なーぐるさんの『実験作:くノ一もの』2


159 :くノ一もの@なーぐる :06/10/12 23:58 ID:???

 淫靡にして陰惨な惨劇があった翌日。
 昼八ツ(午後2時)の刻限ピッタリに、寝流布藩家老、青葉守武人繁信(あおばのかみたけひとしげのぶ)の屋敷の門前に、十人ほどの一団が立っていた。
 珍しいというより些か場違いな一団の姿に、屋敷の門番から女中、雇われ中間までも野次馬となって一団を見物している。
 それほどに一同は人の耳目を集める風体をしていた。
 安絣の着物を着た下働きらしい奇妙に表情のない6人の男。彼らはまだわかる。
 だが、人の注目を集めたのは場違いな、だがあでやかな衣装を身につけた、天女が舞い降りたかと思わんばかりに美しい4人の女達だった。
 癖のない碧なす黒髪の美女、豊かな蜂蜜色の髪と碧眼をもった美女、日に焼けたような茶色の髪の美女、目を疑わんばかりに白い肌と老婆のそれとは明らかに異なる輝く銀髪を持った美女。

 中間達とがやがやとざわめいていると、一団のまとめ役らしい、眼鏡をかけた黒髪の美女は自分たちを箱根に本拠を持つ旅芸人の一団だと名乗り、是非に屋敷で公演を行いたいと申し出た。
 これには美女に見惚れていた中間達も失笑する。

 屋敷と言っても、なんと言っても親藩寝流布藩50万石の家老、青葉守8000石の屋敷だ。
 天守閣こそないものの、1500坪を超える広い庭や離れ、茶室を備え、周囲を忍び返しのついた白亜の塀で囲み、屋敷に勤める者も100や200ではきかないちょっとした城同然なのだ。

 そこに得体の知れない人間を招き入れる?

 それでなくとも今は少々緊迫した次期。笑えない話ではあった。
 だが、その場にいた大半の予想を覆し、門番頭の木村某は示し合わせていたかのような問答の末、あっさりと一同を招き入れたのだった。


160 :くノ一もの@なーぐる :06/10/12 23:59 ID:???
 控えの間でしばし待たされる旅芸人の一座、むろんその正体は流行の歌舞伎踊りを披露する旅芸人などではなく、昨日、木村某に妖しの技をかけたくノ一の一団である。

 一同のまとめ役である白拍子の衣装を着た美女…仲間うちの通称『山岸のマユミ』が部屋に入り他の人目が無くなるまで見せていた、どこかおどおどとした表情は一変した。眼鏡の下の目つきも鋭く、他の美女達に向かって軽く肯く。

「首尾良く、公演が出来ると、良いですね…」
「そうね」

 応えつつ、長い金髪の端を指でクルクルと弄んでいるのは、太股も露わな変形稚児衣装を着た金髪碧眼の美女は、通称『飛猿のアスカ』だ。異人の血でも混じっているのか、エキゾチックな容貌は美しさに更なる磨きをくわえている。

「大丈夫だよ。たぶんきっと」

 無遠慮に座り込み少年のように足を組んでくすくすと笑いながら2人に向かって嘯くのは、健康的な茶色の髪を童子のように短くまとめた少年のような快活さを持った美女だった。通称を『黒鉄のマナ』と言い、一見、幼く見えるが実際の年齢はアスカやマユミ達と変わらない19歳だ。

「そうね。ダメなら、そもそも招き入れたり、しないから」

 最後に応えるのは紺の着物を着た如何にも純和風の出で立ちをした…だが、もっとも日本人離れした容貌を持った美女だった。
 比喩でなく白磁のように白い肌。マナと同様に首筋の当たりまでに短くまとめられた髪の毛は、微かに光って見える銀。さながら夜や見に浮かぶ月の滴を思わせる。
 妖精じみた容貌をした蒼月の美女の名は『綾波のレイ』と言う。
 公儀隠密・餓異名組の頭領、六分儀源道の秘蔵っ子。そのワザ、経歴、全て謎に包まれている。


161 :くノ一もの@なーぐる :06/10/12 23:59 ID:???
 勿論、彼女達は世間話などをしているのではない。
 くノ一である彼女達は、余人にはただ普通に会話しているようにしか思えないが、実際には様々な仕草で複雑な会話をしているのだ。
 あえて彼女達の会話を文章にすれば、以下のように会話をしている。

『マユミ。首尾良く潜り込めたけど、このあと、予定通りに進めるの?』
『…ええ、そのつもりです。黄昏時までは普通に芸を見せて殿様を楽しませて上げましょう。首尾良く、家老のご隠居を引っ張り出せれば予定通り、私はご隠居に誘蛾香を使います』
『ごめんね、マユミちゃんばっかりにそんな役目を押しつけて』
『マナさん。別に今更ですから、気になんてしてませんよ。
 それに、私だけじゃなく…。もしかしたら私以外にみんなも、目をつけられるかも知れないんですよ。そうなったら、立場上、断れるわけ、ないんですから』
『……わかってる。覚悟なんてとうの昔に、できてるから。
 でも、寝流布藩の藩主…冬月弾正孝三(ふゆつきだんじょうこうぞう)に近づくためには、隠居か、少なくとも家老とはなんとしてもマユミさんが、夜伽をしないと行けないわ』
『ええ。忍法、誘蛾香。私の内に潜む蟲を煎じて作ったこの香の香りを一嗅ぎでもすれば、心の内に強い嗜虐心を秘めた男なら、決して抵抗できない』
『気乗りしない顔ね…って、当たり前か。齢70を超えた爺さんに好きこのんで抱かれる奴なんていはしないもんね』
『わかってるならいちいち言わないで下さいアスカさん。それに、うまく公演が出来るのかも、公演できても、うまく藩主お気に入りのご隠居を引っ張り出せるのかも、全部わかっていないんですよ』
『また喧嘩してる…。やめなよ、アスカさんもマユミちゃんも。昔はあんなに仲が良くて、アスカさんと綾波さんの喧嘩を止める方だったのに』
『そんな、お互いに子供だった昔のこと…』
『待って下さい。昨日蟲をつけた門番から報告です。首尾良く、公演が出来そうですよ』


162 :くノ一もの@なーぐる :06/10/13 00:00 ID:???
 小規模ながら、一座の公演は非常に好意的に受け入れられた。
 少々暇を持て余していた侍達にはマユミ達の美しさ、髪を結わないがために感じる武家の娘とは違う物珍しさが好意的に受け取られた。

 無論、単なる美しさだけではない。
 アスカが猿の如く柱の上で軽業を披露すれば、どういうカラクリかマナは手も触れずに小刀を宙に浮かせ、生き物の如く舞い踊らせる。
 家中の騒ぎに興味を惹かれ、日々鬱々と過ごしていた隠居まで顔を出してきた時、一同は計画の8割が達成できたことを確信していた。

(頃合い良し…!)

 既に日も大分傾き、微かに橙色になった空の元で、いよいよ芸の締めとして白拍子姿のマユミが中庭で軽やかに舞う。レイ達の歌声と楽器の演奏で魂をとろかせ、その場にいた全員の心を捕らえて放さない。
 既に男性機能を失って10年以上に成らんとする隠居は、心が妖しくざわめくのを覚える。

 健康的なアスカの舞に最初は惹かれていたが、今は、この世の物とは思えぬマユミの舞から目を離せない。

 薄い常衣の布越しに透けて見える着痩せする見た目と大違いな肉感的な肢体。
 濡れたように艶めかしい黒髪から匂う菊に似た香り。

(おおっ、なんと)

 たるんだ腹の下で、10年来ピクリともしなかった一物に血が通い始めている。
 心を捕らえて放さない不思議な香りと、マユミの優雅な舞いに酔いしれる。
 その内、彼の心の中に形容しがたい感情が、制御不可能な真っ黒な顔のない獣のように大きく膨らみ、暴れ始める。

(あの女を、抱きたい…)

 舞が終わると同時に隠居がマユミに申しつけた夜伽の命に、彼の遅くできた息子の武人は年甲斐もなく、と顔をしかめるが、父が一度こうと決めたら頑として説得を受け入れないことも、彼はよくわかっていた。
 気の毒そうに、マユミを身やり、せめて事が済んでからの褒賞はたんとくれてあげねば、とそう思うことが精一杯だ。


163 :くノ一もの@なーぐる :06/10/13 00:02 ID:???
「あ、お殿様…。わ、私には故郷に許嫁がおります。そのようなことを申されましても」

 驚き目を見開くマユミは故郷に許嫁がいる、それだけは勘弁して欲しいと涙ながらに懇願する。小動物のように哀れに震え、か細い声で夫の助命を頼んだ静御前もかくやと言う魂のこもった懇願だった。

(ちょっとちょっと、どういうつもりマユミは)

 打ち合わせになかった突然のマユミの婚約者宣言に、本気で驚いた顔をしてアスカ達はマユミを見つめる。唯一、レイだけは無表情のまま、マユミの背中を見つめている。
 だがアスカの困惑もあに図らんや。もしこのご隠居が「なら仕方ないな」とでも言ったら、ここまで準備して潜り込んだ苦労が全て水の泡と消えるのだ。
 が、すぐになぜマユミがそんなことを口にしたのかを悟り、さすが房中術に長けたくノ一だ、と心の中で感嘆の溜息をつく。

「ならんならん! 旅芸人風情が武士に逆らうな! よいな、お主ら今宵泊まっていけ」

 マユミの哀れっぽい言葉と、許嫁がいるという言葉に隠居の心はますます猛り狂っている。文字通り、盛りのついた犬のように。

「で、ですが…」
「黙れ! これ以上ぬかすなら罪人として獄に繋ぐぞ! お主だけでない、お主の連れ諸共にじゃ!
 なに大人しく言うことを聞けば褒美はたんとやる。それこそ、お主ら下民が想像したこともない程の褒美をな。
 …良いか、マユミとやら。今宵、じゃ。それまで身綺麗にして、覚悟を決めておけ」
「ああ…。そんな、そんなご無体な」

 さめざめと泣きくれるマユミ達を後に残し、上機嫌に隠居は退出する。
 今夜は精の付く物を喰い、そしてどうマユミを可愛がってやるかとそのことで心の中は一杯だ。

 だが、その場にいたもの達の誰が知ろう。
 顔を着物の裾で隠して泣きじゃくるマユミの口の端が、くくっ…と引きつるように吊り上がったことを。


164 :くノ一もの@なーぐる :06/10/13 23:02 ID:???
 夕方までの活気が嘘のように、じっとりと汗ばむ居心地悪い空気が青葉屋敷の内を満たしていた。
 ある者は50も年の離れた相手に抱かれなければならないマユミのことを憐れみ、またある者はその背徳的な組み合わせに言いようのない興奮を覚えて、どうにか一目、せめて音だけでもと期待に悶々としている。

 特別にマユミに風呂を使わせ、3人の小女達を使って産毛をほじくるように徹底的に体を磨れ…伽の準備は全て整った。

 何十人もの好奇心が満ちていることを感じ取っているのか、まんじりともせず、奥の間の寝所に敷かれた布団の上で、もじもじと居心地悪そうにしながらマユミは正座してその時がくるのを待っている。光を当てれば体の線が透けてみる程薄い襦袢のみを身につけたマユミは、行灯のほのかの明かりに照らされて艶めかしくも美しい。

(待つのは…苦手だわ)

 遠くの番所か寺から夜四ツ半(午後11時)を告げる鐘の音が聞こえる。

(避けられないなら、早く終わらせて欲しいのに)

 緊張から微かに震えながら溜息をついたマユミだったが、ハッと耳に意識を集中させた。
 反射的に振り返ると、彼女の背後の襖が無造作に開け放たれた。
 さしものマユミも一瞬息をすることを忘れて、ほとんど円形の老爺の影に目を見開く。醜く弛み、老醜に膨れあがった老人は下帯も何もつけていない、湯上がりそのままの全裸だった。

「ほっほっほっ。待たせたの」

 涎を垂らしながらそれだけ言うと、東照神君徳川家康は大層に太っていて、狸呼ばわりされたことさえもあったが…。
 家康公もかくやとばかりに肥え太った老爺は背後からマユミを抱きしめた。
 火照った体の熱さと湿気た布団のように吸い付く老人のたるんだ皮膚の感触に、びくっと体をすくませ、いやいやとマユミは身をよじる。だが、老爺はしっかりと抱きしめて放さない。

「はっ…ああっ。お、お許し…ください…。わたし、わたし、あの方に、許嫁に申し訳が立ちません…」
「ほほ、嫌がりようもたまらんの。なんという愛らしさじゃ。これ、これ娘よ、儂はもう我慢ならんぞ」


165 :くノ一もの@なーぐる :06/10/13 23:03 ID:???
 老爺の指先がうっすらと汗を浮かべたマユミの肌を這い回る。ひくり、びくりと肌を粟立たせてマユミは震える。
 芋虫のような指先が襦袢を掴み、肩口をまろびださせる。
 悲鳴と共にはだけられた肩と首筋をなぞり、瑞々しい絹ごし豆腐の柔肌をくすぎり、白い鞠のような乳房、指に柔らかく絡みつくような腕、豊かな胸と腰の間でくびれた細腰、淫らにくねる足…。

「くぅ、ん…やめ、おやめ下さい…」
「こらこら、暴れるな。おとなしゅうせい」

 存分にマユミに感触を堪能すると、胸の隙間に老爺の指が差し込まれる。

「ひっ、あっ。あ、ああ、そんな、そこは…」
「ほほおお、これはこれは…。弁天様もこれほどではなかろうぞ。良きかな、良きかな」
「ああ、胸は、だめ、ダメになります…。感じ、て…いけない…。くぅ、うぅ、シンジ様…」

 老爺は笑いながらマユミの胸を執拗に揉みし抱く。下からすくい上げるようにつかみ、ゆさゆさたぷたぷと見ため以上に肉の詰まった、重量感溢れる乳房を存分に嬲る。

「んっ…。んん…お願いです、や…やめ、てぇ…」

 マユミは歯を食いしばり必死になって声を堪えようとする。
 だがそれは儚くも無意味な抵抗だ。ともすれば忘れてしまいそうだが、マユミはただの街娘ではなく、閨の術に特化して鍛えられたくノ一なのだ。マユミの体は、それが嫌い抜いた男の愛撫であっても、たちまちに反応し、しとどに濡らしてしまうように作り替えられてしまっている。

「あっ。はぅ…んん、あぁぁぁ…。殿様、これ以上の、ご無体は…堪忍、して」

 まだ伽が始まって数分とたっていないのに官能の刺激でビクビクと痺れ始めている。
 全身を紅潮させ、ぐったりと弛緩したマユミの姿に隠居はにやにやと双眸をゆるませる。

「甘露甘露。ほほ、なんという柔らかさ、それになんとたっぷりとした肉置きじゃ」
「あうぅ、ああ、だめ、ダメでございます…。お、お殿様、お許し、下さい…。マユミは、マユミは、耐えられません…」
「何を言うか。ここまで来てやめられるわけ無かろう。ええい、いい加減に覚悟を決めるのじゃ」

 よよと泣き崩れるマユミから襦袢を一息に引き剥ぐと、顔を掴んで無理矢理自分の方に向ける。


166 :くノ一もの@なーぐる :06/10/13 23:04 ID:???
「ほれほれ、故郷の許嫁に再会したいのなら心を込めて儂の一物で囀るのじゃ」
「さ、さえずる…」
「口で吸えと言うとるのじゃ。ほれ」
「あっ! うぶっ、うんんっ!」

 無理矢理口腔に突き込まれたたるんだ肉の感触に、マユミは目を白黒させて首を振る。演技ではなく、心の底からの驚きと嫌悪にマユミはまなじりに涙を浮かべて呻き声を上げる。
 マユミの見知っているものとはまるで異なる異形と化した一物。

「おぶぅ、うぶうぅぅ、ぐぅぅ、ふぐぅぅぅ、ううぅぅ、あぅぅぅ」
「ほれほれ、舐めろ舐めろ。舐めるだけじゃなく、舌先でくすぐるのじゃ」

 あまりの苦しさと嫌悪に自分がくノ一であることも忘れ、マユミは言われるがままに亀頭に舌を絡め、カリの括れに舌先を沿わせていく。

(う、うう。なに、これ…。いままでの、男の人とは…頭領とも、誰のとも、全然違う…)

 先端の亀頭は真円に近い球形で、皮だけ剥いた梅干しのようだ。
 そして竿の部分は萎びてたるんだ皮膚が蛇腹のようになって中央部分から大きく膨れあがっている。さながら節だらけの茶色い芋虫だ。それがマユミの可愛らしい口一杯に詰め込まれ、暴れている。

「ぐぅぅ…。う、うぅ、うふぅ…」

 たらたらと口の端から涎を垂らしながらマユミは戦慄した。既に3寸ほどの大きさがある老人の一物だが、これでまだ完全に勃起したわけではない。年故になかなか完全に勃起できないのだろうが、完全に勃起したとしたら、一体どれくらいの大きさになるのだろう。

(む、無理よそんなの。と、頭領だって…5寸くらいだったのに…。入るわけ無いわ…)

 だが、任務故に…彼女が我が身を犠牲にしてでも守りたいと思った存在がある故に。
 受け入れないわけにはいかないのだ。

「あうぅ、ううぅ。んん、ぐすっ…うっ、うう」
「おお、いいぞ。だんだん、具合が…よく、なってきおった。そうじゃ、舌を絡ませろ」

 神社の狛犬のような格好で座り込んだまま、マユミは絶望に涙を流した。当たり前だが、自分の仕事を納得してやっているわけではないのだから。嫌なことは嫌に決まっている。

(ああ、こんな事をしている姿…。絶対に、シンジ様には、見せられない…。見せたくない…)



167 :なーぐる :06/10/13 23:06 ID:???
(・∀・)今宵はここまで

いや、マユタンだと一度勢いがつくとぽんぽんネタが湧いて嬉しい悲鳴だね!
一方、アスカ達はあらかじめネタがきちんと揃っていないと、なかなか書くのが、難しい。
バイオハザードラス前10分の所は書き終えたんだけどなぁ。



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