骨型さんの黒シンジハーレム物『小GEN-DOH』4
- 168 :骨型:小GEN-DOH :07/01/02 20:07 ID:???
「カエデさん」
ぐったりと力の抜けたアスカを抱き留めながら、シンジは観客の片方に声をかけた。
「え!?あ、何かしら」
「アスカをお願いします」
「え、ええ。わかったわ。ベッドまで連れて行って寝かせておけばいい?」
「いえ。出来れば起きた後。カウンセリングの方もお願いしたいんです」
「「カウンセリング?」」
疑問符を浮かべたのは、二人とも。カエデもカヲルもシンジの胸で失神しているアスカに目を遣る。
「アスカの様子が普段とは違いすぎると思いませんでした?」
「え、ええ。…さっきはバージンが大事とか言ってたのに、とか思ったんだけど」
「本当かい?…だとするとおかしいね…まさか」
カヲルには心当たりがあったらしい。眉を顰める。
「多分それで正解。まあ、アスカに暗示をかけたんでしょ。『僕に出会ったら欲情して誘う』とか」
「な、何でそんな事…するの」
疑問を差し挟んだのはカエデだ。
「シンジ君がアスカに幻滅すれば、本妻は私だからね。お爺様への媚びの一つのつもりなんだろうとは思うけど…」
嫌悪感も露に、吐き捨てるカヲル。
「加持さん。居ますね?」
「…ああ、居るよ」
どこからともなく、聞こえる声。
カヲルとカエデは辺りを見回すが、その姿はどこにも見えない。
「ここでの立場があるでしょうから、アスカのこの状態については何も言うつもりはありません」
「そいつぁどうも。だが、言い訳させてもらえるなら、恐らく処置を受けたのは俺の知らない時だよ。…差し当たってはエヴァを使っての実験か、検査の時か」
「でしょうね。で、僕があなたを呼んだ理由、判りますね?」
「ああ。司令と担当医師でいいかい?」
「構いません。秘密裏に地下のどこかの一室に放り込んでおいてください」
「了解」
すっと、消える気配。
「な…何をする気?」
「ちょっとね。優しいカエデさんには見せられない事を」
「え…」
カエデにアスカを預けると、シンジは懐から携帯を取り出した。
「ああ、青葉か?僕だ。実家の商品から『Y』番を至急持ってきてくれ。必要な事態が起きた。…それと、帰国が三日延びる。調整は任せた」
「Y…って、もしかして!」
用件だけを告げ、携帯を切るシンジに慌てた様子を見せるカエデ。
「アスカを頼みます」
「え、ええ!?でも…」
あたふたするカエデを他所に、シンジは歩き出した。
「私も行くよ。シンジ君」
「…ああ。案内を頼むよ」
歩調は普段のまま、口調も普段のまま。だが、間違いなく濃密な怒りと殺意を宿して。
「僕を怒らせたらどうなるか…遺伝子に刻み付けてやる」
- 169 :骨型:小GEN-DOH :07/01/02 20:14 ID:???
「何故…ですか!?お嬢様…!!」
「君、この間アスカ君に暗示かけたらしいじゃないか」
「な、何のことかさっぱり…」
ドイツ支部地下の暗室。
拘束されて床に転がされたアスカの担当医師を見下ろすのは、シンジとカエデとカヲルの三人。
奥には同様に、拘束されて支部司令が座っている。こちらは椅子だ。
アスカを抱いてから二日。目覚めたアスカの様子に心を痛めたカエデは自分から申し出てここに居る。
「誰にそうしろ、と言われたのか。聞いておかないといけないから」
「で、ですから何のことだか…」
弁明する彼の言には全く耳を貸さず、カヲルは用意されたスクリーンのスイッチを入れた。
そこに映ったのは、加持が妙齢の美女をベッドに押し倒す所だった。
「ミーシャ!」
彼女の目はトロンと濡れており、舌を出してキスをせがんでいる所である。
「ミーシャ!止せ!リョウジ!止めろ!くそ、離せ!」
キスをしたまま服を剥ぎ取り、手を這わせる加持。
じたばたと蠢く彼に、カヲルが冷たく告げる。
「どうする?話してくれたら止めさせてあげてもいい」
右上には『LIVE』の文字。
「…だから、私は何も…!」
「カエデさん」
「ええ」
カエデが男の頭を押さえつけ、マスクで顔の上面を隠す。
音だけが彼には届く形だ。
シンジがリモコンを操作すると、マイクが音を拾いはじめる。
「ああ、リョウジ!リョウジ!!もっと、もっとしてぇ!!」
「み…ミーシャああ…!」
程なく加持がミーシャを貫き、彼女の喘ぎ―存外大声なので、音量を調整する必要はなさそうだ―が部屋内に響く。
「ああ…ううう…」
蹲って涙を流す男。
だが。シンジはこの程度で済まそうなどとは毛頭思っていなかった。
「ああ、君には娘さんと息子さんが居るんだってね」
びくり、と男の体が震えた。
妻にされたのと同じ事を、娘にもされるのではないかと思ったらしい。
「た、頼む!娘には…娘には手を出さないでくれ!!」
「ふん、いいだろう。…これから僕がお嬢さんに手を出すような事はしない。約束しよう」
「あ、ありがとうございます…」
そしてシンジはなおも問う。
「で。話してくれるね?」
だが、それでも。
「わ…私は…何も知らない…知りません」
拒絶を受け取り、ちらりと奥を見遣る。
顔面を蒼白にしながらも、殺気を露に医師を威嚇する司令。
この時点で既に黒幕は判りきって居た訳だが。
「…残念だね」
これ見よがしに溜息をつくシンジに、男は慌てふためく。
「む、娘には…!」
「はいはい、手を出さないさ。…ところで、これ。聞いてくれるかい?」
- 170 :骨型:小GEN-DOH :07/01/02 20:14 ID:???
ネルフ支部付近の路上。
「…うーん、これ…どちらかしら」
地図と写真を片手に、きょろきょろと辺りを見回す黒髪の美女。
「困ったわ…青葉様とも連絡取れないし」
ほう、と頬に手を添えて溜息をつく。
そのなんとはない仕草は、だがそれだけで男の劣情を喚起するに足りる程の熱さを秘めて。
ふらふらと歩き出す彼女に、声がかけられたのは十分後だった。
「あの…日本人の方…ですか?」
「…あら?」
声をかけたのは、まだあどけなさの残る少年。
「はい。…貴方は?」
「ここの職員の…Ah…息子です。ところで…どう、されました?」
「日本語、上手なのね?」
「あ、ああはい。um…僕、ニホンゴ…勉強してる」
微笑みかけられると、顔を真っ赤にしながらも少々誇らしげに胸を張る。
「ええと、ね。ここに行きたいんだけど」
「ん…!ここ、超高級な…旅館?ですよ」
「あら。そこはホテルでいいわよ」
「あ、すいません…」
「案内、してくれるかしら。ドイツの言葉、判らなくて」
「あ、はい!」
舞い上がったかのように頷く少年。嬉々として案内を始める彼に見えない場所で、女性はひどく淫蕩な笑みを浮かべた。
「そう言えば、貴方、お名前はなんと言うのかしら?」
マユミが思い出したようにそう切り出したのは、ホテルのフロントに入ってからだった
「テオ、いいます。そう、呼んでください。お姉さんは?」
「マユミと言います。よろしくね、テオ」
「は、はい!」
「あ…困ったわ」
「え?どう、しました、マユミ」
「チェックイン…言葉、わからないわ」
「やります!ちゃんと、お部屋まで、お手伝いします」
「あら、ありがとう」
ここはこの付近でも最高級のホテルだ。日本語を使えるスタッフも居るのは判っていた筈だが、テオ少年は自分が手伝う事を選んだ。
最上階の、ロイヤルスイート。
「まあ、ここまでしてくれるなんて思わなかったわ」
「いえ、責任ですから…っ!」
さして多いとは言えない荷物を運び込んだテオは、直ぐそばで笑みを浮かべるマユミの目から顔を離せなくなってしまった。
「ありがとう、テオ。とても助かったわ」
「いえ、そんな…」
「チップ、あげないといけないわね」
「い、いりませんよ」
「あら、でも悪いわ」
小さく息を吐く仕草に生唾を飲み込みながら、テオはだが最後の理性を動員して回れ右をしてみせた。
「だ、大丈夫です!ぼ、僕はこれで!良い旅を!」
「あん、待って」
足を踏み出そうとしたテオの背中に、どさりと何かがぶつかってきた。
「わ!?」
背後から覆いかぶさるように、マユミが抱きついたのだ。
「ね、テオ」
「うああ!?」
そのままぞるりと耳を舐め上げられる感触に、テオの足ががくがくと揺れる。
「ここまで送ってくれたお礼。キモチイイこと、教えてあげる…」
「え、あの…マユミ…?!」
「ふふ。とても気持ちいいから、期待しててね♪」
- 171 :骨型:小GEN-DOH :07/01/02 21:00 ID:???
映像は暫く後の彼等へと切り替わる。
「うう、マユミ、マユミ!!」
ふかふかのベッドの上。
そこに全身を埋もれさせ、ぶんぶんと首を振るテオの上で、腰を揺らすマユミ。
もう何度果てたか、というほどに二人の体、そしてシーツには体液が染みている。
「あはぁ…気持ちいいわ、テオ」
テオは既に息も絶え絶えだが、マユミの体から離れるつもりはないらしく、なおも腰を強く掴んで自分から腰を揺すりたてる。
「ぜえっぜえっ…マユミ…」
「あら?もうお終いかしら…。んっ♪んっ♪」
「うあ!?」
ぎゅぎゅ、とマユミが締め上げると、テオの体が跳ね上がった。
「ふふ、まだ出来るわよね?」
「ちょ…マユミ。休ませて…」
「ダメ♪」
「うあ、うあああ!」
(ごしゅじんさまの命令だもの、可愛がって可愛がって搾り取ってあげるわよ。期待していてね、テオ)
ベッドルームの隣室。
テオ自身が気付く事はなかったし、結局この後も気付かなかったが。
テーブルの上には、ここの住所が記された地図と、何故かテオの写真が置かれていた。
「…ふう、役得だろう?少年」
ドアの外で、青葉は独りごちた。
「マユミの孔は、二度と離れられなくなる程の良いモノだ。あのシンジ様でさえ、館から手放すつもりはない、と明言しているからな」
一度だけ関係した彼女の器の良さに気付き、シンジに彼女を売ったのは彼だ。
恋人付き合いがあった訳ではないが、もし彼女を独り占めしていれば、彼女の器の味を知っているのは自分だけだ…と思った事があるのも事実。
だが、彼女を味わったシンジが紫垣に命じ、調教を受けさせた後。
「君からの推薦だからね。どれだけ変わったか、知ってみるのもいい」
と、一夜の相手を許された際。
改めて彼女の器を味わった彼は、自分の判断が間違っていなかった事をはっきりと確信した。
「絶望的な名器…ってやつだな。シンジ様くらいの経験でもなけりゃ、もう普通の女じゃ満足出来なくなるぞ」
くく、と笑いを漏らしながら、青葉は暗い情念に身を震わせてみせた。
- 172 :骨型:小GEN-DOH :07/01/02 21:39 ID:???
「彼女はうちが誇る芸術品でね」
「テオ…テオに何を!?」
妻の時とは違い、吼えかかる犬のように叫ぶ。
「いやいや、女の味ってやつを教えてあげただけさ。…ああ、でもマユミの味は極上だからね、離れられなくて気が狂れたり性犯罪に走ったりするかもしれないけど…」
「貴様!人の妻を…息子を!」
「言われた通り、娘さんには言われてから『まだ』手を出していないんだけどね」
ふう、と小さく息を吐くシンジの隣には、だが首輪一つだけを身につけることを許された少女が連れて来られていた。
男に駆け寄ろうとしたその肩を柔らかく掴んだカエデが、そっと耳元で囁く。
(…一歩でも動いたらシンジ様からのお情けはないと知りなさい)
びくり、と震える少女。
父親と、シンジの横顔を二度、三度と交互に見つめ、そっと動きを止める。
父親よりもシンジを優先するようになる。それまでに一体どういう事をされたというのか。
「貴様は…!人類全てが自分の道具だとでも、玩具だとでも思っているのか…!」
「やだなあ。何を言っているんですか。そんな鬼畜みたいな」
現在している事を見る限りでは、鬼畜以外の何者でもないのだが。
「僕にとっては、身内や大事な人以外が、須らく道具なんです。取り違えないでくださいね?」
「…この屑が」
取り敢えず、この男から言質は取れそうにない。
「さて、司令。質問です。貴方は今回アスカに何かしらの措置を取りましたか?」
「…ああ。碇シンジに対する性欲を会った直後に解放するように、暗示を行わせた」
「な!?」
「命令した相手は?」
「そこの男だ」
「…ば、馬鹿な」
司令本人の思いがけぬ裏切りに、思わず目隠しのまま振り返る男。
だが、司令にしてみても、シンジのあまりの容赦なさに、ここは応じるほかないと諦めたのだ。
言えば、自分はともかく家族にまで累を及ぼさないでくれる、と期待したのだ。
とまれ、求めていた答えは得られた。
そっと隣の少女に『それ』を手渡しながら、カヲルに告げる。
「もういいよ、カヲルさん。目隠しを取ってあげて」
目隠しを外された男の目が二三度瞬かれ、シンジをきっと睨みつけ、そしてその隣で絶望に固まる。
「ごめんなさい、パパ」
最後に彼が見たのは、全裸の娘が放った弾丸が、自分に向かって飛んでくる様。
「こうしないと、シンジ様が私を見捨ててしまうのよ」
「ああ、ごめんごめん。手はもう出しちゃった後でね?だから今後は手を出さないっていうことで―」
「そんな!?シンジ様、父の言う事なんか気にしないで下さい!お願い…お願いしますっ!」
「おやおや」
すがりつく少女に苦笑しつつ、慄然とする奥の置物…もとい支部司令に視線をやる。
「な…何故、ここまで」
「見せしめだよ。司令」
銃を少女から受け取り、そちらへゆっくりと歩き出す。
「見せしめ…?」
「そう。これだけやれば、アスカに手出しをする気はなくなるだろう?」
次やれば今度は自分の家族が『こう』なる。そういった暗黙の脅し。
しかし、男は逆らって見せた。
「だが…お嬢様を妾とするのは、ローレンツ卿に目をかけていただいた私には、耐え難い事だ」
「ん?」
「お爺様への媚、とかではないのかい?」
「…私がこの立場に上り詰めたのには、ローレンツ卿のお引き立てがあっての事です。お嬢様…そういう側面もない、とは言いませんが」
ぐっ、と視線を強め。
「たとえ私や私の家族がどのような目に遭わされても、カヲルお嬢様の為に、私はどんな事でもしてみせる」
「おや…」
ちょっとばかり、予想外ではあった。
目の前の男は、打算よりも忠義で動いている。方向性はともかく。
このままでは本当にどのような目に遭ってもアスカの安全は保証されない。
となれば。
「アスカとカヲルさんのことについては心配要らない。程なく多人数の妻帯が日本でも許されるようになる」
「…馬鹿な」
「本当だよ。お爺様が圧力をかけているからね」
「…」
「アスカにはこれ以上手を出さないで欲しい。碇の一族の誇りにかけて、僕はカヲルさんを日陰者にはしないよ」
「…本当か」
「ローレンツ老とも約束してある。何だったら、僕の人となりも含めて老に聞いてみるといい」
「私からも頼むよ、グスタフ。こういう形ではシンジ君との間に溝を残してしまうから…」
「…お嬢様」
暫しの沈黙の後、司令は小さく首肯した。
「…承諾した」
- 173 :骨型 :07/01/02 21:48 ID:AUuMxrhM
- …そういや外道分が足りないな、というのがコレの元ネタです。
このままじゃ単なるエロ小僧じゃないか…と。
取り敢えず、内側にはだだ甘で、外側には鬼外道なシンジ君を少しは出せたかな、とも。
- 174 :FOX :07/01/04 22:19 ID:???
- >>骨型さま
>>:小GEN-DOH
他人にどんどん手を下させるシンちゃんがすっごくワルくてとっても素敵です。
このカリスマ性が第三者にどう影響を及ぼすかとかを見てみたいです。
それにしても、はだかんぼに剥かれたロリータとか、親玉の愛人に筆下ろしされちゃって、そのあと放置-性犯罪者確定の坊やとか……。
名器の恋人を売り飛ばして、調教後に再び味見して自身の判断が正しかったと確信しちゃう青葉とか……。
どう見ても運命に振り回されているとしか思えないサブキャラたちの、(ある意味)ダメっぷりが本作の魅力だと感じてしまいます。
- 175 :骨型 :07/01/06 20:06 ID:???
- >>FOXさま
サブキャラにこそ愛を、が裏テーマの一つなので、とても嬉しいです。
坊やの方はその転落も書けたらいいなあ…と思っているのですけど、どこでどう転落させるかなあ、とか思案中だったりします。
そろそろ『その他の連中』を最下層にした、シンジ式ピラミッドの形が見えてきたかなあ…。
はだかんぼロリータは、例によって例の如く屋敷に帰ったら商品ですがw
今後ともご愛顧よろしくお願いします。
あ、マナ忘れてた(爆
From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(7)