Stray Cat
Original text:PDX.さん
EX EPISODE:張型
ドライヤーのスイッチを切り、ブラシなどを片づける。金色に輝く艶やかな長い髪は アスカにとって自慢の種であるが、その裏では地道な努力が必要である。
仕事柄不規則な生活が当たり前の彼女であるが、それでもみっとない姿を衆目に晒したくはなかった。
鏡を見てもう一度チェック。鏡に映る自分の姿に満足する。
洗面台の灯りを消してキッチンへ。良く冷えた牛乳を一気にあおる。昔からの習慣だ。紙パックから直接飲むのも変わらない。行儀の悪さを指摘する人物は側にいないけれど。それ故、ここまでの間バスタオル一枚というあられもない姿で部屋を徘徊している。
紙パックを冷蔵庫に戻し、寝室に向かう。ベッドサイドに立ててあるフォトスタンドのシンジの写真に投げキス。
タオルを床に脱ぎ捨て、生まれたままの姿でベッドに転がり込む。しばし天井を見つめながら、昨夜のことを思い出す。婚約者であるシンジと過ごした一夜。いつもの通り挿入には至らなかったけれど、甘いキスと優しい抱擁、そして愛撫がアスカに与えられた夜。
恋しい男の腕に抱かれ、彼の体温と体臭に包まれて眠った幸福なひとときを思い出し、ウブな小娘のように頬を染める。
「シンジ……」
この次にあの甘い夢を見ることができるのは十日後。戦略自衛隊との合同演習のために作戦部の主な面々は今日の午後から富士山麓の演習場に詰めている。無論、シンジが行かなければ話にならない。
技術部の人間も行ってはいるが、それは現地でデータの収集を任務とする書の話であり、アスカのように本部内勤務の者には関係の無い話であった。
「……」
シンジの愛撫を思い出しながら、身体に指を滑らせる。ウェストからバストへと、魅惑的な曲線をなぞる。
「ん……」
右手で乳房を揉みほぐしながら、伸ばした左腕でフォトスタンドを伏せるように倒す。それは、恋しい男の視線に、淫らな姿を晒したくないという恥じらい故の行為か。
……否。
それは、羞恥心ではなく罪悪感に突き動かされた行動であった。
婚約者である男と一夜をあかし、その腕の中で眠った次の夜だというのに、かくも浅ましい痴態を演じる自分。
そして、どうしても抑えることのできない性衝動に熱く疼く子宮。未だシンジの訪問を迎えていないそこが、脈打つ男根による激しい突き上げを望み、煮えたぎるような白濁で満たされたがっている。
「ああ……」
両手で乳房を激しくこね回す。それは優しい恋人の愛撫ではなく、陵辱者による蹂躙。その行為が、過去の痴態を思い出させるのだろう。もぞもぞと擦り合わされる内股はまだ触れてもいないというのに、しとどに濡れそぼっている。
右手を下の方に滑らせていく。淡い金色の叢を掻き分け、獣欲に膨らむ肉芽を摘む。
「ハアアアッ!!」
びくんっ、と仰け反る。パンパンに勃起したそこは自分でも呆れる位に鋭敏で、軽く摘んだだけで最初の小さな頂に達してしまった。
(ああ……でも……まだ……)
まだ足りない。アスカには分かり切っていた。いや、たった今登りつめた頂が低かったからではない。彼女を内側から灼く淫蛇は、指や舌では届かない奥深くにとぐろを巻いているのだ。
(ああ……熱い……欲しい……)
薄目をあけた彼女の視線の先に映る携帯電話。恋しいシンジの声を届けてくれ、陵辱者からの呼び出しの命令を運ぶ機械。
もし今、着信があれば。ただ一言「来い」と伝える声が届いたら。屈辱と引き替えにこの乾きが潤される。
だが、それはありえない。ゲンドウは一週間前から国連本部での国際会議のために日本を離れているし、リツコも3日前に松本の実験場に赴いている。
陵辱者からの呼び出しのない夜。本来であればアスカにとって安らぎの得られる夜の筈である。だが、2年間にわたる恥辱の日々は、彼女の肢体を確実に蝕んでいた。
ゲンドウによって純潔を散らされたあの日から、彼らは機会があれば……いや、むしろ機会を作ってアスカを淫獄に呼びつけた。技術部のトップであるリツコが一枚噛んでいるのだ。アスカの研究スケジュールと、シンジの参加する実験スケジュールを操作して二人の夜を減らすのは造作もない事であった。
さすがに毎夜とはいかなかったが、限りなくそれに近い状況が作られ、処女を失って間もないアスカの肢体は、そのことを嘆く暇もないほどに汚され続けた。
そんな彼女の夜に転機が訪れたのは、シンジとの婚約が正式に決まってからであった。二人のために『考慮』されたスケジュールは、恋しい男の腕に抱かれる回数を増やしてくれた。そうでなくとも、ゲンドウやリツコの不在の機会が増えたことで、アスカが陵辱者の待つ部屋に足を運ぶ事が減った。
だがそれは、彼女が解放されつつある事を意味するものではなかった。
アスカの肉体は夜毎に熱く疼き、まるで初恋を覚えたばかりの小娘のように眠れない夜を過ごすことを彼女に強いた。ベッドの中で手淫に耽り、疲れ切るまで快楽を貪ることでようやく眠りにつくことができた。
それは、陵辱者たちによる調教が次のステージに移った事を意味していた。彼女の肢体は、抱かれる事を、犯され、汚されることを望むようになっていた。
シンジと過ごす甘い夜、あの優しい愛撫すら、アスカの身体に火を付け、満たされぬ乾きを煽るものでしかなかった。
(駄目……駄目よ……)
携帯電話から目を逸らす。たとえ身体の奥が熱く疼き、ペニスを、精液を望んだとしても、自分の意志で陵辱を求めてはならない。いや、自分から望んだ時点で既にそれは陵辱ではなくなってしまう。
もっとも、今夜はたとえ彼女が望んだとしても、陵辱者たちは手の届かないところにいるのであるが。
「……」
枕元にある隠し戸棚のロックを解除する。わざわざ鍵を付けているのは、シンジが泊まっていった時などに中を見られては困るからだ。
小さな戸棚の中には、リツコから与えられた淫具が納められていた。それは鮮やかな赤い色をした、リアルな造形で男根を模したバイブレーター。
かつてシンジの不能の件で相談を持ちかけたアスカに禁断の同性愛の味を教えたリツコ。その彼女が『指導』の課程で与えてた品だ。そしてそれは今もなお、独り寝の夜に彼女を慰めてくれている。
腕をのばし、充電器を兼ねたスタンドに立てられているバイブを手にする。この疑似男根が、今夜彼女の恋人を務めるのだ。茎の部分に浮き出た血管の凹凸や、先端の切り込みに至るまでリアルに再現されたそれを見つめるアスカ。
舌先で一舐めして湿らせた唇で亀頭に優しいキス。リツコに教わった淫らな行為は、習慣としてすっかり定着してしまっていた。
アスカがリツコの手に落ちたのは17歳の時の事であった。シンジの勃起不全に起因する欲求不満が溜まっていたところに、大人のオンナの熟練した愛撫を注がれ、アスカはあっけないほどたやすくリツコのペットにされてしまった。
その夜も、リツコの私室のベッドに招かれ、指で、唇で、舌で責め立てられ、何度目かわからない絶頂まで追いあげられた。
一度絶頂に達し、そこから降りてきていないうちに愛撫を再開され、次の絶頂に……一つ上の頂に連れて行かれる。それを繰り返すことで更なる高みをかいま見、失神寸前まで弄ばれる。
自分の手でオナニーしているだけでは決して到達できない領域。達してしまった余韻に浸る間もなく与えられる快感は、アスカがそれまで経験したことのないものであった。
「……あハぁ……ン……」
リツコの容赦ない愛撫でその高みに引き上げられ、そこからゆっくり降りてくるアスカ。ベッドを離れていたリツコが、何かを手にして戻ってくる。
「……なに……?」
けだるげにリツコの方を向いたアスカの目の前に、ペニスが……正確には、その模造品が突きつけられた。
「!!」
驚きに目を見開きその凶器から逃れるために身構えようとする。だが、立て続けに迎えた絶頂の余韻に足腰を支配され、立ち上がろうとして失敗する。アスカらしからぬみっともない姿に苦笑するリツコ。
「そんなに驚かなくてもいいわ。別にこの子であなたのヒーメンを破るわけじゃないから」
「お、お、脅かさないでよね」
「この子のお相手は私よ」
ふとアスカは疑問に感じた。リツコは先ほどから『この子』という言い方をしている。
「あら? そんなにおかしいかしら。いつも言っているでしょう。道具や機材は大切に扱いなさいって」
技術部のスタッフに彼女が徹底させていることであった。実験がうまくいかなかった時など、手近な機材に鬱憤をぶつけるというのはありがちなことである。だがその行為は、精密機器に余計な衝撃を与え精度を落とし、結果として実験の足を引っ張るだけの愚行である。だからリツコは、機材を大切にしろといつも言っているのだ。
「それにアスカ。あなた、見知らぬ誰かに胸を触られて感じる?」
「まさか」
「でしょう? 愛撫をされて心地よく感じるのは相手を受け入れているから。拒絶しているのに感じて悦ぶなんてよっぽどのマゾヒストね」
「まったくだわ」
「だったら解るわね? 思い入れがなければ、これもただのシリコンの塊でしかないわ。当然、触れても挿れても物理的な刺激でしかないことになるわね」
「……恋人のように思えってこと?」
「そうよ。そのほうがより大きい快楽を得られるのだから、合理的とも言えるわ」
そう言って、アスカに見せつけるかのように、バイブの先端……亀頭に接吻する。触れるだけのソフトなキスは、やがて舌を巧みに使った淫らなものになる。それはもはやフェラチオとしか呼べない行為であった。
「……」
リツコの口唇淫戯にみとれるアスカ。年上の愛人が、シリコン製の男根を愛撫する様は淫らで、そして美しかった。その視線に気付いてか、艶っぽい笑みを返す。
「……ふふ、羨ましい?」
「そ、そんなんじゃないわよ」
「でも興味はあるでしょう?」
「……」
「さっきも言ったでしょう? この子のお相手は私。あなたのお相手を務めるのはこの子よ」
そう言って見せたのは、ピンク色のカプセルローター。ポップな色使いといい無機的な形状といい、先ほどのバイブの生々しさを考えるとまさに玩具である。
そのピンク色をアスカの頬に当て、スイッチを入れる。ジイイイイ……と小さな高いうなりをあげながらそれが振動する。
「ふふ、どうかしら?」
「……くすぐったい」
イッた直後であればこの刺激でも甘い声を上げていたかもしれないが、先ほど驚いて飛び上がったせいかそれなりに落ち着きを取り戻している今のアスカは、そこまで過敏ではない。
「そうかもしれないわね。でも、この小刻みな振動を持続できるのがこの子達の特徴なの。指を震わせるのとは違う快感をもたらしてくれるわ」
「そんなものかしら」
「だからそれをこれから教えてあげるのよ」
ローターのスイッチを切り、アスカの目の前にかざす。
「この子に可愛がってもらうんだから、ご挨拶なさい」
一瞬彼女に視線を向け『しかたないわね』と意志表示する。右手を伸ばし、リツコの手の中のものを手に取り、唇に近づける。
−ちゅ−
触れるだけのキス。そして、『続けなさい』という視線に促され、舌を伸ばして絡みつかせる。それは次第に、淫靡なものへと変わってゆく。
ローター相手とはいえ擬似的なフェラチオである。アスカがシンジ以外の男根を受け入れることを許容する潜在的な可能性を確信し目を細めるリツコ。
「合格ね。それじゃ、可愛がってもらいなさい」
アスカの唇から離したローターを持ったままの手で彼女の耳の裏を撫でる。スイッチを入れ、小刻みに震える淫具で性感帯を攻める。
「あっ……あん……」
「ふふ……」
耳の裏からうなじへ、さらに首筋へと滑る指先。機械仕掛けの細やかな振動が、アスカにかつて感じたことのない快楽のさざ波となって拡がってゆく。
「あ……ん……」
乳房の裾をなぞるように円を描く。心地よい波動をもたらすその円形は、何度も描かれるうち次第にその半径を小さくしてゆき、それに反比例して山の頂点を目指して上昇してゆく。
そして、頂上に達したそれは、あとわずかと言うところで頂点を極めず、白い肌と鮮やかなピンク色の境界線をトレースして円を描き続ける。
「あ……ああ……」
アスカを焦らし弄ぶリツコ。彼女が耐えきれず自ら求めてくるまで、決して悦楽は与えない。指も、唇も、このローターも、そしていずれはあのバイブも、アスカ自身の口で紡がれた要求によって彼女にエクスタシーをあたえるのだ。
そう、そうでなければならない。自ら悦楽を求め、絶頂を望むようなオンナに、この少女を作り変えねばならないのだから。
「あァ……あああ……!」
かつてリツコによって為された調教を思い出しながらオナニーを続けるアスカ。愛用のバイブレーターを相手にフェラチオを愉しんだ後、あの時のリツコのように乳首を攻めているのだ。
あのころに比べて、少し濃い色に染まった突起の周囲に沿って亀頭を滑らせる。ヴヴヴヴと低いうなりをあげるバイブは、ローターよりも遙かに力強く淫らな波動でアスカを辱める事ができる。
そして、シリコン製のペニスが敏感な先端に襲いかかる。
「あっ、あっ、ああああっ!」
片手に持ったバイブで乳首を弄びながら、もう一方の手で股間を弄り回す。繰り返された調教と陵辱によって美しく淫らに育て上げられた女体は、さらなる悦楽を求めて熱く疼く。
乳首を存分に犯した亀頭が、次なる獲物を求めて下ってゆく。やがてそれは金色の叢に覆われた丘を乗り越え、肉欲に濡れそぼる泉へと至る。
「はぁっ……ああ……」
素股の要領で、バイブを股間にあてがい強く押しつける。亀頭が会陰に噛みつき、茎は秘裂を割り、肉芽を押しつぶす。
「あああああーーーーーーっ!」
機械仕掛けの男根から流し込まれる振動に翻弄されるアスカ。自分自身の中から溢れ出るローションでバイブをヌルヌルにする。
疑似男根が十分に濡れたところで、片膝を立てて大きく脚を開く。根本を掴むように持ち方を変え、己自身に突き立てる。シリコン製の亀頭が狙いを定めたのは、もう一つの穴のほうであった。
リツコによるローター責めは、アスカにかつてない悦びを与えた。特に、クリトリス周囲を焦らすように責められ、我慢に我慢を重ねたところで与えられる絶頂は、彼女をもう一段階高いところにある楽園を感じさせた。
アスカを安心させるため、リツコは指であれ淫具であれ、処女膜を破ろうとはしなかった。膣口に浅く挿入されたローターは、それでも十分、アスカを悦ばせることができた。
だが、リツコはそれでは満足しなかった。アスカのもう一つの処女地、秘めやかなセピア色のすぼまりに狙いを定めたのだった。
当初それを拒絶したアスカであったが、あの疑似男根を使ったリツコ自身による『実演』を見せつけられた。アヌスに受け入れたバイブによる責めだけで、クールビューティでならす彼女が牝犬のごとく乱れ喘ぐ様は、アスカの好奇心をおおいに擽った。
結果としてアスカはアナル調教を受け入れた。初めは指で。そして淫具を用いての刺激へとそれは移行していった。
「あ……ああ……いい……」
直径25ミリの球体か数珠繋ぎに連なったアナル用のバイブレーターを全部飲み込み、モーターのうなりに合わせて悶えるアスカ。リツコは手にしたローターで彼女の膣口周辺とクリトリスを入念に、しかし巧みに焦らしつつ責め続ける。
「も……もう……ああ……い、イかせて……あああ……」
「ふふ、イきたいの? お尻を責められてイきたいのね?」
「あああっ、イかせて! イかせてぇぇ!」
アスカの哀願に応えて、過敏な芽を指で抓り、ローターを会陰に押しつける。
「ああアアアアーーーーーーッ!!」
陰核、会陰、そして肛門に与えられた快感に耐えきれず弾けるアスカ。
もともと発育のよかった肉体は、自分自身の手で慰め続けた日々のおかげで豊かな性感を誇っていた。
そこに年上の女性の手によって磨きをかけられ、今ではとても処女とは思えない淫らな果実として熟しつつあった。
「ああ……んン……」
高いところから降りてくるアスカ。だが、直腸を擽り続けるアナルバイブが彼女の火照りを冷まさず、そのまま次の頂点へと導こうとする。
そして、リツコもまた、アスカに安息を与えようなどと思ってはいなかった。
「ふふ……」
「あああっ……」
頬への一撫でで甘い悲鳴をあげるアスカ。
「可愛らしかったわ……お尻であんなに乱れて……」
リツコの言葉に己の痴態を思い出し、羞恥の色に茹で上がる。
「このアナルバイブも、もう物足りないんじゃなくて……?」
細身の物から順にステップアップしてより太く、より強力な淫具が彼女の菊門を拡張してきた。
「次はこの子よ……」
そう囁いたリツコが、手にしたモノでアスカの頬を撫でた。それは、初めてローターで愛撫されたときに見せられたバイブ。いつもアスカがリツコを攻める時に使っていたあの疑似男根だった。
「……」
目の前にそれをつきつけられたアスカは、あの日のように飛び跳ねて逃ようとはしなかった。リツコの手が先端を口元に近づけたとき、諦めたかのように目を閉じた。
接吻。
アスカは遂に、それを拒むことなく受け入れた。シリコン製の模造品ではあるが、シンジの分身以外のペニスに唇を捧げたのだ。
リツコは満足そうに目を細め、純潔という名の薄衣をまた一枚脱ぎ捨てた淫らな少女に、さらなる奉仕を命じる。
「しゃぶりなさい」
その言葉を待っていたかのように、アスカは可憐な唇を開き、舌を伸ばして亀頭を舐め回し始める。
そんなアスカの口を犯すように、手にしたモノをゆっくりと挿入していく。
「ふふ……」
唇の純潔を汚されていることに気付いていないアスカ。いや、知っていてそれを受け入れているのであろうか。リツコはさらなる陵辱のため、疑似男根をゆっくり上下させ始めた。
「はッ、あッ、あああっ!」
ベッドの上でのたうつアスカ。アヌスに深々と挿入したバイブから送り込まれる淫らな波動に身を任せ、官能のうねりのままに美しい裸身を踊らせる。
リツコによって開発された後ろの穴は、第二の性器となって彼女に淫らな悦びを与えてくれる。
子宮を裏側から激しくノックし続ける疑似男根による責めが、アスカの胎内を震わせ、そこにとぐろを巻く淫蛇を煽る。
アヌスへの刺激だけでアクメを貪ることもできるアスカであるが、それでもなお、彼女の牝の部分が熱く疼く欲求を抑えることはできない。
「あ……ん、んっ……」
喘ぎながら腕を伸ばし、もう一本のバイブを手にする。菊門を抉っているものと寸分違わぬそれに、先程と同様に唇を捧げる。いや、さっきよりもずっと積極的に、ずっと淫らに舌を使ってフェラチオを続ける。まるで愛しい恋人を相手にしているかのような丁寧な口唇愛撫。
口と肛門への挿入は、アスカの性感を更に煽り立てる。口から引き抜いたバイブのスイッチを入れ、再び乳首を責める。発情しきってツンツンに尖ったそこが、シリコン製の亀頭によって弄ばれる。
「ああっ……アアッ!!」
びくんっ、とのけ反る。手にしたモノを握る向きを変え、その手を下半身に導く。黄金色の叢をかき分け、感じやすいところにペニスをあてがう。
「あああああああ!!」
淫らな振動を繰り出してくる先端を、クレヴァスに、クリトリスに擦り付ける。それだけでイッてしまいそうになるのを我慢し、真ん中に狙いを定める。そして、懇々と蜜を漏らし続ける秘裂に、機械仕掛けの楔を突き入れる。
「あ、あ、ああっ、あああっ!」
アスカの肉体が待ち望んでいた瞬間。膣肉を押し広げて挿入される男根。堅く太いそれが子宮へと狙いを定め、彼女を征服するために攻め込んでくる。両手で根元を押し込み、奥の奥まで受け入れる。疑似男根の先端が子宮口に食い込まみ、そこからさらに奥深くまで犯そうと迫る。
ブルブルと震える亀頭が直接に子宮を叩き、直腸越しの振動と合わせて彼女の女性器全体を踊らせる。
「ああっ! ああ、ああっ、い、いいっ!!」
二つの穴を埋め尽くすバイブレーター。男性器をリアルに模したその形状に、アスカの身体はすっかり馴染んでしまっていた。婚約者であるシンジが未だ到達したことの無い最深部を淫具に捧げ、モーターによって与えられる悦楽の波動に酔いしれる。
そして、彼女はもう一本のペニスに手を伸ばす。リツコがアスカに与えた赤いバイブは計3本。全ての穴を同時に満足させることができるように、これらが与えられていたのだった。
痺れるような快感に身を任せながら、それを口に受け入れる。かつてバイブを見せられただけで驚き慌てふためいた少女の面影はそこにはなく、淫具を自らしゃぶることにすら悦びを覚えるようになってしまった彼女。
口を、性器を、直腸を貫かれることで脳裏に浮かぶ陵辱の記憶。穴という穴に刻まれた男根の形状がそれに拍車をかける。
そう。それらの形状は、陵辱者……碇ゲンドウのペニスを型取りして作られた模造品だった。アナル開発の仕上げとして、リツコの手にしたバイブに唇を捧げたあの瞬間から、アスカは『このカタチ』を徹底的に刻み込まれ、それに馴染むように躾けられた。
そして今、脅迫も強要もされていないというのに、3本のバイブを咥え込み悦楽を貪る。男の前に跪き、可憐な唇で奉仕をする。仰向けになった男の上に跨り、膣洞の奥深くまで受け入れ自ら腰を振る。獣のように四つん這いになり、排泄器官を貫かれる。繰り返された陵辱の日々の記憶を咀嚼し、自らの手で陵辱者のカタチをまたあらたに刻みつける。
「んっ! んんっ! んぐぅっ!」
婚約者以外の男のモノを模したペニスを自ら受け入れ肉欲に乱れ狂う……そんな姿を、彼に見せられるはずがなかった。アスカが、フォトスタンドを伏せたのは、この痴態を見られたくないから、淫らな喘ぎ声を聞かれたくないからであった。そして、訪れる限界。
「うっ、ううっ、ひっ、ひれいひぃぃっ!!」
3本のペニスが同時に射精するイメージ。熱い飛沫を穴という穴に注がれる様を夢想し、アスカは果てた。
「んっ……ああっ……」
ベッドにくずおれた弾みに、口の中のモノが抜けて転がり落ちた。自分の顔に狙いをつけ、なおもブルブルと震え続ける淫具を見つめながら余韻に浸る。
霞のかかったような意識で思い出す。最後の瞬間、自分が口にした名前は……。
その時。
PiPiPi! PiPiPi! PiPiPi!
携帯の着信音。アスカは慌てて立ち上がる。下半身を抉り続けるモノを引き抜き、全裸のままデスクに駆け寄り携帯を手にする。発信者は不明。MAGIに管理されている彼女の携帯電話は、たとえ発信者が非通知を指定してもその番号を表示できるようになっている。それが表示されないということは、発信者はおのずと知れようというものであった。
「はい。アスカです」
電話の向こうの声は、彼女が想像した通りの人物のものであった。
「え……はい。えっ? お帰りは明後日では? 予定が早まった……はい。明日の22時、ドグマで……はい。お待ちしています」
電話は一方的に切れた。アスカは携帯を充電スタンドに戻し、ベッドに視線を向けた。シーツの上に転がる淫具。あの男の模造品。
「……」
明日の夜。22時。
明後日は確か非番のはずだ。アスカのスケジュールをあの男が知らないはずがない。おそらく、夜を徹しての奉仕を求められるだろう。
淫獄の夜。
「ああ……」
甘い吐息。羞じらいに頬を染めたその貌は、知らぬ者が見たら恋する乙女のように見えたかもしれない。
ベッドに近づき、淫具の一つを手にとる。シリコン製の亀頭を見つめ、目を閉じる。
そして、もう一度愛しげに、その先端に唇をよせた。
終