−18(直前)


 「……ここに来た、という事は、結論は出たのね」
 「……はい」

 この三日間、考え詰めに考え続けていたのだろう、シンジは憔悴した雰囲気を纏っている。
 だが、それでもその目は迷い無く真摯にリツコたちを見つめ返していた。

 「しんちゃ……シンジ君、やっぱり?」
 「はい。
  僕が出来るかどうか、ふさわしいかどうかは解りません。

  でも、僕は喪いたくないと……アスカと、一緒にいたいと、そう、思ったから。

  あの時、震えていた背中を抱きしめた時に、独りにしないと、そう誓ったから。

  抱き合った時、目を見てはっきりと、僕を好きだって、そう言ってくれたから。

  そのことは嘘でも、間違っても、にせものでもないはずだから。
  だから…………。
  だから、僕は、アスカを僕のものにします。
  たとえ憎まれたとしても……もう、笑いかけてもらえなくても」