ヒカリ日記
昼と夜の境―― うちの姉妹は三人みんな、お父さんのオンナ。
今はもう、いまさらそんな当たり前のこと……と、さしたショックもなく受け止められる自覚ではある。
姉のコダマから歳の順に揃って全ての処女を奪われていって―― 。ここに至れば末のノゾミですら、抵抗なく父親の前でスカートから下着を脱いでみせる。
めくってよく見せてご覧と言われれば、流石にあどけない顔を赤く染めはする。が、そこで当たり前に嫌がって拒絶するのと、もじもじと恥ずかしげにしながらも従ってみせるのとでは、雲泥の差がある。
普通と、異常の違いだ。
当たり前と、ヘンタイの差だった。
ノゾミの歳なら、「近親相姦」という言葉を知っている方が少数派だろうに。妹は正しく意味を理解して尚、救われない性の泥濘に身を沈めて禁忌の悦びを歌う。
そうして、夜となれば父親の寝室で翌朝までを過ごす姉妹の持ち回りに付いているのだ。
まだ胸も膨らまない、小学生だというのに。
(ノゾミも、お姉ちゃんも……、私も。お父さんの、女)
ただ、夕飯の支度に一息を入れていたヒカリが、目の前に置かれた炊飯器にぼんやりと目を向けながら今更を思ったのは、ほんの少し前までとはその炊飯器が位置を変えているからだった。
前は、シンクのすぐ横にあった。
洗った野菜などにすぐ包丁を入れやすいよう、まずまな板が置かれたスペースがあって。同じように、洗ったお米を入れた釜をセットするのに便利な近さに、並んで置いてあった。
そこからまな板に向かいながら手を伸ばして、ご飯を炊くタイマーなどを操作していたのだ。
けれど、今はまな板の横はぽっかりと場所を空けて、炊飯器は後ろのテーブルに置かれている。
ヒカリはご飯の準備をするには、いちいちキッチンとで振り返り振り返りしながらやらねばならなくなった。
料理をするには不便な位置変え。
ただし、都合は良くなった。
料理中の背後から、頻繁に求めてくる父親に応えるには。
『…………』
大抵、お互いに何も言わない。
夕餉の支度をする背中にすっと気配が近付き、男親の体臭がヒカリを包む。
まず尻を撫ぜてくるか。包丁を持った腕が揺れる脇の下から手を伸ばして、胸を揉んでくるか。
いずれにせよ、合図もなく始められる行為は、慣れが定めたルーチンに沿ってヒカリに包丁を置かせるのだ。
料理をひとまず止めて、その手をキッチンに突く。炊飯器をどかしたスペースはその為に必要だった。
後は無言のままお尻を突き出せば、父親が準備を進めてしまう。
履いているのがスカートなら、大きく尻の上までめくり上げられてしまって。ジーンズなら前に回ってエプロンの下でベルトを緩められてしまって。そして脱がされる。
『…………』
次の二人の沈黙は、ここに来てやっとの羞じらいであり、満足げな笑みのものだ。
14歳の娘が父親に剥かれて晒す、あまりに扇情的で、歳不相応な下着。
卑猥なデザインであり、若々しい肌つやのヒップを覆うには薄く小さすぎるそれらの布きれは、父親の目を愉しませるために選ばれているものであるのだから。
大抵は姉妹三人肌も露わに父の部屋に集う休日に、そこから交わりを続けながら全員で選ぶ。
畳に直に置いたノートPCの画面を、姉妹と父親でお前の胸は姉に比べてどうだの、尻の方はああだのと、破廉恥な批評を交えてカタログページからクリックしてゆく。
通販で届けられれば開封して顔を赤らめ、一度洗ったそれを間違っても外には干せないからと脱衣所に吊して、そしてその狭い部屋を使う折々に揺れる様子でまた顔を赤らめる。
なんていやらしい下着なのかしら。そう毎度毎度、デザインした人間を軽蔑せずにはいられない代物であるのに、翌日には自分が、姉が、妹が、学校から帰ってきて身に着けることになるのだから。
帰宅してすぐ夕飯の支度を始めるためエプロンに着替えるのと、それとは不似合いに過ぎるアダルトな下着を履くこと。この常識的には同列でない筈の作業を、今のヒカリは当たり前に平行してこなしている。
炊飯器の位置を変えたのも、そこに並ぶ行為だった。
はぁ、と息を漏らして、ヒカリは椅子の上に尻の座りを確かめた。
落ち着きが悪い。
もぞりと何度か座り方を変えているが、やはり落ち着けそうにない。
今日履いているショーツは、ことに破廉恥だった。
もはや表面積が小さいの域を越えて布地の体をなさず、脚ぐりとウェストを巻く三本のベルトの集合体でしかない。
生地自体はメッシュやレースでないだけ下着としてマシだが、その光沢ある黒い生地がいくら透けない素材でも、隠す範囲が狭すぎれば同じ事だ。
それに、
(もう、ノゾミまで面白がって……。少しは履いてみたらどうなるかぐらい、想像して選べないのかしら)
あの妹は、見た目が可愛いのはどれだとキャラクタープリントの柄を選ぶのと同じレベルで、売春婦のような下着を選んでしまう。
こっちの方がエッチだからというセリフがいちいち指す先は、「エッチ」だなどと可愛げのある域を越えていた。
この頃は特に。
―― そもそもなんで!? と、ヒカリは女児サイズ、Mサイズと姉妹分が揃ってしまったその通販業者、そして揃えておいた下着メーカーを疑わずにはいられない。
こんな下着を、なぜ大人のサイズに到底手が届いていないだろう客が買うと、想定しておけるのか。
オープンブラだの紐ショーツだのという言葉にすら親しむほど堕ちた今の自分でも、これはあり得ないと思うのに。
ならば要するに、世間は何も知らなかった頃の自分が思っていたよりずっと、狂気に満ちているという端例なのだろう。
「どれぐらいの数の、私たちみたいな子供がいるってことなのかしら……」
そうやってしかめっ面でまた溜息をつくヒカリが落ち着かなくさせている椅子の上すぐ辺り。そこから軽い身じろぎだけでチャリ……と微かな音がしたような気がして、一層彼女を苛立ちと羞恥で挟み揉んだ。
(もうっ、なんて下着なの……?)
それも当然。姉妹で今週揃いで注文し、今彼女が履いているショーツには、股布のあるべき場所に二本の細い鎖しか使われていない。
鎖である以上は金属製。当たり前として、音がする。
二本が股の間に通されていれば、互いに絶えず接しぶつかるのだから、一本であるよりももっとさかんに。『チャリ、チャリッ……』と歩く度、軽く腰を動かす度に。
「……んっ、んん……」
こんな下着、長くは履いていられない。
履いたまま普段の生活をしようとしたら、いくら細かろうと金属が直にそこに当たって、時に食い込んだりで、到底まともに過せるとは思えなかった。
つまりは、事に臨む時にしか履かない、完全なそれ専用。
(痛いってほどじゃないけど……)
一応、肝心な部分には申し訳程度のクロッチが存在する。
申し訳程度でも覆っているのだから、要するに着たままでは「し難い」ということだ。
比較としてヒカリは、下着を入れた自分の引き出しに増える一方の、オープンショーツを思い浮かべる。
こう意味を推し量れるようになった自分はすっかり穢れてしまっていると、嫌で嫌でたまらないのだが。
それでも、父が帰ってくるまでの時間はまだ長く、気もそぞろに時計の針を数えているヒカリは、更にその意味についての想像を進めておかずにはいられないのだ。
(こんなに布が少ないんだもの。どかしたりしなくても……つまり、そのまま挿れられるようにって、他のと同じなのは間違いないのよね)
穴開き、オープンと説明の付いた下着達。間違いなく、その同列に並ぶいやらしい布きれである。
薄すぎたり、透けているどころかタイツなどと同じ只のメッシュだったり。方向性が卑猥であってもまだ履いた状態を魅せるべくデザインされた下着達。それらとはまた一線を画して、より積極的に、オンナの穴を「使われている」状態を前提にした飾りとしての下着、なのだろう。
きっとこれは、履いただけではなく、男性と繋がってはじめて完成した姿だと考えられているデザインなのだ。
ひょっとすると、洞木家の浴室にシャンプーボトルなどと並べて置かれているディルドやアナルビーズといった、「挿し込んでおく小物」との組み合わせが考えられているのかもしれない。
(どうしようかしら……)
次第に頬に帯びた熱を増していかせながら、ヒカリは考えを忙しなくさせた。
椅子にもじもじとしていた腰が、尚落ち着かなくなっていた。
(お、お父さん、今日はこれを着けておけってことは、入れて待っておかなくちゃならなかったのかしら……?)
時計をまた見る。そろそろ帰ってくる頃合いだ。
ただまだ、準備をし直す時間はある。
風呂場に置いているものと、父親の部屋で寝床に放りっぱなしになっているもの、自分の部屋に仕舞ってあるもの。昨晩の父親が姉に使用したままだから、使うなら一旦洗ってからにしたいものもある。
それに、敏感な部分だ。太すぎたり、トゲのような突起が生えていたり、父親が苛めてくる時のような代物を選ぶ気はないにしても、出来ればじっくり準備をしてから使いたい……。
気が付けばヒカリは、立ち上がって部屋に戻ろうとしていた。
鏡台の前に行こうとしていたのだ。
そうして、ベッド下の衣装ボックスに箱で仕舞ってある責め具を取り出して、姿見に自身と映しながらああでもない、こうでもない、これでもないと―― 。
まるで、お出かけ前に着ていく服を選ぶように。
友人の家を訪ねる前に、共に誘われていた同級生の男の子を意識して、どんなお洒落を、髪飾りを着けていこうかと悩んだのと同じように。
スカートを捲り上げながら、黒い「ヘンタイ下着」ともっといやらしい物との組み合わせを、考えようとしていたのだった。
「……いやだ」
何をしようとしていたのか。
日も沈まない内から実の父親に抱かれることを考えて、裸以下に露わな下腹部を自分で弄ろうとしていた。
紐同然の布地と細い鎖を巻き付けた股の間を指で開いて、男性を模した淫らな器具を、自分で挿し込もうとしていたのである。
すうっと、頬の火照りばかり感じていた頭から、熱が引いた。
ドアノブにかける所だった手は、間近の空気を無意味に撫でて、体の横に落とされた。
踵を返す。
今にして自覚した秘部のぬめりが、ヒカリを泣きたくなるような気分にさせていた。
―― なんて罪深い私、わたし達。
震えだする感情が、目頭に集まる気配があった。
泣くものかと唇を噛んで、廊下を戻る。
ぐるぐると脳裏に渦巻いているのは、さっきまで思い描いていた恥知らずな夢想。父親のために下腹の裂け目を剥き出しにさせる下着を履いて、父親は喜んでくれるだろうかと考え、そこをディルドに犯させながら出迎えようとしていた―― 自分。洞木、ヒカリ。
自分は普通の女の子だった筈だ。
冒険映画のヒロインのような肩書きと、美貌と、勇ましさを持った友人などとは違って。ほんとうに、ほんとうに、ごく普通の。
けれど、ヒカリが考えていた「ありふれた家庭の、普通の家族」は、もうどこにも存在しない。
今、一日とは、中学生らしく勉学に励む昼と、家事を手伝い、そして体を休める夜とがあるのではなく、父親の中年盛りの性欲に奉仕する夜があって、体を休める事の出来る学校での昼だった。
家とは、勉強とスポーツに汗をかいた体をシャワーで清めてくつろぐ、安らぎの場所ではなく、汗と精にまみれ、獣のように家族同士で交わる布団の上と、その延長である周辺だった。
今、スリッパの音も高く歩く廊下もだ。ヒカリがこまめに雑巾で床を拭っていなければ、毎晩のように点々と印される液の跡で、どんな有様になっていることか。
廊下の途中には浴室に繋がるドアがある。あそこから父はその日風呂の世話をさせるために選んだ娘の腰を抱いて裸のまま出てくると、布団を敷いた寝室へぽたぽた雫を落しながら向かうのだ。
勃起を半ば保ったまま、つい先ほどまで実の娘の子宮に精を浴びせていた先端をぶらぶら揺らして、まだ残る牡汁を滴らせるままにして。
そして虚ろの目で喘ぎ喘ぎ引き摺られる姉か、妹か、自分も。覚束ない足取りの股の間から、注ぎ込まれたばかりの実父の白濁を、たらりたらりと足首まで伝わせ、床に擦り付け、ナメクジが這ったような跡を付けていく。
淫らで陰鬱な記憶は廊下や家中、そこかしこにあって。この洞木の表札の掛かった一軒家すべての空間が、刻まれた記憶でヒカリに今の現実を突き付ける。
そうして見えるものばかりでなく、臭いからも、耳からも。
―― 絶えず。
「……ッ、ノゾミっ!」
ヒカリはそこで立ち止まり、声を荒げていた。
父親の部屋の前だった。
「……ンっ、んあっ、ぁえ?」
扉越しに返された応えは、息も乱れた妹の、濡れた声色。
「はっ、はっ、は……、な、に……。何、おねえちゃん……?」
敷きっぱなしの布団が床の殆どを占める部屋の中で、何をしていたのか。手に取るように分かる。
「また勝手にお父さんの部屋に入って……」
「んもぅ、良いじゃない、別にぃ。お父さん怒ったりしないよ」
ええ、たしかにそうでしょうよ。ヒカリは苦々しく声を震わせた。
あの父親は、まだ自分の胸までしかないちっぽけな娘を、太い大人のペニスで繰り返し繰り返しレイプし、セックス中毒にしてしまった。ロリコンと言ってもまだ足りない、変態性欲の持ち主だ。
手塩に掛けて狂わせた淫乱十一歳児が、自分の寝床で残り香を嗅ぎながら自慰に浸っていたなどと聞けば、いやらしく緩ませた笑顔のまま、ズボンのファスナーを下ろすだろう。
「宿題は……済ませたの?」
「今日の、少ないもん。すぐ終わるよ」
「だったら先に済ませておきなさい。すぐに終わるんでしょう」
「……あれ?」
母親じみた小言に閉口していた風の妹の声が、にわかに弾んでもそもそと襖に近付き、開く音に変わった。
「今日はお姉ちゃんの順番だったよね?」
「…………」
いよいよ苦虫を噛んだように。事実をただ『……そうよ』と認めることに、多大な努力が必要だった。
「じゃさ、先に宿題片付けちゃったら―― 変わってくれる?」
嬉しそうに床から見上げてくる妹は、四つん這いになったお尻の向こうに、脱ぎ下ろした女児用パンツを足首で引っかけたままだ。
着替えもしていない。
小学校のブラウスはボタンを全部外して、ブラを必要としない胸が、まくり上げたタンクトップから露わな有様。
自分でいじっていたのだろう幼い乳首が、薄い胸に二つツンと尖っているのが分かる。
表情は、自慰の昂ぶりを残したまま、淫靡な期待に輝いていた。
「ね、変わってくれるの? 順番」
「…………」
順番、と妹は言う。
当番だからと、ヒカリは考えることにしていた。
(当番……。順番……)
些細ながら、その使い分けに一度はっと気付かされてしまうと、つまりは言い訳のようなものだった。
姉や妹は順番ならばと、心待ちにしている。
ヒカリは当番であるのなら、仕方がないと―― 自分に誤魔化して。
けれどだ。
―― だって、ついさっき。うきうきとしながら鏡の前で「おめかし」を選ぼうとしていたのは、誰……?
「お姉ちゃん、わたしは良いよー? 変わってくれるって言うなら、急いで宿題片付けちゃうから」
ノゾミは知っているのだ。すぐ上の姉のヒカリが、まだ事あるごとに抵抗を口にして、一家で一人、「良い子」でいようとしていることを。
もう愛しい父親に覚え込まされた素晴らしい「遊び」に夢中で夢中で、躊躇うことなど思いもよらないノゾミには、無縁かつ、滑稽なことだが。
「…………」
帰宅した父に見られることを想って濡らしていたスカートの下が、言葉に詰まったヒカリへの嫌がらせめいて、チャリ……と音を立てた。
たった一言。さっきまで自分を泣きたくさせていた気持ちを考えれば迷うまでもない一言を、口にすれば良いのに、
「ねぇって、お姉ちゃん」
常識的でありたかった少女は、何を固まっていなければならないのだろうか。
喉はカラカラに渇いて、一言を返せば良い舌は強ばっていた。
お願い、と言ってしまえば自分は守られる。姉とは違う、父とは違う、ノゾミとも……違う。自分は、私だけは、まだ正常だと。
けれど、なら、そう言って順番を譲ってしまったら。
今晩はノゾミが父と一番長くセックスが出来て、明日は今度は姉の番。
気が遠くなってもそれでも許して貰えずに延々と犯し抜かれるような、気が遠くなるセックスは、家族全員で家に引き籠もる週末までお預けになる。なってしまう……。
(……っ!? 私……っ)
不意にヒカリは思い出した。
ちょこんと畳の上に座り込んで、丸出しにしているツルツルの胸と股間を、またはしたなく弄りだしつつ待っている妹に。
(私は、ノゾミにこんなことさせたくないからって……。だから、お父さんに。だから我慢して……)
何てこと。忘れてしまって、いた……?
軽い目眩を呼びもする、衝撃だった。思い出したのは、久し振りだった。
「……いいえ、いいわ」
「えー?」
「わたしが、するから。今日は私がお父さんに、するから……。いいわね?」
『宿題、早くしておきなさいよ』と言い残して、不満そうに頬膨らます妹から顔背けるように、ヒカリはそこを後にした。
◆ ◆ ◆ これを本末転倒と言うのだろう。きっと。
久々に思い出した「理由」だったが、かつてその決心が悲壮であっても与えてくれた一種の―― 安堵は、もう無い。
以前は、まだ幼い妹のためと思えば心は決まり、どんな恥辱にもと心は硬く定まった。揺るぎない自分でいられた、気がする。
けれど、今や自分ですら薄っぺらく感じる理由だ。拠り所にしようとしても、後ろめたく落ち着かない心は波紋を描き続けるまま。
自分は順番を渡したくはなかったのか、させるのが忍びなかったのか。
それはと考えていけば答えはすぐに出てしまう。
だからヒカリは、何も考えずに時計を確かめると、自分の部屋に戻ってベッドの下からその箱を取り出して、開けた。
これにしようと握った、幾つもが連なるアナルビーズを持ち上げて。
鏡の前に立って、お尻からスカートをたくし上げて。
「なんだ……」
鏡の中に、小さく締まった桃白のヒップを掲げる女の子の姿を眺めてみて、そうだったのかと。
「この下着、きっと……そうよ。後ろから挿れてって意味のデザインだったのね」
前から抱いて貰うには邪魔になっていた極小の股布も、一度後ろから開脚ポーズを取ってみればよく分かった。
恥ずかしげに顔覗かせたピンク色の割れ目を、僅かも隠していない。
くん、とヒップを鏡に向かって突き出せば、牡を待つ花のような女性器の左右を、金の鎖の輝きが両側から飾っている。
そして、ヒップの縁を巻く黒ビロードのベルトは、白い肌を引き締める趣。
全てが、父親の目をそこへ、甘い果実を思わせる尻肉のあわいへと惹き付けることだろう。
トクトクと胸は高鳴りだし、キュンと痺れた胸の頂きがしこり起っていくのが分かった。
「いやらしい……」
肩越しに見詰める鏡の中、その女の子の向けた中心から、金属のそれとはまた違う輝きがぬるりと滲み出している。
窄まったお尻の穴も丸見え。後ろから犯して貰えば、一緒にそこも苛めて貰えるのだ。
(ああ……)
うっとりと想像に息を吐いて、ヒカリは準備をはじめようと手に持ったビーズ数珠を握った。
つぷりと、窄まりに押し当てて、
「あ、あぁぁ―― 」
あえやかな啼き声を、ドアの向こうにまで漏れ響かせたのだった。
Original text:引き気味@北京之春
From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)