SoftBankとWillcomの音声通話定額プランを比較してみるページ
先日ソフトバンクよりゴールドプランに続いてホワイトプランという音声通話定額の料金コースが発表された。未知の部分も多いがラブ定額やウィルコム定額プランとの料金比較を行い、その安さを検証する。なお、ここでは月額料金を中心に比較する。実際には使用者の地域(エリア)・家族割引サービス・契約期間・使用端末等によって、どの選択が得かということは変化する事をはじめに明記しておく。 各料金の調査にはソフトバンク9月号(関東地区)カタログ及びソフトバンクのウェブサイト、ウィルコムのウェブサイトを使った。ソフトバンクは3G向けサービスの料金。また特に記載のない場合、全て税込みの料金。
各サービス共に利点・欠点があるため単純な比較は難しいが、単に料金の安さで言った場合にはホワイトプランが一番となる。ただしライトコールパック+ラブ定額には1050円分の無料通話が含まれることや、ゴールドプランには夜間に200分の無料通話(ただしソフトバンクの携帯電話への音声通話に限る)があり、使い方次第ではこれらの方が安くなるだろう。 ラブ定額のオプションとウィルコム定額プランの魅力は、すべての時間帯で通話無料の点だろう。仕事で使うなら日中の通話が多いと思われるが、個人契約の場合、日中は仕事なり学校なりがあるため実際に通話する時間はそれ程多くなく、通話が多いのは夕方から夜になると思われる。 ゴールドプランでは21〜翌日1時までの通話時間がひと月あたり200分と制限されている。該当する時間に仮に3日に1回通話すると仮定した場合1回あたり20分となる。これを「充分」と考えられれば問題ないが、そうでもない人のほうが多いだろう。夜の通話が多い場合にはラブ定額かウィルコム定額プランを薦めたい。 なお、ソフトバンクの各料金にはEメール・ウェブの利用料金が含まれていないため、そもそもEメールの送受信が出来ない。その料金を含めて月額料を計算すると以下の通りとなる。
送信メール数(X軸)と月額料金(Y軸)のグラフ 次にパケット定額のオプションの併用のケースを見てみる。 PCへの接続やPCサイトブラウザ(ソフトバンクのフルブラウザ機能)の使用はここでは考慮せず、各社の端末で標準装備されているブラウザのみで閲覧を行なったケースを以下に示す。
使用パケット数(X軸)とオプションの料金(Y軸)のグラフ これまで最も低価格だったホワイトプランはここでも安さを発揮している。※4の価格では、ウィルコム定額プランとリアルインターネットプラスの組み合わせの方が若干安くなっているがそれでも700円だ。 ウィルコムのデータ定額は、ソフトバンクのパケット定額オプションが上限の値段になっている100000パケット使用しても追加料金がかかっていない。またソフトバンクはEメールのパケット量も加算されるため、同じ使い方をした場合、ウィルコムよりも上限の価格に到達しやすいのは難だろう。 通話するのはいつも無料の相手とは限らない。次に、無料対象以外の電話にかけたときの料金を比較する(ソフトバンクのテレビコールは除外)。
ゴールドプラン・ホワイトプランの通話料金は一見安く見えるが30秒課金のため、ライトコールパックの比較とあわせるために1分単位にすると大きく変わらない。 それに対してウィルコム定額プランは1分あたりの料金としても21〜26.25円と高くはない。 最後にその他オプション等の料金を加えて比較を行なってみる。
アフターサービスについては比較が難しい。 ソフトバンクはオプションをつけることで「修理代金無料」「紛失時同一機種を割引価格で提供」「機種変更の端末価格を3150円割引」「毎月ポイント105円相当プレゼント」等となっている。ウィルコムではこの手のオプションは用意されていないが、「紛失時は最大10ヶ月同一機種貸し出し」「修理代金は2100円〜5250円」といった似たサービスが負担金なしで提供されている。 留守番電話サービスについてはソフトバンクが一部(といっても充分実用上問題ないほどの質と思う)を無料で提供している。おそらく315円のオプションをつける必要はないだろう。気になる場合にはスーパー便利パックというのが498円で提供されており、その内訳は留守番電話機能・多者通話機能・割り込み通話・電話帳預かりサービスの4つが含まれている。200円程度負担は増えるがお得感は大きい。 なお、スーパー安心パックとスーパー便利パックは、新スーパーボーナスの契約と共に自動的に契約されるため不要な場合は自分で外さないといけない(両者共に数ヶ月間の無料期間があるので、そこで試してみるのがいいだろう)。また料サービスの詳細についてはITmediaに詳細な記事があったため参照すると良い(記事タイトル:「200円安い」は基本使用料だけ──実は割高なオレンジプランとブループラン) まとめ 以上、単に月額料金にスポットを当てて比較をしたが、単純な月額料金ではホワイトプランが最も安いといえる。 ただし冷静にその中身を見ると割安とはいえない部分も多い。 まずホワイトプランは21〜翌1時までの通話は無料ではない。この時間におよそ50分の通話をするとウィルコム定額プランの方が安くなる。通話無料を目的とする個人ユーザには不向きだろう。 法人利用の場合は日中の通話がメインとなるためそれでも充分と見られる。しかしウィルコム定額プランは10回線以上の契約すると月額料金が2200円になる。法人利用の場合10回線程度をまとめて契約することは多いだろう。さらにEメールの使用を考えると、ホワイトプランの月額料金は約1300円となり価格差は900円となる。 900円高くすることで、Eメールと夜間の通話も無料になることや、他社回線への通話が安いことをメリットとできるなら、ウィルコム定額プランの方が割安になる。さらにNECマグナスコミュニケーションより「音声定額 on PBX」という商品も出されている。これを導入すれば会社〜ウィルコム電話間も無料の通話に含まれることになり、得の度合いは大きくなる(orホワイトプランの優位性は少なくなる)。 ゴールドプランには21〜翌1時までの200分の無料通話があるが、ウィルコム定額プランよりも月額料金は高くメリットは薄い。 また比較的割高だったライトコールプランとラブ定額の組み合わせだが、他の料金コースと組み合わせることで無料通話が増えることや通話料が割安になっていくことは良い点だ(通話無料が1件に限られるが…)。 なお、ソフトバンクモバイルのサイトからソフトバンクオリジナルのプラン、ラブ定額等の従来のオプション・割引サービスが姿を消している。ただ約款上は残っているので、契約する事をソフトバンクは拒めないはずである。 通話・通信可能なエリアや端末の性能、その他のオプションの価値と言うのがそれぞれあるため、この比較で価格の安かったものが万人に進められるものではない事は明記しておく必要があるだろう。 言うまでもないことだが、各社の強みや弱みと言うのを各自で充分に調べた上で契約するべきである。通話定額のサービスがないからといって、ドコモやauに魅力がないわけではないだろう。 ただ、ソフトバンクと契約する上で私が一番気になっているのは、ソフトバンクやボーダフォンが過去の事だ。前者は当初ADSLの工事費無料を謳っていながら、後になって僅かな金額ではあるが毎月の料金に加えている。また後者は有名な「10の約束」を反故にした過去がある。 そういうのを見ると、今回も加入者がある程度確保できたら(もしくは採算性で行き詰って)値上げ策に出るのではないか?と疑ってしまう。 別に値下げ自体は何ら悪いことはない。ユーザにとってみれば同じサービスなら安い方がいいのは当たり前である。ただ、単に安ければいいというものではない。現にアメリカでは電力の自由化によって電気料金が大きく下がったが、同時に質も大きく下がってしまい昨年の大停電と言う事故を生んでいる。 携帯電話サービスも今や大事なインフラの1つと言える。値下げは喜ばしいが質が下がらない事をお願いしたい。 |
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