ボクのヒミツたいけん


Scene.22
Original text:引き気味


「まずいよ、綾波……」
「どうして? 碇くん」

潤んだ赤い瞳がシンジを見詰めている。
レイの部屋を辞そうとするのを、待ってと切なく引き止めてきていた。
部屋の中どころか、団地中でも誰一人他に居ない二人きりの空間。
レイの浮かべる期待が、シンジにも抗いがたい誘惑を感じさせる。
これを振り切って帰るなどと、それは果たして正しい事なのかと強く揺さぶるほどに。

電車内での過激な触れ合いを交わして以来、シンジは、レイと向き合う時間にどうしてもいやらしい期待を持ち込んでしまうようになっていた。
学校でも、ネルフでも。気が付くとレイの後姿に視線を留めて、生唾を飲んでいる自分がいるのだ。
傍に並べば、ふわ……と微かに匂う少女の香りから、汗ばんだ躯を密着させて息切らせていたあの記憶を蘇らせられる。
制服の襟元に覗く白いうなじには、そのきめ細かな素肌が服の下にと続いて形作る、少女の華奢な肢体を思い出してしまう。
それは首筋からなだらかな肩に続いて、二つの―― 服の上からは意外な程に発育した―― 膨らみに繋がり、ほっそりと優美なラインが折れそうなほど細い腰へと流れ、そして――

僕はと、シンジは鮮烈に思い出す事が出来た。
あの綺麗な形の胸を知っているし、触らせてももらったのだ。
更にはもっといやらしいあの場所にも。

「碇くん……」

ついと視線を下げたまま固まってしまったシンジに、その目がスカートを通し自分の下腹部を意識しているのだと知って、レイは嬉しそうに朱を散らせた頬を綻ばせた。

「ね、碇くん」

スカートの前を持ち、いそいそとたくし上げると、『見て……』と下着を晒した股間をシンジに突き出した。

「な! あ、綾波っ!? ……で、でも、僕もう帰らないと」

息を呑むシンジは、渋ってみせる声もあまりに裏腹に上擦っている。その目も魅入られたようにレイの見せる媚態から離せずにいるのだ。
もっととレイは腰を前に差し出した。
背を壁に預けて足を開く。爪先立ちになって、更にシンジに良く見てもらえるようにと。

「うわ、もうこんなになって……」

コンフォートマンションで開かれていた勉強会の帰り、シンジに送ってもらう道すがら、レイはシンジと腕組み甘えて―― 彼女にとっても甘美な記憶をまざまざと思い出させるキィである、シンジの体温と匂いを充分に感じ取っていたのである。
愛しい少年のそれは、急速に性への関心を目覚めさせつつあるレイには媚薬にも等しい。
既に、少女の本能が真っ先に自己主張を始めるその場所はしとどの甘露に濡れそぼっており、薄いショーツには乙女が最も秘めておくべき形があからさまになっていた。
水気を含んですっかり透けてしまった布地がぴったりと張り付く、唇にも似た部分。レイが待ちきれず腰をもじとさせるのに合わせ、ひくひくと淫らに息づいている。

「うぁ、あ……綾波ぃ……」

魅入られるようにふらふらと、シンジはそこに吸い寄せられていった。
埃っぽい床も気にせずズボンの膝を突き擦り寄り、レイが差し出す白い下着の股間にと顔を近づける。
ハァハァと熱い少年の息を内腿から感じて、レイはああ……と背筋を這い上がる喜びに身を震わせた。

―― また触って貰えるのね……。

期待を満たされるその一瞬が、嬉しくてならない。
『待って』と声を掛けて、シンジの指を最大限に感じようと邪魔な下着を脱ぎかける。

「あっ、ちょっと」
「…………?」

その手を制止し、シンジがレイの顔を見上げた。
黒い瞳に、レイの欲情が移ったような焔の色が浮かんでいる。

「僕に脱がさせてよ」
「……ええ、いいわ」

腰の左右に手を掛けると、シンジの手がゆっくりとレイの下着を引き下ろしていった。
スルスルと乾いた音を立てていた布地は、ふっくらとした盛り上がりに一筋割れ目が始まる辺りから、じとりと心持ち重くなった。
そこからはいよいよレイの処女の場所。息をも止め、更にシンジがめくり降ろす手を進める。
『ニチ……』と、薄い布切れが十二分に水分を含んだ音と、さらけ出される粘膜に直接空気が触れる冷たさ。ひんやりと、レイには今の火照るそこにまた心地良いとさえ思えた。
鼓動は更に高鳴った。

(ああ……。碇くん……)

少しずつ露になる自分の性器に食い入るようにしながら、シンジがちらりちらりと顔を上げて見詰めてくるのである。
何故かその視線を意識するたびに、レイは頬が熱くなっていくのを感じていた。

「ダメだよ綾波、顔を隠しちゃ。それに足もちゃんと開いて、僕に良く見せて」
「え、ええ……」

何故と自覚出来ない衝動に駆られて、レイは持ち上げたスカートで顔を隠そうとしていた。
さっきはあれほど見てと差し出していた股間も、ふるふると震えながら足を閉じるように。
見咎めたシンジが―― どうしてか嬉しそうにも聞こえる声でレイに言う。

(熱い……。もっと、ああ……まだ熱くなっていく……。どうして?)

腰の高さに顔を近づけるシンジの存在を意識するほど、隠したいという衝動は高まるのに、それでいてその―― 羞恥と呼ぶべき感情を抑えて、敢えてシンジの声に従うことにたまらない悦びを覚えるのだ。

「はぁ……」

堪らず声が漏れた。
頬は熱を持ち、胸の昂ぶりがトクントクンと早まっている。
そして、シンジに見詰められているそこが、なにより一番熱く感じられてならない。ジリジリと視線に灼かれるまま、肉が熔け出してしまいそうに、トロリと――

「あっ、あああ……! なにっ!? いかり、くっ……んぅんんん……!」
「たまらないよっ、もう……! 綾波……!」
「だめっ、そんな……そこはっ、あっ、不潔だわ……。舐めちゃ、あっ、あぁあ〜〜!」

シンジがそこを舐めている。
かぶりついて花弁を割り開けて、口付けと言うにはあまりに濃厚なベーゼをレイの秘唇に見舞っている。
入り口からぬめる奥へと、狭い膣口にすぼめた舌をこじ入れ、愛液を啜る。

「あい……っ、ふぅ……うぁああんン! ハ、ハァッ、あああー。碇くん、碇くんっ……!」

指くらいしか知らなかった敏感な内側に、うねうねと熱い軟体が入り込んできて掻き回している。
あまりの強烈な刺激にレイは惑乱して逃れようとしたが、シンジはがっしりと腰を抱きしめて、それを許してはくれなかった。

「あっ、あ……強すぎるの、碇くん、もっと……ああ、もっと……やさっ、舐め―― ! いぅん、ンンン〜〜!」

耐性の無いレイには、ただシンジがレイの処女粘膜に舌を泳がせるまま翻弄されるしかない。
悲鳴のような喘ぎを上げながらずるずると床に沈み込む。
そのレイが、むしろ自分からシンジの頭を肢で挟み込むようにし、素直に快感を叫ぶまでになるのに、さして時間は掛からなかった。



◆ ◆ ◆



「碇くん……。もっと、もっとして……」

はじめてのクンニリングスにたっぷりと悦がらされたレイは、一度目の絶頂から息を整えると、床から悶え乱れた制服姿を起こしてシンジにねだった。
ぽつぽつとブラウスのボタンを外して脱ぎ捨てながら、清楚に整った顔を快楽に蕩かせ、熱っぽくシンジを誘う。
シンジももう、自分を抑えることは出来なかった。その必要も無いのだと分かっていた。

「綾波ってさ、欲張りだよね」

ふふと、レイの淫らがましくも無邪気に擦り寄る裸に笑みを浮かべ、シンジは言った。

「もっともっと、どんどんエッチなことがしたくなっていくんだ」
「それはいけないことなの?」

もどかしそうに問い返すレイ。もう待ちきれない様子で、自分で両腿の付け根に指を差し込んでいる。
秘部に残るシンジの舌の感触を、クチュクチュと反芻しているのだろう。
ブラも手早く脱ぎ捨てた素裸がシンジにはまぶしい。
ふると揺れる乳房にもレイは片手を乗せて慰めて、今しがたの名残の薄紅を、更に雪肌に上気させていく。
早くと口を尖らせて、やるせなく身をよじるのだ。

「うん? おかしいことじゃないんじゃない。……ただ、女の子ってみんな……」

いや、とシンジは言い直した。

「綾波も女の子なんだなって」

そうして自らも服を脱ぎ捨てる。既に隆々と天を向いていたシンジの男に目を丸くするレイに歩み寄り、その柔らかな肢体を抱きしめ、囁く。

「良いの? 欲張りな綾波だから、きっとすぐに思っているよりいやらしい事をしたくなっちゃうよ?」
「性欲がエスカレートしていくと言うのね」
「僕も我慢できなくなるんだ。もっともっと……綾波に色々な事をしたいって」
「色々なことを……してくれるの?」

レイも息を潜めて囁き返す。
ぴったりと裸の胸を合わせて、その腰に擦り付けられる逞しい感触に息を熱くさせていた。
そっと手を差し伸べ、包み込む。
確かめるようなひんやりとした手のひらに、シンジもビクビクと脈打たせて興奮を伝えた。
これが私の中に入ってくるのねと、思うだけでレイの処女には期待の蜜が湧き満ちてくるのだ。
秘裂の内に留め切れず溢れ出した幾筋かは、レイの白い内腿に、あさましい涎となって流れ伝った。
互いにまさぐるシンジの手は、レイのもじもじと落ち着きの無いヒップに回り、まろやかな尻たぶを揉み回している。
指が沈み込むようなその柔らかい肉の内側に、いきり立つものを打ち沈めたくて堪らなかった。

「綾波はそれで……、僕で良いんだ」
「ええ」

のぼせたような赤い顔同士が間近に見詰め合っていた。
鼻息のかかる距離で約束事をするように交して、ふたり、鼓動を高めていく。

「もっともっと……私にして。碇くん。気持ち良く……して欲しいの」
「綾波……」
「セックスを、するんでしょう? 今から」
「そうだよ。僕ももう我慢できないもの。でも、それだけだなんて僕は言ってるんじゃないよ? 今日だけじゃない。また次をって、そして今度はその次もって、何度も何度も綾波を抱きたくなるんだ」

ああ……とレイは喜んだ。思う存分にシンジに可愛がってもらえる日々が始まるのだと、それこそまさに望んでいたことだからと顔を綻ばせて。

「嬉しいわ……。碇くん」

ねぇと、シンジは興奮に喘いで問う。もう、レイが否とは言うまいと分かった上での、どこかずるい確認を。
この美しい少女が、自分からその躯を捧げると言ってくれている―― その望外の喜びに、どうしてもこれ一夜の夢とは終わらせたくないという、少年らしい欲深さを乗せて。

「分かってる? 綾波はさ……つまり、好きにしていいって言ってるんだよ? そう……僕はしちゃうよ?」

『ええ』と返事がもらえれば、それでシンジは全てを本当に許されるのだ。
レイが思っているよりも、自分の欲望は深いかもしれない……それさえも、一度受け入れると言ってくれたのだからと言い訳が立つ。

果たしてレイは、既に秘唇をしとどに濡らし、ヒップを、乳房をとシンジに揉みこねられて愛撫を重ねられていた
―― 我慢も限界の昂ぶりに、声を弾ませ頷いたのだ。
もうこれ以上焦らさないで欲しい。一時も早く、自分を愛して欲しいのだと。

「そうしてくれると……嬉しいの。ああ、早く、碇くん……。もっと何でも、もっと色々と、私を、もっと……!」
「良いんだね? それってさ、綾波は……ああっ、調教してって、僕に言ってるんだよ」
「ええっ、ええっ」

もつれ込むようにして、二人はベッドに倒れ込んだ。
それでも幾度と無く確認を繰り返す声と、合間合間に唇を絡め合う荒い吐息。
レイ自らが導いた、手放しの暴走に瞳を爛々とさせて。シンジは、組み敷いた美少女に―― 今や彼に全てを差し出すと誓った生贄に、獰猛な獣欲をぶつけていったのだった。



◆ ◆ ◆



「綾波、あやなみっ」
「はっ、あっ、はぁッ」

クッションの効かない硬いベッドの上、細い手足を投げ出して、覆い被さるシンジの突き込みに揺さぶられるレイ。
繰り返し貫き、自分もまたぎりぎりに追い詰めていた迸りを、一度目こそあっけなく奪ったばかりのレイの破瓜の血に混じらせたシンジだったが、14歳のはやる性欲は衰えることなく、はじめての少女の締め付けを貪り続けることが出来た。

「きついよ。僕が痛いくらいだ……。これが綾波でっ、僕は今……綾波とっ」
「碇くん、ああ……私も、ンン……! 今の場所っ、なんだか……ああっ」
「ここ? ここが良いの、綾波?」
「ええっ、そこ……ならっ、あっ、私も……痛くな―― あっ、ああっ」

びくりと震える白い喉。
食い縛るようにしていたレイの唇から、ため息にも似た声が発せられる。
はじめ一筋差し込んだだけの快美の兆しは、心得たシンジの腰使いに煽りを受けて、やがて明らかな官能となってレイの声にに甘やかさを取り戻させていった。

「そこ、そこが……ああ、良い……。良いわ、碇くん……私も、私も……!」

囀りは直ぐに嗚咽となって、レイは喜悦の美声を漏らすまま、あられもなく腰を振ってシンジに応えはじめた。
機を逃さず、シンジもレイの感じ始めたその焔の愉悦を大きくしようと、新たにくべる愛撫という名の薪を増やしていく。
自分の胸の下で揺れる双丘に手を伸ばし、やわやわ、ぐにぐにと淫靡な手つきのマッサージを施す。
レイと舌を絡めたそのままに乳房にも吸い付き、尖りきった桜色の乳首を舌の上に転がしたり、歯の間に捏ね潰したりと思う様に。
更に繋がったまま姿勢を変えてレイの横に寄り添うようにすると、その裸身の上を縦横無尽にする手は一層自由を増して、少女の悶え泣きを激しくさせて行った。

「んん……っ! ハァ、ハァ……はぁあああッ!」

シンジが深く腰を送り込む度、レイはビクンと啼き声を放つ。
目を瞑って一心にシンジの抽送を受け止めているその頬に、今や苦痛の解けた恍惚の笑み。

これが……と、シンジに抱かれるレイは、期待していた通りの快楽に満足を覚えていた。
激しい運動に汗ばむ身体。なかでもシンジが吸いしゃぶる乳房の先は、汗とはまた別に濡れ光ってしまっているのだけれども、それ以上にぐっしょりと湿った感触のある股間からは、シンジのペニスが打ち付ける、重い愉悦感が沸き起こっている。
ズン、ズン……と、深くリズムを刻んで、

(ああっ、素敵……!!)

躯の芯に響く強烈な打ち付けに、レイは若鮎の如くぴちぴちと雪肌の身を躍らせて、悩ましい喘ぎ声に叫び続けているのだった。

「良いんだね、綾波。すごくいやらしい顔してるよ。僕も……」
「はぁぁ、碇くぅん……」

レイのはしたない悦がり声もさることながら、その、どこかのお姫様のような整った美貌が、今や自分のペニスに犯されるままとろんと瞳を潤ませ、あさましく涎を垂れ流している様ときたら……!
初めて男に貫かれたばかりの美少女を着実に追い詰め、絶頂へと導きながら。シンジは強い興奮と、征服の喜びを感じていた。
いつも素っ気無く、孤高の神秘さを保っていたレイを、自分がこここまで淫らがましく堕としてやったのである。もうこの少女は……自分のものだ! と。

「熱いの……熱いの、碇くん……! ああ、ああ……!!」
「イクんだね? 良いよ、イって。僕が……、あっ、イカせてあげるから……っツ、ふっ、言うんだよ、イクって。ね、分かった、綾波!」
「ええっ、ええっ!」

すぐそこまで迫った頂の予感にいっそう肉のぶつかり合う音は激しさを増して、

「ああっ、あっ、碇く……う、ふぅ〜〜……! イクの、碇くん! わたし……ああっ、イクのぉお……ぉ―― !!」

ピンと背筋を伸ばしながら、レイは教えられた通りに叫んで、初体験のクライマックスへと堕ちていった。
快楽が更なる快楽を呼んで連鎖的に爆発し、脳裏が真っ白に染まったまま戻らない。
これよりも良いものなんて他にないわと、そう歓喜の涙を流していた。

「うっ、あうう……綾波ッ……!」

爪先まで絶頂感に反り返らせるレイの秘腔に絞り上げられて、シンジもついに若々しい牡の衝動を開放させた。
たっぷりの蜜を含んだきつい処女肉の隙間に、少年の精が迸る。

「ああ、ああ……! はああぁアアアアアアァ……!!」

びゅくびゅくと、まっさらな子宮口に浴びせられる精液の熱さにわけも分からず打ち震え、レイはもう一際の高みへと、果てしなく突き上げられていく。
硬直した肢体の奥、シンジは可憐な割れ目に逆流するほど大量の白濁を飛沫かせて、えもいわれぬ満足感の中、何度も何度もレイに注ぎ込み続けるのだった。



◆ ◆ ◆



「ふ、ん……」

うっとりと余韻に浸る顔をシンジと重ねて、レイは無邪気にありがとうと伝えた。

「満足してくれた?」
「ええ、思っていた以上に良かったの。……ね、碇くん」

小首を傾げた罪の無い顔で、

「また、もっと……」

私をと、微笑んで尋ねる。

「調教、するんでしょう?」



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