Convenience Harlem 2



若美母・淫熱感染の朝

―― ピン、ポン♪

碇家のチャイムを鳴らす、毎朝恒例の少女たちの来訪。
朝食の準備にくるくると忙しくキッチンで動き回っていたユイは、いつもの笑顔で出迎えようとするその前に、そっと隠した溜息を吐くのだった。

「また今日も……早いのね、あの子達」

ユイの知らない以前はともかく、自分から起きるという習慣を持ち合わせてはいないような朝のシンジ。彼に、目覚めの挨拶の一番乗りを競う彼女たちだ。
ドアを開くと案の定の見慣れた顔が並んでいた。

「おはようマナちゃん、マユミちゃん」
「おはようございます」「おはようございます、おばさま」

少しでも早くと走ってきたのか、二人の顔は薄っすらと紅潮している。

「えーと、アスカさんは……?」
「ふふ、まだ寝てたみたいだったけど、貴方達が来たから―― ほら、慌ててるみたい」

昨日よりも早くにセットしたらしい目覚めし時計を更に追い抜かしてやってきたライバルの気配に、文字通り跳ね起きたのだろう。
そんなドタバタとした物音が奥から聞こえてくる。
それを聞いて挨拶もそこそこ、マナは人様の家で失礼にならないギリギリの早足でもってすっ飛んでいく。
マユミは一足遅れて―― 育ちというよりは性分なのか、その脱ぎ捨てた靴を向け直して自分のものと並べてから、照れ隠しのようにペコリと頭を下げて後を追って行った。
なによりアスカの部屋のドアはシンジの部屋のそれと真正面に向かい合っている。同居しているという以上のアドバンテージで、これを覆すのは難しいと日を追うごとに少女たちの朝駆けは早くなってきているのだが、それで叩き起こされる側のシンジにも不平不満は見られない。

そりゃあ、ある筈が無いでしょうよとユイは思うのだ。
今更隠すつもりもないのか、はじめは息を殺すようにしていたその“モーニングサービス”も、今では時間に余裕があるのを良いことに、ずっと濃厚に、声も露に戯れているのだから。

「……親のわたしが居るっていうのに。時代が変わったのかしら……」

息子が異性に人気があるというのは母親として嬉しくも誇らしくもあったのだが、そうそう素直に『お嫁さん候補なのね』と微笑ましく見ていられる程度を越えた関係にあることは、ユイの悩みであり、また寂しく思うところだった。

二人を見送ったまま伺うシンジの部屋の雰囲気が、みるみる内に変わっていく。聞こえるはずの無い衣擦れの音や、濡れた舌音まで伝わってきそうだ。
あてられる身のことも考えて欲しいと、顔を赤らめ立ちつくすしかないユイ。
茫となってしまっていた暫しを置いて、慌てて開けっ放しのままだったドアに振り返ると、いつの間にかやって来ていたレイが、ユイには良く分からない静かな表情のまま、

「あ、あら。おはよう、レイちゃん……」
「…………」

黙と一礼して目の前を過ぎっていった。

「はぁっ……。やっぱり私が甘いのがいけないのかしらねぇ」

自覚してはいる。それでも結果として黙認するしかない形になっている、強くは言えない自分に溜息を零すしかない。

元の家主のミサトが部屋をユイに明け渡した―― と言うか、シンジ達の保護者役から逃げ出した時に散々脅されていたけれども、実際に同居して感じる身の置き所の無さは、想像以上なのだった。
特に軽んじられているという訳でもなかろうが、シンジの誘惑に忙しい少女たちにも、そしてシンジにとっても、ユイは既に出来上がっていた生活の中に後からやって来た異分子だ。
若さもあるし、互いが競い合うことで一種エスカレートし続ける今、最優先事項は(変則的に過ぎるが)恋人たちの時間となって無理は無い。
結果、本来ならば今更母親面をしてみせようのない立場の自分が脇に置かれるのも当然だと、分かりもするし、そう自分に納得させてもいた。

―― だが、やはり寂しいのだ。愛しい我が子の朝を、自分の声で起こしてやれないことは。

それは世の母親達にとって本当にささやかな願いの部類だと思うのだけれども、少女たち四人が、群がるにはあまりに小さいベッドの上で身だしなみを整えたばかりの制服を乱し、下着の底へシンジの手を導こうと争っている部屋に乗り込める程の強気は、とても持てそうにない。
ミサトですら、からかいのネタにするどころでなく逃げ出したのである。
ここでは不利となるような育ちの良さを引きずっているユイには、通常の親達が遭遇しうる可能性の遥か上をいく息子たちの振る舞いは、あまりに過ぎる過激さなのだった。

「……や、やだ。わたしったら、何を考えてるのかしら」

自分とうり二つの顔をしたレイが、シンジの部屋に入っていって何をしているのかと。浮かぶ光景は、ゆったりと微睡み半分の薄い笑顔で仰臥するシンジ。
そのパジャマのズボンをブリーフと一緒にアスカやマナの小さな手が引き下ろし、朝の血流で硬くなった姿を見せるところへ、二人ピチャピチャと舌を這わせている―― とても成熟前の年頃とは思えぬ淫蕩の面差しの並んだ隙間へ、自分には持てない押しの強さで割り込んだレイが、そっと顔を近づけていく。
肌の青白さとは対照的な瑞々しい桜色の唇を、確かな奉仕の意思を見せてためらい無く、膨らみ勃った雄々しい穂先に与える。
チュッ、チュッと、そしてチロチロと、真上から含んでしまう先端や、少年が最も表情を悦とさせるくびれたエラの部分をも、温かな舌で丹念に愛で舐める。
合間に『はあっ』と、切なくさせた吐息をくすぐるように吹き与える。
そんな、ユイには出来ない淫らなキス。

或いは――

先客たるアスカ、マナ、マユミが壁に並んで手を突き、尻を差し出しているシンジの狭い部屋。
窓の無いそこを早朝から芳しい少女の匂いで充満させながら、その発生源たる泉に順番に獣器を突き入れられるのを待っている横へと、レイも並んで手を突き、倣うように制服のスカートを腰まで捲り上げる。
心持ち唇を尖らせた顔で横目に見るのは、シンジがマユミの背中に立ってショーツの脇から腰を振るっているからだ。
パンパンと安産型のまろやかなヒップに下腹を打ち付け、膣肉を突き解し、どこか深窓の令嬢のように淑やかな雰囲気を持つマユミの顔を、存分に与える交合快楽で歪ませている。
そうやってマユミが『ああ! ああっ……!』と長い黒髪をのたうたせている間にも、左右のアスカとマナの疼きには差し伸べた両手が陰唇を揉み解し、『ひぃん』と、『イイっ!』と悦ばせてやっている。
なのに、端のレイは蚊帳の外。
最後に遅れて来たが為に、もうショーツの薄い股布をじゅくじゅくに性器に貼り付かせ、花びらの形を浮き彫りにさせてしまっていても、シンジの指も差し込んでは貰えずにいる。
その羨ましさが、もじもじと腰の落ち着かないレイの欲情へと繋がっていき、終いには犬じみた荒い息でハァハァと焦れ喘ぐようにまでさせてしまう。
じっと壁に手を当てた姿勢のまま切なげな目で『早く、はやく……!』と啼き、ほっそりとしたウェストを揺すってひたすらにねだり続ける。
そうまで待ち望んだインサートには、あの無口なレイが声高に、自分とそっくりなあの顔で悦がり叫んでしまう。

そしてそんなレイに、シンジが抱きついた背中から優しいキスを見舞う――

「ああっ!」

脳裏に生々しい現実感を伴って上映される息子たちの痴態を、必死に振り払おうとするユイ。
味噌汁の鍋を必要以上にぐるぐるとお玉でかき回す。その足元では、何かこみ上げる感覚を殺すように、ぎゅっと足指に力が込められていた。

「どうしようかしら……。そろそろ時間だわ」

どうしても意識することを止められないでいる目が泳ぐ。
時計の指し示す時間は、いい加減に食事をして支度しなければならない頃合だ。

「遅刻……しちゃうものね。母親だもの、私が―― 呼んであげないと」

落ち着き無く視線を時計と鍋とに行き来させていたユイは、誰にとも無く呟いた。

もう少しだけ、もう少しだけ待ってみましょう。
そう冷静にと自分に言い聞かせながら、濡れてもいない手をエプロンで拭う仕草。
子供たちの部屋に続くリビングの奥をそっと伺えば、やはりこの27歳のままの淑女の耳には刺激が過ぎる睦声が、四種類の囀りで漏れ聞こえていた。

「いくら何でももう止めにしなきゃって、あの子達も分かってるわよね。……そうよ、服を直して、あの子達がちゃんとした頃を見計らってあげれば、何も恥ずかしいことなんかないわ……」

そっとそっと、ユイは廊下に足を忍ばせた。
少女たちの声が大きくなる。破廉恥にシンジを求め、シンジがくれるいやらしい持ち物をあからさまに言葉に出して呼んでいる。
聞くだけで、ユイに火を吹くかという羞恥を覚えさせる艶やかな響きだ。

―――― !?」

シンジの声が聞こえた。
まだ変声期も迎えていない、少女のものにも間違うその声で、彼女の息子がマユミとマナを褒めていた。
二人の乳房の感触がイイのだと、その違いを事細かに上げながら笑っている。

「あ、あの子ったら……」

マユミは細い体をしているのに胸が大きくて驚くだの、マナのオッパイの感触は弾むようだのと、同時に触り比べて言っているのだと容易に分かる。

それはマナー違反だ。女の子のからだの特徴を一々他と比べるなんて……! 
今や血が上りきって普段の明敏さの半分も出せないユイの意識はそう難じたが、その思考の軌跡を追い越すように続いたマユミとマナの『はぁン……!』と喜ぶ嬌声が、寧ろユイの感覚とは逆の印象で彼女たちには聞こえているらしいと伝えていた。
上がった抗議はレイとアスカのもので、自分たちの胸も触れと要求するものだった。
そして二人の声もすぐに乱れたリズムに跳ね上がる。
ドア一枚を隔てたユイのすぐ傍で、たった今さっきに朝の爽やかな空気と共に挨拶をしていた中学生の少女たちが、大人のユイも顔を赤らめるようなハーレム遊戯に耽っているのだと、赤裸々に教えるのだった。

(この、向こうで……)

いかにも嬉しそうな、幸せなのだという甘ったるい媚声が、幾重にも重なってドアの隙間から漏れている。
ユイは誘われるように顔を近付けた。
あくまで声を掛けるタイミングを見計らうためだから、仕方が無いのだと言い訳して、そっと隙間に目を当てる。

(あ、ああ……!)

ユイの息子はベッドの上で両脇に少女を抱えていた。
艶やかな黒髪をまっすぐ清楚に伸ばしたマユミと、性格は一見反対でありながらいつも一緒にいる活発な少女、マナ。
そうしてもう二人、ユイとも深くネルフの縁が結ぶアスカとレイが、枕元と足元とに、うずくまる猫のように控えている。その見ている前で、それぞれマユミ達の肩を抱く左右の手を伸ばし、乳房をオモチャに遊んでいた。

「ふっ、ふんン……シンジぃ……ぃ」

ブラウスのボタンを全部外してしまって、ブラジャーのカップも鎖骨のあたりに押し上げてしまったマナが、鼻声でむずがっている。
剥き出しにした未発達の乳房の―― しかし健康的な曲線は、少年の手の中にすっぽり包まれ、ギュッギュッとゴム鞠を思わせる弾力を示す。
リズミカルな手付きは、時に下から掬い上げるように、

「やぁん、あんん……」

時にサディステイックに、萌え初めの果実をひねり潰すように、

「あきゅっ! くふっ、はぁぅっ!」

楽しそうに揉みこねる五指で自在に変形させられるのを、息を弾ませ、好きにさせていた。
そうして少年の堪能している反対側の膨らみにも自身の手をあてがい、熱心に揉み続けている積極さ。

「ふふ、マナは胸をいじられるのが好きなんだ」

くすぐったいような吐息を浅くシンジの喉元に続けながら、マナは、うっとりとしていた鳶色の瞳を薄目に開いて、『そうよ』と見返した。

「シンジがいっぱい揉んでくれなきゃ、わたしのオッパイも大きくなってくれないんだから。シンジはマユミみたいなおーきいオッパイが好きなんでしょう?」
「そんな……」

マナの少女らしい嫉妬を含んだ声に、少年を挟んだ反対側で、やはり脇に抱えられて胸を触られていたマユミが恥じ入って顔を俯かせる。
相変わらず以前に転校してきた時と変わらない、一中とは異なる制服姿。
マナと違って前を大胆にはだけたりはしていないが、代わりにブラウスの裾がスカートから引っ張り出され、へその窪みが見えるお腹から、奥へ奥へとシンジの手が入り込んでいるのである。
狙って捕まえてしまっているのは、勿論、彼女の同年代では抜きん出た質量感を持つ双丘だ。

「ああ、気にしなくたってさ。マナのオッパイ、好きだよ。僕は。……勿論、山岸さんのオッパイも好きだけどねぇ」
「あん、ああん! 碇く、ん……ンっ。あっ、あっ、あっ……!」

薄黄色のスクールベストを豊かに持ち上げるその隆起を思うさま弄ぶ手の動きは、服の上からもはっきりと分かる。
ぐにぐにと左右交互に遊ばれて、セクシィに身をくねらせるマユミ。
乱れた前髪が俯き加減の目元を隠し、喘いでいる口元の黒子が随分と色っぽい。
普段、レイとはまた違った性質の大人しさで佇んでいるこの日本人形の様な少女は、ベストに這い回る蜘蛛よろしく影を浮かび上がらせる手が、丁度乳房の頂で執拗さを見せるようにした時、一番の濡れた声色を聞かせるのだ。

「あっ、あ、いかり……くんっ! そんな……、ぁ、いじわるっ……しないで下さい……!」
「うん?」
「ずっと……ずっと、そこばっかり。わ、わたしは……ぁ、ああっ!」
「でもさ、山岸さん、好きでしょう? ねっ、ココっ」
「ひゃうん……!」
「あはっ、マユミったら感じてる声ぇ。おっきぃムネより小さい方が感じるって言うけど。マユミのは感度も良いもんねぇ」

自分もやはり気持ち良さそうにしているのに、シンジが初心な友人をからかえば調子を合わせ、羞恥を引き出し喜ぶマナの小悪魔ぶり。
そのマナの胸でも、シンジはツンとした桃色の木の実を指に挟んで、コリコリと摘んでいる。
もう片手で同じことをされているのだろうマユミは、しかし、友人達にその立派な乳房を弱点だと言われるだけある―― ずっと過敏な反応を見せていた。

「イッ! アッ……、ハァァアーッ!!」

官能の慄きのまま、あてどもなくベッドの上を彷徨うたおやかな指が、ぎゅぎゅ、ぎゅーっとシーツを掴み、力を込める。
弱気な程おとなしい性格も一変したかの有様で、制服に包まれた肢体がうねり躍り、たらたらと口の端からの涎がこぼれ流れるおとがいは、乳首責めの引っ切り無しの絶叫で震えている。
狭いシンジのベッドだ。しっかりと少年が抱えていなければ、そのまま床に転げ落ちてしまったかもしれない。

「あぁ〜、ぁ、ああ……っ、わ、わたしっ。い、いかりくん……!」

マユミは制服の襟からのぞく白磁色のうなじをくねくねと捩じらせて、胸だけでイッてしまいそうなのだとか細く訴えた。

「うん。分かるよ、山岸さん。山岸さんの乳首、気持良いって随分カタくなっちゃってるし。こうやって転がしたりしちゃうと、たまんないんだよね」
「だ、だめです! そんな―― っ、されたら……! あ、ああ……」

ガクガクと背を仰け反らせつつも、一心にシンジの肩にしがみ付くマユミ。
官能の高まりと重ね合わせて、寄り添い寝そべっている足元もスカートを大胆に乱しながら藻掻き苦しみ、つま先がヒクヒクと反り返っている。
その様子に、胸だけでアクメを迎えてしまうとはどんな快感なのかとユイは息を呑んだ。

(はぁっ。シンジの指……あんなに動いて……)

チェロをずっと続けていたんだったと語ったことを思い出す。
繊細な音色を楽器から引き出すことに長けたあの指が、それほどに心地良く女の急所を可愛がってくれるのだろうか……?
知らず知らず、エプロンの下に右手を忍ばせ、熟れた胸を触り始める。

(いやだわ……。わ、わたしったら、こんな覗きのような真似をして……)

自覚の無いままにユイがピンと屹立させていた淫らな先端突起には、すぐに慰める手探りとなって息を荒くさせていった。
求め始めた欲求を散らしつつ、隙間から食い入るようにマユミのその瞬間を伺う。
手足と体の全部で昂ぶりを表していた様子からは、爆発は今すぐにもと思える。その刹那に、ユイが礼儀正しい子だと評価していたあの少女が見せる、おんなの貌が見たかったのだ。

しかしユイは、そこで少女がシンジをいじわると呼んだわけを知った。
彼女の息子が、それまでに見たことも無いような薄っすらとした笑い方をするのを見た。

「そんな……! ああっ、酷いです、碇君……」
「なぁ〜に言ってるのよ、マユミ。ここでイッちゃったらアンタ、後は全然ダメのグニャグニャになっちゃうでしょ?」
「約束だったじゃない、山岸さん。今朝は最後まで付き合ってくれなきゃ」

唐突に中断される愛撫。
悪戯な手を止めてしまったシンジに調子を合わせ、枕元で控えていたアスカからもニヤニヤという揶揄が。
マユミが啜り泣いて続きをせがみ、容れられないと知って自らの手で昇りかけた感覚を取り戻そうとするのを、二人協力して抑え込んでしまうのだった。

「ひ、ひどい……。お願いします。せ、切ないんです!」
「ダ、メ、よ。うふふ」

マナと同様にブラウスをはだけ、形の良い乳房を惜しげもなく晒しているアスカの、興奮を隠し切れない含み笑い。

「ああ、どうして……!」

少女が長い髪を振るって訴えても、シンジの手は彼女の張り詰めた乳房に張り付いたまま、求める刺激を与えてくれない。
まだしも完全に離されてしまっていたならば、なんとか火の鎮まるのを待って凌げたかもしれないが、白桃の胸肉全体にも、なまじ高感度に尖らされてしまった乳首にも指は掛かったまま。
言ってみれば焦らすような微かな接触摩擦を、ヒリヒリ、ヒリヒリとマユミに伝え続けているのだ。

「言ったでしょう、マユミ。シンジのミルクを飲ませてあげるんだから、イクならその時、シンジと一緒にね?」
「マユミ一人で、ちゃ〜んと最後まで飲むのよ」

どこか残酷な口調。
涙をいっぱいに溜めた目で見上げるマユミに、アスカとマナは口々に言い立てる。
しっとりとした美貌を弱々しく曇らせる生贄の少女に、まるで示し合わせた虐めを行っているようにも見えたが、それは羨望の裏返しなのだと、彼女たちの只事ならぬシンジへの執着を知るユイには分かった。
アスカたちの瞳に浮かんだ色がそれを示していた。

(あ、あれを……シンジの精液を……飲む、の……? マユミちゃん……!?)

きっとおそらく、マユミにさせようという吸精の行為には、ユイが私には無理だわとその恥辱感を思っても―― 彼女たちが羨むだけの、魅力的なものがあるのだろう。

「……朝だもの、溢すのも、掛けてもらうのもダメだわ」

シンジの腰の傍から、やはりブラウスの前から青い果実を惜しげもなく披露するレイが顔を起こした。
蹲っていたと見えて、その実どうやら一足先にシンジの股間で舌を遣っていたと見える。

「あなたが嫌なら私はかまわないわ。私が碇くんを満足させてあげるから」

レイがちろりと舐めた唇から、一瞬の橋となって粘液質の糸が引く。そのもう一端の繋がる手のひらの中の、大切そうに支え持った青い肉茎だった。
既に今朝も何度か使用した形跡が伺える、シンジのペニスであった。

―――― !!)

敢えて目を向けまいとしていた息子の性器を、ユイは直視してしまった。
『はぁっ』と鼓動が一際跳ね上がる。
口の中はカラカラに干上がって、もう目が離せなくなった。

(あれが……シンジの……)

お嬢様育ちのユイには、「おちんちん」と、頭の中で浮かべるだけで眩暈がするような気恥ずかしさを覚えるそれ。
長い眠りから覚めたユイが知っていた、4歳の頃のシンジとは見違えるほどの牡に育ちきったそれ。

(あ、ああ……あんなに大きくなって、硬そうで……)

廊下からドアの前に跪いて息子の部屋を盗み見る母親の美貌は、すっかりピンク色に上気してしまっていた。
吐息を立てるのにも怯えるように洩らす喘ぎは、少女たちに負けず劣らずに熱い。
ネルフきっての天才としてあれほど気品に溢れていた眼差しは、まるで息子の性器に魅入られてしまったかのように、蕩堕の潤みを帯びていた。


やがてユイが息を殺して見守る前で、マユミはレイと向かい合ってフェラチオ奉仕に没頭していった。

「んっ、ふん、ん……うん、ん……」
「んぁ、あむ、んっ、ン……」

ベストを胸の上まで捲り上げて、こぼれ出した日焼けしていない絹肌の乳房の谷間、鏡合わせの様に胸を差し出したレイとの四つの柔肉の合間にシンジを挟んで、ふにゅふにゅと揉み上げる。
マシュマロのような少女の優しいバストクッションで、彼女たちが惜しみない愛を捧げるシンジの欲望器官に、えもいえぬ快感マッサージを。

「んはぁっ! ハッ、はぁぁ……!」

無論、人一倍胸が弱いマユミだ。そうやって愛する少年の奮い立つ熱を直接乳房に感じることは、頭の芯まで焦がすような、甘い炎をまとった火箸を抱くにも等しい。
加えて、レイも当然の反応としてピンクの小さい乳首をせり出させている―― その痼った感触に、マユミの突起もくりゅくりゅと過敏な接触を繰り広げてしまっているのである。
淫らな悦びの声は抑えがたく、『あん、ああんっ』と悶えては、口をシンジから離してしまう。
その度に、竿の部分を受け持つレイがそっと頬に手を添え、元通りマユミの小さな唇が頬張るよう導くのだった。

「どぉ、シンジ? ファーストとマユミに、お口とオッパイでヌいてもらう気分は?」
「堪らないよ……。こんな―― っ、ことまでっ、んっ! してくれるなんて……!」
「ふふ。だから、言ったでしょう? シンジ」

マユミの抜けたシンジの右脇に滑り込んだアスカが、蕩けるような笑みを浮かべる。

「アンタの望むことはなんだってしてあげる。どんなことでもさせてあげるって」
「そうだよシンジ」

マナもアスカに続けて言った。
その顔は、微温湯に浸かるように発育期のバストをゆるゆる揉まれ続けた効果として、湯当たりしたかのような火照りで彩られている。
性器を繋げるような激しいセックスを交わしてはいなくとも、既に静かに極めていたソフトオーガズムは数度に及ぶ。

「私たち四人ともシンジのものなんだから」
「そっか……。僕のもの、なんだね?」
「ええ」

繰り返し事有る毎に「あなたのもの」と伝え、「僕のもの」と確認する。
そうやって儀式めいて繰り返して、言葉が真実になっていくのを願うようだった。

「ね、シンジ。シンジのお口でアタシの胸を可愛がって……」
「しゃぶって欲しいんだ? アスカの……美味しそうなオッパイ。ふふ、凄いね。学校の男子はみんながアスカの胸を見たいって思ってるのに、僕が独り占めしてるんだ」

にじり寄り、シンジの口元に乳房を寄せたアスカを見上げて、シンジは美味しそうだと言ったそのままに吸い付いた。

「あはぁぁ……っ!」

性感の高まりで感覚の鋭くなっていた乳暈全体を唇の中に捕らえられ、そして吸い上げに引っ張られた乳頭を舌先がくじる。
切なく少女の眉根をよじらせてしまう、快美感の奔流。
一層の愛撫をねだる女の媚び泣きで、アスカは細いおとがいを何度も仰け反らせた。

「そうよ―― ! アタシのオッパイだって……んっ、シンジのものっ、だもの。好きにしてくれて……良いの。食べちゃっても……っ、あっ、ああっ! 構わないんだからぁっ!!」

『ちゅぷん……!』とシンジが開放した乳首は鋭く吸われた真っ赤な色で、痛々しい程にツンと上向き勃ち切っていた。
こうまでされてしまえば、アスカの雪白の胸全体が興奮でセックスフラッシュに紅潮し、特に色づきを濃くした先端に至っては、そよ風を感じるだけでゾクゾクと背筋へ官能電流を走らせるほど。
ピンクの美しい乳輪丸ごとをヌラヌラに唾液で塗れさせたその後は、息もつかせずにまた反対側へ吸い付くシンジなのである。

「ひゃふっ! いぃいんン―― ! シンジぃぃ……!」

繰り返し舌先で乳首を弾かれて、あえなく普段の余裕を吹き飛ばされているアスカ。乱れに乱れたこの美しい少女が処女であったのも、そんな昔のことではないというのに。
容易く喘がせているシンジにしても、女性を初めて知ったのはアスカと同じ日にだ。
しかし、処女を捧げたアスカがシンジ一人だけのために開発されていったのに対し、四人の美少女の躰を拓いて行かなければならなかったシンジの学習と成長は、今や一端の色事師に通じる道へと至ったかのようであった。

「シンジ……シンジ……。だめだよ、私の方もしっかり可愛がってくれなくっちゃ」
「んむっ、ちゅ……んっ、分かってるよ、マナ」
「そうっ……! んっ、揉んで! もっと揉んで……! 私のオッパイ、シンジが育ててくれなきゃ……ぁッ、ン―― !」

シンジの胸の上に抱き寄せられたマナが、小ぶりのバストを背中抱きの両手でこね回され、悩乱する。
そして隆々とそそり立った股間に蹲り、その若さに猛る欲望器官に二人で胸と唇を捧げているマユミとレイ。
今やすっかりシンジの顔面を跨ぐような姿勢に。低く四つん這いで乳房を揺らし、吸いしゃぶられるまま、崩れ倒れかねない危うさで膝と肘を震わせてしまっているアスカ。

(本当に……大丈夫なのかしら……?)

いつしか同じ女の欲求に意識を溶かされていたユイの心配は、こんなことをしていても学校に行くつもりであるらしい少女たちの火の付き様へと変わっていた。

「……っ、くっ、ああ……」

とうにユイも胸だけでは治まらなくなっている。
片手をエプロンを大きく捲くった下に差し込んで、くちくちと湿った音がするようになった女の部分を宥めてやらねばならなくなっているのだ。
ドア越しにあてられただけの自分がこの始末なら、恋する男の体に触れ、猛烈に性感を煽られているアスカ達はどれほどだろう?
“とどめ”を―― 、そう、女の本能を満たすようないと高い頂まで行き着かなければ、到底鎮められぬ焔だろうに。
たった一人のシンジが、残りの短い時間で四人共を満たしてやれるというのか。 それも難しいかと思えれば、仮にそう出来たとして、そんな名残をまとわせたまま学校になど行ってしまえば、一体どうなることか。
……そもそも、今日までに彼女たちはこの爛れ切った日常にどう折り合いを付けていたのだろう?

そして、シンジが獣の唸りを上げて腰を打ち揺すった。
その同時に、股間に顔を埋めていたマユミが喉をコクコクと鳴らす。
シンジの吐き出す熱を受けて、例えようの無い幸福感に浸っている―― 陶酔の面持ち。

その薄っすらと瞼を閉じた表情が、輝いていると見えたのだ。

(あぁっ……シンジ! わたしの……わたしのシンジ!!)

ショーツの底をまさぐる指の動きが止められない。
息子たちの秘密を覗き見て、劣情を募らせてしまった一人の母親を脅かす、咽び泣かんばかりの背徳感。
己の浅ましさを自覚する惨めさ。
そして圧倒的な、欲望の高まり。
碇ユイがかつて覚えたことの無い、女の芯で求める、欲しがってしまう衝動。

何を馬鹿なと、自分を戦慄き責める。

(あ、あの子は息子で……。わたっ、わたしは……シンジに、息子に……。あ、あああ……!)

すっかりと見入ってしまっていた彼女には、はじめの心積もりもどこへやら、沸き起こった疑問と熾り火さながらに燻る熱を抱えたまま、その場から逃げ去るのがやっとのことであったのだ。


 

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Original text:引き気味
From:【妄想炸裂】思いつきネタスレ2nd【猥文投下】 & 【漢の】シンジハーレムを追い求めるスレ【理想】@2ch