される
1〜21時までのソフトバンクの携帯電話すべてへの音声通話・すべての時間帯でのSMSとMMS(共にソフトバンク宛のメールに限る 070ではじまる全ての番号への音声通話・ライトメール(電話番号宛メール)及びすべてのEメール
ただし1回の通話が2時間45分を越えると従量課金される
 上記の金額は、音声通話の定額サービスを契約する上で必要な最低の月額料である。ラブ定額(オプション)は他の料金コースでも組み合わせる事が出来るが、ここでは最低額を出すために、最も月額料金の安いライトコールパックを採用した。またゴールドプランは07年1月15日までに契約した場合は2880円だが、キャンペーン期間ももうじき終了のため若干フライングだがキャンペーン終了後の価格を使っている。

 各サービス共に利点・欠点があるため単純な比較は難しいが、単に料金の安さで言った場合にはホワイトプランが一番となる。ただしライトコールパック+ラブ定額には1050円分の無料通話が含まれることや、ゴールドプランには夜間に200分の無料通話(ただしソフトバンクの携帯電話への音声通話に限る)があり、使い方次第ではこれらの方が安くなるだろう。

 ラブ定額のオプションとウィルコム定額プランの魅力は、すべての時間帯で通話無料の点だろう。仕事で使うなら日中の通話が多いと思われるが、個人契約の場合、日中は仕事なり学校なりがあるため実際に通話する時間はそれ程多くなく、通話が多いのは夕方から夜になると思われる。
 ゴールドプランでは21〜翌日1時までの通話時間がひと月あたり200分と制限されている。該当する時間に仮に3日に1回通話すると仮定した場合1回あたり20分となる。これを「充分」と考えられれば問題ないが、そうでもない人のほうが多いだろう。夜の通話が多い場合にはラブ定額かウィルコム定額プランを薦めたい。

 なお、ソフトバンクの各料金にはEメール・ウェブの利用料金が含まれていないため、そもそもEメールの送受信が出来ない。その料金を含めて月額料を計算すると以下の通りとなる。
2.基本料金+Eメール
料金コース名 ライトコールパック+Love定額 ゴールドプラン ホワイトプラン ウィルコム定額プラン
Eメール・WEBサービス利用料金
315円(S!ベーシックパック)
なし
合計金額(※2) 3756円 6363円 1295円 2900円
Eメール送受信の料金
3.15〜210円
無料
 Eメールを使う上でもホワイトプランの月額料金は安いのが分かる。ただし送受信には1通当たり最低でも3.15円がかかるため、1通あたりすべて3.15円で単純計算すると1ヶ月で約540通以上のメールを送るとウィルコムの方が安くなる(そんなに送る人は少数とは思いますが…)。ゴールドプランはダントツで(月額料金が)高く、比較対象にもならない。

送信メール数(X軸)と月額料金(Y軸)のグラフ
ソフトバンクはパケット料金の目安として、文字のみのメールが3.15円/通・写真付き(160x120ドット相当)メールは8.4円/通・写真付きメール(320x240ドット相当)は36.75円としている。上記グラフでは、すべて同一の料金のメールを送った場合の月額料金を示す。


 次にパケット定額のオプションの併用のケースを見てみる。
 PCへの接続やPCサイトブラウザ(ソフトバンクのフルブラウザ機能)の使用はここでは考慮せず、各社の端末で標準装備されているブラウザのみで閲覧を行なったケースを以下に示す。

3.基本料金+Eメール+パケット定額オプション
料金コース名 ライトコールパック+Love定額 ゴールドプラン ホワイトプラン ウィルコム定額プラン
パケット定額オプション名 デュアルパケット定額 パケットし放題 データ定額 リアルインターネットプラス
オプションの最低月額料金 1050円 1029円 1050円 2100円
合計金額(※3) 4806円 7392円 2324円 3950円 5000円
10000パケット使用したときの追加料金 0円 0円 0円 0円
20000パケット使用したときの追加料金 0円 651円 0円 0円
30000パケット使用したときの追加料金 525円 1491円 0円 0円
50000パケット使用したときの追加料金 1575円 3171円 0円 0円
70000パケット使用したときの追加料金 2585円 3381円 0円 0円
100000パケット使用したときの追加料金 3045円 3381円 0円 0円
200000パケット使用したときの追加料金 3045円 3381円 1050円 0円
400000パケット使用したときの追加料金 3045円 3381円 2750円 0円
パケット定額オプションを上限まで使ったときの月額料金(※4) 7851円 10773円 5705円 6700円 5000円

使用パケット数(X軸)とオプションの料金(Y軸)のグラフ

 これまで最も低価格だったホワイトプランはここでも安さを発揮している。※4の価格では、ウィルコム定額プランとリアルインターネットプラスの組み合わせの方が若干安くなっているがそれでも700円だ。

 ウィルコムのデータ定額は、ソフトバンクのパケット定額オプションが上限の値段になっている100000パケット使用しても追加料金がかかっていない。またソフトバンクはEメールのパケット量も加算されるため、同じ使い方をした場合、ウィルコムよりも上限の価格に到達しやすいのは難だろう。

 通話するのはいつも無料の相手とは限らない。次に、無料対象以外の電話にかけたときの料金を比較する(ソフトバンクのテレビコールは除外)。
4.基本料金+Eメール+無料対象外への音声通話
料金コース名 ライトコールパック+Love定額 ゴールドプラン ホワイトプラン ウィルコム定額プラン
合計金額(※2) 3756円 6363円 1295円 2900円
上記金額に含まれる無料通話 1050円 0円 0円 0円
無料対象外の携帯電話・PHSへの通話料金 42〜63円/ 21円/30秒 10.5〜13.125円/30秒
 ライトコールパックは無料通話があるが通話料が高いため、1050円の無料通話もすぐに使い切ってしまう可能性がある。ラブ定額の指定相手以外にも通話をすることが多い場合やメール・WEBを多く使う場合には、月額料金をもう少し上げたプランの方が良いだろう。

 ゴールドプラン・ホワイトプランの通話料金は一見安く見えるが30秒課金のため、ライトコールパックの比較とあわせるために1分単位にすると大きく変わらない。

 それに対してウィルコム定額プランは1分あたりの料金としても21〜26.25円と高くはない。

 最後にその他オプション等の料金を加えて比較を行なってみる。
5.基本料金+Eメール+オプション料金
料金コース名 ライトコールパック+Love定額 ゴールドプラン ホワイトプラン ウィルコム定額プラン
合計金額(※2) 3756円 6363円 1295円 2900円
請求書発行代金 105円(オンライン料金案内使用で0円) 0円
アフターサービス 498円(スーパー安心パック) 0円
(該当サービスなし)
留守番電話サービス 0円/315円 105円
 まず特筆するべきはソフトバンクには郵送による請求書の送付に105円かかることだ(オンライン料金案内に変更する事で、郵送による請求書送付がなくなれば105円はかからない)。オンライン化によって料金を割引するのは聞いた事がある(ドコモがそう)が、従来0円だったものを105円とるようになったとは聞いたことがない。ソフトバンクと契約するときはオンライン料金案内を使用しないと得をするのではなく、損をしてしまうので注意が必要だ。

 アフターサービスについては比較が難しい。
 ソフトバンクはオプションをつけることで「修理代金無料」「紛失時同一機種を割引価格で提供」「機種変更の端末価格を3150円割引」「毎月ポイント105円相当プレゼント」等となっている。ウィルコムではこの手のオプションは用意されていないが、「紛失時は最大10ヶ月同一機種貸し出し」「修理代金は2100円〜5250円」といった似たサービスが負担金なしで提供されている。

 留守番電話サービスについてはソフトバンクが一部(といっても充分実用上問題ないほどの質と思う)を無料で提供している。おそらく315円のオプションをつける必要はないだろう。気になる場合にはスーパー便利パックというのが498円で提供されており、その内訳は留守番電話機能・多者通話機能・割り込み通話・電話帳預かりサービスの4つが含まれている。200円程度負担は増えるがお得感は大きい。

 なお、スーパー安心パックとスーパー便利パックは、新スーパーボーナスの契約と共に自動的に契約されるため不要な場合は自分で外さないといけない(両者共に数ヶ月間の無料期間があるので、そこで試してみるのがいいだろう)。また料サービスの詳細についてはITmediaに詳細な記事があったため参照すると良い(記事タイトル:「200円安い」は基本使用料だけ──実は割高なオレンジプランとブループラン)


まとめ
 以上、単に月額料金にスポットを当てて比較をしたが、単純な月額料金ではホワイトプランが最も安いといえる。
 ただし冷静にその中身を見ると割安とはいえない部分も多い。
 まずホワイトプランは21〜翌1時までの通話は無料ではない。この時間におよそ50分の通話をするとウィルコム定額プランの方が安くなる。通話無料を目的とする個人ユーザには不向きだろう。
 法人利用の場合は日中の通話がメインとなるためそれでも充分と見られる。しかしウィルコム定額プランは10回線以上の契約すると月額料金が2200円になる。法人利用の場合10回線程度をまとめて契約することは多いだろう。さらにEメールの使用を考えると、ホワイトプランの月額料金は約1300円となり価格差は900円となる。
 900円高くすることで、Eメールと夜間の通話も無料になることや、他社回線への通話が安いことをメリットとできるなら、ウィルコム定額プランの方が割安になる。さらにNECマグナスコミュニケーションより「音声定額 on PBX」という商品も出されている。これを導入すれば会社〜ウィルコム電話間も無料の通話に含まれることになり、得の度合いは大きくなる(orホワイトプランの優位性は少なくなる)。

 ゴールドプランには21〜翌1時までの200分の無料通話があるが、ウィルコム定額プランよりも月額料金は高くメリットは薄い。
 また比較的割高だったライトコールプランとラブ定額の組み合わせだが、他の料金コースと組み合わせることで無料通話が増えることや通話料が割安になっていくことは良い点だ(通話無料が1件に限られるが…)。
 なお、ソフトバンクモバイルのサイトからソフトバンクオリジナルのプラン、ラブ定額等の従来のオプション・割引サービスが姿を消している。ただ約款上は残っているので、契約する事をソフトバンクは拒めないはずである。

 通話・通信可能なエリアや端末の性能、その他のオプションの価値と言うのがそれぞれあるため、この比較で価格の安かったものが万人に進められるものではない事は明記しておく必要があるだろう。
 言うまでもないことだが、各社の強みや弱みと言うのを各自で充分に調べた上で契約するべきである。通話定額のサービスがないからといって、ドコモやauに魅力がないわけではないだろう。


 ただ、ソフトバンクと契約する上で私が一番気になっているのは、ソフトバンクやボーダフォンが過去の事だ。前者は当初ADSLの工事費無料を謳っていながら、後になって僅かな金額ではあるが毎月の料金に加えている。また後者は有名な「10の約束」を反故にした過去がある。
 そういうのを見ると、今回も加入者がある程度確保できたら(もしくは採算性で行き詰って)値上げ策に出るのではないか?と疑ってしまう。

 別に値下げ自体は何ら悪いことはない。ユーザにとってみれば同じサービスなら安い方がいいのは当たり前である。ただ、単に安ければいいというものではない。現にアメリカでは電力の自由化によって電気料金が大きく下がったが、同時に質も大きく下がってしまい昨年の大停電と言う事故を生んでいる。

 携帯電話サービスも今や大事なインフラの1つと言える。値下げは喜ばしいが質が下がらない事をお願いしたい。
本記事作成者:ばりーぼーる(feel Diary)
☆外部へのリンク☆
1.オフィシャル
ソフトバンクモバイル
ソフトバンクモバイルニュース
ウィルコム
ウィルコム定額プラン(ウィルコム)

2.ゴールドプランの発表と検証、その後のソフトバンクの動き
ソフトバンクの「予想外割」は本当に安いのか(インプレス)
【続報】ソフトバンク,音声定額プランの利用条件や詳細を公表(ITpro)
「大人のソフトバンク」とは言ったが「安くしない」とは言っていない(japan.internet)
ずらりと並ぶ「0円」の文字。怖いのはユーザーの誤解(ITmedia)
ソフトバンクの新料金プランは、“予想外”に複雑(ITmedia)
これでは「信用ゼロ」となりかねない・ソフトバンク、手痛い誤算(IT PLUS)
【ニュース追跡】端末ゼロ円「新スーパーボーナス」は何の隠し玉だったのか(IT PLUS)

3.インセンティブとは?
「ケータイ先進国日本」は復活するのか? インセンティブモデルが崩れたら?(1)(ITmedia)
「ケータイ先進国日本」は復活するのか? インセンティブモデルが崩れたら?(2)(ITmedia)
「ケータイ先進国日本」は復活するのか? インセンティブモデルが崩れたら?(3)(ITmedia)

4.各社の反応、ブループランとオレンジプラン
ドコモ中村社長、「孫氏の発言には怒りすら覚える」(インプレス)
言いたい放題のソフトバンクにもの申す──ドコモ中村社長(ITmedia)
「200円安い」は基本使用料だけ──実は割高なオレンジプランとブループラン(ITmedia)

5.その他
消えた“ボーダフォンの10の約束”(ITmedia)

NECマグナスコミュニケーションズの音声定額onPDXについてのページ
ウィルコムの音声定額プランとPBXを連携させた法人向けサービス(インプレス)
PBXでもウィルコムの音声定額を利用可能に,NECマグナスが新製品(ITpro)


☆当ページへの主なリンク元☆
ソフトバンク・新プランの落とし穴(WILLCOM NEWS)
ソフトバンクの『ゴールドプラン』(予想外割)について!(教えて!goo)
Full Thrust
ソフトバンクの「予想外割」は本当に安いのか(新庄報道24時)
ソフトバンク「予想外割」は安いのか?まとめ。予想通りの大混乱(memn0ck.com AirBlog)
Bartonの日記
+Sun Flower〜報告+ WILLCOM VS SoftBank
hange AppleとWillCOMとSoftBank
モバイルなお仕事 ソフトバンクモバイルを選ばない4つの理由
適当サイト ウィルコムとソフトバンクの費用比較
ginga.info 日記
伊達漢.com
白っぽい犬
X01HTまとめ@Wiki
mixi日記(mixi)
他、上記と類するサイト、はてな、2ちゃんねる掲示板より。

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