INNOCENT TABOO 番外編

夜の披露宴


written by PDX.さん
Illust 目黒腹蔵さん


 西暦2018年吉日。惣流アスカが生涯もっとも美しくなる日。澄み渡る青空に祝福された、碇シンジとの結婚式の日である。
 幼馴染である二人は中学時代から交際をはじめ、高校卒業と同時に婚約した。そして法的に婚姻を認められるようになるのを待っていたかのように、18歳でゴールインしたのであった。
 式場は市内のセレモニー・ホールのチャペル。いささか安っぽくはあったが、純白のウェディング・ドレスに身を包んだ花嫁の華やかさは、それをカバーして余りあると思われた。
 大胆なデザインのドレスは肩から背中にかけての露出度が高く、たわわな膨らみも谷間がはっきり見えてしまう。スカートは透けるように薄い布地を重ねたものであるが、美しい脚線がうっすらと見えている。若々しい花嫁の凛とした表情がなければふしだらに見えてしまいそうなほどの艶めかしいドレスであった。
 祭壇の前に立つシンジとアスカ。誓いの言葉が交わされ、そして接吻……よせばいいのに、舌まで入れて濃厚なキスをしてしまい、初老の雇われ牧師氏の三度目の咳払いでようやく二人は唇を離した。ともあれ式はつつがなく執り行われ、若い面々は二次会へとなだれこんだのであった。


イラスト:目黒腹蔵さん「True end ,or.」


 二次会の席でも、アスカのドレスは大胆なものであった。もっとも、友人である綾波レイ嬢や霧島マナ嬢もアスカに負けず劣らずのドレスで着飾っており、新郎の友人達はおおいに目の保養を楽しんでいた。
「アスカ、本当におめでとう」
「ありがと。ヒカリ」
 満面の笑顔に、長年の親友であるヒカリすら頬を染めてしまう。
「でもアスカよかったの? こんなに急いで……」
「これでも遅いくらいよ。でもこれで、アタシに寄ってくるうるさい虫が減ると思うとせいせいするわ!」
「そうかしら……?」
 高校時代、碇シンジとの恋仲が公然のものとなっていたにも関わらず、アスカに言い寄る男子は後を絶たなかった。それは、二人が婚約してから入学した大学でも同じ事であり、「どうして男ってのはこんなにバカなのかしら」という親友の愚痴を聞かされるのは、常に彼女の役目だったのだ。
「それで、ヒカリは何をそんなに心配しているのかしら?」
「え? し、心配だなんてそんな」
「嘘。顔にはっきり書いてあるわよ? できちゃった結婚じゃないかって疑ってるんでしょ?」
「そ……それは……」
 真っ赤になるヒカリ。潔癖症というのは裏を返せばたくましい妄想癖があるということである。十代のうちに婚約、結婚と急ぐアスカに『そういう理由』があるのだと彼女が心配するのも仕方のないことであろう。
「何度も言ったと思うけど、アタシはまだ妊娠なんてしてないからね。そりゃ、なるべく早いうちに子供を作ろうとは思ってるけどね」
「そ、そうなの?」
「親がうるさいのよ。孫の顔が見たいだなんて」
「よぉ惣流!」
「鈴原?」
「トウジ! もう、そんなに山盛りにして!」
 アスカ達が話し込んでいるところに、料理を大量に載せた皿を手にしたトウジがやってきた。彼の恋人であるヒカリが、先ほどまでとは違う意味で顔を赤くする。恩師である冬月校長よろしく『恥をかかせおって』とでも言いたげな表情だ・
「やぁここの料理美味いで。ま、ヒカリの作るメシの方が美味いがの」
 その一言でヒカリの激発は抑えられた。トウジもある程度は恋人の操縦法を身に付けているようだ。
「でも鈴原、あんた一つ間違いを犯してるわよ」
「なんや?」
「二次会の前に出してきたのよ。婚姻届。だからアタシはもう惣流アスカじゃなくて碇アスカってわけ」
「き、気が早いやっちゃのぉ」
「碇くんも大変ね……」
 ヒカリにして大変と言わしめたシンジであるが、二次会会場の片隅で『振られシスターズ』こと綾波・霧島両嬢からの『くたばっちまえキスの雨』を降らされれていた。その情けない姿を相田ケンスケが撮影している。
「あのバカ」
 このバカはシンジのことか、それともレイやマナのことであっただろうか。あるいはケンスケのことか。
「あ、アスカ、穏やかにね」
 シンジをめぐる騒ぎの中に正妻が乗り込んでゆく。騒々しいその情景を見ながら、ヒカリは思うのであった。
「結婚前も結婚後も何も変わってないわよ、アスカ……」

 その日の深夜。セレモニーホールはスタッフ達の手で片付けを終え、ほんの数時間前にここでシンジ達が式を挙げた痕跡すら残っていなかった。明かりの消えたホールには物音もなく、あの幸福な喧騒は消え去ってしまっていた。
 しかしそんな中に、たった一つだけ例外があった。
 チャペルへと向かう廊下に響く足音。白いタキシードと、純白のウェディング・ドレスに身を包んだ新郎と新婦が歩いていたのだった。
 花嫁の手をとり、エスコートして歩く花婿。二人は無言のまま、永遠の愛を誓ったチャペルの扉の前に立った。
「……シンジ」
「……アスカ」
 唇を重ねる二人。シンジの舌がアスカの唇を割って入り、貪るように舌を絡める。あの時とは違い、二人の時を止める牧師はいない。長い長いキスを終え、ようやく唇が離れる。名残惜しそうに伸ばされた舌と舌を結んだ糸が切れる。
「ふふ」
 満足そうに微笑むアスカ。彼女が伸ばした手の中では、ズボンをつき破らんばかりにいきり勃つシンジの分身がひくひくと震えていた。
 アスカは、今の接吻に「本当にいいのね?」という気持ちを込めていた。今ならまだ間に合う。花嫁の手を取って逃げ出す事がシンジにはできるのだ。だが彼の持ち物は、これからおこる事への期待ではちきれそうになっている。
 愛する男の耳元に唇を寄せ、小さく囁く。
「変態」
 シンジが身震いしたその時、扉が音もなく開かれた。アスカはシンジから離れると、背筋を伸ばしてしずしずと暗いチャペルへと歩みを進めていった。
 やがて扉が閉ざされ、彼の視界から花嫁の姿を奪い去った。

 扉が閉ざされ、真っ暗になったチャペルで立ち尽くすアスカ。ややおいて明かりが灯され、祭壇へとまっすぐ伸びた赤い絨毯と、その先で待つ者たちの姿が見えた。
 まるで司祭か何かのように、祭壇の前で待っているムサシ。ビデオカメラを構えているケンスケ。トウジとケイタの姿が見えないが、扉を開け閉めしたり照明の操作をしているのだろう。
 そして、祭壇の左右には聖歌隊のような姿の少年達が並んでいる。年齢は10歳前後だろう、全員が白いベレー帽とスモックといういでたちだ。左右に6人ずつ並んでいる彼らは、しかし聖歌隊などではない。皆が皆、瞳を爛々と輝かせてアスカを見つめている。
 ブーケを持つ手に少しだけ力を込め、決意も新たにアスカは歩き始めた。
 ほんの数時間前に歩いたのと同じヴァージンロードの上を、あのときと同じように歩く。だが、一度目は永遠の愛を誓うため。二度目はその誓いを裏切り、夫とは違う男達に淫らな隷属を誓うために。
 やがてアスカは祭壇の前に立つ。純白のドレスに身を包み、凛とした決意をその顔に浮かべる彼女の姿は、掛け値なしに美しかった。
「誓いの言葉を」
 厳粛さを装った作り声でムサシが告げる。そのわざとらしさに噴き出しそうになりながらも、アスカはその場で跪き、まるで懺悔をする咎人のような姿勢をとると静かに誓いの言葉を紡ぎ始めた。

「私、碇アスカは、本日この日この夜、皆様の出産奴隷として嫁ぎ、皆様にお仕えすることをここに誓います。
 唇も、胸も、膣も、アヌスも、私の全てを皆様の快楽のために捧げることを誓います。
 そして出産奴隷として、注がれた精液を子宮で受け止める義務を負うことを誓います。
 出産奴隷として『種付け』の儀式を受ける時は、一切の避妊をしないこと、また妊娠した際には堕胎をしないことを誓います。
 そして、今日この日から、最初の赤子を授かるまでの期間、夫である碇シンジのペニスを受け入れることを拒み、彼の精液を注がれぬよう努めることを誓います」
 かつて碇ユイが口にしたものと似た出産奴隷契約……アスカの唇から零れたその言葉の全ては、ケンスケが構えたビデオカメラに収められた。
 ムサシが契約の締結を促す。
「この映像をもって出産奴隷としての契約が成立し、公人としての生活に支障が出るような干渉がない限り、碇アスカおよび碇シンジの都合によりその契約を破棄できないことを認めるか」
「はい」
「ただ今より、出産奴隷としての義務を……『種付け』の儀式を受けるか」
「はい」
『種付け』、すなわち妊娠と出産を目的としてのセックスである。ウェディングドレスに身を包み、碇シンジの妻となったこの日。アスカは夫以外の男のペニスによって貫かれ、注がれる精液を子宮で受け止めることになるのだ。これが彼女にとっての新婚初夜なのだ。
 さらに、この日はいわゆる危険日であった。今夜、このとき、この儀式を受けるために結婚式の日取りが決められたのである。
「では、誓いの接吻を」
 ムサシの言葉を受け、立ち上がるアスカ。並んだ少年達のうち、一番左端の彼の前に歩いてゆく。背の低い彼のために身体をかがめ、優しく微笑みながら幼い支配者に唇を捧げる。
「……!」
「んっ……ん……」
 舌を滑り込ませ、少年の口の中を隅々まで味わい尽くすかのような濃厚なキス。それだけではない。左手でブーケを持ったまま、スモックの下に右手を伸ばす。聖歌隊のようなスモックの下に、彼は何も身に付けていなかった。アスカが出産奴隷としての宣誓をしているときから、いや、彼女がこのチャペルに入ってきたときから、彼のペニスはスモックの裾を持ち上げんばかりに堅く大きくそそり勃っていた。
 アスカにとって初めての『種付け』の儀式のためにムサシたちが厳選した少年達。ユイの英会話教室の成績上位者であり、ユイお墨付きの長さ・太さを誇る肉茎を持つ。しかも彼らは全員童貞であり、これからこの美しい花嫁相手に筆下ろしをして、さらに欲望の赴くままに彼女を陵辱するのだ。
 年齢不相応に立派な持ち物を愛でるように撫で回しながら、長い長いキスを続ける。
 射精してしまいそうになりそうな少年をようやく解放すると、続いてその隣の少年の前に足を進め、同じように唇を重ね、舌を絡め、ペニスを弄ぶ。十二人の少年全員と誓いの接吻を交わした後、最も気に入った少年……左から三番目の彼にブーケを投げる。
 アスカによって選ばれた少年は、歓喜と興奮のために真っ赤になりながら彼女の前に歩み出る。スモックの裾を持ち上げ、跪いたアスカの目の前に自慢のモノを突き出す。
「誓いの接吻を」
「……」
 淫らなる花嫁は目を閉じ、そそり勃つペニスに唇を捧げた。
 まず亀頭をそっと吸う。次いで二度、三度と位置を変えながら吸いつき、先端の切れ込みに滲む滴を啜る。柔らかな舌を差し伸べ、頭部から順に舐め回してゆく。口を開いて、少しずつ飲み込んでゆく。
(おおきい……!)
 アスカが選んだ少年は、12人の中で一番長い肉茎の持ち主だった。彼女の夫たる人物の持ち物よりも長いことは言うまでもない。口をすぼめるようにしながら顔を前後させ、シャフトの長さを堪能する。喉の奥深くまで犯されてしまいそうなその迫力に、うっとりしてしまう。
(ちょうだい……熱くて濃いのを、たっぷり……!)
「あああっ!」
 その瞬間、アスカの口の中で少年が弾けた。ペニスが一瞬、倍ほどに堅くなったかと思うと、次の瞬間濃厚な味と匂いがアスカの口腔を満たしたのだった。今日この日のためにオナニーすら禁じてきたのであろう、少年の放った精液は驚くほどに濃く、量も多かった。
(おいしい……)
 口の中いっぱいに拡がる牡のエキスを十分に味わってから、アスカはそれをコクリと飲み下した。
 花嫁が夫以外の男のペニスに唇を捧げ、注がれた精液を自ら飲み下したのだ。誓いの儀式は滞りなく執り行われ、晴れて彼女は少年達の出産奴隷となったのだった。
 そして奴隷としての最初の義務、『種付け』の儀式が始まる。
 跪いていたアスカは、そのまま四つん這いになる。少年達が左右から手を伸ばし、ドレスのスカートをめくり上げてゆく。純白の薄布に隠されていた下半身が露になる。瑞々しい肌を隠すのは、もはやガーターベルトによって吊り上げられたストッキングのみ。ショーツは最初から身につけていなかった。ケンスケの構えるビデオカメラは、花嫁のあられもない姿を克明に記録している。張りの良いヒップも、美しい脚線も、そして淫蜜を溢れさせている花園も。
 先ほどアスカに選ばれた少年が、彼女の尻肉に手をかける。一度の射精では収まるはずのない肉槍を片手で押さえつけるようにして狙いを定める。触れ合う粘膜と粘膜。潤みきった肉洞と、唾液にまみれた肉茎。前戯など要るはずもない。少年は一思いに己の欲望をアスカに突き込んだ。
「あああーーーーーっ!」
 幼くも乱暴な支配者による一突き。根元まで打ち込まれた肉杭は、アスカの奥深くまで届いていた。シンジ相手のセックスでは感じた事のない深い深い結合感。少年が腰を引き、再度突き入れてくる。ペニスの長さいっぱいに繰り返される往復運動が、彼女を狂わせてゆく。
(すごい……ああ……こんな、おく、まで……ああ……!)
 シンジのものより立派というだけであれば、ムサシやトウジたちもそうである。しかし、同世代である彼らとは異なり、幼い少年がこれほど逞しいモノを持っているとなると話は違ってくる。明らかに格下の相手であるはずの少年に犯される自分。
 奴隷の誓いなどと言っても余裕があるはずだったアスカであるが、深く激しい突き込みに、その一撃ごとに余裕が失われてゆく。
(ああ……ほんとうに……堕ちちゃう……)
 脳裏に、少年達と交わるユイの姿が浮かぶ。淫らにとろけた聖母は、余裕を持って子供たちを掌の上で遊ばせていただけではなく本当に悦楽に堕ちていたのだろうか。
 少年の腰の動きが激しさを増す。たった今童貞をアスカに捧げたばかりの彼には、女性をイかせるまでは出さない、などという余裕も矜持もない。ただひたすら己の快楽のために、強く激しい往復運動を繰り返す。その荒々しい動きが、自分が性欲処理のための奴隷であることをアスカに教え込む。
(そうよ……アタシ……奴隷なんだから……ああ……)
「ボク、ボク、もう……」
「いいの、いいのよ、きて! アタシの中で出して!」
「ああああっ!」
 ひときわ深く突き込まれた一撃。少年の脚が伸び切り、アスカの下半身に密着した腰が二度、三度と痙攣する。彼が身震いする度に、熱く濃い牡のエキスが注ぎ込まれているのだ。
(ああ……!)
 胎内奥深くで少年が弾けたことを感じる。それは奴隷の烙印。少年が手にした長い長い焼き印によって、アスカの子宮に焼き付けられた、出産奴隷の焼き印。
 少年のペニスが引き抜かれる。若々しいモノは、今もなお元気にそそり勃ってはいたが、後がつかえているのだ。アスカのために用意された焼き印は、まだ11本も残っているのだから。
 二番手の少年が、同じように彼女の性器に狙いを定める。今度の彼は、先ほどの少年に比べて長さでは劣るものの、エラの張り出し具合は童貞とは思えないほどのものがある。そしてその逞しいペニスがアスカに打ち込まれる。彼女を犯し、孕ませるために。
「さぁ、早く来て……あああああんんっ!」
 一人目の少年によって十分ほぐされた性器を貫かれ、その大きく張り出したエラに肉襞を擦られ甘い声をあげるアスカ。
(すごい……この子のもすごいのぉ……)
 今度はイかされてしまう、そうアスカは直感した。年端も行かない、童貞の少年によって絶頂に導かれてしまうのだ。そして、それでも終わりではない……達しても達しても、少年達は彼女を許してはくれないだろう。12本のペニスが最後の一滴を搾り出すまで、アスカは何度も何度も絶頂を強制されるだろう。ケンスケの構えるカメラのレンズに、その向こうで彼女を見つめるであろう愛しい男のために、アスカは淫らな微笑を浮かべた。

 扉の外に一人残されたシンジは、厚い木製のドアにもたれかかりながら、いきり勃つモノをズボンごしに扱いて慰めていた。
 チャペルの中では、新妻であるアスカが花嫁衣装を着たまま輪姦されているのだ。夫である彼はその宴に加わるどころか見届ける事すら叶わず、少年達の性奴隷となった妻の乱れる姿を思い浮かべて自慰に耽るしかないのだ。
(アスカ……!)
 手の中のモノはかつてないほどに堅くそそり勃ち、ひくひくと震えていた。
 自分の物のはずなのに、それに触れる事ができないもどかしさ。手を伸ばせば届く場所にあるはずなのに、手を伸ばす事が禁じられているという不条理さ。それらは淀んだ渇望となってシンジの中でうずまいていた。かつてユイを求めたときのように、彼はアスカを強く強く欲していた。
(あれは……一昨日……)
 アスカから今夜のことを切り出された時の事を思い出すシンジ。

 一昨日の夜、シンジとアスカが結婚前に最後に過ごした一夜のこと。
 二人きりになりたかったため、自室ではなくホテルで愛し合った。碇家にも惣流家にも両親が揃っていたため、自室で愛し合う気分にはなれなかった。
 独身時代最後のセックスということでいつもより励んだシンジが、アスカの隣にぐったりと横たわる。それでも、ユイの薫陶よろしく後戯は忘れない。愛しい婚約者の背中に手を回し、優しく愛撫しながら頬にキスをする。
 その一方で、あいている片方の手でコンドームを外す。ここ数ヶ月、アスカは彼に避妊具なしでのセックスを許してはくれなかった。妊娠してデキてしまったから急いで結婚したと言われるのが嫌だという説明に彼も納得していた。避妊薬とて完璧ではないのだから。
「……話があるの」
「なに?」
「式の後で二次会や三次会の誘いがあると思うけど、二次会はともかく三次会は断って」
「どうして? 構わないけどさ」
「予定があるの」
「予定?」
「そう。披露宴があるのよ」
「披露宴? 誰の?」
「アタシの」
「アスカの? 僕は?」
「アンタはお留守番」
「え?」
 アスカはシンジに向き直り、彼の目を見つめる。その視線は、彼女がふざけているわけではないことを物語っていた。
「結婚式の披露宴じゃないのよ」
「だったら……なに?」
「奴隷契約」
「え?」
「聞こえなかった? 奴隷契約。お義母様と同じ。セックス奴隷。エッチな男の子たちとの出産奴隷契約」
「な……何を言ってるのさ」
 あまりに唐突な言葉に狼狽するシンジ。それは、結婚式を明後日に控えた女の口から出る言葉とは思えない内容であった。
「アンタも知ってるでしょ? お義母様がムサシやケイタ、他にもたくさんの男の子たちと奴隷契約結んでるって」
「……」
 アンタは契約してないんでしょ? とでも言いたげな挑発的な微笑を浮かべ、アスカは続ける。
「アタシも同じ契約を結ぶの。男の子達の奴隷になって、いっぱいセックスして、溢れるほどザーメンを注がれて……妊娠・出産するという契約」
「ア、アスカ……?」
「そして、アンタとはその契約は結ばない」
「!!」
 驚愕するシンジ。淫らな笑みを浮かべたアスカに、ペニスを掴まれたのだ。
「ふふ、こんなにしてる……さっきあんなに出したのに」
 アスカの手の中のものは、先ほど交わった時よりも堅いのではないかというほどにいきり勃っていた。
「アンタに許されるのは、アタシとみんなの契約の存在を認知して妨害をしないと約束する事だけ。だってこれはアタシとみんなの間での契約だから、アンタの意思で破棄はできないし、干渉もできないんだから」
「アスカ……本気……なの?」
「本気よ。だからこれまで、アンタにゴム使ってもらってきたんじゃない。夜の披露宴でみんなに『種付け』してもらう時に効果が残っていたら困るから、もう何ヶ月もピルは飲んでないわ」
 彼女の言葉は、それが昨日今日の思いつきではないことをシンジに確信させた。その上アスカは、シンジとの結婚式の日どりを自らの『危険日』に合わせて決めたのだと言った。もちろん、『夜の披露宴』のために。
「僕のことが嫌いなの? それとも憎いの? だからそんな」
「違うわ!」
 怒気を帯びたシンジの言葉をアスカが遮る。そのまま決して視線を逸らすことなく言葉を続ける。
「アンタがそう望んでいるからよ」
「!?」
「お義母様がそう。ムサシや他の男の子達と奴隷の契約を結んでいるのに、アンタだけがのけ者だった。お義母様が『種付け』を受けていた時、アンダだけが部屋に入る事もできなかった。
 だからアンタはあんなにお義母様のことを欲しがってた。あんなに熱い目でお義母様を見てた。アタシよりも、レイよりも、マナよりも。アンタはお義母様を見てた。欲しがってた」
「そ、それは」
「だからアタシも奴隷になるの。アンタの手の届かない所でみんなに犯されて孕まされるの。出産奴隷になるのよ!」
「ああああっ!!」
 激しく扱きあげられたシンジは、アスカの手の中で射精してしまった。
「ふふ、認めたわね」
「そ……そんな……」
「良かったんでしょ? アタシが輪姦されるのを想像しながら、手で扱かれて出しちゃったんでしょ?」
 これはアンタが望んだことなのよ、とアスカは再度念を押した。
 普通であれば怒りと屈辱のままに彼女の手を払い、売女と罵ったであろう。だが彼は歪んだ劣情のままに射精してしまったのだ。それはすなわち、彼女の提案を、新妻を出産奴隷として他の男達に差し出す事を受け入れたという事なのであった。
「愛してるわ。変態シンジ……」
 淫らな淫らなキス。花嫁となる女の浮かべた妖艶なその微笑が、シンジを虜にした。
(……アスカ……!)

 あの夜の事を思い出し、そして今夜、扉の向こうで行われているであろう狂宴を無想しながらペニスを扱くシンジ。
『だからアタシも奴隷になるの』
 一体どんな誓いをするのだろう。
『アンタの手の届かない所でみんなに犯されて孕まされるの』
 一体何人の男が彼女を抱くのだろう。どれだけの量の精液が彼女の子宮に注がれ、そして誰が彼女を妊娠させるのだろう。
『出産奴隷になるのよ!』
 アスカは誰の子を産むのだろう!
 その瞬間、シンジは射精していた。妻であるアスカが自分以外の男によって孕まされることを夢想して射精してしまった。あの夜アスカに言われた通り、シンジは彼女が出産奴隷になることを認め、手の届かない所にいる妻に激しく劣情していたのだった。

「あらあら、せっかくのタキシードが汚れちゃうわ」
「!!」
 射精の後の気だるさに身をゆだねていたシンジは、声をかけられるまで彼女の存在に気付けなかった。
「……母さん」
「ふふ」
 そこにいたのは、普段と変わらぬ姿をしたユイであった。優しい微笑を浮かべると、伸ばした右手でシンジの股間を撫でさする。
「母さん……」
「こんなに出したのに、まだまだ元気ね……ふふ」
「あ……」
「アスカちゃんやみんなのこと、怒ってる?」
「それは……」
「それでいいの。シンジがアスカちゃんのことを好きだからこそ、嫉妬もするわ。それは当然のこと」
「あ……」
 ズボンのファスナーを下ろした白い指が、その中へと潜り込んでゆく。
「だから、これはみんなから、シンジへのおわび」
「え?」
「アスカちゃんが『種付け』の儀式をうけて、妊娠して、出産するまでの間、あなたはアスカちゃんに挿入できないわ。たとえコンドームをつけていたとしても駄目という約束。聞いてるわね?」
「……うん……」
「その間、あなたは私を奴隷にできるわ」
「えっ?」
「これがみんなからのおわび。アスカちゃんの代わりに私を好きにしていいの。シンジだけの奴隷になってあげるわ」
「母さん……」
「全部中で出していいのよ」
「!?」
「もし妊娠したら、もちろん産んであげるわ。だってそれが、出産奴隷の義務ですもの」
「かあ、さん……」
「シンジだけの出産奴隷よ」
 ユイの指がシンジに絡みつく。先ほど出した粘液にまみれた肉柱をユイは巧みに扱き上げる。
「アスカちゃんが元気な赤ちゃんを産むまでの間に、私を妊娠させられるかしら?」
 妖しく微笑んでシンジを挑発する。初めて彼女と交わったあの日から夢見てきた、男と女としてのユイとの交合。ユイの掌の上で弄ばれる赤ちゃんではなく、対等の、いやそれ以上の立場でのセックス。
「シンジの赤ちゃんをちょうだい……」
「んっ……」
 重なり合う唇。絡み合う舌と舌。母と息子が、一人の女と男として睦み合う。その間も、ユイの手は休む事なく動き続け、熱く堅い肉茎を愛撫する。勃起したモノをズボンから露出させ、愛しげに撫でさする。
 シンジがユイを抱きしめ、その手が柔らかな尻肉をまさぐる。タイトなスカートをたくし上げ、ヒップから内股へと指を滑らせる。下着ごしにユイの柔肌に触れたシンジの手が一瞬止まる。
 繊細なレース飾りで縁取られたオープンショーツは、彼女の大切なところを何ら隠してはいなかった。そして、シンジの指先は、そこがもうこれ以上ないほどに潤み切っていることを感じたのだった。
「……このまま、挿れるよ」
「ええ」
 ユイの片膝を持ち上げ、大きく開かせた脚の付け根に狙いを定める。
「母さん」
「なに?」
「誓ってよ……みんなの時みたいに」
「ええ……私、碇ユイは、碇シンジ様の出産奴隷となることを誓います。
 碇シンジ様の妻である碇アスカさんが『種付け』の儀式を受け、妊娠・出産するまでの期間、碇シンジ様の出産奴隷としてあらゆる性行為に応じる義務があることを誓います……うっ!」
 ユイが言葉を区切ったとき、シンジが一思いに突き入れた。
「続けて」
 深く交わった腰をゆっくりとグラインドさせながら促すシンジ。
「碇シンジ様の精液を、口で、膣で、直腸で受け入れる義務があること、精液を子宮へと注がれる際に、一切の避妊措置をとらないことを誓います……ああ……そして、妊娠した時には、中絶を行わず、出産をする、こと、を、誓いますっ」
 シンジが激しく腰を振り始めるにつれ、ユイの言葉がとぎれとぎれになってゆく。
「ああ……この宣誓と、子宮への、射精を、もって、ああっ、出産奴隷の、誓いと、します」
「ああっ、母さん、かあさんっ」
「シンジ……ああ……」
「出るよ……出すよ、母さんの中で」
「きて……母さんのなかに……ああ……奴隷にしてっ! シンジだけの奴隷にしてっ!」
 その瞬間、シンジが弾けた。深々と打ち込まれた肉楔から白濁が迸り、かつて彼を育んだその場所へと注ぎ込まれた。シンジは自らの精液をもって、実の母の子宮に出産奴隷の烙印を押したのだ。

 翌日、ハネムーンへと旅立つシンジとアスカ。爽やかな上高地のホテルのロイヤルスイートになだれ込み、そのままベッドにダウンする。なにしろ昨夜は二人ともほとんど寝ていなかったのだから。
 夕方近くになってやっと起き出すと、軽くシャワーを浴びて身支度を整え、ディナーへと。
「予約を入れておいた碇ですけど」
「お待ちしておりました。こちらへ」
 初々しい若夫婦を最も見晴らしの良い席へと案内する老ウェイター。初々しい若夫婦を、まるで孫でも見るかのような笑顔を浮かべながら、しかし最上級の真摯さをもってもてなす。
 丁寧な給仕をうけ笑顔を浮かべる新妻の子宮が、夫以外の男の放った精液で満たされているなどとは、この善良な老紳士には想像すらできなかったであろう。
 そして夜。
 新妻夫婦の寝室に、通常ならありえない光景が現出していた。
 ベッドの上では、全裸の新郎が着衣を身に付けたままの新婦によって弄ばれているのだ。シンジはギャグボールを噛まされ、後ろ手に皮手錠で拘束されて、背後から抱きついたアスカの手で性器を欲しいままにされている。
 そしてシンジの正面に置かれた大画面の液晶テレビには、彼の妻の姿が……純白のドレスを身に纏い、淫ら極まる出産奴隷宣言を口にするアスカの姿が映し出されていた。
『そして出産奴隷として、注がれた精液を子宮で受け止める義務を負うことを誓います』
「ふふ、奇麗に撮れてるじゃない。相田にしては上出来ね」
「む、むうぅっ」
「何よこんなにヒクヒクさせて。アタシが他の男の性奴隷になって、そんなに嬉しいんだ?」
 シンジの視線の先では、花嫁が奴隷の誓いの言葉を口にし、そしていよいよ『種付け』の儀式が始まる。
『誓いの接吻を』
 花嫁の唇が少年のペニスに捧げられる。力ずくで無理矢理に奪われるのではない。彼女が自らの意思で、夫以外の男に唇の純潔を捧げているのだ。桜色の唇が肉茎の先端に触れ、差し出された舌が頭部を隅々まで舐め回す。そして彼女は口を開いてそれを飲み込み、根元まで深々と咥え込んでゆく。
「あんな可愛い坊やなのに、すっごく長いのよ。喉の奥に当たっちゃうくらい」
 アンタじゃ無理ね、とシンジの耳元で囁く。その一言に、アスカの手の中のものがひくりと動く。
 画面の中のアスカがせわしなく顔を前後させ、肉柱に奉仕を続ける。少年の手が花嫁の頭を掴み、何かを耐えるかのように指に力を込める。
「ふふ、もうすぐ、もうすぐよ、ほら」
『あああっ!』
 少年の身体が震え、彼がアスカの口の中で果てたことを知らせる。同時に、ベッドの上ではシンジがアスカの手を白く汚していた。
「うふふ、坊やに合わせて出しちゃった。自分の妻が他の男に汚されるのを見て射精するなんて、本当に変態ね」
 愛しさと嘲りを込めた声。
「このペースでいったらどうなるのかしら。みんながアタシの中に射精するたびに出してたら、アンタ干からびて死んじゃうわよ?」
 そう言いながらもペニスを扱く手を緩めず、彼に萎えることを許さない。
「お義母様には悪いけど、シンジの子種、全部絞り取っちゃおうかしら」
 ムサシたちがユイをシンジに『貸し出した』ことを、アスカは既に知っている。義母であるユイへの嫉妬まじりの言葉がついつい出てしまう。
「そうそう、明日からの予定だけど、観光とか全部キャンセルだから」
「んんっ!?」
「ここの隣の部屋、どうなってると思う?」
「?」
「実は予約が入れてあるのよ。ムサシたちの名前でね」
「!?」
「あ・た・り。英会話教室の合宿という名目であの子たちをご招待。可愛いご主人様たちが、出産奴隷に『種付け』の続きをしてくれるってわけ。もちろん、アンタはそっちの部屋には入れないわよ。アタシがどんな風にマワされるか想像しながら、ここで一人でシてなさいよね」
 時々はこうして手でしてあげてもいいわよ? と笑うアスカ。
「もちろんOKよね?」
 そう問い掛けながらシンジのものを扱く手を速める。折しも画面の中では、四つん這いになった花嫁を激しく犯し続ける少年が、彼女の胎内で弾けようとしていた。
『ボク、ボク、もう……』
『いいの、いいのよ、きて! アタシの中で出して!』
『ああああっ!』
 少年が達し、花嫁に子種を注ぎ込む。そしてアスカの手の中で、シンジが同じように弾け散る。
 愛しい男を射精に導き、淫らな笑みを浮かべるアスカ。興奮に小さく身震いしながら、彼女はもう一度、彼の耳元で囁く。
「大好きよ、変態シンジ……」


 終



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