LHS廚さんの王道ハーレム(1)
- 544 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 18:00
- 一寸某スレにお邪魔した時、好印象だったので即興で書いてみました。
まだ途中ですけど。
場面設定。
某シーンで……もし加持がデートを受けていたら?
つまり連載のアナザーだったりします。
(後は某スレで発表したネタが基本です)
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本当の雨に混じって塩からい滴がほほを伝う。
その辛さを感じてようやく、アタシはまだ泣いているのに気づいた。
ついさっき、失恋したのだから当たり前か。
今日のためにミサトから失敬したラベンダーの香水も、魅せるべくアタシの色で統一した真紅の下着も
アタシの精一杯の努力は何の意味もなかった。
『アスカにとっての俺は父親だと思っている。今も、そしてこれからもそれは変わらない』
『どうしてですか!? ミサトが居るからですか?!」
『言いたくないが、そうだ。それに………』
その後加持さんは何を言ったのか。
アタシは彼をなじったのか、それとも他の事を言ったのか。
それすらも覚えてない。
ただ覚えていたのは帰る途中に何人かの男にナンパされたこと。
その手を振り払って逃げたこと。
繁華街を抜けた頃から雨が降り出してアタシのワンピースをぐしょぐしょにしている事。
靴から音がするほどに……。
そして、今アタシは家の玄関に居る。
コンフォートマンションの一室。
加持さんの隣を失ったアタシが帰れる、唯一つの所。
『あ……どうしよう……』
今日は加持さんと出会って丁度五年目の記念日。
今度こそ加持さんに抱いてもらうつもりだったから、ヒカリの家に泊まるってアリバイを作って
シンジにも言ってある…ヒカリの家に泊まりに行く、心配するなって。
でも……。
「こんな格好のアタシじゃ心配しろって言ってるような物じゃないのよ……」
カードキーを使ってドアを開けた。
もし、シンジが心配して来たら、機関銃のように愚痴を言って誤魔化してしまおう。
そう誓いながら。
だって、ヒカリの家にいた事になっているのが嘘だったってシンジに知られるのが……
何故かとてもこわかったのよ。
- 545 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 18:00
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「え?」
玄関からリビングに入って最初に見たのはびしょ濡れの椅子。
水源は深緑にエメラルド・グリ−ンの襟が付いたジャケットだった。
シンジが余所行き用の服が無いって言ったのでミサトと着せ替え人形にして買ってやったもの。
でも、水源はそれだけじゃなかった。
ジャケットに隠れるように濃紺のワンピース……勿論女性用の物だ……が一緒に引っ掛かっていた。
見覚えがある…と言うよりその子と一緒に買った色違いのものをアタシが着ているのだ、たった今。
『嘘……でしょ……』
そして、それを着ている筈の…少女が着ているべき物が……点々と続いていく。
ブラジャー、スリップ、靴下にパンティー…乱暴に破かれた物も混じりながら並んでる。
アタシの同居人の部屋へ。
そして……。 それを着ているはずの少女の押し殺した呻き声が雨音に混じって響く。
一度として聞いたことの無い声、聞くはずの無い声。
もし聞く事があったとしても、それはここではない。
彼女が好きになってると……思っていた……関西製ジャージの家でなければならないはずだ。
それなのに……。
少し早足で部屋に向かうアタシの耳にすすり泣くような叫び声が聞こえた。
『アスカのこと忘れて! 忘れさせてぇ!』
- 546 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 18:00
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『洞木さん!?』
そう僕が言ったのは確か、ほんの数時間前のはずだ。
でも、今の僕は彼女を呼び捨てにし、バックの形で組み伏せ、初めての痛みに耐えている筈の
彼女の肉の花弁の中に僕の肉杭を力強く打ち込んでいる。
あれは、確か……。
僕が洞木さんにイヤリングを送った直後。
トウジとケンスケに出会って。
散々冷やかされて。
『そうよ!私は碇君が好き!』
売り言葉に買い言葉な形で告白された。
あの時と同じ『いやーんな感じ!!』なポーズで固まった二人の目の前で。
真っ赤になった僕はそのまま走った。
デパートから繁華街の端へと。
ロータリーにある大時計を見た時、アスカが今朝言っていた約束を思い出した。
『そう、言えば、そろそろアスカが洞木さんの……?!』
『え?』
加持さんとアスカが乗った車が走っていった。
行き先にあるのは…その手の施設が多くあるから近づくな、と生活指導の先生が言っていたエリアで。
失恋した、って思った。
- 550 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 18:35
- 「あら、遅かったじゃない」
毎度の事ながら、こいつの服装はだらしが無い。
本当にそうなら別に目くじらを立てる必要は無いんだけど、こいつは何故かそうするのが
ステイタスだと思っているようだ。
私がこいつと別れているって事を知らない子がまだ多い今、わざわざ説明して回るより
そう見られてもだらし無さを直してやるほうがましだ。
……また生きて合えるのか判らない仕事に就いて長いのだし。
そう自分に言い聞かせてネクタイを直そうとして
「ちょっと」
「ん?」
「こんな時に女と会っていやがったわねこの男……!」
ネクタイを使って首を思いっきり絞めてやった。
- 551 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 19:30
- >>ハーレムスレの方へ
えっと。
そちらのスレの52と77が私です。
連載というのはここの『アスカ〜』の事です。
で、某シーンは『アスカ〜』の#2Aを読んで下さい。
- 552 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/19(月) 20:04
- 一応追加。
#3bも一緒に読んだほうが判り易いかも・・・・・・。
- 570 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/22(木) 13:08
- 真昼間に何更新してるんだ、私は…・…。
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素直になれると思えるようになった時には諦めがその気持ちを覆いつくした。
友達となったあの子があまりにも眩しかったから。
だから、今日のこのデートは一度きりの夢だとおもった。
アスカの気持ちがどうであれ、碇君の気持ちが自分に向くとは思っていなかったから。
だから今日一日、この幸せにおぼれようと必死になっていたのに。
それなのに…。
「お、イヤリング買うてもらったんか?」
「似合ってるなぁ……」
「いいじゃない、碇君の気持ちがこもってるんだから……」
「気持ちって?」
「……誕生日のプレゼントよ」
やっぱり二人は知らなかった。
彼とは違って。
私の気持ちを無視して二人のからかいは次第にエスカレートして。
「やっぱりぃ 委員長は碇の事好きなんやなぁ♪」
せっかくのデートだったのに。
アスカが想いを遂げるなら、私も想いを遂げる切欠をこれで掴みたかったのに。
そう思ったら、一気に血が上って。
「そうよ! 私は碇君が好き! 私にとってこれはデートなんだから邪魔しないで!!」
告白はあまりにもあっけなくて。
彼を必死になって追っかけた。
その彼に追いかけろ、と明言したあの時と同じむかつきを感じながら。
そして、あの車が通った。
それからは二人とも無言で、少しずつ本降りになっていく雨の中をとぼとぼと。
彼のうちに向かった。
リビングに入って、バスタオルを貰って。
とりあえず髪を拭く為に髪飾りをといた瞬間に、肩を掴まれ、振り返させられた。
- 571 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/22(木) 13:09
その時見た彼は始めて見る凶暴さがあった。
嫉妬とか、怒りとか、そんな感情と諦めと。
自分でも表現できていないのかもしれない、何か。
自分でも表現できない何かで押し潰されそうだから、私に対する思いで、
アスカに対する嘘を知っている筈の私に思いをぶつけようとしている。
分析するように、そう彼を見ている自分がいた。
「答えてよ……今日の事、知ってたの?」
怖かった。
でも、私は答えた。
「加持さんとデートするっていう事だけは、知ってたわ」
私に抱きつきながら、彼は、泣いた。
小声で『僕の気持ちを裏切ったんだ……!』と言っていた気がする。
びしょびしょになった服が、涙だけで温かくなるまで。
私といえば。
ここまで想われてるアスカに対するねたみとか、これを利用すれば、とかは全く浮かばなかった。
母性、なのかしら?
少しだけ、体を彼から離すと。
すとん、と服を脱いで。 『代わりでもいいよ……シンジ君の事、好きだから』って言った。
不潔とは、思わなかった。
下着を破くように(事実パンティーは破けた)、彼は自分をたたきつけて来た。
悔しさを、アスカに出来なかった事を私にぶつけるように。
クスリ、と笑ったのはそれでも彼はちゃんと私をベッドに連れて行ってくれたこと。
私は、油断していた。
人には『一芸に秀でた』人がいる事を。
そして、碇君の『一芸』がその分野だった事を私は思い知る。
- 580 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 21:32
大学生時代、アタシはしばしば『姫』に喩えられていた。
アタシに対するドイツ支部職員(大抵は加持さんだった)が迎えに来る、というスタイルが
高飛車なアタシの態度と相まってそう呼ばれるようになっていたらしい。
そんなアタシに対する女子大生達のからかいと言えばアタシ自身が良く口癖として言っていた
「大人として扱ってよ」を利用した『大人の体験』が主だった。
酒やタバコにする訳にはいかなかったから、大抵がポルノ写真やAVの鑑賞会。
それも意図的にSMの類…確か『キッコー』とか言うのを代表とした『縛り』がメインの
日本製AVとか、当時のアタシが想像出来なかったアナルだのスカトロだの……。
見せてる方はどう思ったかは知らないが、アタシ自身にとってはある意味ラッキーだった。
大人になる為に必要な情報(途中から加持さんの為に、に理由が切り替わってしまったが)を
ジュースやお菓子片手に見る事が出来たのだから。
だけど、一つだけ無かったのが『現物』を見せ付けられる事……。
- 581 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 21:33
声にならない叫び……また、イッたみたいだ。
いつの間にか彼女の手は胸とクリットに伸び、恐る恐る、でもしっかりと刺激を伝えている。
シンジのほうもアタシが見ているだけでも2、3回はイッてる筈なのに。
『はぁ……』
アツイ息がアタシの半開きの口から漏れていく。
目の前にいるのは『獣』になりかけた男と女。
寝転がったシンジの左足をまたぎ、アイツに背を向け、シンジに背を向ける格好で彼女が座っている。
二人が繋がってる所は粘液でどろどろで……。
シンジは目を瞑って必死になって遮二無二腰を突き上げ、ヒカリの中からくみ出されるように
長時間擦れあったからなのか…少し腫れた二人の隙間から交じり合った体液が搾り出されていく。
そして、精液と愛液、何より二人の汗が交じり合った濃厚なニオイがどうしようも無くて。
それにあてられたのか…アタシも手を伸ばし、大胆にあそこをいじり始めていた。
シンジに抱かれている自分を想像しながら。
- 582 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 21:33
「んんんんんんんぅーーー!」
いじる事に夢中になり始めていた耳に雷の音に混じってくぐもった叫び声がひびく。
はっとして見たアタシの前数メートル前でベッドの上で膝立ちになったシンジの背中と
正面から両手両足を絡めてヒカリがしがみ付いているのが見えた。
あんなにも潔癖だったヒカリが簡単に快楽に呑み込まれた理由はシンジしかないと思った。
『シンジと…シテみたいな…』
彼女の踵がベッドのシーツを引っ掛けるように撫でていくのをぼーっと見ていた時。
視線を感じた。
振動の間隔がどんどん短くなって行くシンジの左肩からのぞく瞳は快楽にぼやけ
ハッキリとした視線も定まっていない。
でも、彼女は間違いなく、アタシを見ている……。
シンジはアタシに気付かずに階段を駆け上り、彼女もそれに引き摺られて絶頂を迎えたその時……。
『−−−−−−−−−−−−−−−! −−−−−−−−−−−−−−−−−−っ!!』
体をのけぞらせ、腰をシンジに押し付けながら……ヒカリの絶叫が響いた。
シンジは絶対判らない、まさに『アタシ』あての台詞だった。
膝立ちのシンジの股間から……純白の体液がしたたって……シーツにシミを作っていく……。
それを見ながら、アタシも一拍遅れのエクスタシーに酔っていた。
- 583 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 21:33
汗まみれの肌を見られたくなくて……
「ありがと、洞木さん、慰めてくれて……」
「ううん。 でも、忘れないで……私、シンジ君の事が大好きなんだって事…」
「でも……」
ヒカリがこっちへ向かってくるのに気付いたアタシは自分の部屋に慌てて引っ込んだ。
「いいの、抱かれたからって彼女にしてって強制する気は無いのよ。 それに……」
そう言いながら、ヒカリは情事の後の体を隠しもせずに襖を開けて。
向かいのの部屋の襖越しに覗かれているのを知ってて。
「さっき、イったとき叫んだでしょ? その通りにするの。 これからずっと」
甘く陶酔しきった表情でシンジにそう言って、彼女はお風呂場へ向かって行った。
残されたのは全くわからない、といった表情のシンジ。
……そう、彼女は確かに叫んだのだ。
彼女のママの国・フランスの言葉で。
『どんなに嫌われても私は貴方の元を離れない! もう私は貴方の『モノ』だからっ!』
と。
- 587 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 22:33
- 一寸覗いたらレスが・・・・・・。
えっとですね、『アスカ〜』において、ヒカリの母親はフランス人なのですよ。
(#3b参照)
外伝、というスタンスを守りたかったので、そのネタを使ってみたのですが……。
- 588 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/24(土) 22:37
- すいません間違えました。
#3bではなくて#3cですね。
- 606 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/27(火) 18:24
- 昨日の行動に一寸呆然としつつ。
気を取り直して更新。
(とりあえず1レス)
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針のむしろ、だった。
トウジとケンスケは山彦を起こすように僕にヒカリちゃんが告白した事を教えまくった。
その彼女は髪をお下げで纏めるのを止め、ストレートに髪をおろして来た。
そして…アスカは自分の席からじっと僕を見ている。
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あの後、僕らはシャワーを浴びて、お互いの服を乾かした。
洞木さんの家に連絡を入れて、心配しないでと伝えた後。
二人で作った簡単な食事を取った直後の事だった。
「たっだうまぁ!」
「すまん、シンジ君。水を…? えっと、君は」
「洞木ヒカリです。 この前のパーティー以来ですね。
今日は夕立が酷かったので雨宿りさせてもらってました。
「はい、ミサトさん。 お水です」
僕は無性に腹が立った。
だって、加持さんはアスカと……。
「う、そんな怖い顔しないでくれよ、シンジ君。
確かにアスカを完全に振ったのは、彼女を傷つけたのかもしれないが
葛城のためにもケジメを……? どう、したんだい?」
僕らはぎょっとして。
「えっと、お二人が車に乗って西山の手に……」
「ああ、あれを見られたのか。 手を上げてとめてくれれば一緒に連れて行けたんだけどな。
あそこの通りを抜けたところに最近知り合いがイタリア料理のレストランを開いたんだよ。
一度来てくれない、って言われてたんでアスカとそこに連れて行ったん……。 シンジ君?」
- 607 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/27(火) 18:55
内心の動揺を抑えようとしてたとき、利根川先生が長髪の女の子を連れてきた。
どうやら転校生らしい。 マナの事を思い出して、少しだけ、胸が痛む。
「今日は綾波さんがお休みです。
それと、今日からこのクラスで皆さんと勉強する事になった『山岸マユミ』さんです。
では山岸さん、ご挨拶を……」
「あ、あのっ、山岸マユミといいます。
父の仕事の関係で第三新東京市に来ました。
ふっ、不束者ですがっ、よろしくお願いしますっ!」
皆が大笑いするなか、僕は彼女と目が合った。
彼女の目がすがるように見えたからかな。
「あがってるだけなんだからさ、笑わないであげようよ」と皆にいった。
返答はみんなの「おおー!」という声だった。
なんで?
目の前の山岸さんは、顔を真っ赤に……でも、うれしそうだった。
- 609 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 03:21
- 一度、緊迫度か一気に増したのは昼食の時。
「はい、昨日の雨宿りのお礼」とヒカリちゃんが僕にお弁当箱を渡し、
机の上にもう出していた赤い包みの方をアスカがもぎ取るように取ると。
「来て」の一言と共にヒカリちゃんを連れて行った。
息が詰まるような数瞬の後。
そこにいた全員が安堵のため息をつく。
「惣流の機嫌、何でああも悪いんや?」
「多分、理由はアスカが加持さんと付き合えなくなったせいだと思う」
アスカの『理想の』大人の男性像であった加持さんの話はクラスメイトにも広がっていた。
一喜一憂する行動はアスカに憧れていた男子(僕も含まれる)を消沈させていた。
「何だ?『子供とは付き合えない』って言われたりして……振られてしまったとか?」
「そうなるのかな……ミサトさんと改めて付き合う事になったって」
今度は二人が切れた。
- 611 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 11:42
- PDX.さん毎度の感想、とても感謝してます。
とりあえず続きを。
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あわてて逃げた僕は、図書室の前で山岸さんに出会った。
今日の分のお昼が無かったので興味があった図書館で時間をつぶすつもりだったみたいで
差し出した僕の分のお弁当を恥ずかしそうに、でも美味しそうに食べてくれた。
彼女自身の事についても幾つか教えてくれた。
国連関係の仕事をしているお父さんに連れられて、頻繁に引越しをしていること。
人付き合いが苦手で、本を読む事が好きな事。
さっきの僕の一言に感謝している事など。
僕が「大した事をした覚えは無いんだけど……」と言うと、僕でも見惚れてしまうような微笑で
「私はとても感謝してる事なんですよ」と返された。
彼女の眼鏡にぼけっと惚けたように山岸さんを見ている僕が写っている。
「アンタ達、なに見詰め合っているのよ?」
じっとお互いの顔を見合わせている事に真っ赤になってお互いに顔を離した。
「あ、アスカ……!」
「御免なさいね? コイツは午後はアタシと仕事があって早引けするの」
首根っこを掴まれるように、僕は彼女から離れる事になった。
その時の彼女が見せた寂しそうな瞳が、しっかりと焼きついてしまっている。
- 612 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 11:43
学校から五分ほど離れたところに、半ばチルドレン専用になっているゲート・S001番がある。
大抵は学校が終わった後、三人一斉に移動する時か、下で待機している二人のどちらかと交代する為に
一人で行く事が多かった僕にとって、アスカと二人でここを使うのは久しぶりだ。
(アスカが使うのは洞木さんの家まで彼女と帰った後、彼女の家のすぐ近くにあるG316番が多い)
いつもは自分の気持ちをありのまま喋り続けるアスカが沈黙しているのはとても辛い。
昨日、アスカを誤解して、自分の気持ちを彼女にぶつけた。
アスカの事を吹っ切ろうとした筈なのに、あの瞬間はヒカリちゃんがいとおしく感じられたのに。
ヒカリちゃんを抱いた今の僕は……目の前の彼女が『女』に見えて仕方がなかった。
今までごく当たり前のように……見ていた首筋やエリから少し見える鎖骨の窪み。
彼女専用のヘッドセット・クリップで留められたお陰でよく見える髪の毛の生え際……。
何を考えてるんだ、僕は?!
「……シンジ……」
「はいっ!!」
一瞬、僕がアスカの事をそんな目で見ていた事を怒っていると思っていた……。
けど、アスカは僕のほうを見ていない。
彼女の手はエレベーターの停止キーに触れて、その動きを
「アタシね、加持さんに振られちゃった」
「うん。 加持さんが言ってた。 『知っておいてくれ』って。
『アスカを支えてやってくれ』って。 でも」
「ヒカリを抱いた今じゃ、アタシの支えになれない、って思ってるの?」
- 613 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 11:56
- 止めた。
===============
だぁ! これだけ抜けてしまった。
無駄なレスを……。
- 615 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 15:26
- 「あ……!」
アスカは僕の方を向いてくれない。
でも、鏡のようなエレベータのドアには真っ赤な、期待しているような顔が映っていた。
「加持さんは、ママが死んだその日にアタシの護衛担当になったの。
最初はうっとうしかった。 だって、何時でもアタシのこころの中に入って来ようとしたの」
でも、と彼女は一度切る。
「何時でもアタシがいや、といった時は直ぐに手を引っ込めてくれた。
大人って言うか、対等の存在として扱ってくれたの。
アタシを大事にしてくれている事が判った時、それに気が付いた時には遅かったのかもしれない。
どんどん好きになっていたから。 加持さんさえいればそれで言いや、って思っていられたから。
でも、昨日言われちゃった。 『アスカが加持リョウジに感じているのは愛情じゃない』って。
『アスカの俺に対する気持ちは父親に対するものと一緒だ。それに……』
最初、呆然としていたアタシはその後に何を言われたのか判らなかった。
びしょ濡れになって、部屋に帰ろうとしたとき、雷雨にまぎれてシンジ達の声が聞こえたのよ」
アスカの体が僕のほうに向く
そのまま僕にしな垂れかかり、舌で僕の喉を舐め始めてきた。
「うわ!?」
アスカ、下着を着けてない!
表面とは逆に内側はからからに乾いて、顔の血管で鼓動がわかる気がする。
……僕が向けた視線の先に気が付いたアスカは、微妙に胸の谷間が強調されるようにしながら
「昼間、ヒカリに聞いたわ。 シンジって、あたしの事好きなんだって。
アタシ達がデートしているのを勘違いして、アタシに悔しさをぶつけて来た、って。
昨日彼に抱かれた事で、アスカに追い付いたかもしれないけど
『まだシンジの一番は私ではなくアスカだと思う』って……。 幸せそうだった」
- 616 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 17:26
「幸せそう、だった?!」
確かに僕は昨日、ヒカリちゃんを抱いた。
アスカと加持さんに裏切られたと思った僕は、『いいよ』と言ってくれた彼女にすべてを叩きつけた。
余裕なんて無くて。
ただ、出血をみた時。 初体験である彼女に僕との事が最悪な経験と思ってほしく無かったから。
二回目からは、彼女自身を求める欲望を抑えて出来る限りの努力をした。
次第に根付き、成長していく彼女への愛おしさを自覚しながら。
それに、次第に痛さを感じなくなったらしい彼女も答えてくれた。
小さく、時には大きく。
悦楽の声を上げてくれた。
僕は彼女を思うさま汚した。
お互いにしがみ付き、爪を立て、何度もむさぼりあった。
血が滲んでいる引っかき傷だらけの背中を見ながらしゃぶって貰った。
ついさっきまで、自分のお尻の穴に入っていた僕のおちんちん。
- 617 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 17:27
僕の――飲み込むつもりだったらしいけど、それが出来ずに吐いた――精液が。
それを拭いもせず、勲章みたいに誇らしく胸に、顔に付けたまま。
『大好きだよ』と何回も言ってくれた。
僕だって同じなのに。 とても口では表現できない思いを感じているのに。
でも、冷静になった彼女は、僕がまだアスカが一番好きだと思っている。
そして、僕自身……まだアスカの事も……好きだと思っている。
どちらかを選べ、と言われたら……両方欲しい、と言ってしまいそうな自分が居る事に気付く。
アスカが僕をどう思っているのかも判らないのに。
最低だよ、俺って。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか。
アスカは僕の喉にいくつも紫の花を咲かせている。
「ヒカリ、髪を下ろしてたでしょ。 アレって、シンジのせいなんだよ?
うなじにね、紅いのがしっかりと残ってた。 昨日シンジがつけたキスマーク。
ウットリとしながらそれに触ってた。 『私が彼のモノである事の証』だって」
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とりあえず、今日は多分ここまで。
ネタを忘れたくないので一気に逝きました。
- 620 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/29(木) 20:04
- ネタバレ的ですが説明が必要だと思うのでもう少し更新追加(獏
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首筋を見た僕は目が点になった。
想像よりもアスカの付けたキスマークはハッキリと付きすぎている。
「わ!!」
昨日彼女に散々付けた僕が言う話じゃないけど、それでもこれは!
「あ、アスカ止めてよ! これじゃ誰にでも見えちゃうじゃないか!!」
「そうよ? だってヒカリはともかくアタシはシンジを渡す気も貸す気も無いもの」
愕然とする僕。
にやりと笑うアスカ。
「ママの事、話して無かったわね。 アタシの本当のママはパパに浮気をされたの。
それだけでママは弱くなった。 成功例がまだ無かったEVAのシンクロ実験に参加したわ。
パパの関心を引くためにね。 代償は精神汚染による発狂。
判る? アタシはアンタが欲しい。 でも、アタシは愛なんか信じていないの。
だって、永遠の愛を誓ったはずのパパはママを捨てた」
違う、と言いたかったのに口から声が出ない。
「ヒカリ、こう言ってたわ。
『昨日ね、うちに帰る直前に賭けを自分でしたの。 シンジ君にお願いしたの。
「もし、これからの私を『恋人候補』として見てくれるのなら……
私の事、好きになったのなら、明日から『洞木さん』じゃなくて
アスカの様に呼び捨てで……せめて『ヒカリちゃん』って呼んで」って。
もし今朝、会った時に洞木さんって呼ばれたら一発引っ叩いて恋を終わりにしてた。
でも、ちゃんと彼は「ヒカリちゃん」って呼んでくれた。
だからね、もう良いの。 彼の恋人になれなくても。 彼のそばにいられれば。
だって、最初からそんな恋だって知ってたもの。
それにね……それでもいいって理由、我慢できる理由、見つけたんだよ、私』って」
- 625 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 16:15
- ――あばん・Title――
==================================================================
――――使徒戦役終結後に発表された資料の一つ―――
チルドレン後遺症ナンバー04
『記憶図書』
--------------------------------------------------------------------
子供達の脳内に、半ば独立した形で構築されてしまった記憶領域らしきもの。
( 中略 )
チルドレンが思考ユニット(つまり擬似脳)として指示を与え、
そのデータを元にEVAが活動している事は周知の事実である。
その際、彼らがコア中の『母親』とのコンタクトに母親との数少ない記憶を拠所としていたように、
母親たちも(本能に準じていたとはいえ)そのような記憶を利用していたと思われる。
そのため、チルドレンとシンクロする行為のための「とっかかり」として
子供達の脳において生涯未使用となる部分に『母』であり『女』でもある彼女達にとって
最も子供を意識する『記憶』を識別子兼アンカーのようにコピーしていたものと推察される。
これが、初号機が綾波レイを拒絶した理由の一つかもしれないのだ。
( 中略 )
- 626 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 16:15
その『知識』のせいか、彼は2027年時点において五人(使徒戦役中は三人)の異性を愛人として
ハーレムを形成している。
彼自身の証言によると、
『普段はそんな知識手に入れる暇なんか無いのに……好きな人と一緒に性的に興奮すると
そっちの知識が湯水のように湧いてくるんです……』とのこと。
また、自分が他人に必要とされているか判らない、と一時期悩んだセカンド・チルドレンも
その頃のカウンセリング資料に
『浮気が発覚した頃、母に自分とされた人形の首を絞められたシーンを何度も思い出した』とある。
この事から、特定の精神因子(性的興奮や落胆など一食にココロが染まった時)に感応して
記憶が一時的に接触し、その間『記憶図書』の内容を使用できるようになっていると判断される。
追記。
T・S氏にはこの症状が出ていない。
フォース・チルドレンはEVAとの接触が数度しかないため、この症状は出なかった模様。
- 627 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 16:23
- しくしく……。
「一食」ぢゃなくて『一色』でつぅ……。
(そう言えば、私がユイさんの設定に踏み込んだのは之が初めてなんだよな……)
設定の一つに
『何時もはシンちゃん』。
でも『Hの時だけはスーパーなシンちゃん』。
引き気味さんの言われるように何時知識を手に入れたのか不明なので……。
解決策が之です。
- 628 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 16:29
- 御免なさいっ!
大失態です!
一番大切な部分を抜かしてました!
>>625 と >>626の間に以下の分を入れておいてくださいぃぃ。
-------------------------------------
この推察が最も顕著なのはサード・チルドレンである。 彼が保有する『記憶図書』は彼の母
碇ユイの記憶、その一部であろう。
彼が持たされた『記憶図書』は常人では記憶も理解もできぬレベルの『性に関する知識』だったようだ。
風聞ではあるのだが……。
――彼女はバイシェクシャルであり、素晴しいテクニックを持っていた快楽主義者らしい――
これは甚だ危険な想像ではあるが、彼女は実の息子である S・I (サード・チルドレン)をも
何時かその性的実力の虜にしたかったのかも知れないのだ………。
( 中略 )
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- 630 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 17:05
- >>626 において一つ修正。
『浮気が発覚した頃、母に
『その頃、発狂した母に
アスカが浮気するわけじゃ無いんだから…。
- 635 名前: LHS廚 投稿日: 2004/04/30(金) 23:12
- GW中は、暇な時、不定期に更新していく事になると思います。
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『んもぅ! 模試だけ巧くても本番じゃ……!!』
モニターに写るのは弐号機が全力疾走で走る映像。
隅っこにあるのは血走ったように必死な顔をして。
彼女の機体はニューレコードを毎秒更新していく。
それは、一日前の彼女なら考えられないスピード。
必死な彼女を見る人々は口に出さずにこう思った。
『ああ、やはり彼女は彼の事を好きなのだ』、と。
少し離れた所から見守る父親代わりの男は思った。
『それに、シンジ君を失ってからでは遅いんだぞ』
娘はその一言をちゃんと理解してくれたのだ、と。
でも、悲劇のヒロインたる本人の思考は違っていた。
どんどん成長していく気持ちに裏打ちされた渇望を。
彼女はまだ、数度のキスしかして貰っていないのだ。
それでも、本当に自分を蕩けさせてくれたあの甘さ。
彼以外の人が、あの甘さを味わえる保証なんか無い。
だったら、今確実に手に入れる手段を守る方が良い。
あの子に独占なんか、させない。 絶対に。
彼に対する欲望。
それがが嫉妬を含む物に変わりつつあるのをアスカ自身、気付いていなかった。
- 636 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 00:22
- アタシは最初、シンジを思いっきり甘く見ていた。
何の知識も無く、簡単にシンジの色に染められたヒカリじゃない。
アイツがアタシの事を好きなら。
……ううん、たとえコイツの心の中でアタシとヒカリの立場が逆転していようとも。
アタシの美貌と、あの時手に入れた知識を総動員すれば、アタシの軍門に下ると思っていた。
一度アタシのものにしてしまえば。
シンジはアタシを裏切れなくなる。
以前ミサトから聞いた。 コイツは捨てられる事を何よりも恐れているって。
ヒカリとの事が心配だったけど、彼女との事は忘れてあげる。
アタシは寛大だから。
だから、ヒカリがアンタのモノになった様に。
アンタはヒカリを捨ててでも、アタシのモノになりなさい。
後はアイツとヒカリの仲を高めてやればいいんだ。
それが、アタシがアイツとキスするまでの、二人に関する気持ちだったわ。
………今考えてみれば、本当に二人の事、蔑ろにしてたわね。
……んもう。 反省してるわよ、今は。
----------------------------------------------------
もしかしたら昨日していたかもしれないキス。
もっと、雰囲気が出るかもしれなかったキス。
シンジの口が少し開いた時、アタシは覆いかぶさるようにして、アイツの唇を奪った。
それが………アタシ『が』陥落する最初の一歩だと知らずに。
- 639 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 03:02
- もしかして、微妙にスパシン化?
不安をはらみつつ、寝る前の更新。
------------------------
『何よ、加持さんの代わりは嫌だ!って言いたいの!?』
『そうじゃないよ、アスカ。 それを言うなら僕だって一緒だもの。
ヒカリちゃんをアスカの代わりに抱いたんだよ、僕は。 言いたいのはそうじゃなくて…」
!? シンジから、キスしてきた。
『……ぷぁ……」
『多分、今のでも判らないと思うけど。僕は今、アスカとヒカリちゃんを比べられない位に……。
二人とも、好きなんだ……だから、少し、嬉しいとは思う』
『だったら、良いじゃない! アンタ、ヒカリを抱いて気持ちよかったんでしょ!
アタシが加持さんに抱かれてよがってるのが悔しかったから彼女に嫉妬を叩きつけたんでしょ!?
つまり、アタシがアンタの前にいたら、二人でその気になったら、抱けたって事でしょ!?
今の状況と、どこが違うのよ!!』
『今のアスカは僕じゃなくても良い、って事』
『!?』
『今の僕は、卑怯で、狡くて、一人の女の子に残酷な恋をさせているやつだと思ってる。
そして、出来上がって一寸しか経ってない彼女への想いだけど。
ヒカリちゃんに、いとおしいと思える彼女の想いに応えて行きたいと思う。
そして、他ならぬ彼女が言ったように、アスカに対する想いも、まだ、僕の中にある。
欲しいかと言われれば、アスカが欲しいと思う。 でも、アスカは?』
『それは……』と何も言えなくなったアタシに。
- 640 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 03:03
シンジはアタシに三回目のキス。
『これが最後のキスになるかもしれない。 アスカは好きだけど、今のアスカは欲しくないから。
だけど、なんか加持さんの事を忘れる為にこんな事をされたのかって思うと、一寸腹が立つから。
だから、僕が好きだって言う気持ち、『アスカ』が欲しいって気持ちを刻み込ませて貰うね……』
その後、シンジはアタシにキスをし続けた。
時間なんか判らない。 五分?それとも一時間?
唇を挟み込むようにされ、舌を入れられた。
体が熱くなっていく。
アタシはポルノ小説にあるねちっこいキスの描写が、実はその時キスをしていないから
書けるんだって思い知った。
だって、気持ちいい事意外何も覚えていないんだもの……。
-----------------------------------------------------------
気が付いた時、あたしは何度かお世話になった医療室のベッドに寝かされていた。
アタシの体をチェックした鷹音医療主任が言うには、興奮による軽い脱水症状みたいなものらしい。
結局、体調を考慮してこの日のシンクロテストは行われなかった。
シンジは、『シンちゃんシンクロ率最高値更新!』って喜んでいたらしい。
それが、ヒカリのせいなのかと思った時。
痛みとむかつきがアタシの胸を襲った。
===========================================
ここで切って寝ます。
お休みなさい。
- 642 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 13:27
- × シンジは、『シンちゃんシンクロ率最高値更新!』って喜んでいたらしい。
○ シンジは、『シンちゃんシンクロ率最高値更新!』ってミサトに言われて喜んでいたらしい。
訂正と一レス。
==============================================================
『先陣はぁ、シンジ君が言いと思いまぁす♪』
『うん、思い上がらない程度には、頑張ってみる』
------------------------
黒い円盤を眺めていたアタシにコーヒーが差し出される。
加持さんかな、と思っていたアタシには一番意外な人物だった。
「……ファースト……」
「赤木博士が、持って行けって」
口の中にまだL.C.L.の雫が残っている気がしたから、リツコ特性の濃い目なコーヒーが
何時もより心地よかった。
「シンジってさ、なんであの子、助けたんだろうね」
知り合ってまだ二日しか経っていない筈の女の子。
黒髪の長い、アタシにはそれしか印象に残っていない女の子。
でも、アイツは彼女を助けた。
「……碇君は、貴女が来る前、使徒の攻撃で傷ついた私を助けてくれた」
「な、なに?」
彼女は信じられない位にちびちびと飲んでいる。
多分、ファーストはコーヒーが苦手。でもアタシと同じコーヒーを飲んでくれている。
なんか、嬉しい。
- 643 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 17:16
「……貴女も、彼は助けた。 マグマの中から」
「……?」
「貴女は、前に言ってた。 『EVAに乗るのは、自分の為』」
「シンジは、『他人の為』って言いたいの?」
「多分、今の彼はそう。 昔の彼とは違う。 少しずつ、変わってる。
他人の存在が、彼の、貴女の、私の存在を変えていくの。 だから」
「だから?」
気になって振り向いたアタシに
「他人に受け入れて欲しいのなら、いい事だけじゃなく、気持ち好い事だけじゃなく、
今まで背を向けていた嫌な事も受け入れるの。
一人が嫌なのなら……『二人と』一緒に生きたいのなら……変わることを恐れては、駄目」
「!!」
------------------------------------------------------------
「ん……」
目の前で景色が変わる。
何回か瞬くように、画面が入れ替わって。
真っ白な映像が写る。
「ソナーも駄目なんだ……」
シートに座っているのは、碇さん。 でも、学校で見たのほほんとした表情とは全く違う顔。
「碇、さん?」
「? あ、山岸さん、気が付いたんだ……よかった」
少し粘り気のある、液体に浸かっているせいで…体にまとわり付く髪や制服を一寸疎ましく思いながら
彼が座っているシートに体を寄せていきます。
微妙に、潜水艦のような形のシートです。
- 645 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/01(土) 21:24
>>644 PDX.さん
わはは。
王道に近いシチュを選んで書いていたらとはいえ……。
相変わらず、鋭いですなぁ。
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「あの、私達って、何時までここに居られるんです、か?」
私の問いに彼は苦笑しながら。
「とりあえず、丸二日。 でも、僕とほぼ同じ体格の山岸さんがいるから…ほぼ半分の一日。
あ、そう言えば、さっきキスしちゃって、御免ね?」
ポン、と真っ赤になったのが判ります。
「あ、あのさ、失礼だって分かってるけど、もしかして……」
「はい、私、初めてでした。 ……キス」
碇さんは真っ赤になると、私に予備のスーツを渡してくれました。
シンジさんとほぼ同じデザインですが、肩等に付いている硬そうな部分が無いものです。
胸と背中には、硬い部分が少し有りましたけど。
(保温に使うヒーターの電源なんかが入っているそうです)
なんでも、鈴原さんと相田さんが少し前に一度、私と同じ状態になったらしくて。
その時問題になったそうです。
『服に付いているであろう細菌』とか。
えっと、その……オシッコとか。
碇さんは私の制服と下着を厚みのあるビニールパックに入れながら、「は、早く着て!」と
言いつつちらちらと全裸になった私の背中を見ているようでした。
さっきの表情とのギャップに、また少し、彼に近づけた気がしました。
- 646 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/02(日) 01:01
- 液体の中で着替えること五分。
首筋にあるスイッチを押すと、ダボダボなスーツが締まって、私の体に合っていきます。
何か、衣類や布団をしまう時に使う圧縮パックを思い浮かべて。
碇さんにそう言ったら、振り向いた彼の顔は引き攣っていました。
その顔がまた真っ赤に……?
「あ、あのね、実はそのスーツ、ちょっと問題があって……」
「問題ないと思いますけど?」
「下っていうか……自分を見てくれれば判るよ」
言われたまま見私は絶句しました。
体のラインが、胸の先端部なんかのラインまで丸わかりじゃ無いですか?!
「僕らは慣れてるんだけど……ごめんね?」
いそれを聞いて、目が一瞬彼のあそこを見てしまう。
サポーターがあるらしくて、形は判りませんでした。
ちょっと……不満です。
------------------------------------------------------------
「ファースト……ううん、ううん、今からアンタの事、レイって呼ぶ事にする。
慣れでずっとそう読んでいたけど、私自身、セカンドって数字で呼ばれるのは嫌だし。
これからはちゃんとレイって呼ぶからアンタもアスカって呼んで。
それで、本題。 アンタってシンジの事、好きなの?」
- 648 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/02(日) 14:52
- あれから、私達は色々な事を話し合いました。
機能は私の事が中心だったので、今度かいか-…シンジさんの番です。
あ、シンジさんと、彼が呼んで欲しい……とお願いされました。
以前は苗字を呼ばれた方がよかったけど、最近は名前を呼ばれた方が嬉しいそうです。
交換条件として、私もマユミと呼んで欲しいとお願いしました。
ただ、今のところはマユミちゃん、と呼ばれていますが。
彼は、ある意味私に近い人生だったようです。
母を失った事を含めて。
彼はお父さんに、捨てられたと思っていたらしいです。
今は、「自分の仕事が危険な側面も含んでいるから」と父に置いて行かれたのだと
思うようにしているそうです。
この町に来て、このロボットに乗って、不安で一杯だったのが大切な人たちの手助けで
怖さが薄れていって。
そのうち、アスカさんと綾波さん(この方とは会っていない筈です)を助ける機会があって。
自分が人を助ける事ができるようになったと、自分が強くなった気がした、と。
「自惚れちゃいけないと、思うけどね」
-------------------------------------------------------
「なんか、羨ましいです」
「え? 大丈夫だよ。 綾波は喋らないだけでちゃんと話は聞く子だし。
アスカは逆に声は大きくて聞いてない様にしか見えないけど、聖徳太子みたいに耳は良いし……。
ヒカリちゃんは揚げ足を取るように妄想しちゃう点以外は一番まともだし……」
彼が三人の女性の事を自分の事のように、冗談に紛れて『大切な人』と言われているのが判って。
かなりはっきりと、嫉妬を感じています。
「信頼、してるんですね。 そんな事はっきり言えるなんて」
「そうかな?」
- 649 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/02(日) 15:34
- 微妙に修正。
>>646
言われたまま見私は絶句しました。
↓
言われたまま見た私は絶句しました。
いそれを聞いて、目が一瞬彼のあそこを見てしまう。
↓
それを聞いて、目が一瞬彼のあそこを見てしまう。
>>648
機能は私の事が中心だったので、今度かいか-…シンジさんの番です。
↓
昨日は私の事が中心だったので、今度はいか…シンジさんの番です。
- 650 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/02(日) 21:30
「なんでよ………」
「ミサト?」
アタシの声にビクッ!とするミサト。
「加持くんならいないわよ」
「私が探しているのは……リツコよ」
直後、ミサトはこれからのの任務から自分が外された事と、救出作戦について説明した。
ミサトの話では、依然同じような状態になった初号機はシンクロ自体が低い状態になっている。
それならば、弐号機と零号機による干渉で使徒のATフィールドに干渉、フィールドを失った
使徒の(あの円盤部が本体らしい)肉体全体にまぶすようにn2爆雷を散布する……。
もう一寸細かい話があったらしいが、ミサトの頭の中に入ってるのはこれ位らしい。
「シンジ君と、あの山岸さんって子の生死より、初号機の方が大事としか思えないのよ……」
「………そう」
あたしはその事には触れない事にした。
彼女を慰める事ができるとしたら、それはアタシじやない。
アタシも彼女の命令しだいで……あの中の二人と同じ立場になるから。
「あのさ、ミサト」
「ん?」
「『好き。けど、代わりがいる私じゃ駄目』って、どういう意味だと思う?」
「……なにそれ?」
「ファー…じゃなかった、レイが答えたの。シンジの事好きなのかって言うアタシの質問に対する」
不思議そうに覗き込むミサトにアタシはほぼ全文を話した。
「『恋愛と言う意味なのかは不明だけど、好き。 けど、今の碇君が持つ私への思いは恋愛と言うより
家族に対するもの。 何より……代わりがいる私じゃ駄目』なんだって」
アタシは、最後の一言だけは言わなかった。
『私は、アスカさんや洞木さん、山岸さんが……うらやましい』
- 651 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/02(日) 21:32
- 上の分、意味が違ってしまうので修正します。
「加持くんならいないわよ」
↓
「加持さんならいないわよ」
- 653 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/03(月) 00:17
- ちょっと強引な気がしますが……。
アスカは、これでシンジ君に堕ちて貰います(ニガワラ。
---------------------------------------------
そして、今。
アタシは弐号機の中にいる。 目の前には青い零号機の姿。
使徒の肉体(?)は真っ黒、と言うより何か寒々しいものを感じる。
混沌を直接見ている、と言ったら正しいかもしれない。
「れい?」
返信はすぐに来た。
『何?』
アタシは不安をぶつけるように一言。
「さっき、アタシが羨ましいって言ったの? アタシはレイの前でもシンジを馬鹿にして」
『彼は、貴女が気持ちをぶつけてくれるだけで、とても嬉しそうにしていたわ』
そうなのかな……?
アイツは、アタシをを、必要としていた。 アタシが好きだから。
アタシなら耐えられないような、『嫌な事』もすべて、嬉しい事なの?
じゃあ、アタシは……? シンジが……必要?
判らない。
アタシはまだ、シンジが好きなのかは判らない。
でも、「アタシを好きなシンジ」がアタシの前から『いなくなる』事だけは、嫌な気がする。
- 654 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/03(月) 00:17
アタシは迷ってる。
加持さんに振られたばかりなのに、今の心の中はシンジで一杯だったから。
最初、アイツは『冴えない男』だったはずで。
ミサトの家に同居するようになったのも訓練の一環だったはずで。
でも、ココロが揃って行くのは嬉しかった。
『他人には絶対できない何か』をアイツのココロに植えつけてやった気がしたから。
マグマの時も、アタシなら一歩は確実にひいてしまう事をアイツはやってくれた。
だから、アタシはここに居る。
ずっと、シンジはアタシの傍にいてくれた。
あののほほんとした、鈍感な笑顔で。
やっぱり、今のアタシは『あの気持ちよさが欲しいだけ』じゃ、無いのかな………。
今まで、本心からアタシを見てくれていたシンジが。
ヒカリだけを見るシンジになる……それを想像するだけで、心が、痛くなる気がする。
だって、あたしが求めていた『アタシを見ていてくれるシンジ』を失うんだもの……。
今なら、ヒカリが言ってた事、判る気がするな……。
数分後、獣が大地に降りたった。
- 656 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/03(月) 19:39
アタシは弐号機を使って初号機のエントリープラグを抜き取り、アタシにしては丁寧に
医療班や技術部が待つプラグ運搬台の上に置く。
ついで弐号機を拘束具に固定、本部の日向さんにお願いして機体だけ先に収納して貰って
アタシは初号機から抜いたプラグへ急いだ。
何とか笑いそうになる足に鞭をうって開放作業をやっている場所へ到着。
私がついたのとほぼ同時に作業をしている人たちの歓声が聞こえる。
「開きましたぁ! ………二人も、無事です!!」
その声にの残りの力を振り絞り、ハッチが空けた人達を「御免なさい!」誤りつつ
押し退けるようにプラグ内へ。
今のアタシがコイツの事をどう思っているか。
それを知るには何よりシンジが必要なんだから。
そう言い聞かせて、アタシは乗り込んで……シートの上のアイツへそのまま抱きついた。
「な?」
抱きついてから、シンジが簡易スーツの山岸マユミを……つまり、シンジが
使徒本体の中に落ちていくビルから助けた彼女も一緒に腕の中収めている事に気付く。
コイツのかなり安らいだ表情に、女なら誰でもいいのか、と腹が立つ。
シンジの節操無しな態度に腹が立ったけど、顔を上げた時にシンジが呟いた一言で
取り合えずチャラにして置く事にした。
『何より、ただもう一度会いたかったんだ。まずアスカに……そしてヒカリちゃんに』って。
これで、決めた。
変わることを恐れてはいけないのなら、一番徹底的で、確実な方法を使って変わろう。
シンジが好きかを確かめるために……アタシ、シンジに抱かれる。
- 657 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/03(月) 19:56
- ----------------------------
あれから半日。
アスカさんはまるで自分の半身が傷付いたかのように彼の傍にいる。
葛城三佐に言わせれば、『ようやく自分の気持ちに気が付いた』という事らしい。
私が「かなり前から自分の気持ちを表に出していた気がしますが?」と聞くと
「あの子は他人の前ではココロに鎧を着なければ生きていけなかったもの」
私は、三佐の言う「ココロの鎧」を着ているのだろうか?
人と確実に違う、私の持つ『心の壁』が彼女の言う『 鎧 』なのだろうか……。
そこまで考えた時、彼女が酷くそわそわしているのに気がついた。
ここの少し強めな冷房に体調を悪くしたのだろうか。
「どう、したの?」
「え!?」
私の声は他の人より抑揚が無いせいなのか、時として話しかけるだけで相手は驚く。
この時も、彼女に驚かれた
「あ、御免なさい綾波さん。 シンジ君が心配で……彼はもう大丈夫なの?」
「大丈夫。 彼が助けた山岸さんも後遺症は無いと確認されている。
後半日時間をとってもう一度検査をして。それで異常なかったら二人とも、家に帰れるそうよ」
その言葉を聞いて、彼女の顔が笑顔に包まれる。
以前本で読んだ、『花咲くような笑顔』と言うのはこういう笑顔かもしれない。
これが、恋をする事なのかもしれない。
やっぱり、彼女達が、羨ましいと思う。
『シンジを、好きなの?』
私は、あの時の彼女の問いに『はい』と答えられる日が来るのだろうか。
彼を、碇君を好きになって、それが恋と呼ばれる状態になる日が来るのだろうか。
私は、彼に好きだといわれる事の出来る人に、なれるのだろうか。
「綾波、さん?」
『ファースト・チルドレンは技術部・赤木博士の下に出頭して下さい。繰り返します………』
二人が鉢合わせをしたらどんな結果になるのか、それは何時か私が彼女たちの仲間になれた時に
参考になると思ったのだけど……。
私は洞木さんに一回のみ有効の重管理病棟入室パスと碇君がいる部屋を教え、博士の元に向かった。
ただ、一つだけ収穫はあった
今日、私は『後ろ髪を聞かれる』の意味を理解できたから。
- 658 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/03(月) 23:45
- 『……もし、私達が助かったら、私の、初めての人になってくれますか?』
『それだけで、いいの?』
『え?』
『ぼくは、最近気が多いと思うんだ。 僕は、マユミちゃん以外にも気になる……。
というか、好きな人がいる。 それでも、いいの?』
『……はい。 それでもいいんです。 あの時、ちゃんと私を見てくれたあの時から、
私を求めてください。 私、そんな……』
何で、あんな事が言えたんだろう……。
それが、この数日で僕が自分に持った疑問だった。
----------------------------------------------------------------------
最初は、ヒカリちゃんを無理矢理に近い形で抱いて、彼女の中に最初の滴を注いだ直後の事だった。
彼女が愛しくなって、彼女の体に、またいやらしい欲望を抱き始めた時、彼女の涙が見えた。
その瞬間、イメージが浮かんだ。
そして、特に疑う事もせずにそのイメージに従って目尻の涙を唇で吸うように拭ってあげた。
それからは、彼女の行動に併せるように、こうしたら気持ち良くなってくれるんじゃないか、とか
こうしたら彼女が僕のあそこを咥えてくれる、とか。
それがごく当たり前のように浮かんでくる。
気持ちよさに負けて、そのまま彼女をその『思いつき』に従って三時間かけて何度もヒカリちゃんを
イカせて、僕自身も六回、彼女の口から胸に、お尻に、そして、まだ痛いはずのあそこに思うまま
流し込んだ。
- 659 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/04(火) 00:15
次に『イメージ』が浮かんだのは、アスカとエレベーターにいた時だった。
エレベーターの中でのアスカは、最初とんでもなく怖くて。
彼女を抱いた事を知られたとき、彼女の目は本気で、僕を憎むように鋭かった。
加持さんに振られた上に、ある一つの形とはいえ、少しだけ『大人』になった僕に
いやらしい、とか思っているんだと。
そう、思ってた。
でも、キスされた時に、僕の中で何かが変わった。
ただ怖かったアスカが、その瞬間から『我侭を僕に言ってる可愛い女の子』になった。
それからは、ヒカリちゃんと一緒で。
思いっきり『可愛がって』あげたかった。
でも、僕の中で『アスカが僕が相手でなくても良いんだ』って言うのはなんとなく判っていたから。
彼女にはキスだけしてあげた。
キザな台詞もすらすら出てきた。
……自分が、ナンパ師になったみたいだけど、それでもアスカは『可愛かった』。
そして、多分今日の早朝。
マユミちゃんにした『約束』とキス。
舌を入れたりしなかったのに、彼女はアスカより早く意識を失った。
意識してもいないのに、気持ちを伝えられる。
三度目は……『イメージ』も、まったく意識しなかった。
この数日で、僕が僕じゃ無くなっちゃいそうなのに、とても怖いのに…。
心のどこかで彼女『たち』を僕は求めていた。
- 662 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/04(火) 18:15
こんこん
二度ノックをした後、私は相手の声を待たずにドアを開けた。
たとえ候補でも、彼女なんだから……。 これ位は、いいよね。
「うん………」
シンジ君は、ベッドの上で胡坐をかいて悩んでいた。
「シンジ君?」
「でもそれじゃ、僕は……ヒカリちゃんを……利用…」
私を利用? もう、今更なんだから。
左右をちらちらと見回して、アスカがいないのを確認してから。
王子様がお姫様がするように。
シンジ君の顎を左手で上げて、私は彼の唇に自分の唇をを合わせた。
その味は、少し前に食べたらしい……たぶん、オムライスの味がした。
「………!」
目を見開く彼が仰け反ってしまいそうだったから、私は両手を彼の後ろに回して
それ以上動くのを防いであげる。
程なく、彼と私の舌が絡み合い、水あめの中に紛れ込んだような暖かいぬめりが漏れ出す。
――私、彼を受け入れたあの日からたった三日で本当にいやらしくなってる――
――鈴原や相田君がそんなHな本持ってきた時『不潔』ってなじってた私が――
――アスカとシンジ君がペアルックをしているのを見ただけで非難した私が――
- 663 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/04(火) 18:16
「はふぅ」
濃厚なキスで腰砕けになった私がシンジ君の肩にしがみ付いて息を整えようとした。
ぱしゅん。
「やっほぅ!シンちゃぁん♪ 鈴原君達連れてお見舞いに来た……!!」
二人を連れて入って来た葛城さんは………固まった。
当然だと思う。
自覚できる位に、今の私は、とてもいやらしい顔をしている筈で。
ジャンパー・スカートから伸びる足には透明な蜜が伝い、靴下にしみを作っている。
もう、ショーツは何の役にも立ってない。 もしかしたら、スカートにもシミが出来てるかも。
ごくっ。 と
葛城さんの後ろで真っ赤になった喉が二つ、しっかりと動く。
駄目よ、二人とも。 私はもう彼の物。
お零れだって、上げない。
「どうしたんですかぁ」
凄く甘い、女の声が簡単に出せる。 その声を聞いて、鈴原が少し屈んだ。
なんとなく、意味がわかる。
「あ、あのさ、お邪魔、だったかしら……?」
「そうでもないんですよ? がんばった彼への、御褒美ですから」
そう、これは私たちのために戦ってくれた彼へのご褒美。
そして、私は、彼だけの『女』。
- 664 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/04(火) 18:55
「あ、あのさ、お邪魔、だったかしら……?」
「そうでもないんですよ? がんばった彼への、御褒美ですから」
(あの頃の私と同じね……)
目の前にいるヒカリちゃんはもう、間違いなく『女』だった。
それも、加持の奴と一週間あいつのワンルームに篭って、扇風機とせんべい布団、
テレビから聞こえる高校野球の音の中、『気持ちよくなるためのコツ』がわかって来て。
少しずつ確かめ、より高みに行く為に私のほうが率先して加持に抱かれていた頃の。
『シンちゃんとのHが楽しくて仕方ありません』って顔になってる。
ホント、今の彼女は妖艶で……14歳の女の子がする表情じゃない事、気付いてるのかしら。
「あ、あの」
それにしても、ここまで追い込んだシンちゃんのほうはいつも通りなのね。
まぁ、気持ちよさに一寸惚けた顔は、私も少しよろめいちゃう気がするけど
こういう所でのエチケットは守ってもらわないと。
「シンちゃん。 口元を拭いなさい。 独り者三人には目の毒だし、失礼よ」
「え……あ!」
ようやく失態に気付いた彼はパジャマで唇を拭う。
……口紅を彼女がつけ始めた事すら気づいていないなんて。
「あ、あの、マユミちゃんは、大丈夫ですか?」
「彼女はさっき、お父さんが迎えに来たのでそのまま帰ったわ。
私はこれから暫くあの使徒に関する残務整理があるから帰れないけど、彼女と帰れる?」
山岸さんは大丈夫よ。
今はそれより、隣の台風を気にしたほうがいいと思うけどね。
女心は複雑なんだから。
「はぁ。 ま、一応体調の確認をかねて来たんだけど。 問題はなさそうね。
さっきの検査結果が良好だったからもう帰っていいけど、ここのベッドは使わないでね?」
真っ赤になって、二人は頷く。
これだけ見れば、可愛いカップルなんだけどなぁ。
「じゃ、もう退散するわ。 じゃあねぇーん」
駆る愚痴でごまかしつつ、早々に、私は固まった二人を掴んで引き上げた。
……より戻した加持に今日は甘えてみようかな。
- 666 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/05(水) 14:29
十分前。 電話機の傍。
「じゃあ、シンジはもう退院して、病院を出たのね?」
『え、ええ。 あ、あのさアスカ、実はね』
珍しく、ミサトが動揺している事を隠さない。
……なるほど、ヒカリが来てたんだ。 のーこーなキスでもしてたのかしら。
「あのさ、誤魔化さなくていいよ。 来てたんでしょ? あの子」
『う、うん。それで「アタシ、確かめたいの」…………本気?』
なんだかんだ言って、勘だけはいいようね、相変わらず。
電話の向こうから、病院のアナウンスが聞こえてる。
彼女にとっては、『監督不行き届き』の最重要項目になる筈の事……。
でも、家族と何時も言い切っているのなら。
たっぷり一分経ったころ、ため息が一つ。
『彼女へのあてつけなら、許さないわよ?』
「それを確かめたいのよ。単なるあてつけなのか、シンジを取られたくないのか」
『ふぅ。 ばれたら責任、あたしと一緒に取りなさいよ』
声音が真剣なものから、いつものおちゃらけ半分なモノに変わった。
でも、伝わってくる意思からは、真剣さは失われてない。
ミサト、アタシの事ちゃんと心配してくれてるんだ。
レイの事といい、アタシってホント、自分本位だったね。 今度、ママに地ビール送って貰うから。
感謝を込めて。
『自分で決めたのなら、私は止めない。 ただし、単なるあてつけと判ったとしても後悔しないこと。
少なくとも、私に『やっぱり後悔したわ』って言いに来ても、私は慰めない。
それだけ、忘れないで。 後、今日は加持くんとこ行って帰らないつもり。 意味は判るわね?』
要するに、『自分でお膳立てしろ、選択したのは貴女よ?』って言いたいのね。
「いいわ。 その代わり、一度だけでいいから教えて。 今、彼の事好き?」
『多分。 腐れ縁もここに極まれり、ね』
『最後に、もう一つの後悔をしないようにね』と前置きして。
ミサトはアタシにコンドームと中東出張で貰ったという『媚薬酒』の在り処を教え、電話を切った。
お互いに、片方はまず使わない事を知っていながら。
- 667 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/05(水) 14:40
- いや、突っ走った突っ走った。
久しぶりに『書いた』って満足感湧いてますです。
後、とりあえず修正が一つ。
>>664
駆る愚痴でごまかしつつ、
↓
軽口でごまかしつつ、
---------------------------------------
>>660 PDX.さん
>じんわりと。 一方は激しく。
『記憶図書』をシンジが使えるようになる切欠が欲しかったので(自縛
- 668 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/06(木) 00:52
ドアが圧搾空気の音を伴って開いた。
シンジだ、間違いなく。
「そう言えば、さっき病院で『私を利用する』って言ってたよね。何でそう思ったの?」
ヒカリを利用? まさか、アタシを?!
抱かれようとは思ってるけど、奴隷とかそう言う意味じゃないわよ! まったく!?
「…最近、変なんだ。 色気づいたってアスカに言われそうなんだけどさ、
女の子にドキドキする度に、僕が自分じゃ無くなっちゃう気がするんだ。
だって、半月前まで僕、トウジが貸してくれるそう言う雑誌雑誌以外では」
靴を脱いで入る音。
几帳面な二人はちゃんと靴を並べてから入る。 だから一寸音が長い。
「見た事、あるんだ。 やっぱりアスカ?」
「あ、いや、アスカじゃなくて、綾波。Nerv関係の書類を届けに行った事があるんだけど、
彼女の家は誰もいない様に静かだった。
けど、ドアの鍵が開いてたから『まさか泥棒が入ったんじゃ』って焦って。
『綾波、入るよ』って声をかけてから入ったんだ。 綾波が倒れているって訳でも無かったみたいで
安心したら後ろで音がして。 シャワーを浴びたばかりらしい綾波が全裸で立ってた」
二人がリビングに近付くにつれ、声が大きくなる……にしてもレイの裸まで見てたなんて!
ミサトの部屋から覗いているリビングに、二人の姿が見えるようになる。
「あわてて謝って。 そしたら綾波、小さい戸棚にあった眼鏡……多分、僕の父さんのらしいんだけど
僕がそれを持っていたのに腹が立ったしくて、僕から取り上げようとしたら」
「したら?」
「綾波が落としたバスタオルに足を取られて綾波の上に倒れちゃった」
何時もの彼女なら、『不潔よぉ!!』と叫びそうなのに、それが無い。
もしかして、それが『女』の余裕?
- 670 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/06(木) 18:12
「えっち……」
「そんな気持ちになれないよ。 本当に、事故だったんだから」
驚いたような、でも興味一杯の視線を彼女は崩さない。
恋する乙女は相手の事を知りたくて仕方ない、か……。
加持さんに対するアタシもこういうのだったのかな。
「でも、アスカも『初対面のアイツに裸を見られた』って愚痴を言ってたけど」
アタシも知りたかった質問にアイツの肩が跳ねる。
そのまま振り返ったシンジはのほほんとした顔に苦笑を浮かべてた。
ただ、それだけなのに、何時もの馬鹿シンジと違って見える。
「そ、それアスカの誤解だよ。あの時は、その、急いでたし、肩が見えた事しか覚えてない。
その、確かに『見えたらラッキー』という気持ちはあったけど、えっと……。
真面目に、聞きたい事が……あっただけなんだ。 サポーターになるもの無いかな、って」
そっか、あれはそう言う事だったんだ。 ちょっと反省。
「サポーター?」
「あのね、ちょっと露骨な言い方をすると、アスカや綾波のスーツって、二人が着る事「だけ」しか
考えられてないから、その、僕のアレを収めておくスペースが無いんだ。
それで…その気にならなくても、オシッコが溜まった時なんかに、『その気になってない』のに
おおきくなることがあって、サポーターが無いと、ずっとしめつけられちゃうんだ、僕のぅ!?」
う、うそ?! あのコ、本当にアタシが知ってるヒカリなの?
「大きさは、ちゃんと全身で『覚えてる』から、想像できるわ。 そんなに『痛かった』の?」
「と、と、取り合えず……大きくならなかったので、大丈夫でした」
ポットからキュースにお湯を注いでいるシンジに後ろからシンジが抱き付いてる。
えっと、ヒカリが撫でてる所にシンジの「アレ」がある訳だから……。
想像で出来た『棒』をそっと下腹部に当ててみる。
ちょっと、暴力的な大きさじゃない?
アレから察するに、彼女の親指よりだいぶ太いわよ、あれ。
- 671 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/06(木) 18:25
- >>670
あう……。
改めて読むと、馬鹿みたいな間違いが。
ついでに追加。
〜後ろからシンジが抱き付いてる。
↓
〜後ろからしなだれかかるようにヒカリが抱き付いてる。
- 673 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/08(土) 00:04
- ちょっと挙げさせて貰いますね……。
-----------------------------------------------------------
本当に、自然にじゃれ合っている二人を見た時、Hをした後のアタシとシンジが
どう変わっていくかを、つまり……アタシは加持さんやシンジと寝た後の事を
まったく考えていなかった事に気がついた。
あの二人は、Hをしたとはいえ、それが無かったように自然に付き合ってる。
アタシなら間違いなく、『Hをした事実』だけで相手を縛ってしまう。
アタシだけを、アタシを全てにしてくれる人じゃなきゃいらないと思っていたから。
加持さんは最初から違う。
ミサトが相手というのは知らなかったけど、彼はアタシに壁は見せなかった代わりに
一定のラインから踏み込ませないようにしていた。
シンジは微妙に違うけど逆。
誰よりも高い壁に包まれているとはいえ、それと判る大きなドアがあって、あの日までずっと
たった一つの鍵はアタシに与えられていた。
アイツの好意を受け入れる、という鍵が。
その鍵を、アタシは使わなかった…。
シンジがアタシの事をどう思っているのか、知っていたのに。
アタシだけの楽園を、アタシ自身が壊した。
『愚者の楽園』
そんな言葉が思い浮かんだ。
- 674 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/08(土) 00:21
「まぁ、追求はそれ位にして、さっきの話の続き。 『女』に慣れて行くのが、怖いの?」
目の前の痴態はさらに進む。
物思いにふけっていたアタシを余所に、シンジはいつの間にか椅子に座らされ、
ヒカリはウットリとした表情でアイツのペニスを舐めていた。
アタマの部分と棒が繋がったあたりの…トリケラトプスのようにめくれあがった所を
執拗に舐めている。
「ん……! ……そうかもしれない……本当のことを言うと、よく判らない」
見開いていたシンジの瞳が一拍置いてすぅっ、と細くなる。
ん? ちょっと印象が変わったような。
「でも僕がヒカリちゃんに慣れようって思われるのは、嫌な気がする。
だって、『飽きた』なんて誤解されかねないもの。 そんなの嫌だよ」
「ふぅん…ちょっと嬉しいな」
そこまで言ったヒカリが顔を右に……!!
ま、まさか!?
「ところでアスカ、何時まで葛城さんの部屋にいるの?」
ええ!?
「ふえぇ!?」
パン、という音と響くほど早くふすまを開ける。
「な、な、な、なん」
「だって、『アスカの靴』も一つ揃えたもの」
あう。 隠れた意味、無かったのね。
「アスカ………あ、あのさ」
シンジの表情には焦りが見える。 なんだ、シンジは気付いてなかったの。
アタシはそのまま威圧するようにシンジの前までどしどしと足跡を響かせながら進み、
コイツの顔の前に自分の顔を突き付ける。
コイツのアレはヒカリの唾液にしっとり濡れつつギンギンにエレクトしてる。
「今すぐ一つだけ教えなさい、シンジ。 『利用』ってアタシをどうにかするつもり?」
- 676 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/08(土) 17:03
- 呆然としているアスカを見ていると、ふいに可笑しくなって、こらえられなくなって。
クスクスと笑い出した。
「な、何が可笑しいのよ」
「だって、やっぱりアスカって純粋って言うか、単純よ」
まだ全然判っていないみたい。
「私、アスカが襖の向こうに居るなんて、知らなかったわよ?」
「………は?」
「だから、目の前の襖が少し開いてたからシンジ君をからかうつもりで声を掛けたのよ。
だって、アスカの靴が一つ散らかってたからってアスカが家にいる、って事には
ならないじゃない。 別の靴を履いて遊ぼうと外に出たかもしれないのに」
二人の顎がかっくんと落ちる。
一瞬後、私のほうを見た二人の顔には意地悪を咎める表情が浮かんでいた。
「や、やだ!そんなに呆れないでよ! 私が一番の悪女みたいじゃない。
さっきシンジ君とアスカの靴を片付けたから、そう言ったらシンジ君が驚く、と思って……。
私だって、驚いてるのよ? 本当に出てくるんだもの」
さて、と前置きして。
「改めて聞くわ、私も。 どうなの?」
- 677 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/08(土) 17:53
- 二人の視線を真っ直ぐに向けられたシンジ君はため息一つ。
「なんて言ったら判ってもらえるかな……。 アスカもさっきの話し聞いていたのなら
判ると思うけど、僕はそんなにHの知識は持ってないんだ。
自分で手に入れた知識は、数回付き合いでトウジと読んだ本と二人とシタ事だけ。
一応、マナともあるけどアレは別れのキスで性愛のキスじゃないから……」
アスカは「やっぱりあったんじゃないの……」とジト目になる。
私?
……自分の唾液で濡れたシンジ君のを、アスカに教えるように、見せ付けるように、
右手で握ってささやかな刺激を与え続ける。
「そ、それで………その、ヒカリちゃんと初体験したちょ、後、んっ?!
頭の中に、イメージが浮かんで、それでっ、その通りにしたら、ヒカリちゃんが
喜んでくれて、それが!?」
耐え切れなくなったのか、シンジ君は顔を近づけ私の手の動きに見とれていたアスカの顔を両手で掴むと
「んんんんっ、 い、いやっ……‥!!」
アスカにディープなキスを与えちゃう。
じたじたとキスを拒否して、彼の胸にポカポカと痛くない攻撃をしていた彼女は、すぐにそれをやめた。
胸の間で祈るように両手を合わせ、痛みに耐えるような表情で。
それもすぐに。
お酒なんかとは比べ物にならないほどの陶酔に、よだれが制服のブラウスにしみになっても気にしなくなった。
- 678 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/08(土) 21:15
- シンジ君ははアスカが堕ちて行く光景にゾクゾクとしているのか、ふるふると肩が震え始め
ほぼ同時に私が握っているおちんちんが一回り、ぎゅっと太くなる。
熱さも更に上がって、その熱で封が溶けたように、また私のあそこから雫がたれていく。
本当に今の私は淫乱になったのかもしれない。
でも、それもいいかも。 彼の前だけでしか淫乱な私にならないんだから。
もっと熱くしたくて、その熱を精液と一緒に私の中に注いで欲しくて。
握力を一握り分(?)強くしながらしごく速さを早めて。
そして、渦巻き始めた嫉妬と悪戯心を半分づつ言葉にのせて、彼の耳元で囁く。
「やっぱりHだ。 私だけじゃなくて、アスカも欲しいんだ」
「……うん。 欲しい。 今度はアスカも、僕を欲しいと想ってるみたいだしね……」
「ひがうぅぅ。 そーらけど、ひがううぅ」
目で続きを求めた私達に、アスカはぺたんとお尻をつけて囁くように。
「だって、アタシだけのじゃないもん。 シンジ、ヒカリの事も好きだもん! そ、それに
シンジには抱かれてもいいとお、思ってるけどヒカリは友達で、恋の相手じゃないもん!
ヒカリには、抱かれたくないよぉ! 見られたくも無いよぉ……」
私はちょっとカチン、と来た。
アスカ自身は二度も私と彼との事覗いてたくせに!
「そう? だってアスカ、シンジ君と私の初体験も見てるじゃない」
「ええぇぇえ!?」
え? 何でシンジ君、驚くの?
何か変よね。 アスカの性格なら二人の事を知ってると言うと思ったのに。
「どうして驚くの。 聞いて知ってたんじゃないの?」
「そんな事言ったってアスカからは、『ヒカリから聞いた』としかきいてないんだよ」
- 680 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/09(日) 00:39
- アスカは私にさらに食ってかかる。
「大体、ヒカリは何でそんなに余裕なのよぉ!
シンジに対する独占欲とかって、無いの、ひかりはぁ!?」
この一言には ぶちっと……きれた。
「ないわ。 少なくとも、アスカが言う意味での独占欲なんて無い。
………そう言うと思ってる? ねぇ」
「あ、あの?」
ずり下げた時にズボンとベルトをしっかりと掴んでいた私はさらに一手間。
シンジ君のズボンをしっかりと踏んで、逃げられないようにしてから私は深呼吸。
そして。
「私が独占欲が無い!? 冗談じゃないわ。 独占欲なんか幾らでもあるわよ!
それでもアスカに一歩引いた立場を取ってるのはシンジ君にとって、アスカが大事だって
言う所があるからっ!
恋愛としてのシンジ君の気持ちはほぼ五分、って思いたいけど
付け焼刃な私への思いと違ってアスカを想ってたシンジ君の気持ちを尊重したい、
アスカの心の中のシンジ君への気持ちを無視したくない、そう思っているから
だからアスカにもチャンスをあげたいんじゃない!!
それとも何? シンジ君に対して一方的に自分の気持ちを押し付ける気?!」
「あ、あの、ヒカリさん?」
「確かにあの時屋上で私は言ったわ。
『シンジ君のアレは私にとって麻薬のような喜びだ』って。
でも、シンジ君のが特別大きいとかそんなのが理由だと思ってるの?
快楽だけで離れられなくなってるって思ってるの?!
好きな人に抱かれるのが嬉しい、それが『麻薬的なもの』って思っちゃいけないの? ねぇ」
「……それは」
大声で喋りながら、何か悲しくなってきた。
自分が信じて来れたものが少し壊れた気がしたから。
「シンジ君。 最初に抱かれた後に私がした『賭け』の事は聞いてる?」
「う、うん」
もう一度だけ、決めて欲しいから。
「私を恋の相手だけじゃなく。
私を人生のパートナーの『一人』として見てくれるのなら。
私をこの瞬間から呼び捨てで呼んで。
嫌なら、沈黙でいいからヒカリちゃんって呼ばな「ヒカリ……って呼んでいいの?」……!!」
- 685 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/09(日) 15:21
- 書きたいと思える内に、出来る限り進めてしまいませう。
-----------------------------------------------
本心だった。
別にアスカより彼女の事が大切になったとか、そんな意味じゃない。
好意の質が上がった、と言うべきなのかな。
『好き』から『大好き』へ。
愛を告げられる立場には無いと思ってる。
「でも、ヒカリが言うように……僕はアスカも必要と思っ……てる」
判ってた。 ずっと前から。
アスカにだって、ヒカリにだって独占欲がある。
それを僕は踏みにじろうとしてる。
僕の同じ欲望で。
「最低だね、俺って。 今の俺は、二人とも、欲しいんだもの」
本当の満足を与える事は絶対に出来ない相手に、尽くさせようとしているんだ。
一方的な愛で。
「それに……僕は怖い」
「こわい? 何よ馬鹿シンジ、アタシが怖いの?」
「多分、違うわ……何が、怖いの?」
僕は説明した。
母さんが(多分EVAの)実験で死んで、それが周りから責められたこと。
父さんが先生の家の最寄り駅に僕を置いて行った事。
自転車の事。
家族だった筈の父さんが、いつの間にか…たまらなく怖くなった事。
「アスカには弱い、って言われると思うけど。 僕はもう何かを失いたくない。
マユミちゃんには、「自分の仕事が危険な側面も含んでいるから」って思おうとしてる
そう言ったけど、そう思ってるけど。 やっぱり怖いよ……」
「アタシやヒカリに『要らない』、『さよなら』って言われるかもしれない事が?」
首を縦に振る。
「私は、そんな事言わないし、私の居場所は貴方の傍だけでいいよ?」
一人目の答えはあまりにも単純で。
「何で!」
「総てじゃなくても。 ほんの少しでも。 「貴方」が手に入るのなら。
私だけのじゃない。 でも、私が好き、と思ってくれている限り、その「気持ち」は私だけのもの。
私が求めているのは、シンジ君。 だから、それでいいの。………アスカは?」
視線の先にいる二人目は。
「アタシはまだアンタの事が好きなのか、自信がもてない。
でも、アンタを失うのは嫌。 それに、ヒカリと違ってシンジを独占したい気持ちは強いもの。
だから、アンタに頼るわ」
- 686 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/09(日) 23:17
呆然とするシンジの目の前で、ウエストのボタンを両方同時にはずす。
二つのベルトがアタシの肩を滑るように、なぞる様に。
そこまで行くと、スカートも支えが失って、音も無く落ちる。
現れたブラウスから姿のアタシ。
「アタシは素直になんかなれないし、そんなに都合良く変われって言ったって
変われない。 だったら、シンジ、アンタが変えるの。 アタシを」
リボンも外し、ブラウスのボタンを下から一つずつ外していく。
勿論、二人とも真剣に……見てなかった。
「一寸、シンジ。 覚悟決めようとしてるんだから、今のアタシもしっかり見なさい」
こくこくと頷くシンジ。 日本で始めて見た「首振り人形」みたい。
舌を出して『もっと食べたい』って表しているらしいお菓子屋の看板代わり。
一番上のボタンを外すと、さすがに羞恥心がもたげてきた。
それを必死に押さえ込んで、すとん、とブラウスも落とす。
二人前に現れたアタシが纏うのは、ジキタリスが一面に咲いた…薄い水色のスリー・イン・ワン。
うすい青にしたのはまだ思いをあたし以上に形に出来ないあの子の色だから。
「あ……!」
ふふ、シンジは気付いたみたいね。
確かにヒカリの言う通りだ。 気付いても口に出さないんだコイツ。
変わるのが、自分で予想できない何かになるのが怖いんだ。
スーツの肩に手をかけて、一寸づつ、ヒカリより大きなバストを見せるように。
あのビデオの数々を思い出しながら。
下までゆっくりと落としていく。
多分、アタシは加持さんの、ミサト達の思う通り、シンジの事を好きになっているんだと思う。
でも、あたしが自分から動いたらシンジを独占しようとする。 それなら。
「アタシが好きならシンジ、アタシの事欲しいならアタシをアンタの色に染めなさい。
シンジの事が欲しくて、シンジに愛される事が総てになるアタシにしなさい。
今のヒカリのフェラに、アタシが喜んで加わるようにしてみせなさい…何日掛かっても良いから。
我侭かもしれないけど、アタシが出来る最大のラインよ」
そういって、アタシはう、生まれたままの姿になった。
- 687 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/09(日) 23:35
- しくしく。
修正前のばーじょん書いちゃったっす。(変更量最多?)
------------------------------------------
ブラウスから姿のアタシ
↓
下着と制服のブラウスだけのアタシ
勿論、二人とも真剣に……見てなかった。
↓
勿論、二人とも真剣に……見てなかった。 シンジの奴、しっかりと目を瞑ってる。
これから毎日のように見るものなのに。 もう、バスタオルで隠したり、しないんだから。
我侭かもしれないけど、アタシが出来る最大のラインよ」
我侭かもしれないけど、アタシが譲れるる最大のラインよ」
- 688 名前: PDX. 投稿日: 2004/05/09(日) 23:47
- >>685-686 LHS廚さん
>>685
で、部分的に「俺」と言っているのが少し違和感。
シンジ一人称の地の文では「僕」だから。
せいいっぱい悪ぶっているのかなぁ。
>「アタシは素直になんかなれないし、そんなに都合良く変われって言ったって
> 変われない。 だったら、シンジ、アンタが変えるの。 アタシを」
責任転嫁ってわけでもないけど、シンジに預ける事で彼の退路を断っていますな。
でも、アスカの場合『求められたい』という願望が強いであろうからこれは正しい回答なのかも。
でもって染められちゃうのね(笑)
何日かかるだろ?(笑)
- 689 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/09(日) 23:55
- >>688 PDX.さん
あ、気付かなかった。
あのシーン以来『最低=俺』がもう刷り込まれたようです。
『僕』に訂正しちゃってください。
- 691 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/10(月) 19:22
- 僕は自分がおかしいとは思ってる。この数日はそれが更に顕著になっているのも。
でも。 今はそれでもいいのかも知れない……かな。
「きゃふぅ!? いや、やだっ!こん、こんなのっ、ち、ひゃふぅ」
「どこがちがうの? 認めちゃいなよ、アスカ。 いまの貴女もアスカなのよ。
白かった肌が赤みを帯びて、唇のしまりが無くなって涎がたれて。
男嫌いだ、加持さんだけ、って言ってたのが嘘みたいに、嬉しそうよ?」
最初、僕が与える快感に彼女が何度か僕を殴りつけた。
力としては大したこと無いし、痛くも無かった。
僕自身はそれに大した意味を持ってはいなかったけど、アスカは離れたところで見ていた
ヒカリに『押さえてて』、とばんざいをする形にした両手を押さえて貰った。
『まだ、アタシの中に『変わる事』を拒否している自分が居る』と取ったみたいで、
「らんれ、ぬの、いち枚、あるのに、こんら、あつひのぉ!?」
合わさっただけの二人の腰、入り込んだ僕のブリーフ、その布一枚挟んだ真下で
しっとりと濡れた光沢と熱をお互いに相手の性器に与え合っている。
それを見ているアスカの瞳には、さっきまでの高飛車な意志はまったく無い。
可愛い……僕だけの子猫。
押さえつけられている手首とまだ繋がってないお互いの性器。
その二つを軸にしながら必死に、そして激しく体を振って、まだアスカは否定しようとしていた。
蛹のようになった自分の中で、彼女自身が望んだように自分が作り変えられているから。
でも、それが本心ではない事はすぐに判る。 ……今なら。
「もうやら、やめれぇ」
「そう?」
ふやけるまで舌を愛撫していた指を抜いて、体を離そうとしても、
拒否するはずのアスカはすぐに子猫ちゃんに戻って
「ひゃらっ」
両足がカニばさみの様にしなって僕を自分の元に引き寄せようとする。
- 692 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/10(月) 20:30
- 僕はアスカの耳元で、注意しなけれな聞こえない程度に小さな声で聞く。
「本当はどっちなのアスカ。 僕が欲しいの? それとも快楽だけ? アスカは僕の色に
染めて欲しい、って言ってたけど本当に僕でいいの? 答えないとやめちゃうよ?」
僕の声がまだ判るアスカは必死に首を振る。 止めて欲しくないのか、必死に。
でも、僕の名前はまだ言ってくれない。
言えないだけで僕のが欲しいって全身で言ってるのが判るのに。
僕の温もりを求めて啼いているアスカがいとおしくて。
本当の意味で染まって欲しくて。 僕が欲しい、って言って欲しくて。
右の乳首を舐め、左の乳首をキュッと親指ともう一本で締め付け、残りの指で
そっと、でもしっかりと絞り込んでいく。
頭に浮かぶ知識に従って。 痛さが伴わない、細心の注意と繊細な技術を再現しながら。
腰をさらに押し付け、縫い目のラインに合わせて裂け目を、敏感な部分を擦りつけるように、
たっぷりと潤った体液をこすり取るように這わせていく。
「アスカ、綺麗……赤ちゃんみたい」
ヒカリの言うとおりだ。
扇状に広がるはずだった髪が汗まみれの首筋や肩の辺りにまとわり付く。
体の赤さはさらに強くなって、名前の通り『赤ちゃん』になったアスカ。
どんどん染み出たアスカのが、許容量を超えた僕の下着から漏れて、太股の間を流れていく。
その光景はまるで、僕が女の子になったように見え、たまらない倒錯感を僕に与える。
「アスカ、答えてよ。 どっちが欲しいの? ただの快感? それとも僕が与える快感?」
「いひゃぁ」
アスカの回答に、ぴたりと愛撫の手を休める。
それだけじゃなく、体全体をアスカから離した。
「え………?」
アスカは、突然止まった愛撫に薄目を開けた。
それを見届けてから、僕は目の前に手を差し伸べる。
「おいで、ヒカリ」
僕の要求に、アスカの顔が一気に不安に染まっていく。
- 693 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/10(月) 21:49
- 僕の意図に気付いたのか、それとも唯僕のが欲しくなったのか。
ヒカリはアスカの上をつたって僕の元へ来た。
躊躇せずいそいそと。 総ての服を脱いでいく。
「ヒカリは、僕の色に染まってくれるの?」
自慢げに、うん! としっかり頷いてくれる。
「あ……今は、アタシの……」
アスカの陰液がしみ込んで重くなったブリーフを指さす。
僕の前で、ヒカリは唇でしっかりとゴムを挟み込んで、ゆっくりと下ろしていく。
半分ほどずり下がったところで、ゴムごと弾くように僕のおちんちんが出てきた。
アスカが小さく「ひっ」と叫び、それしか見えていないウットリとした表情で溜息をつく彼女。
「ん……ちゅ……はぁ、んふぅ……ひもち、いい?」
呆然としているアスカの目の前で、ぬめりながら張り付くアスカの液を舌だけで拭い取っていく。
膝立ちになった僕のからアスカの匂い、味、温もり総てを吸い取っていくみたいに。
そして、下ろした髪をアスカに向いた側だけかきあげて。
今度は『ヒカリ』のすべてををしみ込ませるように。
綺麗になった『僕』に滴り落ちる自分のよだれをまぶし、次いで胡坐をかかせた僕の上で
腰をくねらせながら、ソフトクリームを作るように自分の陰液を塗って行く。
そのまま、ヒカリは僕のを自分の中に受け入れようとした。
その時、
「いや……!」
絞り出すようなアスカの声。
「嫌!嫌!イヤァ!! どうして、どうしてヒカリはアタシに意地悪するの!?
アタシだって! 二人だけでシンジと初体験したいのに! どうしてぇ。
さっきだって、アタシは覗きたくてシンジとのHを覗きたかった訳じゃないのにぃ……ぐすっ。
嫌だって言いたかったのに、シンジに口をキスで…塞がせちゃって、なし崩しに覗くなんてぇ……」
- 694 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/10(月) 21:49
本当に泣き出したアスカを、ヒカリは僕ですら憧れる『慈母』の表情でなでてあやす。
「ほら、やっぱりアスカだってシンジの事好きなんじゃない。
シンジに抱かれたいって言えるじゃない。 自分に正直になれるじゃない。
悪戯が過ぎたわね。 覗いてたのにちょっと腹立っていたから…本当に御免ね、アスカ」
涙を拭いながら、ヒカリは僕の真後ろにある掛け時計を眺め、軽く計算をしていく。
そして。
「さて、と……シンジ、アスカを抱き上げられる?」
何も言わず、僕はアスカをお姫様抱っこの形で抱き上げる。
少しだけさびしそうな顔をしながら、制服姿に戻ったヒカリは僕達に。
「えっと、今が5時45分だから……
確か、Hに痛みを感じなくなったのは二回目の終わり辺りだから、一時間半位掛かったかな。
私、家族にご飯を作って、今日明日と二日泊まるつもりで着替え持ってくるわ。
それで、丁度その位かかるから。 でもシンジ! 私が戻ってきた時アスカがイッて無くても
私を抱いてもらうからね! 貴方はもうアスカだけの物じゃないんだから!!」
彼女の本心に気づいたアスカは顔をくしゃくしゃにする。
「有難う……」
「でもこれで、アスカに対して恋愛の先輩って意識は捨てるから。 貸し借りもなし。
これからは、貴方と……。 シンジを愛していくんだから。 ね?」
そういって、ヒカリは一度家に帰っていった。
アスカが望む、二人きりの初体験をさせるために。
- 697 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/10(月) 23:58
- いんたぁみっしょん。
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アタシには、一つだけ少女趣味な野望があった。
だから、アタシはシンジに言い聞かせて、先に風呂場に叩き込んだ。
『最初の一回だけでいいから、ヒカリの匂いがしないアンタで抱いて。
30分位かけてしっかり磨くのよ、アタシが欲しい最高の我侭なんだから』
『う、うん』
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そして今。
後顧の憂いを絶つ。
『はい、赤木研究室』
「リツコ? 単刀直入に言うわ。 二人分のピルを頂戴」
『……馬鹿にしてる?』
「プライバシー無い生活させているんだし、アタシとあの子を妊娠させるよりはマシでしょうが」
『なるほど。 気付いてたのね』
「シンジは全く気にしないみたいだし。 アタシは人生がほぼその状態だったから慣れね」
『ミサトの回答は?』
「『後悔しないと誓うなら好きにしなさい』……だって」
『「CE-01」は?』
CE(Child erases)-01とは、アタシがドイツ支部時代に…アタシという存在の重要性からか
『誘拐されたりした時点で摂取しなさい』とと義務付けられた、子宮に受精卵が
着床できなくするタイプの即効性避妊薬。
効く仕組みは……知らない。
「いちおう二回分、こっちに来る前に支部長から支給されたのがそのまま」
『今日するなら、それを使いなさい。 後、明日来れるなら、あの子の分も用意してあげる』
「感謝」
『ただし、私からの忠告。 恋を全てにしない事』
「もう遅いわ。 もうアタシにとってシンジは『恋人』だもの。 まだとても淡い……けど」
『けど?』
直ぐに本部中の人にとって、最高の『迷惑』になるわ、きっと。
あの快感は本当に『魔薬』になりそうだもの。
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チン。
「ありがと」
「いいわよ。 少しは気休めレベルでも幸せになって欲しいし、子供が出来ても困るもの。
それより、本当にいいの? これから先、あてられてるわよ?」
「いいのよ。 私だってアイツとの事自慢……って加持ぃ! 逃げたわねぇ!!」
「ふふっ。 自分でした事の責任は取るのよ、ミサト」
- 699 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/11(火) 13:55
- 珍しく昼間に直帰できたので、PDX.さんのご期待にこたえて。
……にしても、最近……エロ想像さらっと出来るようになったなぁ。
>某すれ。
いえいえ。 これからもく突っ込んじゃって下さいな。 建設的なものなら遠慮なくどうぞ。
こっちが納得できる物でしたら、反映させたいと思いますので。
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台所に意味不明な鼻歌が響く。
「んふふふふぅ」
「何かあったのかヒカリは?(ひそひそ)」
「なんか、アスカちゃんの家に呼ばれたらしいけど(ひそひそ)」
「父さん、気付いてた? 姉、最近ボクみたいに髪の色が金髪になっていってるよ(ひそひそ)」
「そうか……お前達の中で一番メリーヌの印象強いし……益々似ていくんだなぁ(ひそひそ)」
「成長かぁ……最近の女らしさは姉の私ですらゾクゾクするものねぇ(ひそひそ)」
「そう言えば今日のヒカリ姉、変だよね?(ひそひそ)」
「「何が?(ひそひそ)」」
ノゾミがヒカリの足元を指差す。
料理の時こぼれたのか、少し濁った水滴がいくつも落ちていた。
「変にこぼしてるな(ひそひそ)」
「それに今日はなんか、ニオイのきつい料理ばかりじゃない?(ひそひそ)」
もし、ヒカリの父・洞木シズナがもう少し妻との事を思い出していたら。
そして、何時もの彼女が好む淡い料理の香りだったら。
彼は気付いてしまった筈。 彼女が纏う『発情のにおい』を。
急ピッチの調理のためにかいた汗に混じり、体中から発せられる『発情した少女の汗の匂い』と
娘の足元から漂う『妻の臭いを想い出させる女の臭い』に彼自身が発情していたかもしれない。
- 700 名前: LHS廚 投稿日: 2004/05/11(火) 13:56
そして、三人は知らない方がいい事。
今のヒカリは『制服しか』着ていない。
だから、辛うじて少女の名残を残している、変わりつつある今だからこそ味わえる彼女がいる。
弾けるように水をはじく肌から、男の手を吸い付かせるしっとりとした肌に変わりつつあること。
既に意思を読み取れぬほどに濁りきった、機械のように、経験による反射のように作業を管理する瞳。
極度に上気した吐息が、これから自分に起きる事に期待して熱く濡れている事。
ブラウスの生地に触れるたびに尖っていき、ブラウスを微妙に上下左右に移動する線を作る乳首も。
興奮しきっているせいか、幾つかの筋肉が微妙にひきり、痙攣している事も。
そして、触れればしっとりと湿っているのが感じられるスカートの中で。
スカートの内側で…真っ赤に腫れ、だらしなく開ききり、時々ぱくぱくと閉じようとして失敗する、
温泉のように――真夏の陽気より確実に――アツイ熱をあげる秘唇も。
クリトリスを刺激できるように、いつもより内股になったり、少し仰け反ってスカートの生地に
ちょん、とでも当てようとしている事も。
もう少しで意味を為さなくなる程に緩んだ菊門を持っている事も。
彼女が既に、先程までたった一人の男を誘惑し、この数日で用意したあらゆる下着で酔わせ、
彼に捧げた……自分が持つほぼ総ての『穴』に精を注がれる事に陶酔と悦楽を感じている
淫らな『雌』となっている事は。
何より、『たった一人の男の為の淫らな一匹の雌』となった自分に。
本来なら惨めなはずなのに、自分の『今』に確固たる誇りを持っている事は。
すべては、彼女の主人たる男、『碇シンジ』以外知らなくて、いい事………。
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