First Mission / Failure
Original text：引き気味
『 毒舌幼女、悶絶痴漢電車 〜接触編〜 』
目立つことの愚は、十二分に心得ていたつもりの男だった。
電車内を模したセットを舞台に。精々もっともらしく、素人っぽく被害に遭っているところを女優が演じてみせる。そんなポルノ動画に飽き足らず。
本物の電車の中で、実際の女性に手を出してしまった――。
それ以来、もう何件の被害を増やしてきたのか。
男はもはや、犯歴のすべてを自分でも思い出すことが出来なくなっているぐらいの常習犯。れっきとした痴漢だった。
だからこそ、目立たないように心がけていた。
確かに、そのつもりだったのに。それが、赤い瞳をしたアルビノの幼女という、いかにも他の乗客の目を引いていそうな対象に――手を伸ばしてしまったのだった。
ヤバいだろうと思いつつ。混み合った車内を追い込むように位置を変えていって、おあつらえみたいにぽっかりと空間の出来たドア際すぐ横へ。ロングシート座席の端に取り付けられている肘置きなのか仕切りなのか分からない遮蔽物が影を作ってくれている場所に、膝でそのちっぽけな背中を押し込んでいた。
（やったまった……）
冷静になってみれば、小学校にも上がっていないような完全な幼女だった。
洋服も、赤いスモックに、胸元の紐リボンからぶら下がる二つの白い毛糸のポンポン。体型ももう女らしさがどうの、咲き出す前のつぼみの魅力だなんだと言う以前で。見るからに、あまりに幼い。
その日までは、男が毒牙にかけてきた中では中学二年生だと聞き出した娘が最年少だったのだが。これで大幅に記録を引き下げることになってしまった。
それ以前に。ドアの窓から外を覗くのにもつま先立ちが要るだろうという、どうにもちんまりとしたターゲットだ。男も腰をかがめでもしなければ、比喩抜きで禄に手を伸ばすことも出来やしない。
いい子いい子と頭でも撫でてやるのか。一人で電車に乗れてお利口だねと、ぽんと肩に手を置いてやるのか。
それが精々。
幼女と、大のおとななのだから。体格の差が開き過ぎで、本当に手が届くのがそこまでという有様。
しかしだった。血迷いでもしていたかと正気に返ったつもりになったその時、肩越しにちらりと見上げてきたその赤い瞳をまともに覗き込んでしまって。その一瞬で。男はそんな、分かった風の考えを捨ててしまおうと決めていたのだった。
後になってみれば、自分の勘の働きぶりに一人満足気にニヤけることもあった。
歳がどうのと、世間並みのようなことを自分みたいな恥知らずの変態が気にして、どうするのだと。
あの瞬間こそ、真理を悟ったのだと。
それ程に。あの、睨めあげるようにしてきた上目遣いの大人びた様には、目を惹き付けられずにはいられない暗示めいた力かなにかがあった。
スモックの襟元からわずかに覗いた肌も、生まれてきてからこの方ろくに陽に当たったことも無いだろうという、ひんやりとした青白さで。不健全に蠱惑的で。年齢を越えて異様にこちらの劣情を煽ってくる、魔性のようなものが漂っていた。
◆ ◆ ◆
躊躇を捨て去ってからは、ただもう夢中だった。
ふぅふぅと、鼻息の荒さをすら辺りから隠すように窺いながら。それでも抑えきれず、ついつい――これはちょっと怪しまれてしまうのではと焦るほどに、息遣いを熱く荒くさせてしまった。
ズボンの中では、いきり勃ちが痛いくらい。
その路線で痴漢に及ぶ場合の手持ち時間と決めていたリミットが迫るその時まで、ずっと。男は窮屈な半屈みの姿勢になって、後ろからアルビノのその子供の胸を撫ぜ回し続けていたのである。
我ながら何でまた今日はこんなにと、頭の片隅でそら恐ろしくなったぐらいだった。
ただ、ところが。興奮ぶりを露骨に示すその上擦った息遣いが実はというか――気付けば男自身が唖然となってしまったことに――途中からはもう、男のものだけでもなくなっていたのだった。
「……ッん、ん。ぁ、ぁ……」
か細いばかりながら、たしかにもう一つ。愛らしくむずがるかのような、それ。
食事と睡眠以外、遊ぶことだけで脳のキャパシティを使い切っているのが当たり前だろうという年齢の、幼女が。
「ンぁ、ぁ、んぅぅ……っ」
舌足らずな喘ぎを上げているように聞こえてしまったのは、果たして男の聞いた幻聴だったろうか。
幼女の、スモックの胸元。そこからは紐リボンが引き抜かれていた。
うなじから手を回してボタンを外し、はだけさせた中に両手を突っ込んで。男が執拗に胸を弄び続けるため、そうしたのである。
そしてこの幼女はスモックの裾を両手できゅっと掴みながら、真正面の銀色をしたドアに向かってか細い喘ぎを聞かせ続けていたのだった。
(間違いない)
車両の乗り降りに使われるドアの側が、そろそろ男と幼女の居る方に切り変わろうかという、そういう駅に近付いたあたり。緩い減速感が体に掛かってくる段になって。男は確信を掴んだのだった。
「……ぁっ」
蚊が鳴くかのような小ささに聞き逃してしまうのはあまりに惜しい、妖精の誘惑めいた喘ぎだ。
「ふぁ、ぁ」
真っ白をした頭を後ろから見るしか出来ないのだが。そうやってふるふると震える声を洩らす発生源が、その顔を俯かせた幼女の口元であるのは疑いようが無い。
半ば耳を疑い、半ば余計に興奮を募らせ、そうやって男が撫ぜ回し続けている、ぷくぷくとした感触の稚い胸肉にも。乳房だの膨らみだのと、女らしい触り心地などはまだまだ気配も無い、そこなのに。しかし確かな感触で、コリコリとした指触りが二つあるのだ。
そして、このいかにもいたいけない姿格好をした幼子の、似つかわしくない堪える様子。
ちんまりとした耳たぶまで赤くして、上気していて。どう見ても、声を殺さなければならない意味を理解している風の、この反応。
股間が真っ先に反応して、こまっしゃくれた幼女の頭の後ろでズボンを擦りつけ、ようやくあやしているような状態だった。
「ふぅ……、ぅ。……ぁ、ぁ、ぁ」
いじらしいほどに声を押し殺しながら、どうにも扇情的に身震いを続けるその横顔。
駅に着いたら――。もう面倒なことを考えてしまうのはどうでも良い。とにかく、この娘を連れて手頃な場所に駆け込んで。そしてどれだけチビだろうがお構いなしに確かめてやるのだと、男は決めていた。
そして実行したのだ。
「ダメオトナ、って言ったかい？」
無人化された駅だったのを幸い。娘の手を引いてホームを出た男は、駅そばの飲み屋街に昼間人気のない筋を探して見付けると、飛び込むように狭いビル裏へ無断侵入を果たしていた。
真っ先にしたことは、いやに不釣り合いに色気を感じさせるような反応を見せていたこの幼女から、まずスモックを引き剥がすことだった。
そして、さもありなん。起伏のない未成熟な胸に、だのに両方の胸の先にピンと豆粒のように幼い乳首が起ち上がっていた様を。顔を近づけその目で直に、確認したのだった。
「いや。ガキにしちゃ、随分と育ってる方じゃないのか？ このチクビはよ」
サイズがどうのという以前に、幼女のわりにやけに進んだ反応を見せてくれる、コリコリと充血しだした乳首である。
まだ乳輪の色自体、まわりの肌色と大差ないというのに。随分と触られ慣れているような。
証拠を押さえたぞとほくそ笑んだ男へ向かって、このアルビノの幼女が睨むようにしてぶつけてきたのが、いやに小賢しい『駄目オトナ』というその罵り言葉だったのである。
もっともそれも、小鳥が囀るような口元の綻んでしまう声でしかなかったのだが。
「……聞いた……もの。コドモ相手に、いやらしいことをするのは……」
舌足らずな言葉の合間に、ぶるりと堪えきれない風に吐息を震えさせ、
「だめな……っ、オトナ、だって」
そう、一人前に糾弾してみせようとするのだから、小賢しいというか、いややはりこまっしゃくれたと言うべきか。
年齢不相応な反応を示す乳首の様を暴き立てたついで、衝動のままにたっぷりと舌を使った男に、あんあんと可愛らしい喉を喘がせてさんざん身をよじっておいた直後――であるから。笑ってしまうだけなのである。
とにかくこの娘はそういう小生意気な態度を貫こうというつもりらしい。なんとも似合っていない憎まれ口を叩いてみせるのだ。
「へぇ？」
良いようにおもちゃにされて抵抗もできないくせ、そのくせ態度はどこかふてぶてしい――この綺麗な顔をした幼女を、男はすっかり気に入ってしまっていた。
今まで味わったことがないぐらいのガキっぷりだが、しかし見たこともないくらい早熟で賢いお子様でもあるらしい。
おまけにどうやら、だ。
「なんだか、えらく厭らしいこととやらの中身についても知ってそうな、お勉強させてもらってそうな、そんな感じだなぁ……。とんだマセガキじゃないのか、お前？」
ここまでくればもう躊躇もない。そら、とズボンから自分の股間を取り出して見せつけてやる。
「――!?」
ひぅ、と息を飲んだ顔が、目を真ん丸にさせていた。
赤くなった頬が、みるみる間に更に赤くなっていく。
「ははっ、やっぱり知ってやがんな？」
図星をつかれたへの字口で、幼女はぐっと言葉に詰まったようだった。
「こ〜んなちみっこいガキに手を出すたぁ、ふてぇ大人も居たもんだ。えぇ？ どうだ？」
「あっ、なにっ……！？」
じたばたと暴れる幼女をひっくり返し、キャラクタープリント柄かとでも思えば意外にそっけない無地の幼児パンツを丸出しにさせて、一息に剥いてしまう。
つるりとしたお尻を愉快な気分のままに一発軽くひっぱたいて、きゃんと言わせて。
そして男は、それこそ人形のように寸足らずでどこもかしこもコンパクトのままな両足を、『そーら、この生っ白いあんよをガバっとおっ広げてよ、見せてみろって』と、股の間を覗き込んだのだった。
「さすがにマクを破いて突っ込んだりはしてないみたいだが……」
「やっ、だめっ。やーっ！ はなして！」
「それでも怪しいよな」
ミルクのような体臭のする肌にまた顔を近づけ確かめた陰阜のあたりは、さすがにツルリとしているばかり。一筋のわれめが走っているだけだったが。
乳首のこの開発のされっぷりならと疑った男が肉裂の端に指を添わせ、揉み込むように刺激を与えてやれば、
「ほれほれ、ほれほれほれ……」
「あっ、だめっ」
と、慌てだしたそのままに、すぐに指の腹にツンと押し返す感触が返ってくるようになって。『だめぇっ。ぁ、あーん……やめてぇ』と、幼女は腰をもじもじとさせるようになり。すっかり教え込まれてしまっているらしいのが実に分かりやすい、切なそうな反応を見せ始めたのだった。
From：エロ文投下用、思いつきネタスレ（5）