023


 君は今更ながら腑が煮えくり返るような思いを味わっていた。

(くそ、くそ、くそっ! 俺をなんだと思ってやがる!)

 いつしか、その怒りの矛先は警備員からなぜかシンジに、そしてマユミに移っていた。
 復讐しなければ気が済まない!

 君は改めて峻烈な復讐を誓った。
 その一方、君は道が断たれたことも理解していた。
 あの警備員は君を通してはくれまい。
 正面からマンションにはいるのは無理…となると、搦め手で中に入る方法を探らなければならない。ハイテクを過信している…と足下をすくわれるのが常だ。君は、漠然とだがこのマンションには穴があるような気がしている。

(…正面玄関以外に出入りする方法はあるはずだ)

 確率は低いが、それを見つけだすしかない。
 君はその場を離れた。

 以後、以下の事柄に留意せよ。
 君はもうマンションに正面からはいることは出来ない。
 たとえ選択肢にあったとしても無視すること。



 心配するな。
 道はきっと…ある。


 君は広場へ向かった。





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