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Original text:引き気味


01.アスカ&レイ 〜共有肉便所調教〜


 おはようと言ってテントから起きだしてきたネルフの人型兵器パイロット、惣流アスカ。彼女は、朝食から訓練が始まるまでの合間のふとした時に、しきりに眉間に皺を寄せては、怪訝そうに首傾げていた。
 野戦服の胸あたりをかりかりと掻くようにして、何か確かめている様子だったのを、マナは思い出せる。
 一緒にこのネルフ・戦自の合同訓練に参加している碇シンジや鈴原トウジ、渚カヲル、こちら側からのメンバーのムサシやケイタ、つまりは男子の前ではさすがに見せずにいた仕草であるが、マナの前では同性ゆえのガードの低さがあったのだろう。訓練開始からたかだかのこの三日目にして、これまでの朝を思い返してみればそうだ確かにとはっきり印象に残っていたくらい―― それだけ頻繁に同じ仕草を見せていたことになる。
 どうかしたのかとシンジに気遣われて、らしくないはっきりしない顔でなんでもないのだと返していた事もあった。

 マナは思う。それもやはり、考え直してみれば違和感のある態度だったのだ。
 以前に会った時の記憶では、ネルフのエースパイロットを自称するあの彼女は、午前の内からでももっとテンションの高い女の子だった。
 その「エースパイロットさん」が、この合同訓練で久しぶりに顔を合わせてみれば、以前通りうるさい位の勢いだったのは初日だけ。二日目からは妙に精彩を欠いていた。
 特に、朝は。



◆ ◆ ◆

 ―― その答えがこれだったのか。
 寝間着代わりに上着を脱いだだけの迷彩柄Tシャツに、じっとりと染み出した気持ち悪い汗。
 マナは、姿勢を低く、自分の胸をかき抱いて震えながら、テントの隙間から垣間見える光景に目を釘付けにされていた。
 
(な、なんで……あの二人じゃ、ネルフの子たちとなんて殆ど面識とか無かった筈なのにっ。どうしていきなり、こんな事まで一緒にしちゃってるわけ!?)
 男女雑魚寝が当然の戦自とネルフは違うらしく、贅沢にも詰めれば六人分が置ける天幕に、二台置かれているきりの折りたたみベッド。惣流・アスカ・ラングレーと綾波レイに割り当てられたそこを囲んで、居て良いわけがない人影たちが、
(ムサシ! ケイタもっ!)
 マナの同僚である戦自の少年兵二人に、渚カヲル―― 『カヲル』と呼んでくれて良いよと、気さくだというより気障ったらしく名乗った彼と、鈴原トウジというネルフ側まで加えた男子訓練生たちの姿が、そこにあった。
 深夜、異性の寝床へ集団で、しかもまともに明かりも付けずに忍び入っている少年達。何を意味するかは明白だ。
 気配を窺えば、このテント本来の主である二人の少女たちは、貞操の危機だというのにまるで起き出す兆しは無く、それぞれが少年らに覆い被されていて尚、声も上げずに寝入っている様子。
(……薬を使ったんだ)
 マナには同僚達の仕業だと分かった。
 ネルフの少年達は肩書きそのままのパイロットなのだろうが、自分たちは事情が異なる。訓練にとどまらず実際の潜入任務までこなしたマナは勿論、そしてムサシ達も。今まさに目の前で演じられている具合にたとえ体中を好き勝手されたところで、決して対象が目覚めないよう眠らせる薬品の扱いについてだって、散々訓練させられているのだ。
 隊内の杜撰な管理を思えば、いくらかの薬品を個人的に持ち出すのも十分可能だったと見当が付く。
(よりによってネルフの人に使うだなんて……。バレたらどうするのよっ)
 被害者にされたアスカたちと同じ女の身としては、見放して当然の所行に出ているのである。心配する義理なんか無いのだろうが。
 けれど、と。
 そこでマナは気付いた。
(そういう、こと……)
 黒一色のテント内に弱い光でぼおっと少年らの顔を浮かび上がらせているのは、ネルフの面々だけが持ち込みを許されていた携帯電話の液晶パネルだ。
 彼らだ。彼ら、ネルフの少年らが手引きしたのだろう。
 ムサシとケイタに、美しい仲間二人を売ったのだ。
 見るからに鼻息も荒く、興奮露わな顔つきで眠れる生け贄姫となった美少女たちを弄んでいるムサシとケイタに比べると、ネルフ組の二名は違う。共犯者のために小さな灯りをかざしてやりつつも、自分たちは一歩引いて見物に徹している。
 その頼りない光源では、マナが付けているのと同じ迷彩柄のアンダーウェアをずらし上げ、引き下ろし、極上の裸身を暴いていても、今手を伸ばしているその場所だけを照らすのが精々。
 だろうとも、そんな程度は支障ではないとばかり、そこだけは暗闇に白く浮かび上がった二人の美しい乳房に、ムサシとケイタは夢中だった。

「うっは、見てくれよ渚さん……!」
 声だけはムサシのと分かっても、顔は半ば闇に沈んだまま。
 何もかもが暗い中でひっそりと、しかし不健康な熱を帯びて行われている。
 鎖骨の位置までスポーツブラをずらしのかされ、その手に揉みしだかれているバストを中心に照らされた中、女の子らしい柔らかな肩の線にかかった髪の色の赤さから、顎までが光の下にある彼女の方もやっと誰なのか判別できるくらい。
(アスカさん……!)
 情熱を思わせる太陽の色の金髪をなびかせて、訓練でも先頭に立ってチームメイトの少年らを叱咤する彼女だった。
 高飛車な位のアグレッシブな気性をしていても、ああも深く眠らされているのでは。
 躯をまさぐる不届き者達に抗う抗わないの以前。全くの無抵抗、つまみ食いし放題のご馳走も良いところだった。
 彼女の躯に流れる血の4分の3が西洋のものだという、事前の資料で把握している話。そこにマナが自分と比べての理由を求めたとしても、なお純白で美しく、形良く膨らんだ曲線を描く羨望の双乳を、ぐにぐにと鷲掴みにされて変形を強いられて、
「惣流のやつ、もう乳首とんがらせてきやがったぜ。ほらこれ、やーらしくコリコリして。今晩はまだ大してマンコの方、いじってないってのにさ」
「んぁ、ぁ、ぅんん……」
 今まさに大人の躯に熟しかける年頃―― 相応の小粒ながら、ぷっくりと健気に起ち上がったピンク色の乳首を摘まれ。乱暴にされ。アスカはむずがるのに似た寝息を漏らす。
 よほど薬の効果に自信があるのか。されるばかりの中から示した反応に、目覚めやしないかという警戒さえしてみせるそぶりなく、ムサシは一方的な愛撫を続行していた。
「うへへっ、またなんともツンっと生意気なとこ見せたりしてさ、これはもうリクエストだよな。昼の高慢ちきの分も入れて、私にお仕置きして下さいムサシ様〜ってさ」
 悪質かつあり得ない口真似の次の瞬間。あろう事か、ムサシはぼんやりとした光の当たる中に顔を割り込ませ、『う〜ンっ、んちゅーっ』とそのしこり立った乳首を吸いしゃぶってみせる。
「んちゅ、ちゅ、んふー。アスカちゃんのおっぱい、甘いでちゅね〜」
「出ぇへん、出ぇへん。そらさすがに無理やわ」
「出るようにさせちゃったら一大事さ。彼女の年齢も年齢だしねぇ。さすがに赤木博士も目を三角にするよ」
 呆れてみせても、狭いテントのそこかしこからぼそりと上がる声はムサシの暴挙を止めるものではなかった。
「ムサシ、おっぱい星人だもん。惣流さんのみたいな立派なおっぱい見せられちゃったら、そりゃノリノリになるよ」
 訓練初日。顔合わせの時から、揃いで着込んだ迷彩服の前を立派に盛り上げていたバストに食い入るようにして、見事に殴られていた相棒をケイタが笑った。
「おうよ。さっすがガイジンさんだぜ。俺らと同じ歳のくせに、随分育ててやがるよなぁ。そっちの綾波もだけど、隊長さんの葛城三佐だっけ? あの美人さんにしたってえらく揉みごたえありそうな凄いパイオツだったし。ネルフって良いモン食わせてるんだろうなぁ。嫉妬しちゃうぜ。この、この! 目一杯揉んじゃる」
「あぅ、っ、んぅんン―― っ。ああぁぁ……」
「んで、ちゅーっとね。ちゅーっ、と。そんでレロレロしちゃうぞと」

 気付けば怒りの火の玉となって暴れ狂うだろう、内気なという形容とは対極にある女の子だ。その、されるがままで横たわっているアスカは。
 所属するネルフとは何かと仲の悪い戦自との合同訓練中の不祥事でもある。只では済ますまい。
 そんな勝ち気な少女が意識を取り戻す気配もないのを良いことに、傍若無人の振る舞い。
 自分から男の手に許す姿など考えもよらない彼女は、まさに高嶺の花。その青い果実である14歳の裸体は、下腹部の薄布の守りさえ無造作に膝へ引き下ろされてしまっていて、脚の付け根が飾り毛も丸々露わなくらい。
 ムサシが立ち位置を変えた時に携帯の灯りが過ぎったその紅茶色の茂みと秘裂の様子には、同性のマナもどきっとさせられた。
 そこだって無事ではない。
 いくらムサシがアスカの乳房にご執心だろうと、がっついた牡の興味が女の子の一番の秘密を見逃すわけがないのだ。
 胸を吸ったり揉んだりしている間、手が片方空いたかと思えば、それを普段最も刺激とは無縁の場所への悪戯に使っているのだった。
「んっ、良い感じに濡れてきてんな。よしよし可愛いぜぇ〜、惣流さんよ。ご褒美にキスしちゃる」
「んんン、ン――
 遂には、乙女の唇さえも。
「……へへ、天才エリートさんの唇、やわっこいでやんの。昼間もこんくらい素直だったらなぁ」
 見事に裸身をひん剥かれてアスカは、上から下まで全て、少年らの良い玩具にされてしまっていた。
「はぁっ、あっ、あっ……」
 上がる、艶っぽい声。
 喘いでいるのと何も変わらない無意識の悲鳴は、レイの方からもか細く聞こえている。
 なまじ意識を眠らされ、無防備でいるために、ムサシの乱暴な愛撫にも素直すぎる程素直に躯が感じてしまっているのだった。
 乳首だって固くなってしまうだろう。
 勝手に綻ばされた性器の花びらのあわいに、蜜の潤いだって生まれてしまうというものだろう。
 アスカたちが彼らの愛撫を喜んで受け入れているかどうかは、関係無いのだ。



◆ ◆ ◆

(ひどい。こんなのって……。アスカさん、綾波さんもっ)
 三角になったテントの屋根に内側からざわめいている不気味な影法師たちは、そんなムサシたちの手元から延びて歪で。本体の心をその通り写し取ったかの如くに見える。
 まるで、暗い森の中に置き去りにされた生け贄の姫達を囲んで見下ろす、木々の魔物たちのよう。
 今や、更に喉のところまでアンダーウェアをずらし上げられ、アスカの可憐なむき出し果実を守るものは無い。覆い被さる、影と一体化したムサシに大食らいの赤子さながらに吸い付かれ、きつく咥内に先端を吸い上げられ、しゃぶり立てられて。当人が知らぬばかりなのが哀れでならない眺めだ。
―― ふぅ、う、ウンンンッ……!」
 ひくんと跳ね上がる華奢なおとがい。
 いやいやと、簡素な折りたたみベッドの上で眠るブロンド美少女は首を振る。
 しかし今度こそ、漏れ出た声は淫らな嬌声のそれに近かった。
 触られる、つまみ転がされるといった悪戯とははっきり別種の刺激があったろうに、哀れな眠り姫の示した反応はそれだけ。
 もっと言えば、さっきの一度きりで光源からは離され、また暗闇に沈んでしまっている彼女の下半身にだって、独りよがりの愛撫は続行されている筈。
 彼女の経験、自慰のやり方など知りもしないことではあるものの、マナの把握する年相応の自慰での刺激とは比べものにならない大胆なまさぐり方に晒されているに違いないのに。
「あぅ……ン、んぁぁぁ……ぁ、はあっ―― ぁ、ああっ! ンぁぁぁっ!!」
 間違い無い。
 高まる悶え啼きの大きさ。反応と裏腹のその眠りの深さに、やはりとマナは戦自の睡眠薬が使用されたことを確信する。
 だからこそ、本来であれば覚醒を伴うべき官能の火照りに肉体を冒されても、アスカは黙ってただそこに横たわり続けているのだ。
(あの薬使われたんじゃ……、ダメだわ)
 確信したことで、彼女の嘆き―― 哀れみは、どうにもならないという諦めを色濃くしていた。
(アスカさんたち、朝まで目が覚めっこないもの)
 きっとそう、悪戯の域を越えて乱暴にレイプされてしまったとしても、決して気付くことは出来ないだろう。
 それぐらいの効果を持つ薬なのだと、マナは知っていた。



◆ ◆ ◆

「よし、よし、よし! もう惣流のやつ、ちょんとベロで乳首突いてやるだけで腰ガクガクじゃん。マンコなんか次から次にヨダレ垂れ流してきてるぜ」
「言ったろう? 彼女は胸が感じやすいんだよ。……いや、全身がかな。体中が素晴らしく敏感な子だから、胸がと取り立てて言うことじゃなかったね」
 はしゃぐムサシと対照的に余裕たっぷりな態度を保ったまま、渚カヲルの声が続ける。
「見ての通りに当人も喜んでいるんだから、そのまま存分に可愛がってあげれば良いさ」
 すまし顔の彼は、極上の美少女が声だけで覗き見るマナの背筋をゾクゾクとさせるほどエロティックにすすり泣いているというのに、本当にそこのムサシらと同じ男なのか疑わしい程の落ち着き方だ。
 もっとも、ムサシ、ケイタと比べて飢えた様子を見せていないのは、鈴原トウジも同じ。ネルフ組の二人に共通してのことだったが。
 その余裕綽々ぶりが、尚更に不気味ではある。
 がつがつとしないで良い理由があるのかと思い巡らせて、マナは暗澹たる想像を浮かべてさえしまった。

「どこから悪戯してやっても、す〜ぐマンコ濡れ濡れってわけか。使い易さげな肉便所女じゃないっスか。ネルフのあんた方が羨ましいぜ。な、ケイタ」
「……んっ、ほんとだよ。こっちの、綾波さんもっ……ッ、フッ。寝てるなんて思えないくらい、締め付け凄くって……!」
 喜色満面のムサシが声を掛けたケイタは、邪悪な感動を分かち合う前にもうハッ、ハッと、浅くリズミカルな息を散らしていた。
 ぎしぎしと、同じテンポでGIベッドのパイプフレームが軋むのも聞こえる。
「ケイタぁ、もう突っ込んでたのかよ」
 ムサシは呆れた顔を振り向かせた。
「ちゃんと濡らしてやったんだろうな? 怪我させたりすっと、後で面倒被んの渚さんたちなんだぜ?」
 生け贄の美少女への挿入にさりげなく一足早く踏み込んで、盛んに腰を振っていた相棒に確かめる。
 こちらの凌辱もすぐ隣でだというのに。まるで気付いていなかったくらい、ムサシはムサシでアスカの反応を引き出すのに夢中だったというわけだ。
 確認する声にはその事に思い至ったらしい照れ笑いが混ざっていた。

「いんや、問題無しやで」
 ムサシに答えたのは、ケイタの傍らで照明役をしてやっていたトウジだった。
「綾波のやつもえらい濡れ濡れでのぉ。顔の方照らしてやっとると、おンもしろい百面相やったわ」
 と、へらへら笑いつつ。いやらしくもご丁寧な解説を繋ぐ。
「んー、とか言うて嫌がっとる感じやったのにな。それがだんだん顔真っ赤にしていきよって。終いに、鼻できゅんきゅん子犬か何かみたく可愛らしゅう啼きだしたと思うたら、このザマや」
 ほれ見てみいと、レイの顔の上に携帯を動かしてみせた先、
「ふはっ、あっ、ああぅ……! うっ、うあッ、あっ……ああっ……いやっ、あっ、ああぁ―― ぁ、あ……っ」
 レイは随分と悩ましく、そのほっそりとした肢体を悶えさせていたのだった。
 固く瞑った目蓋。ルビーを思わせる紅い瞳は、今は長い睫毛が震える下。
 白皙の頬は火照りきって赤く、眉根がぎゅっと寄せられて、苦悶の表情とほぼ同じ。
 しかし、愛らしい唇が吐くその悲鳴―― 獣欲を滾らせた牡の耳などには、いかにも心地良い小鳥の囀りでしかない―― を聞いていれば、このアルビノの少女を苛んでいるものが、痛覚に訴えるような類とは違うのだと、容易に知れたことだろう。
「ぃぅ……ぅ、ぅぁっ、あっ、ッぁ……ぁ、ぁっ」
 ひっそりとケイタによって嬲られていた彼女は、声の大きさこそは眠っているままだという分を含めてまだか細く、聞こえ難かったものの、
「ひぅ……っ、ッうんんん……! っ、ンぅンンン……っ、っはぁぁ……ぁっ、あぁン……」
 その中身そのもの、とにかく感じてしまってならないのだと伝える喘ぎ自体は、傍らであんあん啼かされているアスカに勝るとも劣らない淫らがましさなのである。
 生白さの目立つ喉首もくねくねと、悩乱ひっきりなしの振りたくり。
 横顔にかかるプラチナシルバーの前髪が、ざんばらに乱れきっていた。
「……ぅ、うぁ。ぁ……ああぅ、ぅ、ぅンン……」
 訓練中であれば厳しく凛々しく引き締められている口元に、だらしなく涎が垂れる。
 神秘的な面差しに、はっとする色気が差しこんで見えた。
 そして上半身は小刻みに、びく、びくと踊り跳ね続けていて。昼間のクールな雰囲気を裏切る有様で暴れる両乳房が、量感たっぷりに左右ばらばらへ汗を飛ばす。
「なっ? ええ具合のサカリっぷりやろ? こっちは浅利が気張って可愛がってやっとるんやし、心配せんでええで」
 トウジの声に励まされたのか、ケイタがぐいっぐいっと前後させている腰の動きは勢いを増した。
 同時に、暗闇の中で舞うがごとき、レイの汗に濡れた肢体のくねりぶりも加速するのである。
「はぁっ、ぁっ、ぁくっ、っッ……っハッ、はふ―― !」
 薬品を使われた深い眠りの中にありながら。レイは、肉体だけがケイタの強いる激しい運動に付き合わされ、応じきっているのだった。
 自身は知らず、体温は切なく上昇していくばかり。カッカと官能に火照りゆく。
 ほつれ毛が張り付く首筋や、乳房の表面に浮いた玉の滴は、寝汗で説明が付くものではないだろう。
「……ぅぁ、ぁぁっ、あっ」
 それでもあくまで未だ、囁く程度の喘ぎ声だった。
 けれど淫靡な寝息を洩らすレイの唇は一時たりと閉じられることが無く。はふ、ふはと短い息を切らすのと織り交ぜつつ、その濡れくぐもった囁きだけで、このテント内の暗闇全てをねっとりかき混ぜんばかりだ。
 絶えず、絶えずに、可愛らしく喘ぎ囀り続けているのである。
 どこか甘い香りが辺りに漂うのは、ただの錯覚だったものか。それとも、生け贄の少女達の発汗が、甘いミルクのような思春期の体臭を身悶えと共に発散させていたのだろうか。

「はぁぁ、ぁ、あぁう――
「はっ、は、ハッ……可愛い声だよね、綾波さん。ハッ、はぁっ、っッ、……訓練の時はちょっとぶっきぼうで、あんまり喋ってくれないん……だけどっ」
「そやな。この声で『イクぅ』とか言うてもろたら最高にエロいやろなぁ」
 腰をレイの下腹部に重ねて屈め、ぐちゃぐちゃという粘膜同士をぶつけ合わせる音を立てているケイタに、トウジが相槌を打った。
「なんちゅうかこいつ、頭良いくせにエヴァやらと関係あらへん事には時々えらいガキっぽく見えよることあるやろ?」
「うんっ、分かる気がする、するよっ。ッっうぅ〜ッ」
 ぼうっと液晶パネルに照らされる美少女の悶え貌を見下ろし、片方はさらに彼女の股間を貫いている真っ最中だのに、世間話めいた暢気な声を交わす。
「綾波さん、川で跳ねてる魚見た時とか……凄いびっくりしてたしっ」
 あれも可愛かったなぁと、イガグリ頭の小坊主面でケイタが頬を赤らめるのである。腰を激しく振りながら。
 『気持ち悪い顔すなやっ』と小突くトウジに、ふてくされて見せたりのふざけたやり取り。
 二つの強大な軍事組織の合同訓練中に、主役とも言える重要人物の少女らをレイプする。そんなとんでもない真似をしているという自覚があるのか無いのか。
 二人は結局、綾波レイの魅力をその幼さにもあると結論付けたようだった。
「イケナイ事させとるっちゅう感じがええんやな。チンポおっ勃つで、ほんま。脱がせてみよったら、下の毛も生えとらんとツルツルやったし」
 パイパンっちゅうやつや、などと勝手な言い草。それと共に、ついっとライト代わりの携帯の向きが変えられる。
 スポットライトと呼ぶには大分輪郭のぼんやりとした円形の光が、両の手のひらを広げて並べたぐらいを範囲にうっすら照らしだす。それが限界。
 だろうが、今まさに無毛の秘部を牡の生殖器官に串刺しにされ、大きく下肢を割られた格好で犯されているレイの場所を少年らの目に晒すのには充分だ。
「……うほほ。ガキやな、まんま」
「んっ。だ、ねぇ」
「だっちゃうのにまぁ、浅利のチンポで見事にぐっさりや。えらい惨い眺めやで、これは」
 闇の中に浮かび上がる、いかにもすべすべと滑らかな肌の下腹部と、さらけ出された生々しいピンク色粘膜の花びらの部分。
 やはり股間の盛り上がりには、14歳の年齢のわりに恥毛の一本も生えだした兆しが無い。幼いの一言だ。
 その直ぐ真下で無残に割り広げられたスリットに、肌の色のまるで異なる男の物が潜り込み、ぬるぬるの粘膜を引きずり出し裏返らせしつつ、突きまくっているのからすると、随分とギャップのある光景。
 ぐちゅり、にちゅりと。蜜にまみれた秘唇が、いかにも儚げな花唇の造形を掻き回されている。
 ピストン運動の復路で時折大きく血管の浮いた竿が引かれると、一瞬現れるケイタのエラと共にめくれた花ひだが『ぴゅっ』と、濡れそぼちから滴を飛ばしもする。
「……っはぁぁぁ―― 。ぁ、ぁ……ぁぁ、ああぅ! ぁああぅ……!!」
 綾波レイという少女の性器は、立派に女の潤滑油を分泌して、いやらしく牡を迎え入れられる成熟を示しているのに。
 新雪の色より増して穢れを知らぬかの透き通った肌は、豊かな胸や尻の辺りと裏腹に幼子じみて肉付きの細い手足以上に、何やら侵さざるべき禁忌に触れてしまっている気にもさせる。
 だが、乳房の頂に充血して見て取れる乳首とその周りの乳暈は、驚くほど発達して大きいのだった。
 濃いピンクに紅潮したそこだけは、もう大人の女と呼べるのではないだろうか。
 当然の勢いで左右の乳首とも共にこれ以上なくぷっくりと膨らみきっていて、下半身を照らすついでで闇の中ちょっかいを出すトウジの指にいじめられ、『ひぅぅ―― !』と、甲高い喘ぎのスイッチと化している。
 綾波レイという口数の少ない女の子は、衣服の全てを剥ぎ取られてみれば、そんなアンバランスな美を備えた体つきをしていたのだった。
 顔の方はまた闇に沈んで、声だけで弄ばれぶりを伝えているのが余計に淫らがましい。
 その有様を隣でやはり悶えるアスカと比較すると、よりレイの方が淫乱な性質を秘めていたかに見えて。まだ付き合いの浅いムサシやケイタを唖然とさえさせるのである。
 固唾を呑んで覗き見るマナを、知らず熱い息で慄かせるのである。



◆ ◆ ◆

(うっわ、わわっ……)
 潜入工作向けの訓練で鍛えられたが為、夜目が利く、利いてしまうマナにも、この淫らな眺めははっきり見えた。
 目撃出来てしまった。
 レイとケイタの繋がっているその場所の、波打つのに似たラヴィア粘膜の動きまでもが、全て。
 幼女のようにつるりとしたレイの股間が揺さぶられる度、ぐにゃりと秘唇のこじ開けられ方が大きくなり、目を奪う濡れ花肉が露呈される。
 暗闇に浮かぶ、真っ白な開脚下半身。
 そのアルビノの肌色をした股間に隠されていた裂け目の、官能的なローズピンク。
 これだけ鮮やかなコントラストで際立たせられては否応なく、レイの犯しに犯しまくられている性器部分は見る者の視線を釘付けにする。
 そこが―― レイの秘花が、凌辱に踏みにじられるばかりでなく、自分からもヒクヒクと腿の内側の皮膚をひくつかせ、携帯のライトにてらつくほど蜜汁にまみれて、膨張した「オトコノコ」を食い締めている。
 同性なればこそか、羞恥の現場を晒しているのは自分でないのにせよ、マナの頬は熱を帯びた。
(あんなに、なっちゃうものなの……?)
 そろそろと、そうっとずつ。テントの入り口横に膝を屈めた姿勢はそのまま、重心の位置を変える。
 同じ体勢を保ち続けた膝の裏に痺れが生じていたのだ。
 だがこれを、マナは意識せずやっていた。
 四方に配るべき注意の粗方も、テントの内に。
 教官に叩き込まれていた隠行術からすれば、落第も良いところだ。
 『トクン、トクン、トクン―― 』と。自分の肩を抱くように、ぎゅっと交差させた腕に押し潰していたマナの胸の奥、鼓動が早鐘を打っている。
 同じ隊内といえばヤりたい盛りの男の子達ばかりの少年兵をやっているマナだ。自分では興味が無いつもりでも、自然に耳年増じみて知識は蓄積されていく。
 けれど、
(こんなの見たことない……)
 あうあうと、動揺がマナの口元の無意味な動きに現れていた。
 女子で何かの折の悪ノリに巻き上げたポルノ雑誌で見たセックスシーン写真、ハメ撮り投稿とかいう生々しくどぎつい代物よりも、同い歳の少女が目の前でまざまざ見せつける性本能の貪欲さは、衝撃的だ。
 
 いつしか、綾波レイの上げる声は囁くという程度ではなくなっていた。
 甘い啜り泣きは既に、耳を澄ます必要も無いあからさまさを呈していた。
 ―― そして。今のマナの、その鳶色の瞳を見開かせているのは、同僚達の卑劣な犯罪を知った驚愕ではなくなっていた。
「……ぅわ、わ……。綾波さん……、いやらしい……」
 ため息が上擦る。
 もう一度、誰かに聞き付けられるのを恐れるようにしてそっと吐き直した息は、月も出ていない湿った夜気に切なく掠れた。
 久し振りに再会したあの第3新東京市の少女達の思いがけない痴態に、期せずして触れてしまったマナ。マナ自身にだって、テントの内から漏れる淫らな空気は、少女達の甘ったるい匂いを届けていたのである。
 かたたっ、かたたっ、と震えの収まらない腕だ。最早。
 押さえ込むように力を込めれば、その時押し潰される胸の膨らみでは、スポーツブラの下の頂がどうなっていただろう。
 そぞろになった意識には上らない水面下に二つ、甘い疼きの発生源がツンと半立ちに。
「うぁ、ぁ……」
 胸喘がせて、息を零して、強く自分を抱きしめる。
 無自覚の行動に、そうすると腕の裏で乳首が潰せて気持ち悦いからなのだと、すり替わりつつある理由のことを悟れるわけがなかった。
 現れつつあった変調を、やはり自分では気付けずにいるマナの耳朶を、また熱く、
―― あふっ。ふッ、フ……ッぁぁあぁン、あっ、ああっ、ぅああッ……あ!? あくっ、くはぁ……ぁ、ぁ……」
 レイの淫らな悲鳴がつんざいていく。



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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)