碇シンジ寝取り道中膝栗毛
−Prologue−
ザザーン……ザザーン……
波の音が響く。
空には赤い銀河と明けぬ夜、地には白い砂浜と赤い海。
シンジはそんな場所に一人立っち途切れぬ波を眺め続けていた。
「ン……これで、使徒の力は全部落ち着いたのかな……」
……いや眺めていたと言うよりは、立禅でもしていたようである。
やおら動き出すと、何かを確かめるように腕をしなわせ地を踏みしめ、一連の動きの後に満足げに拳を握りしめた。
「よし。 これで充分か……それならそろそろ始めないとな」
そう言うと振り返り、浜辺にぽつんとある壊れかけのバスタブを見遣る。
バスタブには裸で呆然と壊れたように宙を眺めるアスカが入っている。
「アスカはあんなになっちゃったし……」
表情を変えずに呟いた……といいたいところだが、実際には頬を掻きつつ酷く照れくさげだ。
「ヤリ過ぎちゃったよな……いくら神の力を得たばかりだったからって、アスカには悪いことしちゃったかも」
――バスタブを満たしているのは、白く濁った粘液である。
独特の臭気と色合いからそれがなんなのかははっきり解る。
そんな液面から突き出す、艶を浴びた張りのある太股や形良く実った乳房などを眺めていると、自然シンジは反応を始めてしまいそうになる。
しかし
「ごめんよ、でも、僕は行かなくちゃならないんだ……だって、神になったからには沢山の人に幸せをもたらさないと」
決意を秘めた顔でそう呟く――それならしっかり正面から言え。
「でも流石に全ての人なんて言えないよな……可愛い女の人限定だもん」
…………神が好色なのは、確かに良くある話ではある。
しかしそれならば相応に嫉妬深い伴侶が至り、重い枷が存在するはずなのだが……。
「碇君、調整は終わった?」
そんなシンジの背後から、静かな声が訊ねかけてきた。
「ああ、リリス、おわ――」
そう呼びかけ振り向いたシンジを迎えたのは、拗ねるような上目遣いで彼を迎える、第三新東京中学校の制服を纏った一人の少女。
蒼銀の髪と紅い瞳の美少女――綾波レイ。
かつての彼女を知る者が居たならば、その雰囲気が冷たい虚無の静謐ではなく、懐深く豊穣な水を湛える鏡の湖面という雰囲気になっているのに気づいただろう――今は少々波立っているようだが。
「どうしてそんなこと言うの?」
「ごめんごめん、でもほら、説明しないといけないし」
「?なにをいうの?」
「いやこっちの話、だから機嫌なおしてよ綾波――」
責める瞳を変えないレイだが、綾波と呼ばれるとそれが緩み
「――いや、レイ」
「……あ」
名を呼ばれて抱きしめられれば、全てがくたくたと蕩けてシンジの腕にしなだれかかってしまう。
そんなレイの襟足をくすぐり、つむじに頬ずりしてじゃれるシンジの姿も、かつてからは想像できないところだろう。
町中で見かけたら蹴りをいれ――いや待て、別に嫉妬ではなく公序良俗の観点から見てだな、いや別に羨ましいなどとっ!――ンンッ、ともかく蹴りを入れられても仕方ないいちゃつきをひとしきり堪能して会話が再開される。
「ちゃんと貰った力は定着したよ、綾波――これで、やっと君にふさわしくなれるよ」
「そんなことないの……碇君は、今までだってとても……」
少年の腕の中で、頬を染めて見上げてくる儚げな美少女。
しかも彼女は慣れた仕草でその首筋に唇を寄せ、より濃い、性的な甘えを始めようとしているのだ。
男ならば奮い立たねば嘘――なのだが。
「ガっちゃん、準備は出来てるね?始めて」
「はい、シンジ様」
「い、碇君!?」
シンジが呼びかけると、それに応えて玲瓏をそのまま体現したような美女が宙から滑り出てくる。
揺らめく陽炎が治まり切らぬうちに両手を掲げると、宙に漆黒の穴が現れる――青白いサージ雷がまとわりついているところから見て、相当なエネルギーがつぎ込まれているようだ。
「碇君!?なんでゲートなんて、それもこれは……過去ではなくて他世界の?やり直すなら解らないでもないのに……何故?」
「綾波……」
「待って、りゆ――ッ!?な、力、まだ?どうして……」
問いつめようとしたレイをきつく抱きしめると、その額にキス――それによって何か重大な力をドレインしたらしく、彼女はその場にへなへなとへたり込んでしまう。
「だってさ、何時までもこの世界に留まっていてはいけないと思うンだ。 やっぱり男なら沢山の経験を重ねて、成長しないと。 だから……僕は旅に出るよ、沢山経験してきっと綾波にふさわしい男になって帰ってくるかラ!」
悲壮と決意に満ちた少年の誓い――と言うには、その、なんだ、にやけ面を止めろ、待ちきれない様子のスキップはなんだ、それにそう、その――
「経験……どんな?」
そうだ、一体どういう経験を言っているのだ、ふざけるのも大概にしろ。
そんな必死の問いにシンジは答えない。
「え?やだなあ、秘密だよ……ああゲートが閉じちゃう、行かなきゃ。 さよならとは言わないよ、行って来ます♪」
「こ、答えて……」
膝立ちに追いかけようとしたレイの手をすり抜けると、シンジは手を振ってゲートをくぐった、次いで開いていた女性も。
一瞬の後には、そこになにもなかったかのように元に戻り、再び赤い潮騒の音が響き始める。
綾波レイは、戸惑っていた。
吸われた分は時間と共にじりじりと戻りつつある、時間は掛かるだろうが旧に復するのは決まっている。
彼女が戸惑っていたのは、失われた分の空洞ではなく――
「ナニ?胸がむかむかする……許したくないキモチ、小一時間問いつめたいキモチ……そう、これが嫉妬なのね。 私、怒ってるのね」
掴んだ砂浜に、くっきりと爪の痕が刻まれた。
「第一期OPテーマ(一期って、ほかにもあるのかよっ!)」
ルルルンルンルン ルルルンルンルン ルルルンルンルンルンル〜♪
幸せをもたらすと誓ってる 何処でも無理矢理はいりこむ〜♪
ナニを捜して〜 ナニを捜しています〜♪
葉っぱキャラ〜軒並み喰う〜 鍵キャラは〜三時のおやつ〜♪
読者のリク〜応募して〜 世界を渡っていきましょう〜♪
私は寝取り魔です♪
名前はシンジです♪
いつかあなたの住む町へ〜いくかも、しれません〜♪
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