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Original text:引き気味


『 05:ステップアップ、ステップアップ、ステップアップ』


 昼休みの体育館では昼食を手早く済ませた生徒たちがボール遊びに興じていた。
 ほとんどが男子生徒だ。
 黒いズボンに白のカッターシャツ。制服のままでバスケットボールをパスしあい、その場でドリブルをしてみたりゴールを狙ってみたり。
 天井の高いこの屋内全体でなら十分な頭数が集まっていても、各々が幾つかのグループでてんでばらばらに遊んでいるだけだから、試合をやってるわけではない。
 中には体育服に着替え、半袖にショートパンツと動きやすくした手足を縦横に使って個人対個人で身体能力を競っている少年たちもいた。
 午前の最後の授業が体育だった、そのままでいるのか。午後イチがそうだから、早々と着替えて汗を流しているのか。碇シンジたち2−Aの男子生徒などは後者の類だ。

「かーっ、なんやセンセ」
 勢いよく飛んできたパスを受け取り損ね、ステージ前の低い壁まで飛んで行ったのを『ああっ』と追いかけていくシンジに、鈴原トウジが呆れてみせる。
「ワシらと違て、授業以外でもこってり訓練とかさせられとんのやろー? 惣流みたいにはいかんのかいな」
「ちょっと足がもつれちゃったんだよ。それに別にバスケが上手くなる練習してるわけじゃないんだし、アスカと一緒にしないでよ」
 だんっ、と音を立ててステージの縁から急角度で跳ね返ってきたボールの軌道を片手で軽く切り返し、自分の手元でのドリブルに繋げて戻っていく動きは、たしかに言われるほど運動オンチだとかに見えたりはしない。
 元が転校生だったという一種の下駄を履いてもいたのだが、これでもこの碇シンジ、女子生徒から黄色い声を上げられたりすることもあるのだ。
 まずまず整った顔立ちと言っても良い少年が爽やかに額の汗を散らし、痩せすぎず太りすぎず、適度な筋肉のついた手足を見せつけながら駆けていく。
 そこにミーハーな女子生徒などは喜ぶのではないだろうか。
 男女の視点を入れ替えてみれば、そこに肉欲を駆り立てられる邪な目線も生まれるのではなかろうか。

 ――相田ケンスケがレイに訊いているのは、そういうことであった。

「……っ、っッ」
 ひゅっと息を詰め、とっさに溢れそうだった喉奥からのそれを唇を噛んで殺そうとする。
 火が着いてしまった淫らな子宮を下腹部に抱えて。かっかと燃えるような躯を窮屈な中で強張らせているアルビノの少女は、丹念に秘部をなぶられ続けながら体育館ステージの下に潜んでいるのだった。
「だ、め……」
「へへっ。さすがに肝を冷やしたな。綾波のここもキュッって竦み上がってたの、モロ分かりだったぜ?」
 まさに今、シンジがぶつけてしまったバスケットボールを回収していったその壁の内側だ。
 日頃はステージの下に収納されているそこは引き出し式で。体育館の中央に向かって引いていけば、式典などで使うパイプ椅子がびっしりと横向きに揃えて収められている。 子供の数が今よりずっと多かった時代はステージの横幅分全ての引き出しを使って折り畳んだパイプ椅子を詰め込んでいたというから、結構な広さである。
 現在でも体育館は変わらない規格で建設されている分、実は使用されている引き出しは一列おき。
 背中を屈めて潜り込めば十分レイやケンスケのような子供たちなら中に潜むことが出来るし、事故防止ための退避スペースからはこっそりとステージ横の控え室に抜け出すことも出来る。
 だからレイに、交際中のボーイフレンドである碇シンジが健康的に肉体を躍動させる様を眺めさせながら、どうだい興奮するかい? ああいう力んだとこに浮かんだ筋肉とかエロいって思ったりするの? などと質問しつつ、淫行に耽ることが出来るというわけである。
 二人とも次の授業は出ないつもりなのだろう。制服のまま。
 そしてケンスケはともかく、レイの制服は既にケンスケにまさぐり回され、あちこち肌蹴けているのだった。
 無論、隙間から赤い瞳を切なくさせて覗いているその目の前にボールが飛んできて、小声でも立てればたちまち聞こえてしまうという所まで少年が近寄ってくるなど――生きた心地がしなかっただろうが。
「で、どう?」
「…………」
 どうとは何か。この二人の間ではもはや言わずもがなで伝わっているそれ。ついでとばかりケンスケが促すように手元を蠢かし、四つん這いになっているレイのすっかりいじめられ慣れた膣に突き立てた指二本、人差し指と中指をぬるり、ぬる――りと、入り口から一番突き込める深さまで入れつ戻しつするものだから、
「……ぁ、ぁあ。ンぁぁぁ――……!」
 この薄暗さ、見られはしないだろうというのを幸いにか。或いは、声だけは出してはいけないその代わりにとでもいうつもりでか。普段ならケンスケに抱かれる時でもそう簡単に見せないくらい、レイの表情はあけすけに悦がり啼いてみせていた。
 嗚呼というかたちに大きく開けられた口の中には、縮こまって小刻みに震えている小さな舌。
 小鼻がぴくぴくと動く。いかにも心地良く味わっている風の、瞑った瞼もだ。
「ぁあ、ぁ、ゆび……あなたの、ゆび」
 艶かしく濡れたピンクの唇を、欲情に塗れた懊悩の息継ぎのように更に少女は舐め回す。
「ぁ、はあっ、はあっ」
「……碇さ、まだそこから見えてない?」
 果たして、苦笑交じりに促されたレイの意識はその時どこへ向かっていたのやら。
 綺麗に丸めてある爪先でケンスケが濡れそぼった媚粘膜の只中を掻き出していくと、隙間もない程ぴっちりと締め付けていた膣口からは、ちょっとでは済まない量が垂れ出てくるのだった。
 溢れかえったレイの興奮の徴が、本当はこれからが女として熟していこうという年頃である筈の可憐な秘唇から、トロトロととめどなく流れる。
 それは片手で彼女の小淫唇を押さえつけて開かせ、存分に可愛がってやり易い態勢を整えたケンスケが繰り返す度、丸出しにされた蜜源から次から次に垂れ落ちていくのだった。
 ケンスケも手首までぬるぬるにしてしまっている。
「ほら、良く見てなきゃ。綾波の胸、ぽかぽかさせてくれるヤツなんだろ?」
「ぁあ、ぁああ。……ぁあ――」
 いくら堪えているとはいえ、次第に熱を帯びた本気のものへと。悩ましさを増していくがままのレイのくぐもり声ではある。
 髪と同じ蒼銀の、発毛も未だ僅か。まだまだほんの子供でしかない十四歳の彼女の性器は、指によるピストン愛撫をされるごとに綻んでいく一方。
 ボーイフレンドとの慎ましやかな逢瀬のみではこうはならなかった筈の、女としての浅ましさだろうか。相田ケンスケの手管で露わになりゆく様が、腰までめくられたスカートが垂れ下がる、その手前でびくびくと波打つ少女の白い下腹部であった。
「ほら綾波、足を開いて」
「……ぁ」
 それが何をし易くする為かは、もはや以心伝心とすら言える。それぐらいの関係だ。
 とっくに週の内をシンジより多くの回数で、肉体だけとはいえ繋がり合っている相手であるのだから。
「ちゃんとシンジのやつ見てろよ」
 間違いなく、こうなった今も何かの機会に首をもたげようとしてくるレイの巨大な罪悪感を、羞恥心を、ことさらにいたぶろうとしてくるに違いない。
 それでもレイは素直に足を開いた。
 ああ……、碇くん。
 そう、謝罪のために泣きながら駆け寄りたい気持ちと、少年が気付きもしないすぐ側で別のいやらしい相手に秘所を弄ばれて悦んでいる、醜い裏切り者に成り果てた惨めさ。
 押し潰されそうな心の痛みが、仄暗いレイの欲求に火をくべてくれるのだ。
 既にレイはそれを自覚していた。
「あぁ……ぁ、ぁお……ぉ……!」
 ケンスケがいじっている場所のすぐ上で、菊花のごとき窄まりもが身じろぎ収縮してみせていた。
「さっきり深く飲み込んだぜ? 綾波」
 ケンスケがくちゃっ、くちゃっと手元のかき混ぜる音を聞かせながら、レイに促した。いや、命令した。
「シンジ、今どんな風にしてるか、聞かせてくれよ。ほら」
 『ぁあふ』と喉首を晒して戦慄いたレイは、滲んだ涙に真っ赤になった目を瞬かせて隙間へ顔を近寄せる。
「いかり、くん……。ボールを、ボールを……持って」
 その間もレイの幻想的な美貌を切羽詰まらせるような指の抜き差しで、彼女に起伏のある快感責めを続けているのだ。
「バスケットの……ゴールに、向かっ……っッ、て……ッ」
 ああ、ああと漏らし、くなくなと首を振るばかりのレイでしかない。
 既にしとどと濡らした内股はタオルで拭かねば人前に立てない状態で、今にも崩れそうなくらいぶるぶると下肢を震わせているのに。そのくせ、ケンスケに向かって自分からぐいぐいとヒップを突き出していくような真似さえしている。
 なにしろ、ただ当たり前に校内で過ごしている限り女子生徒に好かれている場面など殆ど見られない相田ケンスケは、実際のところ影でこうやって学年トップ級美少女である綾波レイと抜き差しならない仲だという――それだけに留まらない。
 密かにではあるにせよ、気軽に要求してその通り躯を開かせることが出来る女子が、他にも複数居るのだから。
「アイツなにげにシュートも上手く決めるもんなぁ……。どう? 綾波としては彼氏なんだし。カッコ良いとこ見えてる?」
「いかりくんは、いかりくんは……。ぁ、ぁぁあ、あ! あっ、あっ、まだ深く、まだふかく入るの……? ふかっ、深く……。あいだ、ぃだ君の、ゆび、……ゆびが」
「まぁね。綾波の感じるとこ、こことぉ……ここら辺だもんな。でもそれはそれとしてホラ、シンジのカッコ良いとこ、大事でしょ? 違う? あれ聞こえてない?」
「いい……。いいわ。ああぁ、ゆびが、なかを……わたしの、なかを……」
 口の端から涎も垂らしてとろんと蕩けてしまっているレイは、力が入らなくなった首を床に項垂れさせて不明瞭にぶつぶつうわ言を。そうやって恍惚としているのみだ。
「仕方ないなぁ」
 レイはもう、これ以上は無理なくらい頭が馬鹿になった状態へ突入しようとしている。他ならぬケンスケの手によって植え付けられた、淫乱で欲深な雌のけだものも同然の本能。そんなものが、年齢に見合わない理性によっていつも冷静で、いっそ禁欲的ですらあったかつてのあり方からすっかり歪められた少女にとって、自身ではもうどうにもならない昂りを見せ始めたのだ。
 それを見て取って。ケンスケは一発ばちんと気付けのスパンキングを少女の白い尻朶に見舞い、言ってやるのだった。
「――あぅっ!?」
「しゃあないよね。一度イカせてやっから、ほら尻上げろって」
「え、ええ……」
 蕩けていたところに軽くきついのを貰い、目を白黒とさせるレイではあるものの、既にケンスケによってセックス漬けにされた中毒患者に近いところにいる。
 『綾波のヨワヨワ敏感マンコ、舐めてやるよ』と暗がりの中で耳元に近付けた囁きを聞かされてしまえば、隠しきれない期待を見せていそいそとその為の姿勢をとるのだった。
 レイが丸い尻肉を薄暗がりにぼうっと白くもたげ、そこを鷲掴みにしたケンスケが顔を近付けていく。
「はぁっ……」
 間近に迫った息遣いを感じ取るレイが待ちきれない気持ちを募らせて、熱っぽく喘ぎを上擦らせる。
 ヒップの中心で興奮に息衝いているアヌスも、既にケンスケのものになった場所だ。
 そこから会陰を下へ、たっぷりと充血した姿を見せているレイの一番素直な淫乱の部分へと。挨拶の口付け。
 間を置かずの長く伸ばした舌による、穿ち。
「あああぁぁ……!」
 欲情あからさまなヒクつきを見せる秘唇の中央へぞろりと押し込まれる舌先を、隠せない荒い呼吸で受け入れた少女は、たちまちに声を大きく放ちそうになってしまっていた。
「手のひらでも噛んでろって。シンジとかトウジにまでバレちまうぞ。それとも、ここで止めちまった方が良いのかな。どうせ綾波さんは今週末、シンジとのデートの順番だもんな」
「ンッ、んんっ! んんンっ!」
 いっそいじらしいくらい必死に首を振っている。それは暗い中でも分かる、愚かな女の子なのだ。今のレイは。
 同じ男の子との恋を競い合っていた筈の青い目をしたライバルとも、気が付けばこの相田ケンスケに犯される機会を奪い合っているようなものだ。
 それこそ、腰が抜けるくらいフルコースで犯して貰えるとあれば、抵抗のある同性同士のキスをそのライバルの女の子と演じてみせる程度には、ケンスケに従順になってしまっているのだから。
「……はぁっ、アッ、ぁおおお……!」
 再び後ろから秘部にむしゃぶりついてきたケンスケに、お漏らしも同然にはしたない涎蜜まみれにさせていた貪欲な花園を舐めしゃぶられ、レイは声を殺して咽び泣いた。
 音を立ててケンスケが啜り上げようと尽きること無くとめどもなく溢れ出す淫乱な泉が、今のレイの味わっている幸福感である。
「あぁぁああっ。あいだっ、くッ――。んっあああぁぁぅ!」
「ったく。惣流とレズらせてもこれくらい派手な悶えっぷりなら、良い絵になるのになぁ」
 ぼやくケンスケが思い浮かべるのは、嫌々ながらなのが露骨なところを無理に裸で絡ませてみた、紅白二色の美少女同士によるレズ遊戯場面である。
「まぁ、いっか。それもいずれの楽しみだしな」
 既にこの寡黙なクラスメイトは、気を許した親友とであれば録画メッセージを介した遠隔セックスめいたプレイに美しい声を上げて絶頂を繰り返すくらいには、仕上がってきている。
 同性同士であること自体に、そこまでの抵抗感は無くなっている筈だ。
「さしあたって……そこまで仲が悪いわけじゃない委員長あたりとでもヤらせてみっかな。ほら、とりあえずさぁ」
 ――イっとけよ、と。
 ひぃひぃと悩乱する美貌を捩らせ、必死に口元を抑える下で歯を食いしばっていたレイは、一堪りもなかった。
 振りたくろうとするあまりケンスケががっちりと手形を残す程強く押さえ付ける尻肉を、ビクビクと痙攣させて。本気に出たケンスケのクンニリングスで絶頂へと追い上げられたのだ。
 経験が少なかった頃のレイを感じさせるのにシンジが頼りにしていたクリトリスを、ケンスケが乱暴にこねあげたのがそうだったのか。膣肉を猛然とこすり上げた舌先で、その裏側にあたる膣口近い粘膜をくじられたのがトドメだったのか。
「ンぁ、ぁぁぁあッ、ああっ。良いの……大好きなの、そこを……そこをっ。あなたの舌で、あなたので……それが、それが。わたし、あなたの……っッ!!」
 プシャっと、いわゆる潮吹きを迸らせた刹那、レイの瞳孔はぎゅんと縮こまっていた。
 既に、薄く明かりの漏れ入ってくる隙間の向こうに向けられてはいない。
 暗い中でそうして後始末をしてやるケンスケの腕の中に抱かれていて、おとなしく下着も付けずにいる股ぐらのところを拭いて貰っているレイは、滅多に人に見せることのないうっすらとした微笑みを、たしかに浮かべていたのである。





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