なーぐるさんの『実験作:くノ一もの』


123 :なーぐる :06/09/22 02:08 ID:???
実験作:くノ一もの


 月の光も朧な林の中を、一人の女性が息せき切って駆けている。だが、足下もおぼつかない闇の中をそれでなくとも頼り無い女の足で駆けようと言うのだ。その進みは女の焦りと必死に比べて、蛞蝓の歩みにも似てもどかしかった。
 なぜ、その女は夜の闇の中を必死に駆けているのだろうか。

 木の根や思わぬ地面の窪みに足を取られながら、必死に女は走る。ちらり、ちらりと血走った目で女は背後を振り返る。
 闇の中にうっすらと浮かぶ影は、付かず離れず、女の必死な足掻きを嘲笑うようにつきまとっている。徐々に、徐々に距離を詰めながら。
 月明かりに照らされて、貧相な男の顔画家今浮かび上がった。イヤらしい笑みを口元に浮かべ、肩で息をしながらも男は追跡を楽しんでいる。舌なめずりをすると、更に男は歩みを早めた。3間の距離が2間に…。そして1間に。

 手を伸ばせば届きそうな女の肢体の感触と匂いを想像し、男はますます股間をいきり立たせた。男の記憶にはない程の大きさに膨れあがった一物は、ついにはふんどしの隙間を突き破ってぬめぬめと月明かりに光る亀の頭をまろび出させる。

「待て、待て、お女中」
「ああ、あっ」

 寝流布藩は決して地方の小藩ではない。関ヶ原以前より続く譜代の大藩であり、京も近い名藩だ。将軍家のみならず、公家や皇族にすら覚えめでたい。
 その流行の先端と言って過言ではない寝流布の女共の中に混じっても、女の身なりは決して埋没することのない、かといって派手すぎると言うこともない夜目にも鮮やかな桃色の着物だ。帯や乱れかいま見える脚絆にいたるまで、決して安物ではない名品であることが見て取れる。
 だのに、武家の女子がするように髪を結い上げず、どこぞの田舎娘のように長く背中に流したまま。どこかちぐはぐで野暮ったい風だが、髪の毛がさらさらと水面のように細波揺れる様は幻想的な月の光の中でとても蠱惑的だ。

「へへへっ。ほれ、ほれ、つかまえたぁっ」
「い、いやぁっ!」

124 :なーぐる :06/09/22 02:09 ID:???
 遂に男の手が女の襟首を掴み、無理矢理引き寄せる。
 男の痩せた腕の中で、生命力に満ちあふれた女の瑞々しい体が弾んで震えた。

 自分にこんな荒々しいところがあったとは…。30石取りの小碌とは言え、武家の一員として清廉潔白、質素を旨に生きてきたが、夜道を一人、無防備に歩く旅の者らしい女を遠目に一目見た瞬間、男の心は沸騰していた。お家のこと、妻と娘のこと、何より最近伝え聞く不穏な噂もあって綱紀を引き締めろ、とお達しがあった直後だというのに。

(そんなもの、そんなもの、もう、どうでも、良い)

 数えで46になるこの年まで感じたことのない熱情に浮かされるまま、夜道を進む女を追い掛け、興奮で息を切らしながら一人歩きは危ないと忠告をした。
 男の声に振り返った女は、箕傘の下の顔をさらすことなく、小さく首をかしげて返礼をすると囁くような声でこう返してきた。

「お武家様。わざわざのご忠告、誠に有り難く思います。ですが、今夜中に強羅の宿にまで行き着かねばならないのです」

 予想通り …いや、予想よりも若い、恐らくまだ20になったかならずかの女の声は男の心をがんじがらめに縛り上げた。囁くような声だが、しかし虫の鳴き声にも負けずハッキリと耳に届く張りのある声。『あの』時には、どんな声を聞かせてくれるのだろうか。

「わしの忠告が、聞けぬと言うのか!」
「お武家様? 私はそのようなことを…。あの、いかが致しましたか?」
「お主のようなおなごが、一人こんな夜道を歩くなど、雲助や野党に攫ってくれと言ってるも同じじゃ。いや、きっと、きっと攫われる。それなら、それなら、いっそ、わしが。そう、わしが…」
「お、お武家様? あ、ああ…ひっ!」


125 :なーぐる :06/09/22 02:09 ID:???
 尋常成らざる男の様子に恐れおののいたのか、女はそれ以上何も言おうとせずに背中を向けると脱兎の如く走り出した。
 それが全ての引き金となった。せめて女が逃げなければ、あるいはもっと言葉を尽くせば男もここまで狂乱することはなかったかも知れない。だが、はたして…。

 獣が背中を向けた獲物を反射的に追い掛けるように、男は、一匹の雄となって女を追い掛けた。
 老いてるとは言えいまだ壮健な男の足と、足首までもある着物の裾が邪魔となって歩くのにも支障がある女の足では、勝負は初めからついていると言っても過言ではなかった。
 逃走劇が5分以上続いたのは、単に男が猫が鼠を狩る真理で女を嬲っていたからに違いない。


 逃げる女をおよそ四半里追い掛け、遂に捕まえた。
 髪を掴み、腕を掴んで引き寄せると女の背後から蜘蛛が獲物を巻き取るように抱きしめる。
 達成感と興奮に身を焼きながら、男は女の胸を着物の上から撫で回した。長い黒髪を振り乱し、女は…いや、娘は甲高い悲鳴を上げるが、暗い森の中に彼女の声を聞いて助けに来てくれる者など、誰もいない。
 それでも万一を恐れて男は女の口を手で覆った。

「んっ!?」

 手に触れる、肉や髪とは明らかに違う硬い感触に違和感を覚え、まじまじと月明かりの元で女の顔を見つめる。女の顔は予想通り、いや予想よりも美しかった。少し垂れ目気味の目は恐怖に真っ黒な瞳を震わせ、形の良い小鼻がひくひくと動いている。口を押さえられたことで必死になって荒い息をしているのだ。白い肌は雪のよう、端で切りそろえられた髪は京人形のようで、細かい砂を指ですくっているかと思うような良い手触りだ。
 だが、女の美しさよりも男の注目を惹いたのは、女が顔につけている…南蛮渡来の視力矯正器具、いわゆる眼鏡をつけていたことだった。
 このような高価な物を持っていると言うことは、女が決してただの旅の女などではないと言うことだが…。だが、獣欲に狂った男はそんなことを考えもしない。


126 :なーぐる :06/09/22 02:10 ID:???
「へっ、へへへっ。面妖な物を、持っておるのぅ」
「んんむっ、むむぅぅ〜〜〜〜っ」
「そのくぐもった声、もう、我慢できぬわっ。良いな、抱くぞ」
「んっ、んんんっ! ふむぅぅぅ〜〜〜〜っ!」

 この当時、寝流布藩にもかなり廃れたとは言え、若い男が未婚の女の元に深夜通って関係を結ぶ夜這いという風習はあったが、だが親子程にも年の違う男が、夜道を歩く女を追い掛け、無理矢理関係を結ぶ。そんな風習はさすがに存在しない。
 しかし男は強引に、己の心の中でこれは夜這いの風習だと納得させていた。

 女が拒絶どころか、涙を流して暴れていることは都合良く忘れることにしている。

「うぐっ、ぐっ。はっ……お、おやめ、下さい。わ、わたし、心に決めた相手が、許嫁が…! それに、まだ、私…」
「なんじゃ、お主、新鉢か」
「ああっ、そうです。ですから、お願い、致します…。なにとぞ、ご無体は…ひゃぅっ」

 自分が男を知らないことを認める…そのようなことを口にするだけでも精一杯だったのだろう。一層、娘の顔が羞恥に染まる。だが娘の必死の懇願は、虫の声さえも一瞬黙らせる甲高い呻きで中断させられた。
 男は娘を背後から抱きすくめたまま、恐怖と羞恥に赤く染まった娘の耳たぶに口を寄せておもむろにしゃぶりついたのだ。じゅぶじゅぶと音を立てて長く鋭い舌先が溝や耳たぶを舐め、産毛をくすぐっていく。

「ひっ、ひぃぃっ。ああ、か、堪忍、して下さい…。シンジ様ぁ…。マユミは、マユミはっ」
「ほぅ、ほぅ。マユミ殿というのか。それに、その物腰、口調、やはりどこぞの武家の娘であるな」
「そこまで、おわかりなら、もう、おやめに…! ひっ……ぐっ。くぅぅ」


 襟ぐりより襦袢の下へ強引に潜り込んだ男の指先が、女の柔肌の上を這い回る。着物の締め付けにもめげずに両の乳房を撫で回し、その着物の上からではわからなかった予想外のたっぷりとした重量感に頬をゆるませながら、血走った目で男は周囲を見渡した。

(お誂えだ…!)

 おのが幸運に感謝しながら、男は月明かりの中にぽつんと浮かぶ廃墟と化した庚申堂にマユミの華奢な体を引きずっていった。


127 :なーぐる :06/09/22 02:10 ID:???
 庚申堂の中は雨漏りが酷く、床板の至る所に染みが出来、腐り、足を乗せただけでぎぃぎぃと不安な音を立てた。蜘蛛の巣が天井や壁など至る所に張り巡らされ、それらも埃をかぶってたるみきっている。朧な汚れの向こうでは、富士の絵や金剛の絵が不気味に浮かんでいる。
 こんな廃墟でも、一時誰かが寝泊まりしていたのか堂の中心には菰と古びて綿が漏れたぼろ布団が敷いてあった。

「へっへへへ。お女中、喜べ。硬い土の上でのまぐわいはなくなったぞ」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「嬉しさの余り、返事も出来ぬか」
「ち、違う…」

 四つん這いになったまま、這いずって逃げようとするマユミの背後で、ゆうゆうと男は着物を脱いだ。帯をゆるめ、上着を脱ぎ捨てるとおもむろにふんどしの縛りをとく。
 剥き出しになった男の一物は、前髪もあどけない少年のような猛々しさと固さで天を向いてそそり立っていた。

「そ、そんなものを、見せないで下さい!」
「ならん、ならん。ちゃんと見ぃ。これからお女中を女にする尊き一物ぞ」
「ああ、いやいや…。シンジ様、助けて、助けて…」

 涙をボロボロとこぼして泣きじゃくるマユミの背後から覆い被さり、男は後ろ襟を掴み、腕をねじると強引に着物を引っ張って脱がしていく。
 まず、無理矢理引き開けられた着物の合わせ目から肌着や襦袢でも隠せない程のたっぷりとした乳房がまろび出る。ぶるっ、と音さえもしそうな大きく柔らかな胸は、行ったことは勿論ないが、江戸は吉原の花魁の白粉を塗った肌のように白く、羽二重の餅かと思わんばかりに柔らかだった。

「おお、なんと見事な。富士の山とて、これほどの物ではあるまい。眼福眼福」
「あ、はぁぁぁ…。お、おやめ、下さい…。見ないで下さいませ…。ああ、ああ、あっ。ああぁあ、うあぁぁぁ…」

 手に余る乳房を背後から抱きしめ、すくい上げるようにして執拗に何度も何度も絞り上げる。

「お、よいぞ良いぞ。おお、なんという手触り、なんという瑞々しさ」
「ううっ、うっ、うううぅぅ。シンジ様、シンジ様ぁ…。ダメです、そんな、そんな」


128 :なーぐる :06/09/22 02:11 ID:???
 男の顔が見えず、抵抗も出来ないまま為すがままという、四つん這いの姿勢は殊更屈辱的なのか、マユミはよりいっそう激しく涙をこぼし、血が出る程硬くきつく唇を噛みしめた。だが、そうまでしても男の指先が乳房の先端で控えめに息づく乳首を摘んだ瞬間、親の仇を目にしたような驚愕の悲鳴を漏らすのだった。

「ひぃっ、ひっ、ひっ、ひぅっ! だめ、ダメですっ。恥ずかしい…こんな、はしたない…。ああ、シンジ様…」
「はっ、はっ、はっ。そのシンジという男は幸せ者よ。こんな体を独り占めできるのだから。その幸運、ちょっと儂にわけてくれ。それで、公平じゃ。はぁ、はぁ、なんという…。内のぬかみそとは全く違う、おお、吸いこまれそうじゃぁ…」

 大きな乳房の中に指がそのままとけ込んでいくような快楽。
 快楽を与えているはずなのに、指を通して伝わる手触りに男は性交をしているとの同じ様な快楽を感じ、それに酔っていた。愛撫でさえこれなら、実際に、一物を女の秘貝をこじ開け挿入した時は…!

 雷に打たれたように震えた時、男は慌ててマユミの太股に擦りつけていた一物を引き離した。先走りの汁がトロトロと糸を引いて伝い落ち、ビクビクと痙攣している。もう、あと数秒でもマユミの太股に押しつけていたら、不名誉な射精を免れなかったことだろう。

「おっ、おっ。おおっ。ダメじゃ、まだ、出すわけには、そんな、勿体ないこと!」
「はぅぅ、あうぅぅ。ダメ、ダメです…。お武家様、ダメで、ございます、ううぅぅ」

 柔らかな乳房と対照的に、堅く凝った乳首を指で摘んでコリコリと転がされてたまらず、甘やかな喘ぎ混じりの拒絶をマユミは漏らした。痙攣するように体をわななかせ、誘うように尻を振りながら必死になって込み上げる衝動を堪えている。

「ああ、あああ、あああぁぁ、あっ! あん、た、助け、助け、てっ。はひぃ……! ん、くぅ…っ」

 だが、マユミの固い決心とは裏腹に、彼女の体は男の決して巧みとは言えないが執拗な責めの前に陥落していった。全身を濡れ光る春霞の桜のような桃色に染め、匂い立つ女香で満ちた汗の滴をぽたぽたと流していく。白く無駄な贅肉のない太股と二の腕を震わせ、とうとうマユミは堪えきれなくなったのか首を仰け反らせて叫び声をあげた。


129 :なーぐる :06/09/22 02:11 ID:???
「ああうあぅぅ! んっ、んんっ。んっ! やだ、なに、これ、なんなのっ! こ、こんなっ、こんなのだめ、死んじゃう!」

 ボロボロと砕片を撒き散らす菰をきつく握りしめ、甘ったるい啜り泣きを漏らしてマユミは喘いだ。

「ええか、ええのか。そうか、そうか、そんなにええかっ!」
「はひぃ、ひぃ、ひぃん、ひん、ひん、いいっ、いい、あうあうぅ…!」

 マユミに負けない程汗を流し、荒い息を吐きながら男はマユミに美声を奏でさせている自分の手腕と行動力に酔っていた。当初感じた恐怖は既に無かった。たとえ、この娘がやんごとなき立場の娘であったとしても、たった一晩でも妻にすることが出来るのなら、刑場で首を打たれても後悔はない。

「お、おうう。マユミ殿、そ、そろそろ」
「うう、うぅぅ…。そろそろ? 何を、なさるおつもりです…」
「決まっておろう。お主と儂とが夫婦になるのじゃ」
「そ、そんな、いやっ、やだっ。助け、誰かっ!」

 最後に残っていた力と意志を振り絞り、必死になってマユミは逃れよと足掻く。
 だが、快楽で痺れた体はろくに動かすことも出来ず、後頭部を掴まれて顔を地面に押しつけられた。呻き声を漏らすマユミ。尻にかかっていた着物の裾が無造作にまくり上げられ、下帯がむしり取られて、剥き出しになった尻が闇の中に白く浮かび上がる。

「さ、さあ、行くぞ…」

 マユミのくびれた細腰を左右から掴むと、ぐいと男は腰を押しつけた。びらびらした赤貝の襞の中に赤銅色をした亀頭をじりじりと潜り込ませていく。

「やめ、やめて…。あ、ああ、ああぁぁぁ――――っ!!」

 グチュリと音を立てて亀頭が誰も触れたことのない秘所の中に潜り込んだ瞬間、黴くさい庚申堂の中に、悲痛なマユミの叫びが響き渡った。


★★★今夜はここまで(´∀`)

130 :なーぐる :06/09/22 03:53 ID:???
続きの続き

「ああう、あおっ、うあぁぁぁ…っ! こんな、こんな、酷いっ! シンジ様、シンジ様ぁ! マユミは、汚されてしまい、ました…。ゆ、許し、て…」
「お、おおっ。なんと、なんという……っ!」

 苦痛さえ覚える程甲高いマユミの叫び声の中、マユミの中に亀頭部分が飲み込まれた…そう思った瞬間、凄まじい締め付けと背骨を貫くような快楽に男はそれ以上何も言うことが出来なくなった。

(こ、これが…生娘の!? だ、だがっ)

 柔らかく熱いマユミの膣壁はまるで商売女のように濡れそぼち、全て心得ていると言わんばかりの吸引で男の一物を内に内にと吸い込んでいく。
 それは小心故に若いうちの女遊びをしたことのない男にとって初めての経験だった。
 妻を初めて抱いた時とはまるで違う、快楽の全てをほじくり出すようなマユミの膣。襞はからみつき、それをかきわけ、無意識の動きで奥へ奥へと腰を進めてしまう。
 その一方、かつての妻以上のきつい締め付けが男の全てをまんべんなく包んでいた。手で掴まれてでもいるような痛みさえ覚えるような締め付けは、マユミが言葉通り男を知らない生娘である…そう信じさせるに充分だ。

「う、うっ、ううっ。シンジ様、シンジ様…お許し、お許しを…。あう、うっ、ううっ」

 無意識のうちに三浅一深の動きで男はマユミをつきまくる。お互いの結合部からは泡混じりの愛液と精液がじゅぶじゅぶと音を立ててこぼれ落ち、太股を伝って腐った板床の上に滴り落ちている。その汁の中に、うっすらと混じる赤い線…。

(これは、破瓜の…血か。やはり、言葉通り、生娘だったか。しかし、だが、おおっ)

「あううぅ、あう、うっ、あうん。うん、ううっ…。お、お願い、します…。う、うごか、ないで…、ください。う、ううっ。あっ、あっ、あっ」

 涙で顔中を濡らして泣きじゃくっているが、これは屈辱と苦痛の涙なのか、それとも快楽に翻弄されて出たうれし泣きなのか。男には体を震わせ、乳房を波打たせて身もだえるマユミにすっかり幻惑されていた。
 血を流し、屈辱と苦痛になく姿は間違いなく生娘だ。だが、洪水のような愛液と快楽に身悶えする淫蕩な姿は娼婦と言っても通用する。

「あう、うん、うあぁ。ううっ。お、おぶけ、さま…。もう、もう、堪忍してぇ…。も、もう、耐えられ…ません。ううん、うん、ああ、痺れる…」

131 :なーぐる :06/09/22 03:54 ID:???
 武家の淑女かそれとも娼婦か。

(いや、そんなこと、どうでも、良い)

 千々に乱れるマユミの姿とこの世の物とは思えぬ快楽があればそれで良いではないか。
 もっともっと啼かせたい。もっともっと喘がせたい。もっともっとマユミの中を堪能したい。許嫁のいる女を蹂躙したい!

「ひぃ、ひひひひっ。ま、マユミ殿。もっと、もっとじゃ。もっとじゃぁ!」
「あ、ああ、は、はげし、ひぃっ!」
「おお、良いかっ。いいかぁ。もっとか、もっとかぁ!」

 獣のように激しく腰を突き込みながら男は息も絶え絶えに叫んだ。

「やめ、やめて、下さい! もう、もう、私、耐えられ…ああ、ひ、光が」
「そ、それが、イく、というやつ、じゃぞ!」
「うう、いやぁ…。シンジ、様ぁ…マユミは、あなた様、以外の殿方に…犯されて」

 ブルブルと痙攣するマユミの太股をなでさすると、今度は根本まで挿入したまま、「の」の字を書くように腰を回転させる。一物の先端が子宮の入り口をつつき、さらに膣壁の一部を擦った瞬間、雷に打たれたようにマユミの体が跳ね上がった。

「あはぁぁぁぁっ! うん、うあぁぁぁぁ――っ! ああ、だめ、だめ、ダメぇ! 私、もう、ダメぇっ!」

 折れそうな程に背筋を仰け反らせ、口元から涎を溢して身も世もなく快楽色で染め上げられた喘ぎ声で叫んだ。
 その声に男の威勢がいよいよ増していく。
 根拠無く、マユミを絶頂に狂わせてしまえば、女を夜道追い掛けて襲ったことはなかったことになり、それどころか弁天が降臨したかと思わんばかりの美女を妾にだって出来る、と考え始めていた。

「おお、マユミ殿、マユミ殿ぉ…。は、はぅぉおおおっ」

 実際、男はマユミという極上の淫華を知ってしまった以上、マユミの体無しでは1秒だって生きていられる自信はなかった。まるで、麻薬だ…だが、こんな麻薬なら、堕ちてしまっても後悔はないではないか。


132 :なーぐる :06/09/22 03:54 ID:???
「儂の物じゃ、儂の物じゃぁ…。この、女は、マユミ殿は、儂の女じゃぁ…。おっ、おっ、おっ、おおっ」
「勝手なこと、言わない、で…。はぐっ、うっ、うぐっ。熱い、熱い…切ない、切ない…。ひぃうぅぅぅ…。
 ………い……いや…。ああ、いやぁ。いやぁっ! イヤイヤぁ! なにこれ、なんなの! なんなの、これ!?」

 眼鏡をかけた女を抱いたのは、勿論これが初めてだったが、ギヤマン越しに見る涙で濡れた女の瞳は、普通に喘ぐ女の顔を見るよりも達成感が強かった。まるで、女の全てを文字通りに貪りつくし、征服するような…。
 ぴったりと体を密着させるように背後から抱きつくと、ぎゅっぎゅっと痛々しい程に指の後を付けながらマユミの胸を揉みし抱く。苦痛以外の何物でもないはずの乱暴な愛撫に、マユミは眼鏡の下の目を見開いて悲痛な呻きを漏らす。だが、すぐにその痛みさえも快楽と受け取ったのか、とろけるような甘い声で喘ぐのだった。
 それがまた男をいきり立たせる。

「いた、痛い、ああ、痛い…。胸が、ああ、痛いです…。はぅ、はぅ、はぅ、あはぅぅぅぅ…っ。ああ、だめ、私、私…」
「イけ、イってしまえ! わしも、もう、出る!」
「い……イく?」

 戸惑った声で呟き、マユミは舌先を丸めて筋の浮いた首筋をブルブルと震わせる。
 喘ぎ声に重なってパンパンと2人の腰がぶつかる鈍い音が堂の中に響き、たまたま外を通りがかった野良猫を慌てて駆け出させた。

「そうじゃ、イくんじゃ!」
「ああ、イく! わたし、わたし、いくいくっ、イっちゃう――――っ!!」

 喉も裂けよとマユミの叫びが溢れた瞬間、男の一物は赤子の腕程に膨らみ、そして溢れんばかりに大量の精液を噴き出したのだった。
 胎内の奥深くに熱く粘つく迸りを受け止めた瞬間、マユミの両目から嘘偽りのない、純粋な涙が一滴溢れて、こぼれ落ちた。

「あ、ああ、熱い、熱い…。熱いのが、私の、中に…。し、シンジ、様。私、汚され、ました…。もう、もう、あなたに相応しく…」


133 :なーぐる :06/09/22 03:54 ID:???
 溢れる程に精液を注がれたマユミはぐったりと崩れ落ち、ひくひくと全身を震わせながらそれだけ呟くのが精一杯。
 そんなマユミを愛おしそうに見つめながら、男は白く豊かなマユミの尻を撫で回していた。芸術的なくびれの細腰に反ってゆっくりと手を沿わせ、産毛と柔らかな弾力を楽しみながらまだ抜くのが惜しいのか、それすらも忘れる程に浸っているのか、まだ射精をやめない一物に驚きを覚えている。

「おお、大丈夫じゃ、大丈夫じゃぞマユミ殿。その、シンジとか言う若造の所に嫁行けなくなっても、わしが、なんなら…」

 そこまで呟いた瞬間、男は激痛…かと錯覚する程の快楽に息をすることも瞬きをすることも、それどころか心臓を動かすことすら一瞬忘れた。あまりの急激な緊張のために、ボキリ、と鈍い音を立てて男の骨が折れた。
 しかし、男は苦痛を感じる暇もなかった。それ以上の、拷問めいた快楽が、男の一物からではなく…もっと上の腹の中心…つまり、臍から全身を沸き立たせていたからだ。

「な、な、なっ…」
「あらあら、声を出すことも出来ませんか?」

 首を動かすことも出来ず、薄汚れた天井を見つめるしかない男の耳に、初めて聞く…だが聞き慣れた女の声が聞こえた。声の印象から感じる楚々とした雰囲気は口調には微塵もなく、それどころか刃物で切り刻むような嫌悪と侮蔑が色濃く滲んでいる。

「が、が、がっ。あがが…だ、だ、れ」
「誰とは…随分とつれないお言葉ですわね。さっきまであんなに、離してと泣いて頼んでも離さなかった相手に対して」

 ああ、まさかまさか。

(だ、誰じゃ?)

 ずる、ずるり、そんな音を立てて何か細長い物が蠢く音が聞こえてくる。そして音と共に激しさを増す快楽に男の精神はすりきれた糸よろしく切れかけていた。
 ゆっくりと、路傍の石でも見るような冷たい目をしたマユミが身を起こすと、怒張が限界を迎えて内側から裂けて萎びた一物がマユミの中から引き抜かれた。すっくと裸身を惜しげもなく晒したマユミが男の眼前に立ち上がる。
 夜闇にもくっきりと浮かぶ白く染み一つ無い肌、対照的に夜の闇にも埋没することのない黒髪。
 瓜程もある豊かな乳房とそれに比べるとやや控えめな乳首は匂い立つように淫らだ。
 細腰となだらかな曲線を描く腰と太股、その間で淫らに濡れ光る淡い茂みと生娘のように楚々とした秘貝がひくひくと震えている。


134 :なーぐる :06/09/22 03:54 ID:???
 だが、何より男の注意を惹いたのはマユミの足の間、秘所の裏側…恐らく、肛門から男の臍に向かって伸びた白く細長いひも状の物。
 幾つもの節が繋がったそれは、前後に蠢動を続けながら、今もなお、臍を通って男の体内へと潜り込んできていた。

「男なんて…。女を蹂躙することしか考えてないイヤらしい男なんて…。あの方以外はみんな、みんな…。みんな、いなくなってしまえばいいのに」
「お、おおおお、おおぉぉぉ」

 マユミの体から抜け出た白い紐は、とうとう全て男の胎内に潜り込んだ。
 男の間の抜けた姿に口元を歪めると、マユミは凛とした声で呟いた。

「忍法、蟲傀儡」

 それが意味することがなんなのか。男は遂に理解することが出来なかった。
 潜り込んだ蟲は凄まじい勢いで男の胎内を侵食し、とうとう脳にまで達していたからだ。

 白目を剥き、体中のありとあらゆる穴から体液を漏らしたガクガクと全身を痙攣させる男の断末魔。

「これであなたは私の下僕。もはや私の思うがままの操り人形。死ぬことさえ、私の許可が無くては許されない」

 言い終わると同時に、鋭い手刀が男の首を薙いだ。パキリと乾いた音を立てて男の首の骨がへし折れる。だが、白目を剥いたままの男の腕がゆっくりと持ち上がると、寄せ木細工を片づけるような手軽さで嫌な方向に曲がった自らの首を治し、固定し、ゆっくりと立ち上がる。
 生ける屍と化した男にマユミは囁いた。

「言わなくてもわかるわね。明日、城の前を旅芸人の女が4人、通りがかるわ。その4人のために、門を開けて、同僚に適当なことをいって招き入れるのよ。ああ、ちゃんと生きてる振りしなさいよ」

 マユミの言葉が終わらないうちに、小さく男は肯くと白目を焦点が合ってないが普通の目に戻し、色々あふれ出た体液を拭い、どうにか体面を整えると大急ぎで庚申堂の外へと飛び出した。そのまま、恐ろしい速さで駆けていく。この分なら、半時も経たずに詰め所に戻り、何食わぬ顔をして今夜の勤めを終えるだろう。


135 :なーぐる :06/09/22 03:58 ID:???
 それを疲れた目をして見送ったマユミの背後で、唐突に呆れたような、感心したような声が唐突に聞こえた。

「さすがに大した物ね。甲賀の蟲使い、山岸マユミの術は…。死人さえも操ってしまうんだから」
「それはどうも。でも、伊賀組くノ一の問題児、猿飛のアスカさんに誉めて貰っても嬉しくないですね」
「それはそれは言ってくれるじゃない。まあ、私も誉めてるつもりないし。操る対象の男に抱かれて、同時にイかないと使えない忍法なんて、ね。というか、あんな下手くそな男に抱かれていっちゃうなんてちょっと信じられないわ。
 しかも体内に寄生虫を飼ってそれを使役するなんて、ちょっと私は絶対に死んでも修得したくない忍法だし」

 いまだ着物をはだけたままのマユミと暗がりの中に姿をひそめたままの、アスカと呼ばれた人物との間に見えない火花が散る。険悪、と言う言葉では収まらない、もはや殺意の視線の交錯で、庚申堂はピシリ、パシリと家鳴りすら起こしている。

「ちょっと2人とも、いい加減にしないとダメだよ。組頭からも言われたでしょう。喧嘩しないで協力しあえって。
 綾波さんも、もうすぐ偵察から帰ってくるよ」
「そう、だったわね。…マユミ、組頭に感謝しなさい。そうじゃなかったら、今頃あんた首が落ちてたわよ」
「あら、私耳が悪くなったのかしら? 南蛮の混血猿の笑えない寝言が聞こえてきたんですけど」
「こ、この売女が…!」
「やる気ですか」

 まったくこの2人だけは…。もう1人のどこかあっけらかんとした口調の少女は肩をすくめた…ような気がした。昔は、出身と所属の差を超えてほんの1年程前まではとても仲が良かったのに…。今ではかつての伊賀・甲賀で殺し合った時もかくやとばかりに険悪な仲だ。

「喧嘩は後でして。いい加減にしないと、私も怒るわよ」
「…まあ、今回はヒカリの顔に免じて勘弁して上げるわ」
「ふん」
「ちょっとどこ行くのよ?」


136 :なーぐる :06/09/22 03:58 ID:???

 振り返りもせず、マユミは庚申堂の扉を開けると月光の下に歩み出た。その姿は幻想的で妖精のように儚く、美しかった。

「体を洗ってくるんです。汗もかいたし、さんざん舐められて色々出されましたから」
「不便な事ね」
「ちょっとアスカさん!」

 ちらり、とマユミは眼鏡越しに庚申堂の屋根の上を一瞥した後、そのまま何も言わずに遠くに聞こえるせせらぎに向かって歩き始めていた。
 そう、風魔忍者のマナに言われるまでもなくわかっている。この任務が、恐らく、4人全員が確実に死んでしまうほどに困難な物であることは。

 だから…。

(喧嘩するのは、多分、これが、最後…だから)



◆◆◆◆ ここまでー。寝るー ( ゚∀゚) ◆◆◆◆



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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(7)