My Home Beautiful Mothers / New Family

Original text:引き気味


『 家庭交換、禁忌味くらべ 』


 アスカの妊娠は、かなり早い内に発覚していた。
 思いもよらぬことだった、とは口が裂けても言える筈がない。その自覚があった少女自身だった。誰に指導されてのことでもなく自主的に検査薬を使用していたことが幸いしての、その結果である。
 とある日の朝、母親と暮らす自宅のトイレで青い瞳を呆然とさせてスティック状のそれが示す意味を凝視していたアスカは、ある種の納得から来る諦観とそれでもの驚愕に激しく動揺し、一旦は自宅を出ながら――その日の学校を休んだのだった。

 一方、シンジとしてもこちらも寝耳に水だと狼狽えることはせずに済んでいた。
 なんでも気兼ねなく言い合える兄妹のように育った間柄という煮え切らなさからの、ようやくの脱却。アスカに処女を捧げて貰ってからというもの、相応の頻度で躰を重ねてきていたのだ。
 中学二年の色気付く年頃、ネットから手当たり次第に胡乱な性知識をかき集めることに懸命になっている同級生達を尻目に――無論、あくまで周囲には隠したままであるが――彼らが発情期の猿もかくやの目付きで盗み見ているアスカの白い素肌を、自分だけは恋人の特権として全身好きなだけ視線を注ぐのを許されている。そうしてベッドにもつれ込み、若い二人分の火照った汗を染み込ませる日々。
 こんな美少女で、そしてエッチな体をした素晴らしいガールフレンドを持っていて、この歳でこんなにも気持ちの良い体験が出来ているのはクラスの中で自分一人だろう。きっと全校生徒の中でも自分だけだ。
 毎日顔を合わせているアスカのことがまるで輝いているみたいに、ますます綺麗に見えて。制服のブラウスを持ち上げる胸の膨らみや、スカートの後ろ姿にふとしたとき浮かび上がるお尻の丸みに目を奪われる。
 そのどちらの実際のやわらかさも、シンジの手は知っているのだ。
 油断すると頭の中を四六時中欲望が塗り潰してしまいかねない、のめり込む一方だという自覚。
 避妊具の準備が出来ている時もあれば、そういった余裕の思い浮かばない時もあった。
 クラスメイトのことも――例えば、女子の着替えだとかを盗み撮りしては際どいショットを自慢し、時にはお金を取って融通する顧客ルートすら作っていたらしいケンスケのことなどを、内心白い目を向ける気持ちさえ育ちはじめていたのもこの時期。
 である以上、自分達がしていることがどんな事態に繋がるかぐらい、幾らでも考える場面はあった。

 だのにシンジがそれを告げられたのは、いつもと同じに自分を迎えに来たガールフレンドが終始無言がちなまま、遂に途中で『ごめん。ちょっと調子が悪いから、今日は休むって言っといて――』と引き返した日にではなかった。
 それなら家まで送っていくよと再三伝えたシンジを、一人で大丈夫だからと妙に頑なに拒絶した。そんな一幕があった日。
 その日こそがそうだったのだとは、よくよく後になってからもはっきりとはせず、思い当たるとしたら――という、あやふやな把握のまま。

『シンジ、お前に話がある』
 それをまず伝えたのは、少年の父親だった。
『……アスカ君のことだ』
 ただでさえ苦手な、いかつい面相をした父親。その渋面なのやら威嚇なのやら判別しがたい顔つきでガールフレンドの名前を持ち出されたなら、後ろ暗いところの大いにある身としてはまず萎縮してしまったのも無理なかろう。
 その頃、シンジはこれといった原因も分からないまま何となくぎくしゃくとしているアスカとの仲に悩んでいた。
 何が機嫌を損ねてしまったのだろうと、事態の打開に意識の大部分を奪われている状態だった。
 そこには、すっかり味を覚えてしまっていた美しい幼馴染との甘美なセックスを唐突に取り上げられてしまったような、そんな焦りやらフラストレーションやらがあったのもまた事実。
 加えて彼女が体調を崩しがちで、度々学校を欠席するようになっていたことも気掛かりとあって、焦燥に輪をかけていた。

 そうして告げられたのがアスカの妊娠だったのだ。
 はじめ、シンジは自分が叱られているのだと勘違いした。
『今回のことについては私がすべて責任を取る。キョウコ君ともよく話し合ってのことだ』
『と、父さん……』
 ごめん、と言いかけていた。
 自分が本当だったら全部責任を取らねばならないことだ。けれども自分はまだ子供で、責任なんて取れやしないから、だから代わりに親が出てこなければならなかった。そうさせたのは自分の所為だ、と。
 ごめんなさいと謝らなければならない場面、そうに違いない。
 そういう、勘違いをした。
 普段は夕食を取っている時間、同じようにテーブルに付いている母親が、夫と息子へ交互に気遣わしげな目を向けている。いったい何を心配してのことなのかも、それもはじめは勘違いをして。
『幸いと言っていいものか。じきに学校は夏休みに入る。アスカ君は騒ぎにならないよう第2新東京に手配した病院に移ってもらうことにした』
 最終的にはそのまま休学の手続きを取ることになる――と当面についてを何から何まで決定事項として説明したゲンドウに、しかし、
『アスカ君は赤ん坊を産みたいと言っている。私は彼女の意思を尊重することにした』
 シンジは流石に反発を覚えたのだ。
『……なんで?』
 何故、何一つ自分に伝えないまま、何もかも頭越しに話を進めてしまっているのだろう。
『どうしてっ、アスカの子供のことを、父さんが何から何まで決めて。僕には全然教えてくれないままで……!』
 聞けば、アスカが妊娠したことからして彼女の母親である惣流キョウコは勿論、ゲンドウもユイもとっくに知っていて、伝えられたのは自分が最後。
 同じくまだ自分自身すら大人になりきっていないアスカが、それでも中絶ではなく出産を選ぼうとしていることについても一つの相談もなく、大人たちとで決められていて。それどころか決定権を持っているのは自分だとでもいう風の、そんなゲンドウの口ぶり。
 何故。いくら自分が一人では何の責任も取れない中学生だとしても、アスカの産む子供のことなら、それを一緒になって考えなきゃいけないのは――。
『シンジ……。あのね、その、それはね……』
『なんで僕のこと一言も言わないのさ! おかしいじゃない。なんて事をしでかしたんだ、おばさんのところに謝りに行け、って。……まずはそこからの話じゃないの!?』
『…………』
 シンジの目を、じっとゲンドウが見据えていた。
 鎮痛な面持ちでいたユイがとうとう俯いて、そしてシンジは告げられたのだった。

『先日、検査の結果が出た』
 妊娠中の女性の血液を使って行う出産前鑑定だ、と。
『アスカ君のお腹の子は、私の子だ』
 ――シンジの喉は、声にもならない掠れた息を漏らしただけだった。
 はぁっ!? と脳裏が真っ白に染まる。
 言葉がいかなる事実を示していたか。それが即座に頭を巡っても、驚愕すら追い付かない唖然がシンジの口を無為にぱくぱくとさせる。
 きっとそれは、生涯の間抜け面だったことだろう。
『お前とアスカ君のことは聞いている。だが、今回のようなことになってしまった以上、もうユイも、キョウコ君も、お前をなにか叱らなければならないなどと考えてはいない』
 敢えてそこにゲンドウ自身のことは含めていないのだ。
 そりゃそうだろう。頭の片隅で、シンジ自身の乾いた声が嗤っていた。
 そこからはもう、それはそれは酷い有り様で。親子喧嘩とただ言い表してしまうにはあまりに不条理で、正視に耐えないほど無惨で。激昂する側とされる側が逆転した構図の一方的な怒声が、一家のダイニングルームにけたたましく――やがて痛切に、真夜中になるまで響き続けたのだった。


◆ ◆ ◆


 生まれて以来ずっとすぐ近くに居た少女が町を離れた。
 そうして暫くが経った。
 あの日以来、シンジはまともに父親と口をきいていない。
 ガールフレンドだったアスカともそうだ。
 ただ、一方的な近況報告だけは交互に行われていた。

 ――ぁ、ああぁンンっ! 強すぎっ、強すぎるの……そんな奥まで、どすんって、どすんってアタシのなか、奥までされたらァ!

 赤ちゃんがびっくりしちゃう、と息も絶え絶えな嬌声を上げているのが、リビングの大型TVにアップになって口の端からだらしない涎を垂らしている、アスカからの動画メールだった。
 数日前の録画だという。
 背後から小柄な白人少女を抱え込んでいるゲンドウの腰の上、大股を開いて跨り、オールヌードの大きく膨らんだお腹を揺らしてくねくね淫らな身悶えを続けている。
 髪と同じ輝く色をした下腹部の飾り毛、濡れそぼったアンダーヘアが申し訳程度に覆う女性器も剥き出しが画面に大映しだ。
 そこはまさに垂直にそそり立ったゲンドウの剛直との結合状態。美少女の小さな肉の合わせ目が限界いっぱいにこじ開けられ、串刺しになった隙間から白く泡立った愛液が溢れる。
『あうっ、あうっ、あうっ、あうっ……』
 長駆の男に軽々と揺さぶられる抽送のたび膣奥から掻き出されてくる、いくらでもいくらでもの勢い。
 飛び散る勢いのそれが個室で入院しているベッドシーツにだらだらと滴り落ちていた。
『……少しは運動をした方が良いから、ではなかったのか? いくら安定期だと言っても冷や冷やとさせられるぐらい、随分な声が出ているようだが』
『だって、だって……! あぁ〜』
 どちらがどんな口実を使って誘ったのかを窺わせるからかいを乗せた、ゲンドウの低い声。
 羞恥なのか別の衝動でなのか、少女の美貌が乱暴なくらい左右に振りたくられて、ブロンドの髪をぼさぼさに崩していく。
『ああっ、あっ、ああっ……おじさまぁ、おじさまぁ……!』
 アスカは片時も全身を休ませることなく、何時絶頂してみせてもおかしくない切羽詰まった喘ぎを続けていた。
 ミルクを溶かし込んだみたいに真っ白な素肌は発汗して火照り上がり、しきりに胸をそらすように仰け反っているものだから、幼い乳房の左右それぞれがばらばらに意思を持って暴れていると見える程だ。
 西洋の血なのだろう。クラスメイトの中では目立って大きく、成長途上のバスト全体からしてが彼女の性格に相応しく上向きに突き出している風だった――その幾分か色の濃くなった乳首がピンと尖っている。
 ゲンドウに抱いてもらっているアスカがどれだけ淫らに感じているのかの、それは言わば良い目安。
 かつてのガールフレンドの数日遅れの痴態映像を目の当たりにするシンジは、微かに顔を顰める。
 その乳輪ごとぷっくりと膨らんだ様相を見せる中学生妊婦のニプルを、年上男の太い親指が人差し指との間に捕まえ、ねじり揉んで、弄んだ。
『あふっ! ひいっ、ひぃぃんンン』
 ゲンドウの掌の大きさからしたらすっぽりと手毬を握るぐらいのサイズ。未成熟な、十四歳になりたての――それなのにもう赤ん坊を育てる為の準備をはじめた、アスカの胸の膨らみ。インモラルで歪な、一種危険なエロティシズムを備えだした双丘全体をぐにぐにと、リズミカルに揉んでいく。
『あふぅン、んん……』
 中年男の手慣れた愛撫に、少女のよく馴染んだ様子。
 ごつごつとした掌による、ともすれば容易く暴力ともなりかねない激しい揉み立てにも、アスカは安心しきって躯を預けていた。
 アスカからすると物心ついた頃から家族ぐるみの付き合いだった隣人一家の父親は、大柄な男なのだ。その厚い胸板にもたれかかり、筋肉質の太い腕の中にすっぽり収まって。背面座位による交合の快感にうっとりとしている。
 汗だくの身を捩り、喘いでいる。
『やっあっあっ、おっぱい出ちゃう――』
『絞ってやろうか? 慣れておくのもいいだろう』
『だめぇぇ……! おじさまぁ〜』
 幼い妊婦は甘えた声を上げて後ろを振り返った。
 ぼうっと蕩けた目付き。
 その唇を、顎に見るからにごわごわと硬そうな髭を蓄えた強面でゲンドウが奪う。
『ンンッ』
 くぐもった喜声が夢見心地じみてさえいる少女から洩らされるや、瞬く間に濡れた水音と共にもごもごと互いの唇が卑猥なディープキスで蠢きはじめた。
 『ぷはっ』と息継ぎに解き放されるのも束の間で、すぐに思い切り突き出された赤い舌が相手を求めに行く。軟体生物同士の交尾さながらに絡まり合う。
『ああっ、ああっ。ちくび、私の乳首、そんなにいじめちゃ……!?』
『千切れるぐらい引っ張ってやっても、今の君ならむしろ丁度良いぐらいか? こっちの方で私を締め付けてくるのがな』
 嬉しくてたまらないのか、とゲンドウがまた小さな花園に沈めた剛棒で突き上げるのだ。
 まさにそのゲンドウの赤子を孕んだ秘腔がたまらず収縮し、鮮烈な感覚を神経に走らせる。それがまた幼い妊婦の脳蓋を快楽に打ち鳴らす。
『あはぁぁああッ。いいっ、いいわっ』
『ふふふ、あまり暴れるとベッドから転げ落ちそうだな』
 親子ほども歳の離れたアラフィフ男との行為に夢中になっている、かつては恋人としてシンジが抱いていた幼馴染の少女。
『おかしく、なっちゃう……。ぁああっ、ああぁああッ、ァああぁぁぁ〜』
 お腹の膨らみだけが歪に目立つほっそりとした裸身を発情の薄ピンク色に染め上げ、太腿の奥を大きく開け放ちながら、ゆらゆら揺れ踊っている。
 歳の頃に似つかわしくない、なんとなまめかしい様子だろう。
 シンジがその様子をリビングのソファから見守っていれば、ゲンドウの年齢に対する彼女の幼さ若々しさのせいなのか、より情熱的で積極的で、相手に溺れている様子なのはどちらの方かと映ってしょうがないのだ。
『大きいの……おおきいのよ……! おじさまのっ』
 だからぁ、と膨らんだお腹を波打たせて仰け反るアスカは、内腿の筋肉にはっきり渾身の力みぶりを浮かび上がらせていて。
『こんなに、こんなにっ。気持ち良いで頭いっぱいになっちゃっ、たらぁ……。ぁうアッ!? アッ、あっッッ』
『馬鹿になる、かね? 近頃の君は会いに来る度にそればかりだな』
 涙の滲んだ青い瞳で喘ぎ喘ぎ、『ううん』といっそ幼げに首を振って。絶頂に押し上げられたばかりの少女は答えるのだった。
『あたし、馬鹿だから。馬鹿になっちゃったから。だからおじさまが……。だから、おじさまの――』
 快感に震える指先を動かし、愛おしげに膨らんだ下腹部を撫ぜさする。
 そこにゲンドウが自分の手を重ねた。
 神妙にする風だったのもそこそこに、やがて思いついたように口の端を釣り上げたと思えば、そこから下の方へと導いていく。
 父親ほども年の離れた男の剛直を満腔で受け止めている場所の、これ以上なく淫らに濡れそぼったほとり。拡がりきった幼いわれめの上で膨らんでいるクリトリスにだ。
『――ぁ、ああっ』
 やがて少女の色白な美貌は淫欲に蕩け、新しい口癖の通りの白痴じみた喘ぎ声を繰り返すばかり、唇の端から涎を垂れ流すばかりとなっていった。
 胎内に宿した新しい生命へ芽生えた母性もどこへやら。幼躯を突き上げられるのに合わせ、ゲンドウと二人掛かりで淫花の肉びらや雌蕊の突起をいじくる恍惚に酔いしれる。
『いやっ、いやなの、いやよぉ……。そんなにっ、そんなに引っ張って気持よくしちゃ……。アタシのそこっ、そこも乳首みたいになっちゃう。いやらしく、大きくなっちゃう』
 茜の色をした下腹部の草むらをかき分けて。白いしなやかな少女の指と、太い手首から先にも体毛が濃い男臭い手とが一緒になって忙しなく這い回る。
 シンジが知っていた頃よりアスカの恥毛は長く密に生え揃って、少女であるよりももう幾らばかりかは女らしくアダルトに、アンダーヘアーの逆三角形を形作っているように見えた。
 そうしていれば、十四の年齢でシンジとゲンドウの親子二人を続けて受け入れたことになる膣の入口が淫らなあぶくを立て続けているのにも増して、もっとずっとニチャニチャ、グチャグチャと淫猥な水音が。
 遠い町から送られてきた動画メールはよく音を拾っていた。
 映像もだ。
『そうかもな。君の胸は、先の方ばかり随分育ってしまったようだからな』
『あふぅ――。ん、ンン〜んンン……ッっっ。おじさまが、おじさまがいじめるからっ』
 幼馴染と父親が座位で腰を弾ませているのに並行して、協力して開ききった花びらをなぞったり、花園の中心を貫通している中年ペニスに可憐な襞肉が巻き込まれているところをくすぐる様子をつぶさに映し出している。
 無論、根本まで包皮を剥かれて完全に露出したアスカの陰核の部分も。
『可愛がっていたつもりなのだがな。そうすると、こうして二人で可愛がっていればここも成長してしまうか?』
 シンジはそっと包皮の上からの愛撫を許してもらったことしかなった。
 剥き上げられて完全に露出した可憐な真珠突起。その眺めも鮮烈なら、幼馴染の少女のそこがそんなにも――小指の先ほどにだろうか、今は大口を開いて咥えさせられている割れ目の縁に本来なら控えめに潜んでいた筈なのに、随分と目立つぐらい膨らんでしまっていて。
『水着なら一目で分かるぐらい育ててやれば、君は嬉しいか?』
『そんな、そんないやらしいアソコになったら、私、あたしぃ……!』
 あられもなく卑猥な泣き言を繰り返して鼻をすする。
 許して、許してと。
 しかし大粒の涙を次から次に頬へ伝わせるその目尻は、法悦に緩んだ歓喜のそれでしかない。
 そうとしかシンジには見えなかったのだ。

 こんなことになるとシンジが思いもしなかった頃。少年のベッドに初々しく横たわって待ち受ける彼女の脚の間に、彼がいつも慎重に気を使いながらペニスを押し付けて、きつい締付けの内側にじりじりと潜らせていっていた、あの場所が。今、父親の比較にもならないサイズ差を誇示するあれで踏み荒らされて、暴力的に蹂躙されてもいて。それでも本当に嬉しそうに気持ちよさそうに、全身で女の歓びを訴えていて。
 ガールフレンドだった彼女のあの、もう一つの唇に似た器官が、ああも頬一杯に咥えさせられてしまっている有り様なら。一体今のアスカのそこは、自分が知っているのとはどれだけ変わってしまったのかと思わざるをえない。
 うわ言よろしく『大きい、大きい』としきりにアスカが繰り返しているのは、やはり自分との時と比べてなのか。そう考えてしまうのは僻みに過ぎないことなのだろうか。
 何よりも。まだ中学生相応の、早生まれの彼女なら尚更に幼くスリムな体付きにそぐわない、大きく膨らんだお腹は。
 シンジの目にはグロテスクにも見えるその中に宿っているのは――。
 腕にも足にも体毛がごわごわと濃く、胸毛も毛むくじゃらなゲンドウは、黒い巨大な蜘蛛がアスカの真っ白な裸身に絡みついて穢している風にも映る。
 それはシンジの嫌悪が行き過ぎてなのかもしれない。
 それなのに、シンジの全身はカッと熱くなって血流を早め、火を噴く勢いで心臓が送り出す血流すべてが集まっているかと思うぐらい、股ぐらのそこが硬くなるのだ。

「ひどい人よね――」
 ソファに座るシンジの足元で直に床に座り込み、右から体を寄せてきていたユイが、囁くように夫を詰った。
「……どこで育て方を間違っちゃったのかしら」
 反対側から同じ姿勢でシンジの膝にしなだれかかっているアスカの母親も、娘の不行状を嘆く。
 熟母たちは二人共に既に全裸。
 薄暗くした部屋で白く輝く女神像のような起伏に富んだ裸身を、何一つ隠してはいない。
 第2新東京市からの動画メールが碇家のリビングで再生させられはじめた、その時から、示し合わせたかの様子で身に付けた服をカーペットへ脱ぎ落としていた。
 一枚残らずに、ふくよかな大人のそれ用のブラジャーも、揃いでシックかつ上品なレース装飾が施されたパンティーも。
 よく熟れた肉付きのヌード姿はそれぞれが大人の色香に満ちている。そうして、かたや実の息子の、かたや娘のボーイフレンドだった少年の足元で、跪くように。
「今日も母さんが辛いこと全部、忘れさせてあげる」
 シンジのベルトを緩め、うやうやしいぐらいの丁寧な手際で学生ズボンを引き抜いていったユイが、テントよろしくそこを突き上げていた強張りをトランクス越しに撫で回した。
「ぅあ、ああっ……。母さん……」
 布地に濡れたシミを広げていたその屹立ぶりを確かめたからなのか、口元に淫靡な笑みを浮かべた母親が紛れもなく性的な愛撫でしかない手付きで、刺激を繰り返す。
 TV画面ではアスカが爆発的なオーガズムに見舞われていた。
 全身をつま先まで突っ張らせ、ゲンドウの脈打つペニスを深く飲み込んだ秘唇から白く濁った精液を溢れ返らせているところだった。
「ああっ、ああっ、アスカ……!」
 同調してのタイミングで腰をガクガクと震わせたシンジが落ち着くのを待って、汚れたトランクスは母親の手で取り去られた。
 少年の青臭い精臭を嗅いで、二人の美熟女はうっとりとした顔を見合わせる。
「あの子のママなんだもの。償いは私がするから。だから安心してね、シンジ君」
 娘のそれとよく似たブロンドを耳に掻き上げ、性臭の発生源へとまず顔を近付けていったのがキョウコ。
 次いで反対側からユイが。
「うっ……」
 左右からそっと差し出された二つの舌先が射精したばかりで敏感になったペニスにやわらかく触れ、静々と汚れを清め始める。
 遂には交互に、赤いリップを引いた唇の中へシンジの亀頭を含むようにしはじめた母親達の頭へと、少年は身震いをしつつ手を伸ばした。
「かあ、さん……。キョウコ、さん……っッ」
 手探りしながらだった少年少女の拙い行為しか知らなかった少年では太刀打ちも出来ない、大人の女。その二人掛かりでの巧みなフェラチオ奉仕だ。
 実母の、幼い頃から同じぐらい身近に接していた女性の、二人の頭を。堪えきれぬ快感に打ち震えるまま、シンジは撫で回し、時に鷲掴みにする。
 感情と官能の激流に押し流されまいとする、そのしがみ付いた先がそこだったかのごとく。
 荒々しく、綺麗にセットした髪を崩すぐらいにされてしまっても。欲情も露わに息を熱くさせている女たちは嬉々として、少年の若茎に復活を促し続けるのみで。
 それは合計4つの乳房に左右から挟まれての、少年を触覚的に視覚的にも興奮させる最高のサービスとなって続いた。
「ああっ、シンジ……。素敵よ……」
 やがて年上の女性達との交媾が可能なまでに復活したシンジの腰にまず跨っていったのは、その実母だった。
「あぁ〜、母さんっ……!」
 禁断たる秘処に最後は自分から腰を浮かせて肉棒を送り込み、じっとりとした蜜露にぬかるむ淫花の真芯を貫いた少年は、挿入の快感で声を上擦らせる。
 それはユイも同じ。
 親子の繋がりを何より強く物語る、よく似通った面差し。そのそれぞれが近親相姦の興奮で息を荒げさせ、母親のヴァギナに埋まりきったところで小休止していたペニスが僅かに粘膜を擦った刺激からにすら、胸に湧き広がるスリリングな恍惚を深く味わう。
「シンジっ――ああっ、わたしのシンジのが……私の、中に」
 葡萄色に近くなった母親になって十四年のユイの乳首が、平時の倍以上に膨らんで立ち上がった。
 愛液に濡れそぼったアンダーヘアから顔をもたげてきそうな、女の劣情そのもの――大きめのクリトリスも同じだ。
「母さん……そんな顔で。なんていやらしい貌をして、僕を……」
 共鳴し合うのにも似て、シンジの獣欲が唸りを上げる。
 母親の熱い秘肉に包まれた屹立が硬さを増す。
「んンッ、ンんっッ。シンジ……。分かるわよ、あなたの元気な、どくん、どくんってリズム。わたしの中で……。ぁ、はあぁぁ〜」
 息子が限界まで膨張させた力強さは膣肉を響くように内側から外側へと、更に神経を伝って、陶酔しきった顔をした美母の全身に行き渡る。扇情的に上気した肌がぴりぴりと痺れ、ツンと尖った乳首がひとりでに気持ちよくなっていくのだ。
 わなわなと歓喜に震える手のひらで確かめるかの仕草をして、ユイは自らの胎のあたりを愛おしげに撫で回した。
「ここに……私の中に……本当に、シンジが」
 彼女のうっとりとした口ぶり。どこか夢を見ている風にも、こうなってまだ半信半疑でいるかにも聞こえる呟きに、キョウコがくすりと笑った。
「ユイ、あなたったら。シンジ君とシちゃうの、もう何度目なのかしら? いつもそうやって感動してるみたいじゃない」
 先手を譲ったドイツ系ハーフの金髪美女は、学生時代からの研究仲間が実子と溺れる禁断セックスの様に、興奮も露わ。
 その手は交わり合う親子両方のあちこちへと時折エロティックな悪戯を仕掛けつつ、自らの乳房や女の秘部をまさぐっているようだった。
「だって」
 職場である大学ではいまだに学生と間違われることもある若々しく清楚なユイの顔には、羞じらいながらも淫蕩な表情が浮かんだ。
 上目遣いに友人を振り返るのは、しっかり見られていたバツの悪さ。
 慰める為だの責任を取るだのも言い訳としては酷いものだが、それで夢中になって愉しんでしまっているのはいかにも体裁が悪い。
 母親なのだ。ユイはシンジの。
 だとしても、今さら良識的にも消極的にもなれないのが本音であるから、
「分かるでしょう? あの小さかったシンジが、まだまだ可愛い私の大切な息子が。それなのにこんなに力強く逞しくさせて、私を奥まで届きそうなくらいまっすぐ、貫いてくれてるのよ……?」
 堪らずといった風情で、三八歳の母親は息子のペニスを秘苑に深く飲み込んだまま下半身を打ち揺すった。
 根本までを熱く包んでいた柔襞全てがぎゅうっと、剥き出しで脈打つシンジをしごきあげる。
「ああっ、いいわっ……いいっッ。シンジっ――!」
「うぁっ!? いきなりそんな、激しく……!」
 鋭いばかりに迸った快感に、母も子も口々にわななく。一旦、弾みを付けてしまえば止まるものではない。
 女性上位の肉交をリードするユイは全身から蒸れた女の香りを立ち昇らせ、まろやかな腰つきを熱っぽく更に振り立てていく――。

「あんっ!?」
「やぁねぇ……。ユイったら、乳首カチカチにさせちゃってるじゃないの。……うふふ、シンジ君の方もやっぱり」
「ああん、キョウコ……ぉ」
「うぁっ、キョウコさんっ」
 横合いからそれぞれの胸をいじくられた母子がよく似た顔で息を弾ませた。
「男の子でもやっぱり興奮すると乳首立たせちゃうのねぇ」
 頭の中までとろけさせて快楽を貪りあっていた二人が、陶酔から少しだけ引き戻されたように目をしばたたかせる。
 少年の背伸びするのにも似た膣奥への突き上げは、母親の側が積極的に子宮口へ到達させんとばかり腰を振って迎えていたから、いつ爆発が起こっても不思議は無かった。
 血の繋がった性器性感帯をズポズポと擦り合わせるのにそのまま没頭させていれば、キョウコの順番などすぐに回ってきそうなものだったが。こうして折々で茶々を入れることで、結果としてユイとシンジのこの日の一回目が持続している形だ。
「どう、シンジ君? あなたのママの淫乱な顔を特等席で見上げる気分は。ママをこんなにエッチに乱れさせちゃってるのは、イケナイ相手なのにガチガチ勃起しちゃう貴方の仕業よ?」
 興奮するでしょう?
 娘であるアスカにも遺伝している青色の瞳を爛々と輝かせて、キョウコが囁く。
 シンジの耳元へ、熱い息遣いが直に感じられるぐらいに顔を寄せてで、
「特別なのよ? とびっきりの、トクベツ。他のどんな女の子とだってこんな特別のセックスは無理だわ。だってユイは、シンジ君のママなんだもの」
 ユイだと使わないぐらい派手目に鮮やかなルージュを付けた唇から伸びた舌先が、チロチロとシンジの耳たぶに這わされさえした。
「ぅあ、ぁ……」
 香水と混ざってのかぐわしい体臭が一層強くシンジの頭をくらくらとさせる。
 実の母親と、少年にとっても幼い頃からの知り合いである彼女。大人の女性二人との密着が嗅覚からもシンジを包み、そのどちらの肉体をも抱かせて貰っている事実が否応なく、初々しい色をしたペニスに一層の力を漲らせるのだ。
 ユイとキョウコと、ガールフレンドに裏切られてからの方が経験を増やしている、シンジのペニスに。
「あっ、シンジっ。あはっ、あなたも……シンジも、もっと」
 若茎が意気込みを強めたのを抽送に掻き回されている真っ最中の粘膜で察知し、母親が再び嬌声を上げた。
 意識して下腹部の筋肉に力を込め、媚肉で締め上げ返す。夫に望まれて覚えたことだが、要求される前に進んで使ってみせたのは息子との時がはじめてだったテクニック。
「母さんを下から、腰でぐぃって持ち上げるみたいに――シて欲しいの」
 浮かばせた円熟の尻肉を揺さぶり、はしたなく十四歳の息子におねだりをする。
 無論、シンジに否やはない。無言のまま息を荒げ、そうして応じて貰ったユイの悦びの息遣いも見る間にまた相応の感極まったものへと。
 やがて自然と同じ周期を刻んだ規則性のもとで、二つ重なり合っていく。
「ああっ、ああっ、ああっ」
「母さん、母さん……っ」
 ぐちゅぐちゅという淫靡な水音と共に。二人分の体重をフローリングの上でゆっさゆっさと暴れさせる床音と共に。碇家のリビングに響き渡る。
 特にユイの抑えきれない悦がり声は、ドアを突き抜けて廊下にまで届くぐらい。
 しかしそれを聞き咎めるべき一家の主は不在で、今もう存在しないかつての日常のまま訪ねてきていたのなら、やはりただ座視していたりはしなかっただろう少女も、遠い土地だ。
 母と子による行為は誰に邪魔されることもない。いよいよ禁忌たるべき領域へと踏み込んでいく。

「あはぁ……っ。知らなかったわ……。シンジと繋がって、ひとつになっているだけで……おかしくなりそうな程なのに」
 欲情に蕩けた女の秘肉がねっとりとうねるように若茎に絡みつく。得も言われぬ快感を共有しながら上下に揺らし、弾ませる、情熱的なピストン運動を加速へと、更なる加速へと、ユイがアクセルを踏んでいく。
 そうせずにはいられないのが、今の彼女なのだから。
「……それなのに。シンジに、息子に、お腹の奥っ、突かれたら――!」
 かつてその腹を痛めて生んだ我が子を同じ場所に今度は男として迎え入れていて、しかも傷心のシンジに一際甘くなっている母親は避妊具の使用を求めずじまい。
 シンジの放つ精を子宮に受けたなら、血の繋がった親子同士の子を胎に宿しかねないというのに。
 自分たちの――特に良識ある年齢の大人であり、子を導くべき親である己の愚かしさと、そして危惧すべき結果がもたらされてしまったならという危険性を重々承知の上で。それでいて尚。
 一度その味を覚えてしまった愛息子との肉の交わり。そこから得られる禁断の快楽は、今や手放すことなど考えられもしない。
 この関係に前のめりになってしまっているのは、もう彼女の方もなのだから。
「あらあら。ゼミの頃からとびっきりにおつむの出来がよろしかった、冬月先生のお気に入りがねぇ」
 三つ年下の友人の乳房を揉むのに両手を忙しくさせているキョウコの、呆れ声めかしたからかいも楽しげで。
 愛息子と性器同士を繋げ合って体を揺さぶる夢見心地に溺れ、思考力を希薄にさせて愉しんでいるユイがあけすけに強請ったものだから。キョウコはぴったりとその背に寄り添い、奉仕してやっているのだった。
「んんっ、良い……イイわ。もう少し乳首、強くしてくれても……ぁアあん。痛い――ぃのも、イイ……!」
「やだわ。思い出しちゃった。真希波の……そうマリよ。あの子の送別会でお酒飲ませちゃって、後で大目玉だった時よりダメっぽい目つきになっちゃってるわよ、アナタ。ほら、ぎゅーって引っ張ってあげる」
 乳首まわりのざらざらとした表面や乳頭のくぼみにカリカリと爪を使っていた友人にもっときつめの愛撫を貰い、仰け反りそうになったユイの喉が喘ぐ。
「はひぃ! ぃ、痛ぁい……ぃいい!」
「ぁあああっ、母さんの、母さんのが。こんなヌルヌルにさせてるので、僕を……締め付けてっ」
「そうよ! そうなの! もう母さんの、あそこ……いやらしい気持ちでいっぱいなのよ……!」
 ユイの愛欲の泉のとめどなき湧出は、それを促進する快感パルスの発生源がもはや全身で多重しているせいだ。
 その一つとして、熟女のよく発達した雌蕊もまたアピールを強めている。
(ユイったら、クリも物欲しそうに膨らませちゃって)
 騎乗位で熟れたヒップを踊らせるユイの、息子との結合部。生え揃うにはまだまだのつるりとしたシンジの下腹部に、濡れそぼった草むらが筆先を遊ばせるように花蜜をなすりつけて、すぐに離れる。忙しない繰り返しの場所。
 母子の結合部にユイが膨らませきった性欲の程を認め、共犯者たる金髪美女は目尻を緩ませた。
 そこにはまだ、直接の刺激も満足に与えられていないのに。
 だがそこがとっておきのスイッチであるとユイ自身はおろか、既にお互いの女の部分の扱い方をよく理解しあう関係に至っているキョウコでもあったからこそ、今は言わば温存しているのであった。
「……ふふ」
 淫靡に微笑む。
 自分たちという雌を従える、雄としての振る舞い。それを覚えてもらっている途上の少年にこそ、適切なタイミングで使って欲しいスイッチであるのだから。
 少年のこれまでの学習の成果を、果たして今日はどれだけ自分で気付いて発揮してくれるのか。
 キョウコもまた期待しつつ、自分自身の秘核をピンと固く膨らませているのだった。

「母さ――んっッ。あああっ、母さんと、僕のが……っ」
 熱い蜜でたっぷりと満たされた母親の媚肉に我慢など続かず、すぐに少年は腰を遮二無二に突き上げさせ始めた。
 かつての自分自身がそこにで育まれた原初の場所へと少しでも近く、深くと、力みの度合いを増した勃起を送り込む。
 乱暴なぐらいだが、美しい母親はむしろ喜んだ。
 即座に自分もピッチを早め、飛び跳ねるぐらいのはしゃいだ腰遣いが実の息子とのスリリングな共同作業をゴールに向けて導いていく。
 今も大学生のように若々しいユイは当たり前の倫理観も放り投げ、十四歳の息子におねだりをするのだ。
「今度は、ね、母さんの中で……ね? 良いでしょう? 母さんのココ、自分でもびっくりしちゃうくらいヌルヌル溢れてきちゃってるのよ。シンジもね、気持ち良いでしょう……?」
 ユイもキョウコも、そしてシンジも。ゲンドウが家を空けてアスカの入院している第2新東京市に向かうたび繰り返してきたこの淫らな儀式で、一度たりとも避妊の準備をしたことはなかった。
 キョウコどころかユイもはっきりとそれを明言し、シンジもそれで何かを自制したりはしなかったのだ。
「母さんは、僕とで赤ちゃんが出来ても良いの……?」
「ええ」
 返されるその言葉に、僅かとも躊躇は無い。
 禁忌の交わりに溺れつつであっても、息子に向けられた眼差しには深い慈しみの輝きが満ちている。
「そうなったら、ね」
 アスカちゃんみたいに、と。
「大きくなったお腹で、シンジとセックスしてあげる」
 想像してしまったのに違いない。少年はぎゅっと瞼をつぶって身震いし、『じゃあ――』とだけ応じた。

 それから先はひたすらのエスカレート。一度もブレーキを踏まない、親子同士の快楽器官による摩擦の加速。
「あぁ、ぁ、あぉ……ぉ、っフッ。ふっ、フーッっっ。ううう、うっ……感じすぎて……目眩で……どうにかなっちゃいそうよ、キョウコ……!」
 熟れた膣肉をぐっちゃ、ぐっちゃと掻き回す卑猥な水音に、学者夫婦の淑やかな妻として振る舞う普段からは想像もつかない、艶めかしく蕩けた貌。牝そのものの聞くも悩ましい喘ぎ声を上げて、ユイが腰をうねらせる。
 清潔で活動的な印象を与えるショートボブに整えた髪の、毛先を。汗に濡れたうなじや額に幾筋も張り付かせて。
 ああ、ああ……と大きく揺さぶる頭で全身を踊らせる分の釣り合いを取っているかの風に、ソファの周囲に汗を散らしていって。
「堪らないわ。ユイとシンジ君がだなんて……何度見ても、あぁンン……見てるだけで、濡れてきちゃう……」
 見守るキョウコもいよいよ興奮を強めて、『吸って』と乳房の先端を差し出し、『触って』と少年の手を自身の下腹部に引っ張っていく。
「あんっ、ユイぃぃ……」
 学生時代からの友人に負けないぐらい膨らませていた乳首を咥えて貰い、同様に敏感さを極限にさせていたクリトリスへ少年の指先を感じると、それだけで日独ハーフの金髪美女は声を裏返らせて身悶えした。
「シンジと……いつセックスをしても。アアッ……あっ、いつも前の時よりずっと……今度が今までで一番みたいに、感じるの……!」
「そんなに急に、上達したりするわけ……っ、ないんだけど、ねッ」
「ぁおおぅ! そこぉ。そこよ、シンジぃぃぃ……」
 一際アグレッシブにシンジが攻めれば、母親は整った怜貌を歪めて仰け反り、歓喜するばかりの艶声を放つ。
 振りたくられる熟れた美尻。膣に潜って割合深くない一帯、クリトリスの裏側に近い内壁をしたたかに突いた――それが、ユイの性感を軽いアクメに届くほどに突き飛ばしたのだ。
「もっと、もっとよ! もっと母さんのイイところ、突いてぇ……!」
 瞳孔の開ききった双眸を虚空に漂わせ、再生され続けている夫の浮気映像にはもはや目もくれない妻は、女陰を貫いてくれている我が子の腰遣いをあられもなく賛美して、叫んでいるのだった。
「……来ちゃいそう。またっ、凄いの……来ちゃいそうだわ……」
 実の息子に妊娠させられてしまっても構わないと言い切った瞬間からまた一段、ギアが入ったも同然の凄みさえ、漂わせ。息子のピストン運動とで完璧にシンクロした対面座位の体位最適の腰遣いを、実に巧みに、開けっぴろげに披露していく。
「あはぁ……ぁ」
 額から鼻筋を流れ落ちた大粒の汗だったのか、ハァハという喘ぎとともに朱唇を汚した唾液だったのか、ちろりと覗かせた舌先で舐め取るしぐさも過剰に官能的であって。
 そこに息子の前であるとか、自分は母親なのだという矜恃も自制も、既に存在はしていない。

(……あのずぼらのユイがね)
 大学時代を知る彼女だ。当時から才色兼備と評判ではあったが、抜けたところも多いユイには残念美人というイメージも付きまとっていた。
 それがどうだ。そんなケなど無かった筈の自分すらくらりとよろめきたくなる色香を放って、汗まみれの肢体をビクビク痙攣させながら揺らめかし、性感の極地に酔う様ときたら。
 まだ中学二年生でしかない息子に跨がり小刻みに裸の腰を踊らせる、堂に入った騎乗位姿。若い荒馬を乗りこなすというよりも、自らが荒馬になったかのごとくに濡れ輝く全身を躍動させていて。西洋の血の入ったキョウコには及ばずとはいえ、けっして小ぶりではないその二つの乳房をぶるぶると、上下左右にはしたなく振り回しているのだ。
「ぁ、アソコが……胸がっ……。体中が、感じちゃう……! はぁぁぁ……っッッ」
 もうキョウコが揉んでやらずとも、柳眉をくなくな切なくさせたユイは自らの手でもって官能が昂ぶるまま思うさまに両胸を揉みしだき、熱い息を吐いている。
 熱病に浮かされているような目つきはどこか虚ろで、潤みがちで。
「あぁ……シンジ……」
 息子と見つめ合っては胸に万感迫るのか、目尻をぽうっと火照らせる。
「母さん、ひょっとしてイッちゃった?」
「……ちょっとよ、ちょっと。軽く……ね」
「だったら次は、気絶しそうな顔で気持ち良くなってる時の母さん、見せてもらわなくっちゃ」
「もう、シンジったら……。変なこと考えたでしょう。分かるのよ?」
「そりゃあ……」
 こんな状態だし、と。つい母親が最高に乱れきった時に見せる痴態を思い出してしまった息子と、その欲情を即座に反映させる若々しさを挿入されている母親の両方が、見合わせた顔を照れくさそうに赤らめた。
 ユイとシンジの母子は本当によく似ている。
 性別こそ違えど成長前と成人後であるかのような二人は、照れてこそみせはしたものの、それはつまりはそれぞれの興奮を確かめあったわけでもあったから。
「……母さん」
「あン、うふん……。良いわ、いいわよシンジ……。このまま――」
 互いの衝動の促すままねっとりと唇を食みあうキスを経て、また狂おしげな腰の動きを再開させたのだった。
「あぁぁ……ぁぁあアッ。もっと、もっと……頂戴……。奥に、おおぉっ、すごいわシンジ……っ」
 髪を振り乱し、息子との相姦に耽溺しているユイの喘ぎ声はとりとめもつかない。
「ぁあッ、っァ――ッッっ!? そこ、そうやって……。ぁあああッ、ぉ、覚えたのね……シンジ。ンぁッ、ぁおッ……ンンンッ」
 ただただ、もはや牝啼きと呼ぶに相応しい嗚咽をこぼし散らして。
 ひっきりなしの身悶えを繰り返す。
「だ、ダメっ……。変な声……出ちゃうわ……っッッ!」
「だめじゃ……ないよ、母さん。その方が……すごくエッチで。僕も……!」
「お母さんのこと、エッチだなんて……言ってっッ。ああっ、またっ……硬くして、そこをぉぉぉ……!!」
 学生時代はおろか、良き妻良き母として貞淑清楚な姿しか見せていなかったこの十数年を振り返ってみても、こんなにも妖艶なオンナをやってみせるに至った変貌ぶりには誰だって驚くし、大いに感嘆することだろう。

「うーん。すっごくエロいわ、ユイ。……そんないやらしい顔してヨガってるとこ見せられちゃったら」
 同じ女の自分でもむしゃぶりつきたくなるぐらいだわと、至近距離で母子の熱気に当てられているキョウコは息を呑む。
 そしてそのキョウコの同性愛めいた欲情も、ここでは抑えねばならない理由がない。
「ユイぃ〜」
「あン、キョウコぉ……」
 横合いからさっと唇を奪われたユイは、戸惑いもせず素直に長年の友人のキスもまた受け入れるのだった。
 間を置かず侵入してきた舌先も喜んで受け止める。
 くちゅくちゅと啄むように絡めあい、甘い唾液を交互に啜る。
 表情を蕩けさせた熟女二人の口元からこぼれた雫は顎先を伝い、ユイのなだらかな肩や二の腕、そしてキョウコかシンジかユイ自身か、誰かに休みなく揉みこねられている乳房の表面で、珠の汗と混じり合った。
「ンッ、ンッ……ねぇ、ユイ?」
 興奮に痺れた顔つきで、けれども慎重にキョウコは言葉を選ぼうとして――やめにした。今なら、今となっては踏み込むのも許される。三人で作り上げてきたこの関係は、作り上げねばならなかった背徳の結び付きは、それを許すだろう。
「ぶっちゃけて訊くけど。あなた……ゲンドウ君とシンジ君と、どっちのオンナでいるつもりなの?」
 今となっては、と。
「……いやねぇ、キョウコったら」
 ふふ、と微笑みかけてから、流し目に息子へと向けられた眼差しのエロティックなこと。意味深なこと。
 キョウコも苦笑せざるをえなかった。
「まぁ、シンジ君のおちんちんと旦那のアレ、御気に召しているのがどちらなのかは一目瞭然かもね」
「キョウコの方こそ、実感がこもってないかしら。ねぇ、シンジ? あなたも随分と罪作りな男の子だわ……」
 肩越しのキョウコと二人並べて、幼い頃から一番身近だった大人の女たちの熱がこもった瞳に見詰められる。これほどに息子を甘えさせてくれる母親はいないだろうというユイの膣内を味わう傍ら、シンジは思わずそこに、隣家の金髪美人の抱き心地をも重ねてしまう。
「あなたのママを天国に連れて行ったら、その次はわたしを相手にしてね。シンジ君」

 結局、少年がやがて切羽詰まった声を上げはじめ、実母との性交ならば尚のこと許されないその時が近いと訴えてくるようになっても、満面に淫らな幸福を浮かべる美しい母親は、僅かばかりも手綱を緩めようとはしなかった。
 白くすべらかな下腹部はうねり続け、濡れそぼつ女の情の根源に包みこんだ若い肉棒への締め上げを途切らせない。
「母さん! 母さん!」
「……愛してるわ! わたしのシンジ……なんだってしてあげるもの! ああン、大好きなシンジと、こんなにいやらしく……私、わたしっ、愛し合ってるわ……!!」
 がばっと破廉恥に開いた太腿の間、愛しい我が子を迎え入れた性器をあえて晒けだし、吸い寄せられた二対の視線にはちゃんと羞じらってみせるくせ、しかしそのまま大胆に白いヒップを揺らめかせる。
 熟れたヴァギナから激しい抜き差しで掻き出されてくる大量の淫蜜に、ぐちゃぐちゃと聞くも気恥ずかしい粘ついた水音。猛烈な出入りを繰り返す竿肉に引きずられ、飛沫と共に目まぐるしく内へ外へ捲れ返る、ユイの濃い薔薇色をした肉花弁。昂ぶりきった息子が灼熱させているリビドーの象徴、若々しいペニスへの狂おしい欲求が、一瞬たりとも手放したくはないと淫肉を絡み付かせるのだ。
「アアッ、あっ。あぁぉ……ぉ、ぉあう、ぅううっッ」
 悦楽にどっふりと浸りきった麗母はそれでもまだ足らじと、自らまだ若々しすぎるぐらいに綺麗な形を保っている双乳を乱暴に揉みしだいて、
「シンジ、シンジっ。母さんの、アソコ……あつっ、熱くてっ。信じられないぐらいドロドロでっ。頭の中も……熔けちゃいそう!」
「ぁ、ああっ。出る、出るっ――出ちゃう! か、母さん……中にっッッ!」
「いいわっ! 出して……わたしの中に、シンジのを……」
 腰を振りながら即座にユイは叫んでいた。
 許すと。――むしろもっと強く、自分もそうして欲しいのだと。
 止めることはしなかっただとか、形だけ窘めただのといった消極的同意ではない。よく考えもせず、ただ口から出てしまっていたわけでもない。
 はっきりと息子に向かって、母である自分の膣に直接、出してほしいと。そう請い願ったのであった。
「きてる! ひてるぅッッ。本当に、わたひの奥まで……シンジのっ――ぉぉお゛ぉ゛ぉ゛っ!!」
 埒を明けた少年の勢いよく噴き上げる白濁が、強烈に収縮する母の膣洞を通り子宮口へと駆け上がる。
 刹那、全身の肌をゾクゾクと粟立てて若い射精を受け止めたユイは、幸福に満たされた法悦の中、眩い絶頂を遂げていた。
「ぁぁ、ぁ、あああぁ……。素敵……」
 蕩け切った媚肉を最高のエクスタシーで満たされるという、ただ女としての幸福のみに留まらず。間違いなくその時、愛しい一人息子の成長を実感する母親としての幸福をも、ユイは噛み締めていたのである。
 ――だとしても、それは血の繋がった母親に許される幸せの形ではない。
 ドクドクと脈動を繰り返して子宮に送り込まれる、熱い少年の樹液。ユイに禁断そのものの妊娠をさせる能力を十分に備えた、それを。身悶えする力が強くなり過ぎて硬直したようになりつつ、爛れた媚肉で飲み干していく。
 そうしてうっとりと酔いしれる官能の極地。
 そこに息子を十四になるまでしっかりと育て上げた、貞淑な母親としての面影はどこにも残っていないのだった。





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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(7)